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【発明の名称】 橋梁床版の撤去方法
【発明者】 【氏名】福島 修

【氏名】間嶋 勇介

【要約】 【課題】橋梁のコンクリート床版の撤去作業に使用する装置を小型化し、搬入・移動を容易にし、また、より小さな力で床版が撤去できるようにする。

【解決手段】橋梁のコンクリート床版1を複数のブロック21、22、23に切断分割し、梃子10を撤去ブロック21に間隔をあけて対称に設置し、梃子10の腕11と撤去ブロック21を鋼棒5で連結し、梃子10の腕11の端部をジャッキ6で持ち上げ、対向する梃子10の支持脚12を競り合わせることによって、撤去ブロック21と桁との結合を解除して撤去する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】橋梁のコンクリート床版を複数のブロックに切断し、梃子を撤去ブロックに間隔をおいて対称に配置し、梃子の腕と撤去ブロックを連結し、梃子の腕をジャッキで持ち上げて二つの梃子を競り合わせて撤去ブロックを持ち上げ、桁との結合を解除する橋梁床版の撤去方法。
【請求項2】請求項1において、梃子は、腕と腕の支持脚からなる橋梁床版の撤去方法。
【請求項3】請求項2において、撤去ブロックに貫通穴を設け、梃子の腕から延びる鋼棒と連結してある橋梁床版の撤去方法。
【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、対向する梃子の間にスペーサを設置して競り合わせる橋梁床版の撤去方法。
【請求項5】請求項1〜3のいずれかにおいて、対向する梃子の間にヒンジを有するスペーサを介在させた橋梁床版の撤去方法。
【請求項6】一端に支持脚を有する二つの梃子と両梃子の間に介在させるヒンジを有するスペーサからなる橋梁床版撤去装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、老朽化等により修繕が必要となったコンクリート製床版を撤去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】交通荷重により損傷したり、年月の経過により老朽化した橋梁のコンクリート床版を補修するため、既存の床版を解体撤去する必要がある。また、橋梁に対するトラック荷重の基準が引き上げられ、古い基準の床版を撤去して新基準に合わせて打ち替えする必要が生じてきた。従来、ブレーカ等で床版を破砕撤去していたが、破砕片が落下しないように防護工事が必要であり、効率が悪かった。また、カッターで床版をブロックに切断し、クレーン等で引き上げる方法の場合、床版と桁はジベルで強固に結合されており、この結合を解除する際、床版が急激に持ち上げられて機器に損傷を与えたり、周囲に危害を加えたりすることがあり、安全施工が難しかった。
【0003】そこで、床版を切断してブロックに分割し、ジャッキを利用してこのブロックを上方に持ち上げ、その力で床版と桁との結合を破壊解除する方法が特公平7−26369、及び、特公平7−26371に提案されている。前者の工法は、図6に示すように、コンクリート床版を切断してブロックに分割し、ブロックを跨ぐ梁を設置し、梁に設けたセンターホールジャッキでブロックを引き上げて、桁から引き剥がすものである。また後者の工法は、図7に示すように、梁を撤去ブロックを跨いで架け渡し、梁とブロックを鋼棒で連結し、両端に配置したジャッキで梁を持ち上げ、撤去ブロックを桁から引き剥がすものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ブロックは、幅2m程度に分割されており、したがって、これらにまたがる梁は2mを超える大きな装置となり、重量がかさみ、キャスターなどの移動補助具を設けても、運搬、設置に多大な労力を必要とし、現場における作業中の移動も簡単にはおこなえないものであった。また、桁とジベル等で連結されている床版を引き剥がすには大きな力を必要とし、これをジャッキの引き上げ力で得ようとすると能力の大きな装置を必要とした。現場作業は、簡易な装置で作業をおこなうことが望ましく、本発明は、床版の撤去作業を簡単な装置で、また、より小さな力でコンクリート床版を撤去できるようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、橋梁のコンクリート床版を撤去する場合において、床版を複数のブロックに切断分割し、梃子を撤去ブロックに間隔をあけて対称に設置し、梃子の腕と撤去ブロックを連結し、梃子の腕の端部を持ち上げ、対向する梃子を競り合わせることによって、撤去ブロックと桁との結合を解除して撤去するものである。
【0006】具体的には、梃子は腕の端部に支持脚を有し、梃子の支持脚を撤去ブロック上に間隔をあけて対称に設置し、梃子の腕と撤去ブロックを鋼棒などで連結し、梃子の腕の端部をジャッキで持ち上げて支持脚を傾斜させて梃子の端部を競り合わせ、梃子の作用で撤去ブロックと桁の結合を解除して撤去するものである。梃子の競り合わせをスムースにおこなうために梃子の角を面取りまたは曲面に形成してある。
【0007】撤去ブロックの幅が大きく、梃子の腕が隣のブロックに到達しない場合には梃子の間にスペーサを設置して競り合わせをおこなわせる。さらに、このスペーサにヒンジを設けることにより、梃子の競り合わせをスムースにおこなわせることができる。
【0008】梃子を間隔をあけて対向させており、一つの装置が小型化され、橋梁上という狭い領域への搬入が容易になると共に、現場における設置、移動が簡単におこなえるようになった。また、梃子を競り合わせて撤去ブロックを桁から剥離撤去するので、梃子の作用によりジャッキの力が増幅され、ジャッキの能力が従来のものより小さなものでよくなった。
【0009】
【発明の実施の形態】図1に示すように、コンクリート床版1をコンクリートカッターで幅2mのブロック21、22、23に切断し、このブロックに貫通穴をホールソー、または、ドリルであける。ブロックの切断と貫通穴の穿孔のどちらを先にするかは、現場の作業のやり易さを考慮して定める。
【0010】ついで、図3の平面図に示すように、桁から引き剥がす撤去ブロック21の中央部に梃子10の支持脚12を80mmの間隔をあけて対称に配置する。図示の例は、平行に2組設置してある。梃子10の腕11の端部は、隣接ブロック22、23に達するようにする。撤去ブロック21の幅が梃子10の腕11より大きくて隣のブロックに到達しない場合には、図4に示すように、支持脚12の設置間隔を大きくとり、対向する梃子10の間にスペーサ15を挿入するか、または、延長部材を継ぎ足す。スペーサ15は、延長部材16と、延長部材を回転可能に連結するヒンジ17からなっている。
【0011】梃子10の腕11の中央部には溝が設けてあり、鋼棒5を任意の位置に固定できる。また、途中に鋼棒5を取り付ける複数の穴を設けるようにしてもよい。撤去ブロック21に設けた貫通穴と位置が一致する部分にネジ付き鋼棒5(ゲビンデスタブ)を支持板とナットで固定し、梃子10の腕11と撤去ブロック21を連結する。梃子10の端部に設けたジャッキ6を同期させて作動させ、梃子10の腕11を上に持ち上げると、図2に示すように、支持脚12の下端を中心に支持脚12が回転し、両方の支持脚12が角部で接触し、競り合う状態となる。支持脚12の角部に競り合いの際に大きな荷重が作用するので、補強したり、または、回転しやすいように面取したり、曲面に形成する。
【0012】ジャッキ6をさらに伸長すると、支持脚12の角部が互いに押し合い、梃子10の腕11は支持脚12の接触部を支点に回転し、鋼棒5を引き上げる。鋼棒5に伝達された引き上げ力は撤去ブロック21を下面から持ち上げ、撤去ブロック21と桁のジベルなどの結合部材を破壊して撤去ブロック21を桁から引き剥がす。
【0013】撤去ブロック21が桁から剥離したところで、一時的に保持し、撤去ブロック21から梃子10を移動させ、撤去ブロック21をフォークリフトやクレーンで撤去する。この作業を繰り返し、コンクリート床版を全て撤去する。
【0014】
【発明の効果】二つの梃子を対向して配置し、両者を競り合わせ、その梃子作用で撤去ブロックを上方に上げるので、ブロック幅より大きな梁を必要とせず、狭い作業現場に適合した簡易な装置で床版を撤去することができる。また、梃子作用でブロックを持ち上げるので、従来に比較して小さな容量のジャッキで床版と桁との結合を破壊でき、油圧ポンプの能力が小さくてもよく、装置の小型化が達成できた。また、二つの分割した梃子を使用するので、狭い橋上でも移動や設置が容易であり、さらに、バックホーなどの機械を使用して容易に移動設置することができる。撤去したブロックは、フォークリフト等で集積場所まで簡易に運搬することができるので、クレーン作業に比較してサイクル時間を短縮することが可能である。
【出願人】 【識別番号】594018876
【氏名又は名称】ナガタ工業株式会社
【出願日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【代理人】 【識別番号】100108327
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 良和
【公開番号】 特開2001−226914(P2001−226914A)
【公開日】 平成13年8月24日(2001.8.24)
【出願番号】 特願2000−40823(P2000−40823)