| 【発明の名称】 |
散布式表面処理作業車 |
| 【発明者】 |
【氏名】召田 紀雄
【氏名】斉藤 誠
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| 【要約】 |
【課題】散布式表面処理工法に必要とされる種々の機材や使用材料を搭載しながらコンパクトで安定性があり、かつ、種々の使用材料をそれぞれの使用量に応じてバランス良く搭載することのできる散布式表面処理作業車、並びに、その散布式表面処理作業車を用いる散布式表面処理工法を提供することを課題とする。
【解決手段】結合材散布装置と骨材散布装置とを、車両前方に近い方からこの順に、車両後輪よりも後方に備えると共に、車両前方に骨材ホッパーを備え、この車両前方に位置する骨材ホッパーと車両後輪よりも後方に位置する骨材散布装置とを結ぶ骨材搬送装置を車両幅方向のほぼ中央部に備えてなる散布式表面処理作業車であって、車両幅方向のほぼ中央部に位置する骨材搬送装置に対して、車両の進行方向に向かって左右どちらか一方の側に結合材タンクを配置すると共に、他方の側にエンジンを配置してなる散布式表面処理作業車を提供することによって上記課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 結合材散布装置と骨材散布装置とを、車両前方に近い方からこの順に、車両後輪よりも後方に備えると共に、車両前方に骨材ホッパーを備え、この車両前方に位置する骨材ホッパーと車両後輪よりも後方に位置する骨材散布装置とを結ぶ骨材搬送装置を車両幅方向のほぼ中央部に備えてなる散布式表面処理作業車であって、車両幅方向のほぼ中央部に位置する骨材搬送装置に対して、車両の進行方向に向かって左右どちらか一方の側に結合材タンクを配置すると共に、他方の側にエンジンを配置してなる散布式表面処理作業車。 【請求項2】 結合材散布装置の近傍に補助材散布装置を備えてなる請求項1記載の散布式表面処理作業車。 【請求項3】 結合材と補助材とが空中で衝突するような位置関係に結合材散布装置と補助材散布装置とが備えられている請求項2記載の散布式表面処理作業車。 【請求項4】 結合材散布装置よりも車両前方に、水及び/又はプライマーの散布装置を備えてなる請求項1、2又は3記載の散布式表面処理作業車。 【請求項5】 骨材搬送装置に対してエンジンが配置されている側に、作動油タンク、発電機、コンプレッサー、バッテリー、水タンク、プライマータンク、及び、洗浄油タンクから選ばれる1又は2以上の機材が配置されている請求項1乃至4のいずれかに記載の散布式表面処理作業車。 【請求項6】 骨材搬送装置の上部に、熱油タンク、補助材タンク、燃料タンク、ガスボンベ、結合材用ポンプ、補助材用ポンプ、水・プライマー用ポンプ、及び、熱油循環用ポンプから選ばれる1又は2以上の機材が配置されている請求項1乃至5のいずれかに記載の散布式表面処理作業車。 【請求項7】 骨材搬送装置を挟んで車両進行方向に向かって左側及び/又は右側であって、骨材散布装置の上部に運転席を配置してなる請求項1乃至6のいずれかに記載の散布式表面処理作業車。 【請求項8】 結合材散布装置と骨材散布装置とを、それぞれ、1又は2以上、車両後輪よりも後方に備えてなる請求項1乃至7のいずれかに記載の散布式表面処理作業車。 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載の散布式表面処理作業車を用いて、散布式表面処理作業車を進行させながら、路面上に少なくとも結合材と骨材とをこの順に少なくとも1回ずつ散布する散布式表面処理工法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、散布式表面処理作業車とそれを用いる散布式表面処理工法に関し、特に、結合材の散布と骨材の散布とを一台の作業車によって前進形態で一貫して行うことによって、均一で耐久性に優れた散布式表面処理層を構築することを可能にする、コンパクトな散布式表面処理作業車をそれを用いる散布式表面処理工法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】道路舗装は、交通に供されるにつれて、次第に老化し、劣化が進み、路面が摩耗して凹凸を生じたり、舗装表面にひび割れ等が発生したりすることがある。このような老化ないしは劣化した道路舗装は、凹凸やひび割れ等の損傷が軽度のうちに補修を行えば、比較的簡便な方法でかつ安価に補修を行うことが可能であるが、従来、損傷の程度が軽い舗装の補修を行う簡便な方法として散布式表面処理工法が提案されている。 【0003】散布式表面処理工法は、アスファルト等の瀝青材を老化ないしは劣化した路面に膜状に散布し、続いてその上に骨材を単層に散布して、瀝青材によって骨材を路面に結合し、路面上に瀝青材と単層の骨材とからなる層を構築するという簡便な工法である。即ち、散布式表面処理工法においては、アスファルト混合物を舗設するのではなく、単に瀝青材と骨材とが散布され、散布された骨材が、結合材として作用する瀝青材によって路面に結合し、表面処理層を構築するものである。構築される表面処理層が単層の場合をシールコートと呼び、2層以上の複層の場合をアーマーコートと呼んでいる。 【0004】また、上記の散布式表面処理工法は、既存舗装体の補修だけでなく、上部に舗装用混合物を舗設する前の下地層を構築する場合にも使用される。この場合には散布式表面処理工法によって構築される下地層は、サミー層(SAMI=Stress−Absorbing Membrane Interlayer)、或いは、褥層と呼ばれる応力緩和層として、又は、リフレクションクラック防止層や不透水層として機能する。更には、散布式表面処理工法は、結合材と骨材とからなる表面処理層を複層に4〜5cmの厚さに構築して、簡易舗装の表層とする場合や、砕石等で構築された路盤において、路盤に使用された砕石が飛散するのを防止するために路盤上部に保護層として表面処理層を構築する際に使用されたり、或いは、砂利道等において車両の走行に伴う塵の発生を防ぐための防塵層として表面処理層を構築する場合にも使用されることがある。 【0005】このように散布式表面処理工法は多方面に応用することができる便利な工法であるが、従来、この散布式表面処理工法は、例えば、典型的には図14に示すような工法で行われていた。即ち、図14において、表面処理を施すべき路面101上を、まず、ロードスイーパー102が矢印方向に進行して清掃した後、アスファルトディストリビューター103が進み、路面101上に、結合材としてのアスファルトを散布する。続いて、骨材を搭載したトラック104が荷台を傾斜させ、後部から骨材をアスファルト層上に散布しながら、矢印方向に、即ち車両としては後進で進行する。これは、既に散布されているアスファルト層の上をトラック104のタイヤが踏まないようにするためである。アスファルト層の上をトラック104のタイヤが通過すると、その部分のアスファルト層がトラックのタイヤに付着して薄くなり、骨材と路面との結合力が弱まるばかりでなく、トラック104のタイヤに付着したアスファルトが、トラックがそのまま他の道路上を走行した際に、路面にアスファルトの跡を付けるなどの問題を生じるからである。続いて、散布された骨材上をローラー105で転圧し、更には、ロードスイーパー102が再度通過して、余剰の骨材などを処理層面から取り去って、作業は終了する。 【0006】従来は、このように、結合材としてのアスファルトの散布と骨材の散布とを別々の車両を用いて、別個の工程として行っていたので、互いの連携を取ることが難しく、結合材を散布したあと直ちに骨材を散布することができない等、作業効率が悪いという問題があった。また、骨材を搭載したトラック104が後進状態で進まなければならない為、ややもすればトラック104が蛇行し、散布された結合材上にきちんと骨材を散布できなかったり、更には、骨材が、トラック104の比較的高い位置から散布されるので、落下した骨材が路面で跳ね、ないしは転がって、予定した散布幅員外に飛散してしまうという問題があった。しかも、こうした作業効率の悪さが原因で、構築した散布式表面処理層は一般的に耐久性に欠け、交通開放後、比較的短時間で骨材が飛散し、対向車のフロントガラス等に飛び散って交通を妨害したり、沿道人家に飛び散るなどの問題を生じることが多かった。しかも、骨材が飛散した跡のアスファルト層は、車両スリップの原因となったり、夏季にはフラッシュ現象の原因になったりして、決して好ましいものではなかった。これらの欠点があるために、散布式表面処理工法は、簡便で比較的安価であるという利点を有しながら、その一方で信頼性に欠け、補修工法としては、これまでそれほど多用されてはいなかった。特に、耐久性に劣るという散布式表面処理工法の上述の欠点は、散布した骨材を単に結合材で路面に結合するという散布式表面処理工法そのものの持つ構造的な欠陥と見なされ、その原因の究明が為されることもなく、放置されていたのが現状である。 【0007】以上のような問題を解決すべく、自走する単一の作業車に骨材散布装置、結合材散布装置の両装置を搭載した散布式表面処理作業車が、同じ出願人によって、特開平11−350413号公報、特開平11−350414号公報、特開平11−350415号公報、特開2000−45217号公報、特開2000−45218号公報などにおいて提案されている。しかしながら、これらの作業車は、自走する単一の作業車に骨材散布装置、結合材散布装置の両装置をはじめ、結合材タンクや、その他、散布式表面処理工法に必要とされる様々な機材や使用材料を搭載するものであるため、必然的に車両長さが長くなり、小回りが効かなくなると共に、車高が高くなって安定性に欠けると同時に、運転席からの見下ろし角度が高くなりすぎて、作業車の進行中に沿道民家の軒先や張り出した樹木等に運転者が接触する危険性がある。 【0008】特に、結合材散布装置と骨材散布装置とを、車両前方に近い方からこの順に、車両後輪よりも後方に備えるタイプの散布式表面処理作業車にあっては、散布式表面処理作業車自身のタイヤが散布された骨材の散布面上を踏まないので、極めて優れた散布式表面処理層が構築できるという利点があるが、その利点を生かすためには他の車両のタイヤも骨材の散布面上を走行させない必要があり、骨材の供給車も散布式表面処理作業車の後方ではなく、前方に位置させるのが好ましいこととなる。その結果、骨材の供給は散布式表面処理作業車の前方から受けることとなり、車両前方から供給された骨材を一旦車両前部にある骨材ホッパーに受け、その骨材ホッパーから車両後方に位置する骨材散布装置まで骨材を搬送する手段を散布式表面処理作業車内に設けることが必要となる。ところが、散布式表面処理作業車内に、作業車を前から後ろまで縦断する骨材搬送装置を設置すると、他の必要な機材や使用材料の配置に自由度が失われ、コンパクトな配置が極めて困難になるという不都合があった。そのため、結合材散布装置と骨材散布装置とを車両前方に近い方からこの順に車両後輪よりも後方に備えるタイプの散布式表面処理作業車にあっては、作業車の長さがどうしても長くなってしまう上に、車高が高くなりすぎたり、散布式表面処理工法に使用する種々の材料を量的なバランス良く作業車に搭載することが難しく、補給時期が材料毎に異なって、効率の良い作業を行うことができないという欠点があった。 【0009】 【発明の解決しようとする課題】本発明は、上記従来の散布式表面処理作業車の持つ欠点を解消し、散布式表面処理工法が本来有している利点を十分に生かすために為されたものであって、散布式表面処理工法に必要とされる種々の機材や使用材料を搭載しながらコンパクトで安定性があり、かつ、種々の使用材料をそれぞれの使用量に応じてバランス良く搭載することのできる散布式表面処理作業車、並びに、その散布式表面処理作業車を用いる散布式表面処理工法を提供することを課題とするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、結合材散布装置と骨材散布装置とを、車両前方に近い方からこの順に、車両後輪よりも後方に備えると共に、車両前方に骨材ホッパーを備え、この車両前方に位置する骨材ホッパーと車両後輪よりも後方に位置する骨材散布装置とを結ぶ骨材搬送装置を備えてなるタイプの散布式表面処理作業車において、散布式表面処理工法に必要とされる種々の機材や使用材料の配置形態について研究を重ねた結果、骨材ホッパーと骨材散布装置とを結ぶ骨材搬送装置を車両幅方向のほぼ中央部に位置させると共に、その骨材搬送装置によって進行方向に向かって左右に区切られる作業車スペースのうち左右どちらか一方に収まるように結合材タンクを幅狭、かつ、縦長に形成して、結合材タンクを骨材搬送装置の左右どちらか一方の側に偏在させ、他方の側にエンジン等のその他の機材や使用材料を配置することによって、必要とされる機材や使用材料をコンパクトにバランス良く作業車に搭載することが可能となり、長さがそれほど長くなく、かつ、車高も高すぎることのない散布式表面処理作業車が得られることを見出して、本発明を完成した。 【0011】即ち、本発明は、結合材散布装置と骨材散布装置とを、車両前方に近い方からこの順に、車両後輪よりも後方に備えると共に、車両前方に骨材ホッパーを備え、この車両前方に位置する骨材ホッパーと車両後輪よりも後方に位置する骨材散布装置とを結ぶ骨材搬送装置を車両幅方向のほぼ中央部に備えてなる散布式表面処理作業車であって、車両幅方向のほぼ中央部に位置する骨材搬送装置に対して、車両の進行方向に向かって左右どちらか一方の側に結合材タンクを配置すると共に、他方の側にエンジンを配置してなる散布式表面処理作業車を提供することによって上記課題を解決するものである。 【0012】散布式表面処理工法において主として使用される材料は、前述のように、骨材と結合材とであるが、本発明においては、骨材搬送装置によって左右に区切られる作業車スペースのうち一方の側を結合材タンクに占有させたので、そのスペースの中で結合材タンクの容量を可能な限り大きくすることができ、作業車の車高を高くすることなく施工に必要な十分な量の結合材をタンク内に予め貯蔵しておくことができる。しかも、骨材搬送装置を挟んで結合材タンクとは反対側にエンジンを配置したので、結合材とエンジンという共に重量のある材料と機材とが作業車の左右に配置されることとなり、作業車全体としての重量バランスが良いという利点もある。 【0013】また、本発明は、骨材搬送装置に対してエンジンが配置されている側に、作動油タンク、発電機、コンプレッサー、バッテリー、水タンク、プライマータンク、及び、洗浄油タンクから選ばれる1又は2以上の機材を配置した散布式表面処理作業車を提供するものでもある。作動油タンク、発電機、コンプレッサー、バッテリー、水タンク、プライマータンク、及び、洗浄油タンクなどの機材は、比較的重量がある上に、或る程度の容積も必要とされるものであるので、作業車の底部から頂部までを使用できるエンジンと同じ側に配置することによって、エンジンだけでは占有できない作業車スペースを有効に使用することができる。 【0014】本発明においては、熱油タンク、補助材タンク、燃料タンク、ガスボンベ、結合材用ポンプ、補助材用ポンプ、水・プライマー用ポンプ、及び、熱油循環用ポンプなどは、骨材搬送装置の上部に配置される。これらの機材は比較的軽量である上に、容積的にもそれほど大きくはないので、散布式表面処理作業車を前方から後方まで縦断している骨材搬送装置の上部の空間に配置することができる。本発明においては、このように骨材搬送装置の上部の空間までもが有効に利用され、無駄なスペースというものがない。しかも、水、プライマー、補助材などのタンクの容積を、結合材タンクの容積に合わせて、それぞれの使用量に応じた大きさに形成することができるので、種々の使用材料をそれぞれの使用量に応じた量だけバランス良く作業車に搭載することができる。 【0015】更に、本発明の散布式表面処理作業車においては、骨材搬送装置を挟んで車両進行方向に向かって左側及び/又は右側であって骨材散布装置の上部に、1つ又は2つの運転席が配置される。骨材散布装置の上部に運転席を配置することによって、骨材散布装置の上部空間を有効に利用することができると共に、運転席に必要な高さを確保することができるという二重のメリットがある。 【0016】また、本発明は、上記のような散布式表面処理作業車を用いて、散布式表面処理作業車を進行させながら、路面上に少なくとも結合材と骨材とをこの順に少なくとも1回ずつ散布する散布式表面処理工法を提供するものでもある。本発明の散布式表面処理作業車は、長さがそれほど長くなく、かつ、車高も高すぎることがないので、小回りがきくと共に安定であり、運転席からの見下ろし角度も高すぎることがないので、危険の少ない施工を効率良く行うことがきるものである。また、本発明の散布式表面処理作業車は、必要な材料をそれぞれの使用量に応じてバランス良く搭載しているので、使用材料の補給回数は最低限で済み、この点でも作業効率は良いものである。 【0017】以下、図面を用いて本発明の散布式表面処理作業車及び散布式表面処理工法を説明するが、本発明が図面記載のものに限られるものではないことは言うまでもない。 【0018】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の散布式表面処理作業車の一例を示す説明図であり、図1において、1は本発明の散布式表面処理作業車であり、作業車1には、結合材散布装置としてのスプレーノズル2と、骨材散布装置としての骨材ビン(bin)3とが、作業車1の前方からこの順に。作業車1の後輪4bよりも後方に設けられている。なお、4aは作業車前輪である。 【0019】スプレーノズル2は、例えば、図2に示すように、作業車1の幅方向に設けられたスプレーバー5を介して、作業車1の幅方向に複数個設けられている。個々のスプレーノズル2a、2b、・・・にはそれぞれ弁6a、6b、・・・が設けられており、この弁6a、6b、・・・を開閉することにより、スプレーノズル2a、2b、・・・からの結合材の噴射を開始ないしは停止することができる。図2の例においては、図2中左半分のスプレーノズル2a1〜2a4に設けられた弁6a1〜6a4は、作動杵7に連結されており、空気シリンダ8の動作に応じて、一斉に開ないしは閉動作を行うようになっている。一方、図2中右半分のスプレーノズル2b、2c、・・・は、そのそれぞれに設けられた弁6b、6c、・・・の動作を、空気圧によって個々に独立して制御できるようになっている。なお、シリンダや弁を駆動する手段としては、空気だけに限られるものではなく、油圧や電磁力等の他の手段を用いても良い。このように構成されているので、例えば、作業車1の運転席に設置された制御パネルを操作することによって、或いは、遠隔操作ないしは予め定められたプログラムに従って、空気シリンダ8を作動させ、弁6a1〜6a4を一斉に開いて、スプレーノズル2a1〜2a4から路面の所定幅の部分に結合材を散布することができる。制御パネルには、散布幅がリアルタイムで表示される。散布幅を増す場合には、空気圧によって弁6bないしは6fを必要なものだけ作動させ、スプレーノズル2bないしは2fからも結合材を散布させるようにすれば良い。なお、この図の場合には、作業車1の左半分に位置するスプレーノズル2a1〜2a4はまとまって開閉動作をするようにしたが、全てのスプレーノズル2a1〜2fを個々に開閉可能なようにしても良いし、一斉に開閉動作するスプレーノズルの数を変えても良い。また、図示の例では空気圧で作動する弁を示したが、油圧や電磁的に作動する弁を使用しても良いことは勿論である。個々のスプレーノズルから散布される結合材の量は、弁6の開き具合を調節することによって調節しても良いが、スプレーバー5よりも上流に別途、弁等の別の手段を設け、その弁の開き具合等によって調節するのが好ましい。 【0020】一方、骨材ビン3は、図3に示すような断面形状をしており、9は骨材散布量調節扉、10はその操作レバーであって、符号11で示される骨材散布幅調節扉と協同して、骨材排出口12の開口度を調節するものである。13は骨材排出手段としての骨材排出ロールである。骨材散布量調節扉9は、例えば、ラック・ピニオン機構によって、操作レバー10の操作に応じて上下動可能であり、骨材排出口12の作業車1の幅方向と直交する方向の長さを調節する。骨材散布量調節扉9の開閉度は、作業車1の運転席からもパネル操作、或いは遠隔操作ないしは予め決められたプログラムに従って図示しない駆動手段を駆動することによっても調節可能である。骨材散布量調節扉9の開閉度によって、骨材排出口12から排出される骨材の基本量が決定される。 【0021】骨材散布幅調節扉11は、図3の例では円筒形をしており、図4に示すように円筒形の一部が曲線をもって切り欠かれている。従って、この骨材散布幅調節扉11を回転させることによって、骨材排出口12の作業車1の幅方向の開口長さは変化し、骨材の散布幅が調節される。この骨材散布幅調節扉11の回転角度は、図示しないレバーを操作して手動で調節することも可能であるし、骨材散布量調節扉9と同じく、作業車1の運転席からのパネル操作によって、或いは遠隔操作ないしは予め決められたプログラムに従って駆動手段を駆動しても調節可能である。また、骨材散布幅調節扉11の側面に、回転位置を示す角度目盛ないしは回転位置を骨材散布幅に換算して示す骨材散布幅目盛を付しておくと、その時々の骨材の散布幅を知ることができて便利である。なお、骨材散布幅調節扉11としては、円筒形のものに限らず、板状のものを曲線をもって切り欠いたものを用いても良く、このように板状の場合には、骨材散布幅調節扉11は、骨材散布量調節扉9と平行に上下動することになる。 【0022】骨材ビン3からの骨材の排出散布は、基本的には上記骨材散布量調節扉9と骨材散布幅調節扉11の2つで可能であるが、例えば、作業車1の進行速度に応じて、よりきめ細かな骨材の排出制御を行おうとするならば、例えば、骨材排出ロール13などの骨材排出手段を設けるのが望ましい。骨材排出ロール13は、表面にゴム、合成樹脂ないしは金属製等の凹凸を有しており、図3及び図4に示す矢印方向に回転することによって、骨材を骨材排出口から連続して排出、散布するものである。凹凸の代わりに、ゴム、合成樹脂ないしは金属等で作られた網状布で表面を被覆するようにしても良い。骨材排出ロール13の回転速度を変化させることによって、骨材の排出速度を調節することが可能であり、骨材排出ロール13の回転速度を、例えば作業車1の速度に応じて変化させれば、作業車1の速度に関わりなく、常に一定量の骨材を路面上に散布することができる。なお、骨材排出ロール13の形状としては、図3、図4では断面円形のものを示したが、必要に応じて断面が長円形ないしは多角形状であっても構わない。この場合、骨材の散布量が連続的に多くなったり少なくなったりして、散布量を変化させることができる。 【0023】骨材排出口12は、路面から最大でも50cm以下、望ましくは30cm以下、更に望ましくは20cm以下の位置に開口しており、骨材を骨材排出口12から路面に向かって散布しても、骨材が路面で跳ね、飛散したり転がって、施工幅員外へ飛び散る恐れがない。骨材ビン3全体を上下に移動可能に設けることも可能である。また、骨材ビン3には、図示しない加熱、保温手段が設けられており、内部にある骨材を必要に応じて加熱ないしは保温することができる。更には、図示しない振動付与装置を骨材ビン3に取り付け、骨材ビン3に適宜振動を付与することによって、骨材量の分布を均一化したり、骨材の団塊化を防いだり、骨材の排出を滑らかなものとすることができる。 【0024】図1に戻って、作業車1の前部には骨材ホッパー15が設けられており、この骨材ホッパー15に一旦蓄積された骨材は、骨材搬送装置としての骨材搬送コンベア14によって、作業車後部に位置する骨材ビン3に搬送される。骨材搬送コンベア14としては、ベルトコンベア、スクリューコンベア、バーコンベア、バケットコンベア等、骨材を搬送することが可能なものならばどのような搬送手段を使用しても良い。 【0025】図5は、骨材ホッパー15、骨材搬送コンベア14及び骨材ビン3だけを取り出して図式的に示す平面図であって、図5に示すように、骨材搬送コンベア14は、作業車1の幅方向中央を縦断して、作業車1の前部から後部まで延びており、その先端は骨材ビン3内に位置している。その結果、骨材ホッパー15に一時貯蔵された骨材は、骨材搬送コンベア14によって図5中矢印方向に骨材ビン3へと搬送される。16は骨材ビン3内に設けられたスクリューコンベアであって、このスクリューコンベア16を回転させることによって、骨材ビン3内で、骨材は作業車1の幅方向に均一化される。 【0026】図1において、21は補助材の散布手段である補助材用スプレーノズルであり、例えば図6に拡大して示すように、結合材用のスプレーノズル2と対応させて、スプレーバー22を介して、作業車1の幅方向に複数個設けられている。スプレーノズル21の位置は、スプレーノズル2よりも作業車の後方であっても、また、スプレーノズル2よりも作業車の前方であっても良いが、スプレーノズル2と近接していることが必要であり、スプレーノズル21は、スプレーノズル2から散布される結合材とスプレーノズル21から散布される補助材とが空中で混じり合うような角度に設けるのが望ましい。複数の材料を同時に散布できる複頭ガンのスプレーノズルを使用したり、スプレーノズルからの噴射直前に結合材と補助材とを混合した後に噴射するようにしても良い。このように補助材は結合材と同時に散布するのが望ましいが、混合が極めて速やかに行われる場合には、結合材が散布される直前あるいは直後に補助材を散布するようにしても良い。なお、補助材とは、結合材の性状を調節するために使用されるものであり、例えば、結合材の凝固促進材や分解促進材などが挙げられるが、これらのもののみに限られるものではない。 【0027】スプレーノズル21からの補助材の散布量ないしは散布幅は、個々のスプレーノズル21に設けられた弁23を開閉ないしはその開き具合を調節することによって、変更することが可能であるが、通常、補助材は常に結合材とペアで使用されるので、スプレーノズル21からの補助材の散布量、散布幅は、結合材の散布量及び散布幅と連動して変化するようにしておくのが好ましい。例えば、図6に示すように、補助材用の弁23の開閉動作を結合材用の弁6の開閉動作と連動させ、共に作動杵7に連結し、例えば、空気シリンダ8の動作に伴って、同時に開閉作動するようにすることができる。このようにすることによって、図2の左側半分にあるスプレーノズル2a1〜2a4と、それに対応するスプレーノズル21は、一斉に開閉動作することになる。 【0028】一方、作業車1の右側半分にあるスプレーノズル21は、図7に示すように、スプレーノズル2b、2c、・・・と個々に対応、連結されて、1つずつが組になって開閉動作を行うようにすることができる。このように構成することによって、補助材の散布幅をつねに結合材の散布幅と連動して変更することが可能である。個々のスプレーノズル21から散布される補助材の量は、弁23の開き具合を調節することによって調節しても良いが、結合材と同じく、スプレーバー22よりも上流に別途、弁等の別の手段を設け、その弁の開き具合等によって調節するのが好ましい。 【0029】図1に戻って、27は水又はプライマー散布用のノズルであって、水又はプライマーは、結合材の散布前に路面に散布される。水は、例えば結合材としてアスファルト乳剤を使用した場合に、アスファルト乳剤と路面との接着性やなじみ性を増強するために散布され、夏季には、上昇した路面温度を低下させる効果もある。一方、プライマーは、例えば結合材として加熱アスファルトを使用する場合に用いられ、加熱アスファルトと路面との接着性やなじみ性を増強する効果がある。これら水ないしはプライマーは、後述する専用のタンクに貯蔵され、適宜選択使用される。 【0030】図1において、17は作業車を駆動し、その他必要箇所に動力を供給するエンジンであり、18は油圧モーターを駆動するために必要な作動油タンク、19はエンジン17からの動力を受けて作動する発電機並びにコンプレッサー、20は発電された電力を蓄積し、必要箇所に供給するバッテリーである。24は水タンク、25はプライマータンク、26は洗浄油タンクであって、洗浄油タンク26とは後述する結合材タンクや、結合材タンクから結合材ポンプやスプレーノズルまでを含めた配管系統を洗浄するための洗浄油を貯蔵しておくタンクである。これらエンジン17、作動油タンク18、発電機・コンプレッサー19、バッテリー20、水タンク24、プライマータンク25、及び洗浄油タンク26は、全て、骨材搬送コンベア14に対して作業車1の左側に配置されている。 【0031】図8は、図1の作業車1を上から見た平面図であって、図1と同じものには同じ符号を付してある。図8において、28は結合材タンクであって、この結合材タンク28は、図8からも分かるように、骨材搬送コンベア14に対して作業車1の右側に配置されており、作業車1の右側スペースを作業車1の底部から頂部までほぼ占有する大きさ形状に形成されている。結合材タンク28には、図示しない点検用マンホールや空気弁、攪拌機、及び、後述する熱油による加熱・保温手段が設けられている。 【0032】29は熱油タンクであり、30は結合材用ポンプ、31は補助材タンク及びガスボンベ用のスペースであり、36は熱油循環用ポンプ、37は補助材用ポンプ、水・プライマー用ポンプのためのスペース、38は燃料タンクである。ここで、熱油とは、結合材タンク28やスプレーバー5、スプレーノズル2を含めた結合材の配管系統を加熱・保温するための油で、この熱油を貯蔵する熱油タンク29に加熱・保温手段が設けられていることは言うまでもない。また、補助材も、この補助材タンク及びガスボンベ用のスペース31に配置される補助材タンクから図示しないポンプ等の圧送手段によって、スプレーノズル21に供給される。補助材タンクや補助材の管路にも必要に応じて適宜の加熱ないしは保温手段を設けることができるのは勿論である。ガスボンベとは施工面を加熱するためのバーナーなどの燃料であるプロパンガスを貯蔵するボンベであり、燃料タンク38は、作業車1のエンジン17を駆動する燃料を貯蔵するタンクである。 【0033】なお、図1及び図8に示す各種機材の具体的な配置は、単に好ましい一例であって、本発明においては基本的に結合材タンク28が骨材搬送コンベア14で区切られる作業車1の左右スペースの片側にあり、エンジン17その他の機材が他方の側にあれば良く、結合材タンク28とエンジン17その他の機材の位置を左右取り替えても良いことは勿論であるし、個々の機材の位置も変更可能であって、エンジン17と同じ側に配置される機材と、骨材搬送コンベア14上に配置される機材とは、適宜入れ替えても良いことは言うまでもない。また、補助材や水、プライマー等を使用しない場合には、それら材料のためのタンクやポンプを搭載しなくても良いことは勿論である。 【0034】図8において、39a、39bは運転席であって、骨材搬送コンベア14を挟んで、作業車1の左右にそれぞれ設けられている。このように運転席39a、39bを作業車1の左右にそれぞれ設けることによって、施工現場の状況に応じて左右どちらからも運転することが可能となるので、施工幅員の端部を目標ラインにきっちり合わせるなど、きめ細かな操作が可能となる。また、運転席39a、39bは、骨材搬送コンベア14を挟んで、骨材散布装置としての骨材ビン3の上に設けられているので、作業車1の長さを短くすることができると共に、運転席に必要な高さを確保することができ、図1に示す運転席39a、39bに着席したときの運転者の視線からの見下ろし角度γとして10度以上を確保することができる。なお、見下ろし角度γとしては、10度〜35度の範囲が望ましく、見下ろし角度が35度を超えると、運転席の位置が高くなりすぎて、施工中に沿道民家の軒先や張り出した樹木などに運転席のオペレーターが接触する危険があり、逆に見下ろし角度が10度未満では、作業車前方の視野が限られ、施工現場での小回りが利かないという不都合がある。 【0035】図1及び図8において、40は図示しない骨材供給車を押すためのプッシュローラーであり、このプッシュローラー40によって、骨材供給車を押し進め、骨材供給車から骨材の供給を受けながら連続的に作業を進めることができる。作業車1と結合材供給車との間に牽引手段を設けても良いことは勿論である。41は加熱装置であり、作業用ステップ42と共に、骨材ビン3の後部にワンタッチで簡単に脱着できるようになっている。この加熱装置41によって、骨材散布後の路面を加熱し、結合材の分解ないしは凝固を早め、短時間でより強固な表面処理層を構築することができる。 【0036】本発明の散布式表面処理作業車による散布式表面処理層は、例えば図9に示すようにして構築される。即ち、図示しないロードスイーパー等で、路面101を必要に応じて清掃した後、本発明の作業車1を図示しない骨材供給車及び/又は結合材供給車と共に前進方向に進行させながら、まず、ノズル27から水又はプライマー32を散布し、続いて、結合材用のスプレーノズル2から結合材33を散布する。同時にスプレーノズル21からは補助材34が散布され、結合材33と空中で混じり合い、路面101上に結合材33と補助材34との混合物の層が膜状に形成される。続いて、この結合材33と補助材34との混合物の層上に骨材35が骨材ビン3から1層に散布される。 【0037】ここで、結合材33を散布する結合材用のスプレーノズル2と骨材35を散布する骨材ビン3とが同じ作業車1に取り付けられているという点が重要である。結合材用のスプレーノズル2と骨材ビン3とが同一車両に取り付けられているので、通常、両者の距離は一定であり、作業車1が定速で前進する限り、結合材33が散布されてから骨材35が散布されるまでの時間は一定である。そのため、骨材35が散布される直前の結合材33の性状は一定であり、結合材33と骨材35との均一で確実な付着が実現される。結合材33が散布されてから骨材35が散布されるまでの時間は、一定時間以内、好ましくは短時間以内、更に好ましくは一定の短時間以内でかつ一定でありさえすれば、何秒であっても良いが、作業効率を考えると、通常は10秒以内、好ましくは6秒以内、更に好ましくは3秒以内である。最適な時間は、路面の損傷程度、現場の線型等の状況に応じて適宜決められるものであることは言うまでもない。 【0038】結合材としては、従来の散布式表面処理工法において使用されていたものを含めて、瀝青材やその他、路面と骨材とを結合することができるものならば、どのような材料でも使用できる。典型的には改質加熱アスファルトないしは改質アスファルト乳剤等が使用されるが、これらのものに限られるものではない。結合材の散布量は、従来の散布式表面処理工法におけるものと同程度で良いが、典型的には0.5〜2.5(l/m2)程度、好ましくは、0.7〜1.5(l/m2)程度である。また、使用する骨材は、散布式表面処理工法に使用できるものであれば特に制限はなく、どのようなものを使用しても良いが、粒度は単一粒度であることが望ましい。 【0039】以上の例では、結合材用のスプレーノズル2と骨材ビン3との距離を一定に保ち、作業車1を定速で前進させるようにしたが、作業車1の速度を一定に保つことが困難な場合には、結合材用のスプレーノズル2と骨材ビン3との距離が作業車1の速度に合わせて変化するようにしても良い。即ち、作業車1が速度を落とす場合には結合材用のスプレーノズル2と骨材ビン3との距離を狭くし、逆に、作業車1が速度を上げる場合には結合材用のスプレーノズル2と骨材ビン3との距離を広くして、結合材33が散布されてから骨材35が散布されるまでの時間を常に一定に保つことができる。あるいは、作業車1の速度に合わせてスプレーノズル2の路面に対する角度を変化させるようにしても良い。また、結合材散布から骨材散布までの時間を一定時間以内とする場合には、作業車の速度は多少変動しても良い。 【0040】水又はプライマー、結合材、補助材および骨材の散布量や作業車1の進行速度、進行方法などは、作業車1の運転席に設けられたハンドルやアクセル等の操作機器及び制御パネル上で、或いは遠隔操作装置上で一括して制御可能であり、路面の性状や気温、路面温度、結合材及び補助材の種類、骨材の種類、粒度などに応じて、適宜設定、変更可能となっている。また、一旦設定した値に自動的に制御することも可能であり、例えば作業車1を一定の速度で進行させたり、作業車1の速度が変化した場合には、作業車1の車速を検知して、その検知信号に基づいて、常に一定量の結合材、補助材、ないしは骨材が散布されるよう、散布量を変動させるようになっている。 【0041】なお、本発明の作業車1においては、結合材33や骨材35が施工箇所に過不足なく散布されるよう、水ないしはプライマー32の散布、結合材33及び補助材34の散布、並びに骨材35の散布が、作業車1の速度に応じた所定の時間差をもって開始され、また、所定の時間差をもって終了するようになっている。 【0042】また、図9の例では、結合材用スプレーバー5に取り付けられた複数個の結合材スプレーノズル2の列は一列であり、骨材ビン3も1つであるが、スプレーノズル2の列および骨材ビン3の数は、1つに限らず、作業車1の後輪4bよりも後方であるならば、2以上設けても良い。例えば、結合材用スプレーノズル2の1列と骨材ビン3の1つとを組として、そのような組を2組以上設けて、1回の作業車の通過によって、複数の層を一度に構築することもできる。また、スプレーバー2の列の数と骨材ビン3の数は必ずしも同じである必要はなく、スプレーバー2の1列に対して、骨材ビン3が2以上設けて、単一の結合材層の上に、例えば粒度等が異なる2種以上の骨材を散布するようにしても良いし、その逆に、1つの骨材ビン3に対して2以上のスプレーバー2の列を設けて、多種多量の結合材を散布するようにしても良い。このように本発明の作業車を用いれば、一度の作業車の通過によって、路面101上に、種類や粒度、散布量などを変えて、種々の結合材及び骨材を1回又は2回以上散布することができ、所望の散布式表面処理層を一挙に構築することができる。更には、設けられた複数のスプレーバー2の列及び骨材ビン3の全てを常に使用する必要はなく、それらのうちの必要なものだけを使用するようにしても良い。以上の場合、1回又は2回以上散布される結合材、補助材、並びに骨材は、種類、粒度、散布量等が全て同じものであっても良いし、それぞれに異なるものであっても良い。 【0043】ここで、本発明の散布式表面処理作業車に使用される結合材の散布装置及び補助材の散布装置について更に説明すると、図10は、本発明の散布式表面処理工法に使用する結合材及び補助材の散布装置のうち、結合材の散布装置のみを取り出して示した図であって、これまでの図と同じものには同じ符号を付してある。5はこれまでの図と同じく結合材散布用のスプレーバーを表し、2−1、2−2、2−3、・・・は、スプレーバー5に取り付けられた結合材散布用のスプレーノズルである。また、33−1、33−2、33−3、・・・は、各々のスプレーノズルから噴射された結合材である。スプレーノズル2−1、2−2、2−3、・・・としては、どのような形式のスプレーノズルを使用しても良く、例えば、円形全面形の噴射パターンを有するスプレーノズルや、四角形全面形の噴射パターン、円環形の噴射パターン、その他の噴射パターンを有するものであっても良いが、均一な散布を実現する観点からは、図10に示すようなフラット形の噴射パターンを有するスプレーノズルを使用するのが望ましい。フラット形の噴射パターンとは、スプレーノズルからある噴射角度αをもって扇形に噴射される、噴射方向に垂直な断面が細長いほぼ線状の噴射パターンであって、本明細書においてフラット形の噴射パターンのフラット面とは扇形の噴射パターンの扇の面を指すものとする。 【0044】図11は、図10を上から見た平面図であって、図11に示すように、フラット形のスプレーノズル2−1、2−2、2−3、・・・は、通常、その噴射された結合材33−1、33−2、33−3、・・・の噴射パターンのフラット面がスプレーノズル列の列方向とある角度βを持つように配置される。角度βに特に制限はなく、0度超90度未満の範囲であれば何度でも良いが、各スプレーノズルからの噴射パターンを重複させて不均一性を打ち消すという観点からは、通常、5〜45度、好ましくは、10〜40度、更に好ましくは15〜35度の範囲である。スプレーノズルの取付角度βは、1本のスプレーバーにおいては同一であるのが好ましい。 【0045】図10、図11に示すように、各スプレーノズル2−1、2−2、2−3、・・・からの噴射された結合材33−1、33−2、33−3、・・・は、スプレーバー5の長手方向と直交する水平方向から見た場合、互いにその一部が重複している。例えば、図10、図11の場合には、各噴射された結合材33−1、33−2、33−3、・・・は、路面101上で互いに2/3ずつ重複している。このようなスプレーバー5とスプレーノズル2−1、2−2、2−3、・・・からなる結合材の散布装置を搭載した本発明の散布式表面処理作業車は、スプレーバー5の長手方向と直交する方向に進行するので、路面101上のある箇所、例えばA点から見ると、スプレーノズル2−4、2−3、2−2から噴射された結合材33−4、33−3、33−2の下を順次通過することになる。従ってA点は、都合3回、即ち、三重の散布を受けることになる。重複散布の重複数は三重に限らず、二重であっても四重以上であってもよいが、散布される結合材の均一性を求めるのであれば、三重ないしは四重以上、少なくとも二重に散布するのが好ましい。この散布の重複数が、スプレーノズルの路面からの高さ、スプレーノズルからの噴射角度α、各スプレーノズル間の間隔などを調整することによって適宜調整可能であることは言うまでもない。 【0046】さて、以上のような結合材の散布装置に対して、本発明の散布式表面処理工法に使用する補助材の散布装置は、好ましくは、例えば図12に示すように併設される。図12は、結合材の散布装置と補助材の散布装置との好ましい併設状態を示す側面図であって、補助材用のスプレーバー22に取り付けられた補助材用のスプレーノズル21は、先端が曲げられていて、噴射された補助材34がスプレーノズル2から噴射された結合材33と空中で衝突するように配置されている。 【0047】図13は、図12の装置を上から見た図であって、図13に示すように、本発明の散布式表面処理工法に使用する装置においては、結合材のスプレーノズル1個に対して、補助材のスプレーノズル1個が対応しており、例えば、結合材用のスプレーノズル2−1から噴射された結合材33−1には、補助材用のスプレーノズル21−1から噴射された補助材34−1が空中で衝突し、結合材用のスプレーノズル2−2から噴射された結合材33−2には、補助材用のスプレーノズル21−2から噴射された補助材34−2が空中で衝突するようになっている。噴射された結合材又は補助材が互いに空中で衝突する結合材用のスプレーノズル2−1、2−2、・・・と補助材用のスプレーノズル21−1、21−2、・・・との間の対応関係は極めて厳密であって、両者は1対1に対応し、例えば、補助材用のスプレーノズル21−2から噴射された補助材34−2は、対応する結合材用のスプレーノズル2−2から噴射された結合材33−2とのみ空中で衝突し、結合材用の他のスプレーノズルから噴射された結合材と衝突することはない。 【0048】噴射された結合材又は補助材が互いに空中で衝突する結合材用のスプレーノズル2−1、2−2、・・・と補助材用のスプレーノズル21−1、21−2、・・・との間のこのような1対1の対応関係は次のようにして実現される。例えば、図13において、補助材用のスプレーノズル21−1から噴射される補助材34−1を例にとると、噴射された補助材34−1と対応する結合材33−1との間には、対応しない結合材用のスプレーノズル2−2から噴射された結合材33−2が存在するが、噴射された結合材33−2は、例えば図10に示すように、裾広がりの扇形をしているので、噴射された補助材34−1が、手前にある結合材33−2の傾斜する裾広がりの肩部分よりも上を通過して結合材33−1に衝突するようにすれば良い。即ち、図10において、スプレーバー5の長手方向と直交する水平方向から見て、噴射された結合材33−1の右肩と、噴射された結合材33−2の左肩との交点xから水平に引いた線分を線分Xとして示したが、図13における補助材用のスプレーノズル21−1から噴射された補助材34−1が、結合材33−2の上を、図10における線分Xよりも高い位置で通過するようにすれば、結合材用のスプレーノズルと補助材用のスプレーノズルとを1対1に対応させることができる。噴射された結合材と補助材とがこのような位置関係になるように、結合材用のスプレーノズル2−1、2−2、2−3、・・・と補助材用のスプレーノズル21−1、21−2、21−3・・・とを配置することによって、例えば、補助材用のスプレーノズル21−3から噴射された補助材34−3は、結合材用のスプレーノズル2−3から噴射された結合材33−3とだけ衝突し、隣接する他の結合材用のスプレーノズル2−2又は2−4から噴射された結合材33−2又は33−4と衝突することがないようになる。 【0049】なお、補助材用のスプレーノズル21−1からの補助材34−1の噴射方向は、通常斜め下向きであるので、補助材34−1が手前にある結合材33−2の上を通過する位置を線分Xよりも若干高い位置とした場合でも、結合材33−1上での結合材33−1と補助材34−1との衝突位置は、図10に線分Yで示すように、線分Xよりもやや低い位置まで下げることが可能である。しかしながら、狭い範囲に多数のスプレーノズルが共存することになるので、装置設計上の観点からは、結合材33−1と補助材34−1との衝突位置は、線分Xよりもやや上になるようにするのが好ましい。 【0050】結合材と補助材との衝突位置Yは、余りに低いと、結合材と補助材とが衝突してから路面上に落下して運動量を失うまでの時間が短すぎて、均一な混合が実現できなくなり、また、余りに高いと、噴射された結合材と補助材とが両者とも未だ濃く固まった状態で衝突することになるので好ましくない。従って、衝突位置Yの高さは、路面1から結合材用のスプレーノズル2−1までの高さをHとして、1/4H〜3/4Hの範囲が好ましく、より好ましくは、2/4H〜3/4Hの範囲である。 【0051】以上のようにして、結合材用のスプレーノズル2−1、2−2、2−3・・・と補助材用のスプレーノズル21−1、21−2、21−3・・・とを1対1に対応させることによって、衝突する結合材と補助材の量的割合や、衝突速度、衝突位置などの衝突条件をコントロールすることが容易となり、結合材と補助材とを最適の割合で、かつ、最適の衝突条件で衝突させることが可能になる。その結果、両者の極めて均一な混合が実現され、補助材が例えば結合材の分解促進材であるような場合には、より短い養生時間が実現できることは言うまでもない。 【0052】また、本発明の散布式表面処理工法に使用する装置においては、図13に示すように、補助材34−1、34−2、34−3、・・・は、それぞれ対応する結合材33−1、33−2、33−3、・・・に向かって、各々の衝突位置Y1、Y2、Y3、・・・上での噴射密度が均一になるように噴射される。即ち、補助材34−1、34−2、34−3、・・・は、図13の平面図において、その扇形の噴射パターンが、結合材33−1、33−2、33−3、・・・の扇形の噴射パターンのフラット面に対する垂直面Z1、Z2、Z3、・・・に関して左右対称となるような角度で、結合材33−1、33−2、33−3、・・・に向かって噴射される。これにより、各々の衝突位置Y1、Y2、Y3、・・・上での補助材34−1、34−2、34−3、・・・の噴射密度は、衝突位置Y1、Y2、Y3、・・・の幅方向の全体に亘って均一となり、結合材と補助材とのより均一な混合が実現される。 【0053】なお、以上の例においては、路面に対してほぼ垂直に噴射される結合材に補助材を斜めに衝突させるようにしたが、逆に、補助材を路面に対して垂直に噴射して、その補助材に対して結合材を斜めに衝突させるようにしても良く、更には、結合材及び補助材共に斜めに噴射して衝突させるようにしても良い。しかしながら、結合材の方が量的に多く、主材であるということを考えると、以上に述べた例のように路面に対してほぼ垂直に噴射される結合材に補助材を斜めに衝突させるのが好ましい。 【0054】以上のようにして、結合材と補助材とを各々のスプレーノズルを1対1で対応させ、結合材と補助材とを空中で衝突させるようにすると、両者の極めて均一な混合が速やかに実現できるので、例えば、補助材として結合材の分解を促進する分解促進材を使用する場合には、結合材として分解に比較的時間の要するアスファルト乳剤を使用する場合でも、短い養生時間で強固で耐久性に富む散布式表面処理層を構築することが可能となり、早期の交通開放が可能となる。 【0055】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の散布式表面処理作業車によれば、結合材散布装置と骨材散布装置とを、車両前方に近い方からこの順に、車両後輪よりも後方に備えると共に、車両前方に骨材ホッパーを備え、この車両前方に位置する骨材ホッパーと車両後輪よりも後方に位置する骨材散布装置とを結ぶ骨材搬送装置を備えてなるタイプの散布式表面処理作業車において、骨材ホッパーと骨材散布装置とを結ぶ骨材搬送装置を車両幅方向のほぼ中央部に位置させると共に、その骨材搬送装置によって進行方向に向かって左右に区切られる作業車スペースのうち左右どちらか一方に収まるように結合材タンクを幅狭、かつ、縦長に形成して、結合材タンクを骨材搬送装置の左右どちらか一方の側に偏在させ、他方の側にエンジン等のその他の機材や使用材料を配置するようにしたので、散布式表面処理工法に必要な機材や使用材料を全体としてコンパクトに、かつ、バランス良く一台の作業車に搭載することができ、作業車は車長が長くなりすぎることも、車高が高くなりすぎることもなく、小回りの利く、安定した作業車を提供することができる。 【0056】また、本発明においては、骨材搬送装置によって左右に区切られる作業車スペースのうち一方の側を結合材タンクに占有させたので、そのスペースの中で結合材タンクの容量を可能な限り大きくすることができ、作業車の車高を高くすることなく施工に必要な十分な量の結合材をタンク内に予め貯蔵しておくことができる。しかも、骨材搬送装置を挟んで結合材タンクとは反対側にエンジンを配置したので、結合材とエンジンという共に重量のある材料と機材とが作業車の左右に配置されることとなり、作業車全体としての重量バランスが良いという利点もある。 【0057】更には、本発明は、骨材搬送装置に対してエンジンが配置されている側に、作動油タンク、発電機、コンプレッサー、バッテリー、水タンク、プライマータンク、及び、洗浄油タンクから選ばれる1又は2以上の機材を配置するようにしたので、これら比較的重量がある上に或る程度の容積も必要とされる機材を作業車の底部から頂部までを使用できるエンジンと同じ側に配置することによって、エンジンだけでは占有できない作業車スペースを有効に使用することができる。 【0058】しかも、本発明においては、熱油タンク、補助材タンク、燃料タンク、ガスボンベ、結合材用ポンプ、補助材用ポンプ、水・プライマー用ポンプ、及び、熱油循環用ポンプなどの機材を、骨材搬送装置の上部に配置するようにしたので、骨材搬送装置の上部の空間までもが有効に利用され、無駄なスペースというものがない。しかも、水、プライマー、補助材などのタンクの容積を、結合材タンクの容積に合わせて、それぞれの使用量に応じた大きさに形成することができるので、種々の使用材料をそれぞれの使用量に応じた量だけバランス良く作業車に搭載することができる。 【0059】上記のような散布式表面処理作業車を用いる本発明の散布式表面処理工法は、用いる作業車が小回りがきくと共に安定であり、運転席からの見下ろし角度も高すぎることがないので、危険の少ない施工を効率良く行うことがきるものである。また、必要な材料をそれぞれの使用量に応じてバランス良く搭載した作業車を使用するので、使用材料の補給回数は最低限で済み、作業効率の良い施工ができるという優れた利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000233653 【氏名又は名称】ニチレキ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月24日(2000.3.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100108486 【弁理士】 【氏名又は名称】須磨 光夫
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| 【公開番号】 |
特開2001−271309(P2001−271309A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月5日(2001.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−84450(P2000−84450) |
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