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【発明の名称】 電気洗濯機
【発明者】 【氏名】面澤 健

【氏名】塙 信幸

【氏名】小倉 健

【氏名】服部 直幾

【氏名】相馬 倫弘

【氏名】細川 敦志

【氏名】伊東 正一

【要約】 【課題】ブラシレス電動機を使用した電気洗濯機を経済的に実現する。

【解決手段】制御装置27におけるインバータ回路35に直流電圧を生成する直流電圧生成回路34を半導体交流スイッチング素子の導通または不導通によって倍電圧整流回路または全波整流回路として選択的に機能する整流回路とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】外槽内に回転可能に設置した洗濯槽兼脱水槽と、この洗濯槽兼脱水槽の底部に回転可能に設置した撹拌翼と、洗濯槽兼脱水槽および撹拌翼を回転駆動するブラシレス電動機と、直流電圧生成回路とインバータ回路を有する制御装置とを備え、前記制御装置によって前記ブラシレス電動機の回転を制御して前記洗濯槽兼脱水槽および撹拌翼を選択的に回転駆動することにより洗濯槽兼脱水槽内の洗濯物を撹拌して洗濯工程を行い、洗濯槽兼脱水槽を高速回転させて洗濯物を遠心脱水する脱水工程を行う電気洗濯機において、前記制御装置は、直流電圧生成回路に半導体交流スイッチング素子の導通または不導通によって倍電圧整流回路または全波整流回路として選択的に機能する整流回路を備え、洗濯工程と脱水工程に応じて前記半導体交流スイッチング素子の導通/不導通状態を制御することによってインバータ回路に供給する直流電圧を変化させるようにしたことを特徴とする電気洗濯機。
【請求項2】請求項1において、前記半導体交流スイッチング素子を2方向サイリスタとしたことを特徴とする電気洗濯機。
【請求項3】請求項1において、前記制御装置は、洗濯工程においては前記半導体交流スイッチング素子を不導通状態に維持することにより前記整流回路を全波整流回路として機能させて前記インバータ回路に比較的低い直流電圧を供給するようにしたことを特徴とする電気洗濯機。
【請求項4】請求項3において、前記制御装置は、洗濯工程において前記インバータ回路によってPWM制御するようにしたことを特徴とする電気洗濯機。
【請求項5】請求項1において、前記制御装置は、脱水工程においては前記半導体交流スイッチング素子を導通状態に維持することにより前記整流回路を倍電圧整流回路として機能させて前記インバータ回路に比較的高い直流電圧を供給するようにしたことを特徴とする電気洗濯機。
【請求項6】請求項5において、前記制御装置は、脱水工程におけるブラシレス電動機の加速段階においてはインバータ回路によりブラシレス電動機に供給する交流電圧をPWM制御するようにしたことを特徴とする電気洗濯機。
【請求項7】請求項5において、前記制御装置は、脱水工程におけるブラシレス電動機の加速段階においては前記半導体交流スイッチング素子を導通角度を制御することにより直流電圧生成回路の直流出力電圧を徐々に変化させるようにしたことを特徴とする電気洗濯機。
【請求項8】外槽内に回転可能に設置した洗濯槽兼脱水槽と、この洗濯槽兼脱水槽の底部に回転可能に設置した撹拌翼と、洗濯槽兼脱水槽および撹拌翼を回転駆動するブラシレス電動機と、直流電圧生成回路とインバータ回路を有する制御装置とを備え、前記制御装置によって前記ブラシレス電動機の回転を制御して前記洗濯槽兼脱水槽および撹拌翼を選択的に回転駆動することにより洗濯槽兼脱水槽内の洗濯物を撹拌して洗濯工程を行い、洗濯槽兼脱水槽を高速回転させて洗濯物を遠心脱水する脱水工程を行う電気洗濯機において、前記制御装置は、直流電圧生成回路に半導体交流スイッチング素子の導通または不導通によって倍電圧整流回路または全波整流回路として選択的に機能する整流回路を備え、電源投入直後および/または洗濯および脱水運転状態と待機状態に応じて前記半導体交流スイッチング素子の導通/不導通状態を制御することによってインバータ回路に供給する直流電圧を変化させるようにしたことを特徴とする電気洗濯機。
【請求項9】請求項8において、前記直流電圧生成回路は、電源投入直後および/または待機状態ではインバータ回路に供給する直流電圧を低くするようにしたことを特徴とする電気洗濯機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】電気洗濯機は、一般的には、外槽内に回転可能に設置した洗濯槽兼脱水槽と、この洗濯槽兼脱水槽の底部に回転可能に設置した撹拌翼と、洗濯槽兼脱水槽および撹拌翼を回転駆動する電動駆動装置を備え、この電動駆動装置によって前記洗濯槽兼脱水槽および撹拌翼を選択的に回転駆動することにより洗濯槽兼脱水槽内の洗濯物を撹拌して洗い工程と濯ぎ工程(洗濯工程)を行い、その後、洗濯槽兼脱水槽を高速回転させて洗濯物を遠心脱水する脱水工程を行う構成である。
【0003】電動駆動装置は、動力源として一般的には誘導電動機を使用しているが、最近はインバータ回路によりブラシレス電動機に給電する構成のものが提案されている。また電動機としてブラシレス電動機を使用して多様な洗濯および脱水運転を実現することができるようにした電気洗濯機が提案されている。インバータ制御の洗濯機は例えば特開平9−121584号公報に開示されている。
【0004】なお、洗濯機と全く異なる技術であるが、例えば空気調和機の技術分野で、インバータ制御で電動機に給電する技術が提案されている。この技術は例えば特開平10−111028号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】インバータ制御のブラシレス電動機を使用した電気洗濯機は、洗濯および脱水工程を効率良く実施することができるが、高価格になる問題がある。
【0006】本発明の1つの目的は、インバータ制御のブラシレス電動機を使用した電気洗濯機を経済的に実現することにある。
【0007】本発明の他の目的は、更に、ブラシレス電動機を工程に応じて効率良く回転させることができるようにすることにある。
【0008】本発明の更に他の目的は、更に、半導体スイッチング素子に印加する電圧を合理的に制御することにより該半導体スイッチング素子の負担を軽減することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、外槽内に回転可能に設置した洗濯槽兼脱水槽と、この洗濯槽兼脱水槽の底部に回転可能に設置した撹拌翼と、洗濯槽兼脱水槽および撹拌翼を回転駆動するブラシレス電動機と、直流電圧生成回路とインバータ回路を有する制御装置とを備え、前記制御装置によって前記ブラシレス電動機の回転を制御して前記洗濯槽兼脱水槽および撹拌翼を選択的に回転駆動することにより洗濯槽兼脱水槽内の洗濯物を撹拌して洗濯工程を行い、洗濯槽兼脱水槽を高速回転させて洗濯物を遠心脱水する脱水工程を行う電気洗濯機において、前記制御装置は、直流電圧生成回路に半導体交流スイッチング素子の導通または不導通によって倍電圧整流回路または全波整流回路として選択的に機能する整流回路を備え、洗濯工程と脱水工程に応じて前記半導体交流スイッチング素子の導通/不導通状態を制御することによってインバータ回路に供給する直流電圧を変化させるようにしたことを特徴とする。
【0010】そして、前記半導体交流スイッチング素子を2方向サイリスタとしたことを特徴とする。
【0011】また、前記制御装置は、洗濯工程においては前記半導体交流スイッチング素子を不導通状態に維持することにより前記整流回路を全波整流回路として機能させて前記インバータ回路に比較的低い直流電圧を供給するようにしたことを特徴とする。
【0012】また、前記制御装置は、洗濯工程において前記インバータ回路によってPWM制御するようにしたことを特徴とする。
【0013】また、前記制御装置は、脱水工程においては前記半導体交流スイッチング素子を導通状態に維持することにより前記整流回路を倍電圧整流回路として機能させて前記インバータ回路に比較的高い直流電圧を供給するようにしたことを特徴とする。
【0014】また、前記制御装置は、脱水工程におけるブラシレス電動機の加速段階においてはインバータ回路によりブラシレス電動機に供給する交流電圧をPWM制御するようにしたことを特徴とする。
【0015】また、前記制御装置は、脱水工程におけるブラシレス電動機の加速段階においては前記半導体交流スイッチング素子を導通角度を制御することにより直流電圧生成回路の直流出力電圧を徐々に変化させるようにしたことを特徴とする。
【0016】また、本発明は、外槽内に回転可能に設置した洗濯槽兼脱水槽と、この洗濯槽兼脱水槽の底部に回転可能に設置した撹拌翼と、洗濯槽兼脱水槽および撹拌翼を回転駆動するブラシレス電動機と、直流電圧生成回路とインバータ回路を有する制御装置とを備え、前記制御装置によって前記ブラシレス電動機の回転を制御して前記洗濯槽兼脱水槽および撹拌翼を選択的に回転駆動することにより洗濯槽兼脱水槽内の洗濯物を撹拌して洗濯工程を行い、洗濯槽兼脱水槽を高速回転させて洗濯物を遠心脱水する脱水工程を行う電気洗濯機において、前記制御装置は、直流電圧生成回路に半導体交流スイッチング素子の導通または不導通によって倍電圧整流回路または全波整流回路として選択的に機能する整流回路を備え、電源投入直後および/または洗濯および脱水運転状態と待機状態に応じて前記半導体交流スイッチング素子の導通/不導通状態を制御することによってインバータ回路に供給する直流電圧を変化させるようにしたことを特徴とする。
【0017】そして、前記直流電圧生成回路は、電源投入直後および/または待機状態ではインバータ回路に供給する直流電圧を低くするようにしたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施の形態を示す電気洗濯機の縦断側面図であり、ここでは全自動洗濯機を例示している。
【0019】1は電気洗濯機の外枠で、内部機構の周囲を包囲する筐体を構成する。2は、外枠2内に設けた洗濯槽兼脱水槽であり、その上部の縁部に流体バランサー3を備える。この洗濯槽兼脱水槽2の底部の内側には回転自在に撹拌翼4を備える。5は外槽であり、その内部に前記洗濯槽兼脱水槽2および撹拌翼4を回転自在に収容する。外槽5の底部の外側にはブラシレス電動機を内蔵する電動駆動装置6を鋼板製の取り付けベース7によって取り付け、外枠1の上端四隅から防振支持装置8によって懸垂支持する。
【0020】衣類投入開口9aを備えた上カバー9は、洗濯槽兼脱水槽2の上に設ける。この上カバー9は、枠体1の上部開口を覆うように開口端縁に嵌め込み、フロントパネル10およびバックパネル11と共に取り付けねじ(図示省略)によって枠体1に取り付ける。
【0021】上カバー9の前部に位置してフロントパネル10の下方に形成されるフロントパネルボックス12は、操作スイッチである入力スイッチ群や表示素子群を備えた操作パネル13と操作パネル制御装置14と外槽5内の水位に応じた水位信号を発生する水位センサ15を収容する。入力スイッチ群は、図示説明は省略するが、洗濯物の汚れの程度(汚れ多め,標準汚れ,汚れ少なめ)を設定するスイッチと、ドライマーク衣料洗濯を設定するスイッチと、布団洗濯を設定するスイッチと、スタートスイッチを備える。その他洗濯あるいはすすぎの水流の強さを選択するスイッチを設けており、また布質を表わすスイッチを設けている。
【0022】上カバー9の後部に位置してバックパネル11の下に形成されるバックパネルボックス16が設けられる。このバックパネルボックス16には、入水側を給水口17に接続し、出水側を注水口18に接続する給水電磁弁19を収容する。注水口18は、洗濯槽兼脱水槽2の開口に向けて放水するように形成する。バックパネルボックス16には、必要に応じて、風呂水などの水をポンプを介して洗濯槽兼脱水槽2に供給するためのポンプ(図示省略)や、前記給水電磁弁19からの水道水から金属イオンを取り除いて注水口18に供給するフィルター装置(図示省略)を設置する。
【0023】上カバー9に形成した衣類投入開口9aは、蓋20によって開閉自在に覆う構造としている。
【0024】外槽5の底部に形成した排水口5aは、排水電磁弁21を介して排水ホース22に接続している。また、外槽5の下方にはエアートラップ5bを設け、このエアートラップ5bはエアーチューブ23を介して前記水位センサ15に接続して外槽5内の水位を検出する。
【0025】枠体1の下方には、四隅に脚24を取り付けた合成樹脂製のベース25を装着する。
【0026】前記電動駆動装置6はカバー26により覆って防水する。この電動駆動装置6は、駆動電動機として、制御性に優れたブラシレス電動機を備えている。このブラシレス電動機への給電は、インバータ回路を内蔵する制御装置27により行う。この制御装置27は、前記操作パネル制御装置14からの指示に従ってブラシレス電動機への給電を制御する。このブラシレス電動機への給電制御は、PWM(パルス幅変調)制御およびPAM(パルス電圧変調)制御する。
【0027】制御装置27は、外槽5の下に位置するように前記ベース25に形成した取付け部25aに載置して設ける。
【0028】図2は、電気洗濯機の電動駆動装置6と制御装置14,27の内部構成を示すブロック図である。
【0029】電動駆動装置6は、ブラシレス電動機28と減速歯車機構を含むクラッチ機構29を備える。ブラシレス電動機28は、回転位置検出素子28aによって回転子の回転位置に応じた位置信号を出力し、制御装置27から3相固定子巻線に給電を受けて回転子を回転させる。回転子の回転は、クラッチ機構29を介して洗濯槽兼脱水槽2および/または撹拌翼4に伝達する。
【0030】操作パネル制御装置14は、通信機能を備えたマイクロコンピュータ30を主体にして構成し、操作パネル13に設けた入力スイッチ群31からの入力を検出して制御装置27に伝達すると共に表示素子群32を点灯/消灯する制御処理を実行する。
【0031】制御装置27は、ノイズフィルター回路33と直流電圧生成回路34とインバータ回路35によって前記ブラシレス電動機28に給電し、補機駆動回路36によって給水電磁弁コイル19aと排水電磁弁コイル21aとクラッチコイル29aに給電するように構成する。
【0032】直流電圧生成回路34は、リアクトル34aとブリッジ接続したダイオード34b〜34eと直列接続した平滑コンデンサ(電解コンデンサ)34f,34gと半導体交流スイッチング素子としての2方向サイリスタ(FLS)34hによって構成した全波整流回路と倍電圧整流回路の複合整流回路によって構成し、2方向サイリスタ34hを不導通状態に維持することにより電源電圧を全波整流して平滑コンデンサ34f,34gを直列状態に充電する全波整流回路として機能させ、2方向サイリスタ34hを導通状態とすることにより電源電圧を整流して各平滑コンデンサ34f,34gを交互に充電する倍電圧整流回路として機能させる。倍電圧整流回路として機能している状態では、2方向サイリスタ34hの交流電源電圧波形に対する導通位相を変化させると平滑コンデンサ34f,34gの充電電圧の大きさが変化する。そして、この直流電圧生成回路34は、この平滑コンデンサ34f,34gの直列接続状態の両端の直流電圧を直流出力電圧とする。
【0033】インバータ回路35は、IGBTのような電力用トランジスタを半導体スイッチング素子35aを使用して3相ブリッジ接続することにより構成し、ブラシレス電動機28に3相交流電圧(電流)を供給する。
【0034】補機駆動回路36は、給水電磁弁コイル19a,排水電磁弁コイル21a,クラッチコイル29aに2方向サイリスタ36a〜36cを接続し、これらの2方向サイリスタ36a〜36cを選択的に導通させることにより、給水電磁弁19,排水電磁弁21,クラッチ機構29を駆動する。
【0035】制御装置27は、洗濯機の全体的な制御を管理し、洗濯および脱水工程を実行するマイクロコンピュータ37を備える。このマイクロコンピュータ37は、洗濯および脱水工程制御機能と直流電圧生成回路制御機能とインバータ回路制御機能と補機制御機能と前記マイクロコンピュータ30との通信機能を備える。
【0036】マイクロコンピュータ37は、マイクロコンピュータ30を介して入力スイッチ群31の指示入力に従って洗濯および脱水工程を設定し、この設定状態をマイクロコンピュータ30を介して表示素子群32を点灯して表示し、水位センサ15の検出信号を入力して外槽5内の水位を監視しながら給水電磁弁19および排水電磁弁21を開閉するように補機駆動回路36を制御する。
【0037】そして、直流電圧生成回路34の直流出力電圧を検出する検出抵抗回路38における分圧比を制御して直流電圧制御回路39に帰還させ、直流出力電圧が所望の値となるように2方向サイリスタ34hを制御する。
【0038】また、ブラシレス電動機28の回転位置検出素子28aからの位置信号を回転位置検出回路40を介して取り込んで該ブラシレス電動機28の回転子の回転位置を検出し、この回転位置に相応する位相で給電するようにインバータ駆動回路41を介してインバータ回路35を駆動する。
【0039】そして、洗濯工程においては、クラッチコイル29aを付勢状態にすることによりクラッチ機構29によって洗濯槽兼脱水槽2を静止状態に保持し、撹拌翼4をブラシレス電動機28によって低速度で正回転および逆回転させるようにインバータ回路35を制御する。このようにブラシレス電動機28を低速回転させる洗濯工程においては、インバータ回路35に供給する直流電圧生成回路34の直流出力電圧は、比較的低い電圧であることが望ましく、直流電圧生成回路34における複合整流回路を全波整流回路として機能させるために2方向サイリスタ34hが不導通状態となるように制御する。
【0040】直流電圧生成回路34が全波整流回路として機能することにより出力する直流出力電圧は、略120ボルトである。インバータ回路35は、この電圧に基づいて生成した3相交流電圧をブラシレス電動機28に供給して該ブラシレス電動機28を回転させることになるが、回転速度を低くするために出力を制限するときには、3相交流電圧をPWM制御する。
【0041】脱水工程においては、クラッチコイル29aを消勢状態にすることにより、クラッチ機構29によって洗濯槽兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的にしてブラシレス電動機28によって高速度で正回転させるようにインバータ回路35を制御する。このようにブラシレス電動機28を高速回転させる脱水工程においては、インバータ回路35に供給する直流電圧生成回路34の直流出力電圧は、比較的高い電圧であることが望ましく、直流電圧生成回路34における複合整流回路を倍電圧整流回路として機能させるために2方向サイリスタ34hが導通状態となるように制御する。
【0042】直流電圧生成回路34が倍電圧整流回路として機能することにより出力する直流出力電圧は、略240ボルトである。インバータ回路35は、この電圧に基づいて生成した3相交流電圧をブラシレス電動機28に供給して該ブラシレス電動機28を高速回転させることになるが、回転速度を徐々に上昇させるためには、3相交流電圧をPWM制御またはPAM制御することが望ましい。PWM制御は、直流電圧生成回路34を倍電圧整流回路として機能させて最高電圧を出力するように維持した状態でインバータ回路35の半導体スイッチング素子35aの導通角を制御することによって実現するが、PAM制御は、直流電圧生成回路34における2方向サイリスタ34hの導通位相角を制御して直流出力電圧を変化させることによって実現する。この直流出力電圧制御は、マイクロコンピュータ37が位置検出回路40からの検出信号に基づいてブラシレス電動機28の回転速度を検出し、回転速度に応じて検出抵抗回路38の分圧比を制御することにより実現する。
【0043】図3は、直流電圧生成回路34の直流出力電圧特性を示している。2方向サイリスタ34hの導通位相角を制御することにより直流出力電圧が徐々に変化するが、導通状態または不導通状態とするときにはこの直流出力電圧は比較的高圧(略240ボルト)または比較的低圧(略120ボルト)の2段階となる。
【0044】また、前記制御装置27のマイクロコンピュータ37は、電源投入直後や待機状態では直流電圧生成回路34の直流出力電圧が比較的低電圧となるように直流電圧制御回路39を制御し、洗濯および脱水運転状態では直流電圧生成回路34の直流出力電圧が比較的高電圧となるように直流電圧制御回路39を制御するようにすると良い。
【0045】半導体スイッチング素子を使用して構成した制御装置27は、電源投入直後やタイマー予約運転などにおける待ち時間のような機器を動作させない待機状態では、半導体スイッチング素子の負担を軽くするために、半導体スイッチング素子に印加される電圧を低い状態にしておくことが望ましい。そこで、洗濯機の全体的な制御を管理するマイクロコンピュータ37に洗濯機が置かれている状態を判断させ、電源投入直後やタイマー予約運転などにおける待ち時間のような待機状態では直流電圧生成回路34の直流出力電圧が比較的低電圧となるように直流電圧制御回路39を制御し、洗濯および脱水運転状態では直流電圧生成回路34の直流出力電圧が比較的高電圧となるように直流電圧制御回路39を制御するようにする。
【0046】
【発明の効果】本発明は、制御装置におけるインバータ回路に直流電圧を生成する直流電圧生成回路を半導体交流スイッチング素子の導通または不導通によって倍電圧整流回路または全波整流回路として選択的に機能する整流回路としたことにより、インバータ制御のブラシレス電動機を使用した電気洗濯機を経済的に実現することができる。
【0047】そして、洗濯工程においては、洗濯工程においては前記半導体交流スイッチング素子を不導通状態に維持することにより前記整流回路を全波整流回路として機能させて前記インバータ回路に比較的低い直流電圧を供給し、脱水工程においては前記半導体交流スイッチング素子を導通状態に維持することにより前記整流回路を倍電圧整流回路として機能させて前記インバータ回路に比較的高い直流電圧を供給するようにしたので、工程に応じてブラシレス電動機を効率良く回転させることができる。
【0048】また、電源投入直後や待機状態では直流電圧生成回路の直流出力電圧を比較的低い状態にすることにより、半導体スイッチング素子の負担を軽くすることができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成12年6月14日(2000.6.14)
【代理人】 【識別番号】100074631
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 幸彦 (外1名)
【公開番号】 特開2001−353396(P2001−353396A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2000−178576(P2000−178576)