| 【発明の名称】 |
橋梁用弾性支承装置およびその据え付け方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】合田 裕一
【氏名】今井 隆
【氏名】配野 英朗
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| 【要約】 |
【課題】鉛直荷重支持、伸縮、回転変形の吸収機能と、水平力伝達、水平力支持機能を分離し、かつ構造がシンプルで、設計の自由度が大きい経済的な橋梁用弾性支承装置の提供。
【解決手段】弾性支承装置における弾性支承体5の橋軸直角方向の両側に、弾性支承体5とは独立して別個にストッパ部材11が下部構造物7に埋め込み固定され、ストッパ部材11と、上部構造物15に固定された鋼製ソールプレート16の上面とに渡って鋼製押え部材19が配置されると共に、鋼製押え部材19が前記ストッパ部材11に固定され、鋼製ソールプレート16における側方開口凹部28にストッパ部材11の上端部が嵌設され、側方開口凹部28おける橋軸直角方向の側面に、前記ストッパ部材11の上端部が近接して配置される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】上部構造物と下部構造物との間に配置される弾性支承装置において、前記弾性支承装置における弾性支承体の橋軸直角方向の両側に、前記弾性支承体とは独立して別個にストッパ部材が下部構造物に埋め込み固定され、前記ストッパ部材と、前記上部構造物に固定された鋼製ソールプレートの上面とに渡って鋼製押え部材が配置されると共に、前記鋼製押え部材が前記ストッパ部材に固定され、前記鋼製ソールプレートにおける側方開口凹部に前記ストッパ部材の上端部が嵌設され、前記側方開口凹部おける橋軸直角方向の側面に、前記ストッパ部材の上端部が近接して配置されていることを特徴とする橋梁用弾性支承装置。 【請求項2】下部構造物に埋め込み固定されるストッパ部材が鋼製角柱状部材であり、前記鋼製ソールプレートにおける側方開口凹部の橋軸直角方向の側面に、前記ストッパ部材の上端部側面が近接して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の橋梁用弾性支承装置。 【請求項3】下部構造物に埋め込み固定されるストッパ部材が鋼製角柱状の上部ストッパ部材とこれに固定された一つまたは複数の下部アンカー部材とからなることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の橋梁用弾性支承装置。 【請求項4】下部構造物に配置される弾性支承体の設置位置における橋軸直角方向の両側に、間隔を置いてストッパ部材が予め下部構造物に埋め込み固定され、橋軸直角方向の両側に側方開口凹部を備えた鋼製ソールプレートが主桁からなる上部構造物の下部に予め固定されていると共に、前記鋼製ソールプレートの下部に弾性支承体を固定し、弾性支承体付き上部構造物における前記弾性支承体を前記ストッパ部材間の下部構造物の上面に載置し、かつ前記鋼製ソールプレートにおける側方開口凹部を前記ストッパ部材の上端部に嵌設し、前記側方開口凹部おける橋軸直角方向の側面を、前記ストッパ部材の上端部に近接して配置し、次いで前記鋼製ソールプレートと前記ストッパ部材の上面とに渡って鋼製押え部材を配置すると共に、前記鋼製押え部材を前記ストッパ部材に固定することを特徴とする橋梁用弾性支承装置の据え付け方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ベースプレートを必要としない機能分離型の橋梁用弾性支承装置およびその施工方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、図14に示すような鋼製支承装置50が知られている。この鋼製支承装置は、橋桁(主桁)15aに埋設されたアンカーロッド51により固定された上沓(上部支持部材)52、橋脚又は橋台等の下部構造物7に埋設されたアンカーボルト53とナット54により固定された下沓55及び上沓52と下沓55との間に介装された金属製の支圧部材56から成り、橋桁15aの橋軸方向の伸縮並びに傾動(回動)を許容することができるものとして知られている。 【0003】また、上沓52の両側のフランジ部57には凹部58が設けられ、そこには下沓55の両側の対応個所に設けられたサイドブロック59が係合させてある。この構成によれば、橋桁(主桁)15aの橋軸直角方向の変動が阻止され、また、橋桁15aの橋軸方向の伸縮変位量が制限される。更に、下沓55のサイドブロック59に内向きに着脱自在に設けた上揚力抵抗部材60は、地震が発生して橋桁10が浮き上がろうとした時に上沓52のフランジ部57に上から当接し、橋桁15aの浮き上がりを阻止するものである。 【0004】前記鋼製支承の構造の場合は、鋼製支承装置に、(A)橋の鉛直荷重支持機能と、(B)橋の伸縮移動量・桁の回転吸収機能と、(C)さらに温度変化時、地震時の水平力および上揚力の支持機能または伝達機能とを、一つの支承装置の構造にすべての機能(要素)を組み込んで、上部構造物を支承する構造であった。しかし、示方書および通達等により、一つの鋼製支承構造に地震時(特に大地震時・・保有耐力時という)の安全機能を持たせることは、一般に余裕のある構造となりにくく、例えば鋼製支承装置におけるサイドブロック59は、上部構造物(橋桁15a)と下部構造物7との相対的な移動により、衝撃やせん断破壊による損傷を受けやすいために、震度法レベルの水平力(kh・Rd程度すなわち設計水平震度にその部分の支承装置が支承する上部構造物の死荷重反力を乗じた値程度)程度に対してのみ有効なサイドブロックとすることを指示されている。 【0005】したがって、従来の鋼製支承装置の構造では、鋼製支承装置を固定時(2kh・Rd「設計水平震度に1径間における橋軸方向両側の支承装置が負担する死荷重反力を乗じた値」またはΣRd・kh「多径間の場合で、設計水平震度に橋軸方向の複数の支承装置が負担する死荷重反力を乗じた値の合計」)の水平力や地震時の移動制限装置としての水平力(3kh・Rd)を一つの鋼製支承装置によって受け持たせた場合示方書および通達に反するため、鋼製支承装置の構造は特別な協議または合意がなければ使用できなくなってきている。そのため図15に示すようなゴムのような弾性支承体を使用した弾性支承装置が、支承装置として採用されやすくなってきているが、鋼製支承装置と同様にベースプレート40にサイドブロック59および弾性支承体41を設ける支承一体型では、一般的に震度法レベルの水平力まで耐え、それ以上の水平力が作用した場合には、ボルトまたはサイドブロック自身が破壊する構造形式(一般にノックオフ構造)が採用されている。しかしこの構造には、次の問題があり、示方書の趣旨および構造性・施工性さらに経済性の面で問題がある。 【0006】すなわち A.固定・可動支承装置とも地震時の変位制限(ΣRd・kh)または移動制限装置(3kh・Rd)としての耐力がない。示方書および通達では、支承装置における橋軸直角方向に配置されるサイドブロック59が受け持って良い水平力はkh・Rdまでである。 B.水平力はサイドブロック59を伝わってベースプレート40、アンカーボルト53等のアンカー部材へと伝達されるため、水平力により発生するモーメントによりベースプレート40の厚さが決まるため、ベースプレート40の重量が増し不経済である。前記ベースプレート40の平面寸法がゴム支承に加算されるため、非常に大きくなる。 C.変位制限または移動制限装置としての耐力がないために固定・可動支承の機能を満足しない。 D.支承装置(構造)が大きく特にゴム支承のカテゴリーにもかかわらず、鋼製部材の占める割合が大きく、ゴム支承のわりに比較的重い。 【0007】近年、道路橋示方書の(平成8年12月)の改定にともない、従来鋼桁に使用しているゴム支承もやはり従来の鋼製支承に似た一体型構造のゴム支承が多く用いられている。しかしこのような支承構造は、道路橋示方書や通達の規定を満足しているが、さらに十分に満足させる余地が残されている。例えば、鋼製支承に比べて一般に弾性支承装置は、大きくなりこれに支承装置に付属する付属品を付けると鋼製支承装置に比べて比較的軽量であるものの重量増になる。 【0008】また、従来、図15に示すように、地震力が作用した場合における上部鋼製沓の上揚力に対向する手段として、ベースプレート40の上面に設けられる弾性支承体の橋軸直角方向おけるの両側に、橋軸方向に延長すると共に、上向きに突設する一対のサイドブロック59を前記ベースプレート40の上面に一体に設けた構造のものが知られている。しかしこのような構造の場合は、サイドブロック59の下部をベースプレート40の上面に溶接等により取り付ける構造であるので、一般に余裕のある構造となりにくく、大地震時の水平力に対向する抵抗力と異なり、震度法レベルの比較的低い水平力(Kh・Rd)に対して有効なサイドブロックとすることを指示されている。 【0009】前記の問題点を解決する方法として、図16および図17に示すように、ゴム支承装置42をPC桁または鋼製桁43で使用するような構造が考えられるが、PC桁または鋼製桁43相互を連結するために横桁(現場打ちコンクリートによる)44を打設する必要があると共に、下部構造物7に埋め込み固定される棒状アンカー部材45および上部構造物15に埋め込み固定されるアンカーキャップ46を設ける必要があり、施工が大がかりとなり、この方法の場合には、横桁44の強度や施工が確立されていない。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、支承装置における、上部構造物の鉛直荷重支持機能、上部構造物の伸縮、上部構造物のたわみによる回転変形の吸収機能と、水平力の伝達および水平力または上揚力に抵抗する支持機能(止める機能)を分離することにより、それぞれの性能がハッキリしかつシンプルで経済的となる前記各従来の問題点を解決した橋梁用弾性支承装置およびその据え付け方法を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】前記の問題を有利に解決するため本発明の請求項1の橋梁用弾性支承装置においては、上部構造物と下部構造物との間に配置される弾性支承装置において、前記弾性支承装置における弾性支承体の橋軸直角方向の両側に、前記弾性支承体とは独立して別個にストッパ部材が下部構造物に埋め込み固定され、前記ストッパ部材と、前記上部構造物に固定された鋼製ソールプレートの上面とに渡って鋼製押え部材が配置されると共に、前記鋼製押え部材が前記ストッパ部材に固定され、前記鋼製ソールプレートにおける側方開口凹部に前記ストッパ部材の上端部が嵌設され、前記側方開口凹部おける橋軸直角方向の側面に、前記ストッパ部材の上端部が近接して配置されていることを特徴とする。 【0012】また請求項2の発明においては、請求項1に記載の橋梁用弾性支承装置において、下部構造物に埋め込み固定されるストッパ部材が鋼製角柱状部材であり、前記鋼製ソールプレートにおける側方開口凹部の橋軸直角方向の側面に、前記ストッパ部材の上端部側面が近接して配置されていることを特徴とする。 【0013】また請求項3の発明においては、請求項1または2いずれかに記載の橋梁用弾性支承装置において、下部構造物に埋め込み固定されるストッパ部材が鋼製角柱状の上部ストッパ部材とこれに固定された一つまたは複数の下部アンカー部材とからなることを特徴とする。 【0014】また請求項4の橋梁用弾性支承装置の据え付け方法においては、下部構造物に配置される弾性支承体の設置位置における橋軸直角方向の両側に、間隔を置いてストッパ部材が予め下部構造物に埋め込み固定され、橋軸直角方向の両側に側方開口凹部を備えた鋼製ソールプレートが主桁からなる上部構造物の下部に予め固定されていると共に、前記鋼製ソールプレートの下部に弾性支承体を固定し、弾性支承体付き上部構造物における前記弾性支承体を前記ストッパ部材間の下部構造物の上面に載置し、かつ前記鋼製ソールプレートにおける側方開口凹部を前記ストッパ部材の上端部に嵌設し、前記側方開口凹部おける橋軸直角方向の側面を、前記ストッパ部材の上端部に近接して配置し、次いで前記鋼製ソールプレートと前記ストッパ部材の上面とに渡って鋼製押え部材を配置すると共に、前記鋼製押え部材を前記ストッパ部材に固定することを特徴とする。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について、図を参照して説明する。図8は、この発明の弾性支承装置に使用される弾性支承体5を示すものであって、ゴムのような弾性層1内に間隔を置いて複数の耐圧補強鋼板2が埋設され、前記弾性層1の上面および下面に一体成形等により鋼板からなる上部鋼製部材3および下部鋼製部材4が一体に設けられている。 【0016】前記下部鋼製部材4の下面には、2点鎖線で示すように、必要に応じ中央部に透孔又は雌ねじ孔等からなるアンカー部材嵌合孔6が設けられ、そのアンカー部材嵌合孔6に鉄筋コンクリート製下部構造物7に下部を埋め込み固定されるアンカー部材8の上端部が嵌合または螺合されて溶接により固定されている。なお、前記2点鎖線で示すアンカー部材8は、固定端側等において使用する場合等においては必要としないので、省略してよく、水平力分散型支承として使用する場合や、支承の反力が小さく弾性支承体5が滑り移動する場合のみ設けるようにすればよい。 【0017】前記上部鋼製部材3の上面には、中央部に透孔又は雌ねじ孔等からなる係止用凹部9が設けられ、その係止用凹部9に、横断面矩形あるいは円形の係止部材10の下部が嵌合または螺合されて溶接等により固定され、かつ前記上部鋼製部材3の上面には、間隔をおいて、複数のボルト螺合用雌ねじ孔10が設けられている。 【0018】前記弾性支承体5が据え付けられる鉄筋コンクリート製下部構造物7には、図3に示すように、前記下部構造物7におけるストッパ部材挿入位置にストッパ部材挿入孔23が設けられ、予め鋼製角棒からなり、適宜外周面の凹凸(図示を省略した)などによりアンカー機能を備えた鋼製ストッパ部材11の中間部および下部が無収縮モルタル24等により埋め込み固定され、かつ前記ストッパ部材11の設置位置間の中央部には、弾性支承体5における下部アンカー部材8を挿入するための、係止用凹部13が設けられている。また前記下部構造物7の上部に設けられた前記無収縮モルタル14の硬化した上面が、弾性支承体5が載置される平坦な支承面(着座面)14が形成され、前記支承面(着座面)14よりも高レベルまで前記ストッパ部材11は埋め込み固定されている。 【0019】前記弾性体5をH型鋼等からなる鋼製主桁15の下面に取り付ける場合について、図3を参照しながら説明する。前記鋼製主桁15の下面には、平面H状の鋼板からなる鋼製ソールプレート16の上面が当接されて溶接により固定され、前記弾性支承体5における上部鋼製部材3の上面が前記鋼製ソールプレート16の下面に当接され、また2点鎖線で示すように、前記上部鋼製部材3における上部係止部材17が必要に応じて前記鋼製ソールプレート16の中央部透孔16aに嵌設されて、前記上部鋼製部材3と鋼製ソールプレート16とは横方向移動不能に一体に係合される。なお、前記2点鎖線で示す上部係止部材17は、通常は必要としないので、省略して良く、弾性支承装置を水平力分散型弾性支承装置として使用する場合や、支承する反力が小さく弾性支承体5が滑り移動する場合のみ設けるようにすればよい。 【0020】また、前記上部鋼製部材3は鋼製ソールプレート16に当接された状態で、H型鋼からなる鋼製上部主桁15における下部フランジ18の透孔25および鋼製ソールプレート18における透孔26に挿通されると共に、前記上部鋼製部材3の雌ねじ孔10に螺合されたセットボルト等のボルト27により、前記弾性支承体5が前記鋼製主桁15に取り付けられ、この状態で、吊り下げ搬送用トロリまたはクレーン(図示を省略した)等により主桁15が吊り下げ搬送される。前記のように下部構造物7の上部に平坦な支承面(着座面)14およびストッパ部材11が埋め込み固定された状態で、前記鋼製主桁15の下面に固定された弾性支承体5を前記支承面(着座面)14に載置すると共に、下部構造物7の上面の係止用凹部13に弾性支承体5におけるストッパ部材8を嵌設係止させる。 【0021】次いで図1および図2に示すように、ほぼ同レベルに設定された前記ストッパ部材11の上面および鋼製ソールプレート16の上面に渡って鋼製押え板19を載置し、前記鋼製押え板19の各透孔20に挿通すると共に、前記ストッパ部材11における雌ねじ孔21に螺合された複数のボルト22により前記鋼製押え板19を固定し、前記ストッパ部材11に固定された鋼製押え板19により、前記上部構造物7に上揚力が作用した場合の支承作用を発揮させることができる。なおこの固定側弾性支承装置の場合または後記の図5に示す可動側弾性支承装置の場合、橋軸方向および橋軸直角方向における前記ストッパ部材11と鋼製ソールプレート18における側方開口凹部28との間の間隙を埋めるように(固定側弾性支承装置の場合)、または間隔を置いた対向面に(可動側弾性支承装置の場合)、ゴムまたは合成樹脂等の板状またはコ字状の緩衝材61を前記ストッパ部材11外側面と鋼製ソールプレート18における側方開口凹部28の内側面との何れか一方の側に取り付けて介在させるようにすると、前記ストッパ部材11と鋼製ソールプレート18とを介した上部構造物15と下部構造物7間の水平力の伝達を緩衝しながら伝達させることができる。 【0022】また前記ストッパ部材11の上部内側面11aが鋼製ソールプレート16の側方開口凹部28における橋軸直角方向の内側面28aに近接して対抗するように配置されていることにより、上部構造物15が橋軸直角方向に横移動するのを防止することができる。また、前記ストッパ部材11の橋軸方向の外側面が、前記鋼製ソールプレート18の側方開口凹部28における橋軸方向の内側面に近接して対向するように配置されている場合には、弾性支承体5を固定式の弾性支承装置として使用することができる。 【0023】また図5に示すように、前記ストッパ部材11の橋軸方向の外側面11bが、前記鋼製ソールプレート16の側方開口凹部28における橋軸方向の内側面に間隔(間隙)Dをおいて設けられる場合には、上部構造物15の温度変化等による伸縮(移動量)を許容する可動側の弾性支承装置として使用することができる。したがって、前記鋼製ソールプレート16における側方開口凹部28の橋軸方向の寸法を、ストッパ部材11とほぼ同じ寸法の鋼製ソールプレート16を使用するか、あるいはストッパ部材11の橋軸方向の両側に間隙Dを設けるような寸法の鋼製ソールプレート16を使用するかによって、固定用あるいは可動用の弾性支承装置として適用させることができる。また、前記ストッパ部材11の横断面寸法および鋼製ソールプレート16の板厚および側方開口凹部28の橋軸直角方向の張出量を適宜設定することにより、上部構造物15に対応した変位制限装置(ΣRd・kh)または移動制限(3kh・Rd)としての耐力を保有させることができ、設計の自由度を高めることができる。 【0024】次に図9ないし図11を参照しながらこの発明の第2実施形態にかかる弾性支承装置について説明する。この実施形態においては、ストッパ部材11の構成が相違しているが、その他の構成については、前記第1実施形態の場合と同様であるので、このストッパ部材11の構成について説明し、その他の同じ部分については、前記第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。 【0025】この前記第2実施形態の場合のストッパ部材11は、短尺の鋼製直方体または立方体により上部ストッパ部材11cが構成され、その上部ストッパ部材11cの下部に一つまたは複数の雌ねじ孔29(図示の場合は一つ)が設けられ、前記雌ねじ孔29に鋼製異径鋼棒または鋼製丸棒等からなる下部アンカー部材11dの上部雄ねじ軸部30が螺合固定されると共に、必要に応じて溶接31されてストッパ部材11が構成されているが、その他の構成については、前記第1実施形態の場合と同様である。 【0026】この実施形態の場合は、市販の異径鋼棒または鋼製丸棒等を使用することができるので、ストッパ部材11を比較的軽量にすることができ、ストッパ部材11の鋼製ソールプレート16との嵌合部分は、前記第1実施形態と同様に橋軸方向および橋軸直角方向に平坦な比較的大きな支承面で確実に支承伝達できる角棒状の方向性をもった状態になっており、コンクリート製下部構造物7との付着力が必要な場合には、異径鋼棒等を使用することにより、付着力を比較的大きくとることのできる構成となっている。 【0027】前記第2実施形態の場合、前記上部ストッパ部材11cの下部に必要に応じ複数の雌ねじ孔29を設け、前記雌ねじ孔29に螺合する複数の下部アンカー部材11dを設けることにより、コンクリート製下部構造物7との付着力を高めて、上部構造物に対する上揚力あるいは水平方向の支承力を高めることができる。 【0028】本発明を実施する場合、図13に示すように上部構造物15が、上部にアンカーボルト32を予め固定した鋼製ソールプレート16を固定したコンクリート製T桁等の場合には、弾性支承体5における上部支持部材3の端部を張出してその部分に透孔33を設け、前記透孔33に挿通すると共に、前記構成ソールプレート16に設けた雌ねじ孔34に螺合することにより、弾性支承体5を上部構造物15に固定するようにしてもよい。 【0029】前記各実施形態を実施する場合、前記ストッパ部材11における下部構造物に埋め込まれる部分全体に付着力(上揚力に対する抵抗)を高めるために、表面全体あるいは部分的に凹部又は凸部あるいはこれらの組み合わせた凹凸部を一体に設けるようにしてもよい。 【0030】また、前記弾性支承体5におけるアンカー部材8および上部係止部材17の一方または両方を、弾性支承装置を固定式に使用する場合等に、弾性支承体に水平力を考慮する必要のない場合には省略してもよい。これらの部材を省略する場合は、上部支持部材3と下部支持部材4のアンカー部材嵌合孔6および係止用凹部9を設けないで平坦面にしておけばよい。 【0031】 【発明の効果】本発明の弾性支承装置によれば、次のような効果がえられる。 A.上部構造物の鉛直荷重支持,上部構造物の伸縮,上部構造物のたわみによる回転変形の吸収機能と、水平力伝達,水平力または上揚力に抵抗する支持機能(止める機能)とを分離することでそれぞれの性能がはっきりし、設計を単純化させることができ、かつ構造がシンプルで施工性がよく、施工コストが安く経済的となり、しかも設計の自由度が高まる。 B.また、ストッパ部材を直接下部構造物に埋め込み固定しているので、ストッパ部材を強固に下部構造物に固定することができ、ストッパ部材から下部構造物に水平力および上揚力を確実に伝達することができる。したがって、従来のようにベースプレートを介して下部構造物に固定される場合に比べて、ベースプレートを必要とすることなく、しかもその耐力に依存しないで、ストッパ部材の横断面寸法および付着力を適宜経済的に設定することができる。 C.道路橋仕方書で規定するタイプA、およびタイプBの支承構造のいずれにも対応することができる。 D.請求項2の発明にの場合には、下部構造物に埋め込み固定されるストッパ部材が鋼製角柱状部材であり、前記鋼製ソールプレートにおける側方開口凹部の橋軸直角方向の側面に、前記ストッパ部材の上端部側面が近接して配置されているので、橋軸直角方向の大きな水平力が作用しても、これを角柱状部材の比較的大きな側面の平坦面を介して支承して下部構造物に伝達させることができる。 E.請求項3の発明の場合には、ストッパ部材を鋼製角柱状の上部ストッパ部材とこれに固定された一つまたは複数の下部アンカー部材とから構成することにより、付着力が必要な下部アンカー側と横方向の支承部および上部の取付部を備えた上部アンカー部材を経済的に形成することができる。 【0032】また、本発明の弾性支承装置の据え付け方法によれば、次のような効果がえられる。 F.ストッパ部材を予め下部構造物に埋め込み固定した後に、上部構造物の下部に予め固定されている弾性支承体を前記ストッパ部材間の下部構造物の上面に載置し、鋼製ソールプレートにおける側方開口凹部を前記ストッパ部材の上端部に嵌設することにより、簡単に弾性支承体を下部構造物に配置することができ、その後鋼製ソールプレートと前記ストッパ部材の上面とに渡って鋼製押え部材を配置してこれを前記ストッパ部材に固定するという簡単な取付作業により橋梁用弾性支承装置を据え付けることができるので、弾性支承装置の据え付け作業を単純化させて施工を容易に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591065181 【氏名又は名称】株式会社カイモン
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| 【出願日】 |
平成12年2月17日(2000.2.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087044 【弁理士】 【氏名又は名称】瀬戸 昭夫 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−226910(P2001−226910A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月24日(2001.8.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−39149(P2000−39149) |
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