| 【発明の名称】 |
防滑ゴムマット |
| 【発明者】 |
【氏名】岩谷 宣夫
|
| 【要約】 |
【課題】表面に排水溝と弾性突起とを有し、その弾性突起の弾性変形に基づいて氷結層を破壊する防滑ゴムマットにおいて、弾性突起を可及的に全面に亘って均等に配置し、防滑機能を良好に発揮できるようにする。
【解決手段】表面に、連続した排水溝12,14,16A,16Bとこれらにより区画された多数の台状部18と台状部18の上面から上向きに突出する多数の弾性突起34とを有し、各弾性突起34が弾性変形することで氷結層を割り、タイヤのスリップを防止する防滑ゴムマット10において、台状部18の角部36に弾性突起34と異なった形状且つ角部36で交差する台状部18の2辺と略平行な2辺を持つ補助弾性突起38を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面に、連続した排水溝と該排水溝で区画され、上面が該排水溝の溝底よりも高位置の複数の台状部とを有し且つ各台状部ごとに該上面から上向きに突出する弾性突起が所定パターンで分散配置されて成り、路面に敷設されてそれら弾性突起でタイヤの荷重を受けてそれら弾性突起が弾性変形することで氷結層を割り、タイヤのスリップを防止する防滑ゴムマットであって、前記台状部は隅部が角形状をなしているとともに、該角部に位置する前記弾性突起が他の箇所の弾性突起と異なった形状且つ該角部で交差する該台状部の2辺と略平行な2辺を持つ角形状をなしていることを特徴とする防滑ゴムマット。 【請求項2】 請求項1において、前記台状部の角部が鋭角をなしており且つ該角部に位置する前記弾性突起が三角形状をなしていることを特徴とする防滑ゴムマット。 【請求項3】 表面に、連続した排水溝と該排水溝で区画され、上面が該排水溝の溝底よりも高位置の複数の台状部とを有し且つ各台状部ごとに該上面から上向きに突出する弾性突起が所定パターンで分散配置されて成り、路面に敷設されてそれら弾性突起でタイヤの荷重を受けてそれら弾性突起が弾性変形することで氷結層を割り、タイヤのスリップを防止する防滑ゴムマットであって、前記排水溝がそれぞれ直線状に繋がった縦溝と横溝と斜溝とを有していることを特徴とする防滑ゴムマット。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、特に寒冷地や積雪地等において路面への積雪や凍結により自動車のタイヤがスリップすることを防止する防滑ゴムマットに関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、寒冷地や積雪地等においては路面への積雪や凍結により自動車のタイヤがスリップするのを防止するために以下のような様々な対策、例えばロードヒーティング,地下水や海水の散布,塩化カルシウム等の融雪剤散布,ロータリ車等による機械的除雪等の対策が講じられている。 【0003】しかしながら、例えば地下水散布の場合には地盤低下の問題を生じ、また海水散布の場合には塩害の問題を引き起こす。またロードヒーティングの場合にはイニシャルコスト,ランニングコストとも高い問題があり、更に融雪剤散布の場合においても腐食の問題を惹起する。また機械的除雪の場合にも能力に限界があるなど、何れの方式による対策もそれぞれ特有の問題を有している。 【0004】そこで表面に多数の弾性突起を有し、タイヤがその突起の上に乗ったときに弾性突起の弾性変形によって氷結層(圧雪層を含む)を割り、タイヤのスリップを防止するようになした防滑ゴムマットを路面に敷設するといったことが提案されている。 【0005】またこの種防滑ゴムマットとして、マット上で融けた氷水や泥水等を排出すべく表面に排水溝が形成され、更にその排水溝で区画された多数の台状部と、排水溝の溝底よりも高位置の台状部の上面から上向きに突出する多数の弾性突起とを有するとともに、各台状部ごとに弾性突起が所定パターンで分散配置されて成る形態のものが提案されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記のようにこの種防滑ゴムマットにあっては、多数の弾性突起の弾性変形によって氷結層を破壊するものであることから、全面に亘る均一なスリップ防止機能(防滑機能)を実現すべく、かかる弾性突起をマットの表面全面に亘って均一に分散配置することが肝心である。更にまた、弾性突起の1つ1つについても上記機能の実現の上で適正な形状,大きさとなし、また弾性突起と弾性突起との間の間隔についても適正な間隔とすることが必要である。 【0007】しかしながら上記のように防滑ゴムマットの場合排水機能も確保しておく必要があり、そしてそのために表面に排水溝を多方向に延在させると、それら排水溝が交差する部分の近傍において弾性突起の配置密度が少なくなってしまうといった問題を生ずる。特に排水溝にて区画される台状部の隅部、つまり台状部における排水溝の交差部に隣接する部分が鋭角な角部となっている場合にこの問題が顕著である。 【0008】上記弾性突起の形状としては平面円形状のものが機能的に優れていることから、通例かかる弾性突起はある一定大きさの直径の円形状に形成されるが、上記鋭角をなす角部においてはスペースが狭くなることから、このような一定大きさの円形の弾性突起を設けることができなくなってしまうのである。 【0009】而して台状部の角部において弾性突起が不存在になると、排水溝の交差部近傍に弾性突起が存在していないゾーンが一定範囲に亘って生じることとなり、同部分でのスリップ防止機能が低下してしまうことになる。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の防滑ゴムマットはこのような課題を解決するために案出されたものである。而して請求項1のものは、表面に、連続した排水溝と該排水溝で区画され、上面が該排水溝の溝底よりも高位置の複数の台状部とを有し且つ各台状部ごとに該上面から上向きに突出する弾性突起が所定パターンで分散配置されて成り、路面に敷設されてそれら弾性突起でタイヤの荷重を受けてそれら弾性突起が弾性変形することで氷結層を割り、タイヤのスリップを防止する防滑ゴムマットであって、前記台状部は隅部が角形状をなしているとともに、該角部に位置する前記弾性突起が他の箇所の弾性突起と異なった形状且つ該角部で交差する該台状部の2辺と略平行な2辺を持つ角形状をなしていることを特徴とする。 【0011】請求項2のものは、請求項1において、前記台状部の角部が鋭角をなしており且つ該角部に位置する前記弾性突起が三角形状をなしていることを特徴とする。 【0012】請求項3のものは、表面に、連続した排水溝と該排水溝で区画され、上面が該排水溝の溝底よりも高位置の複数の台状部とを有し且つ各台状部ごとに該上面から上向きに突出する弾性突起が所定パターンで分散配置されて成り、路面に敷設されてそれら弾性突起でタイヤの荷重を受けてそれら弾性突起が弾性変形することで氷結層を割り、タイヤのスリップを防止する防滑ゴムマットであって、前記排水溝がそれぞれ直線状に繋がった縦溝と横溝と斜溝とを有していることを特徴とする。 【0013】 【作用及び発明の効果】上記のように請求項1の防滑ゴムマットは、排水溝で区画された台状部における隅部、即ち角部に位置する部分にその台状部の2辺と略平行な2辺を持つ角形状の弾性突起を設けるようになしたもので、本発明によれば、台状部における角部の狭いスペースにも有効に弾性突起を存在させることができ、これにより排水溝の交差部近傍において弾性突起の存在しないゾーンが生成するのを防止でき、同部分においても良好な防滑機能を発揮させることができる。 【0014】また本発明では、その角部の弾性突起を台状部の2辺と略平行な2辺を持つ角形状となしているため、狭いスペースを最大限有効に活用して形状の大きな、防滑機能に優れた良好な弾性突起を設けることができる。この場合においてその台状部の角部が鋭角な角形状をなしている場合、その弾性突起を平面三角形状となすことができる(請求項2)。 【0015】次に請求項3の防滑ゴムマットは、表面の排水溝をそれぞれ直線状に繋がった縦溝と横溝と斜溝とを有するように構成したもので、この防滑ゴムマットの場合、排水溝が多方向に延びていることによって良好な排水機能を確保することができる。また路面が何れの方向に傾斜勾配を有している場合においても、多方向に延びる排水溝の何れかによって良好に排水を行うことができる。 【0016】 【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。図1において、10は本例の防滑ゴムマットで表面に排水溝が設けられている。本例において、この排水溝は所定ピッチで配置された多数の縦溝12と、横溝14と、斜溝16A及び16Bとから成っている。 【0017】そして防滑ゴムマット10の表面側にはそれら多数の溝12,14,16A,16Bによって区画された、平面形状が三角形状(二等辺三角形状)の多数の台状部18が形成されている。この防滑ゴムマット10には、適宜のピッチで固定孔20が設けられており、その固定孔20において後述のアンカーボルト26により路面32に固定されるようになっている。尚本例において、防滑ゴムマット10は平面形状が縦,横それぞれ1mのサイズの四角形状をなしている。 【0018】図3(B),(C),(D)はこの防滑ゴムマット10の断面構造を示したもので、図示のようにこの防滑ゴムマット10にはその内部に芯体としての鋼板22が埋設されており、この鋼板22によって防滑ゴムマット10全体に所定の剛性が付与されている。 【0019】これらの図に示しているように、上記固定孔20は防滑ゴムマット10を厚み方向に貫通しているとともに、上面側には大径の座繰り凹部24を有し、そこに図4に示しているようにアンカーボルト26の頭部28が収まるようになっている。同図に示しているようにアンカーボルト26は、防滑ゴムマット10を厚み方向に貫通して路盤30内に埋入し、防滑ゴムマット10を路面32に固定する。 【0020】図2及び図3に示しているように上記三角形状の台状部18には、その上面から上向きに起立する形態の、平面形状がそれぞれ同一直径の円形状から成る多数の主弾性突起34が縦,横,斜めに配列した状態で設けられている。また各台状部18の隅部となる三角形状の角部36には、主弾性突起34とは異なる平面形状、即ち平面三角形状の補助弾性突起38が主弾性突起34と同じ高さで突設されている。 【0021】ここで各補助弾性突起38は、角部36の2辺と平行な2辺を有する三角形状をなしている。詳しくは角部36で交差する台状部18の2辺と平行な2辺を有する直角二等辺三角形状をなしている。この角部36は、その上面のスペースが狭過ぎて上記主弾性突起34を設けることができず、そこでここでは平面形状が三角形状の補助弾性突起38を設けているのである。 【0022】本例の防滑ゴムマット10によれば、台状部18における角部36の狭いスペースにも有効に補助弾性突起38を存在させることができ、これにより排水溝(溝12,14,16A,16B)の交差部近傍において弾性突起の存在しないゾーンが生成するのを防止でき、同部分においても良好な防滑機能を発揮させることができる。 【0023】因みに図5は上記のような三角形状の補助弾性突起38を設けた場合と設けない場合との差を比較して示したものである。図5(B)に示しているように、上記のような補助弾性突起38を設けない場合、縦溝12,横溝14及び斜溝16A,16Bが交差する部分の近傍に弾性突起の存在しないゾーン40が所定範囲に亘って形成されてしまう。従って同部分において弾性突起の弾性変形による防滑機能が得られなくなってしまう。 【0024】しかるに図5(A)に示しているように、台状部18の角部36のそれぞれに上記のような三角形状の補助弾性突起38を設けることで、上記のようなゾーン40の生成を防止することができる。即ちこの場合実質的に弾性突起の存在しない部分は縦溝12,横溝14及び斜溝16A,16Bの交差部だけとなる。 【0025】従って本実施例によれば溝12,14,16A,16Bを除いた全ての部分に弾性突起(主弾性突起34又は補助弾性突起38)を実質的に均等に分散配置できるのであり、この結果各溝12,14,16A,16Bの交差部近傍を含むマット全面に亘って均等に防滑機能を発揮することができるのである。 【0026】また本例では、その角部36の補助弾性突起38を台状部18の2辺と平行な2辺を持つ角形状となしていることから、狭いスペースを最大限有効に活用して形状の大きな防滑機能に優れた弾性突起となすことができる。 【0027】その他本例の防滑ゴムマット10は、表面の排水溝がそれぞれ直線状に繋がった縦溝12と横溝14と斜溝16A,16Bとから成っていることにより、排水溝が多方向に延びた形となり、良好な排水機能を確保することができる。また路面が何れの方向に傾斜勾配を有している場合においても、多方向に延びる縦溝12,横溝14,斜溝16A,16Bの何れかによって良好に排水を行うことができる。 【0028】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。例えば本発明においては台状部18における角部36の補助弾性突起38を上例以外の形状で形成することも可能であるし、またこれら補助弾性突起38,主弾性突起34の上例の配置パターンはあくまで一例を示したに過ぎないもので、他の様々なパターンでそれら弾性突起34,38を配置することが可能である。その他本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000219602 【氏名又は名称】東海ゴム工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年3月27日(2000.3.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089440 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 和夫
|
| 【公開番号】 |
特開2001−271304(P2001−271304A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月5日(2001.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−85828(P2000−85828) |
|