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【発明の名称】 排水バルブ
【発明者】 【氏名】武田 吉秋

【氏名】大川 友弘

【氏名】中里 真一

【氏名】古川 賢治

【要約】 【課題】駆動用モーターの負荷を軽減し、負の負荷領域を最小限にし、ベローズの着座を安定させることにより、モーターの低価格化と水封性の向上を計る。

【解決手段】駆動用モーターの軸に弁開閉を操作するカムを有し、カムとベローズを連絡する摺動軸を有し、摺動軸を2部品化し、一方にリブで囲まれた略長方形部を形成し、この略長方形内部に前記カムと回転自在に係合するバネ受けを設け、バネ受けと前記略長方形内面間にベローズを押圧するバネを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動用モーターの軸に弁開閉を操作するカムを有し、カムとベローズを連絡する摺動軸を有し、摺動軸を2部品化し、一方にリブで囲まれた略長方形部を形成し、この略長方形内部に前記カムと回転自在に係合するバネ受けを設け、バネ受けと前記略長方形内面間にベローズを押圧するバネを設けたことを特徴とする排水バルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は洗濯機等の槽内の排水を制御する排水バルブに係り、特に弁の開閉操作を行なう駆動用モーターの負荷を軽減するために好適なオシバネの取付け位置とベローズを開閉動作させる部品構成に関する。
【0002】
【従来の技術】現在使用されている排水バルブの概要は図11及び図12に示す通りで駆動部(モーター)3、動作制御スイッチ部4及び弁(ベローズ12)収納部で形成され、モーターで操作カム6を回転させ、操作カムと連結する摺動軸11を往復運動させて弁の開閉を行なうもので、閉弁時はベローズ内部に設けられた押バネ13でベローズを押圧し止水する。
【0003】開弁,閉弁の位置制御は前記制御スイッチで行なっている。また、別構造として駆動部(制御スイッチ部を含む)と弁収納部を分離し、駆動部で操作するワイヤーで摺動軸を操作し、弁の開閉を行なうものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の場合、開弁時は閉弁時に一定量たわんでいるバネを更に引上げるため、バネの押圧は増大し結果的に駆動用モーターにその分負荷がかかる。
【0005】また、閉弁時、バネの付与力はモーターに負の負荷として働き、モーターの種類によっては磁気バランスの関係で再起動できない場合がある。更に、閉弁時は閉弁に至るまでのバネの付与力が大きくバネの座屈等により、摺動軸のガタ分でベローズが傾き着座が不安定になり、止水に支障をきたす可能性がある。また、駆動用モーターの負荷及び弁による止水は、弁を操作する操作カムと弁を保持し摺動する摺動軸及び双方の連結部の形状,構成が微妙に影響する。
【0006】本発明は従来品の欠点に鑑みなされたもので、その目的は駆動用モーターの負荷を軽減し、負の負荷領域を最小限にし、ベローズの着座を安定させることにより、モーターの低価格化と水封性の向上を計ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的はベローズを押圧するバネをベローズ内部から廃止し、弁を開閉する操作カムとベローズを保持し往復運動する摺動軸との接続部に設け、前記摺動軸部を2部品化し、一方はリブで囲まれた略長方形を有する形状とし、他方を円筒形を有する形状とし、前記略長方形内に設けたバネ受けを回転自在に前記操作カムと係合させる構成とすることで達成される。ただし、ベローズを押圧する前記バネはバネ受けと略長方形リブの内壁間に設けることとする。
【0008】本発明によれば、モーターへの負荷は閉弁時のみ閉弁に必要な押圧な操作カムで操作する力しか印加されずモーターの負荷は大幅に軽減される。また、モーターに加わる負の負荷は、開弁時の開動作直後に瞬時に作用するのみで時間的には短かくモーター停止後の再起動に影響を与えることはない。更に、バネの付与力は閉弁時のみしか作用しないため、摺動軸を傾ける外力は微小でベローズの着座は安定し閉弁時の水封性は十分確保できる。
【0009】前記摺動軸を2部品化し、一方の略長方形部に操作カムと回動自在に係合するバネ受けを設ける構成としたことが、前記目的を達成するための大きな要素となる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施例の部品の形状及び構成を図1,図2,図3,図4,図6,図7,図8,図9,図10により説明する。
【0011】構造の概要は図1に示す通りで、全体は駆動部(モーター)3及び制御スイッチ部4を収納するモータケース1とベローズ12を収納するバルブケース2とで構成している。ベローズ12は円周リブ部12aがモータケースとバルブケースに狭持された形で取付いている。
【0012】駆動部(モーター)3は上面に回転軸3aを有し、回転軸3aはモータケース1の開口部1aを通過し上方に伸び、下部(モーター側)に制御カム5を挿入し、先端部に操作カム6をネジ7で固定している。制御カム5と操作カム6は回転軸3と一緒に回転する。
【0013】制御スイッチ4はモーターを経由して電源に接続され、制御カム5の外周面と当接し、制御カムの形状により規定の位置でON,OFFしモーターの停動を規制する。
【0014】弁(ベローズ)12は摺動軸11で保持され連続子8とバネ受け9を介して操作カム6の係合軸6aに接続されており、モーターの回転と操作カムにより往復運動する。
【0015】摺動軸11は円筒状に形成され、一端にはツバ部11aを有し、ベローズ12の円周溝部と係合し、他端は開口している。また、円筒内部の任意の位置には中心部に挿入口11cを有する偏肉の固定板11bがあり、摺動軸全体はモータケース2の軸受部1aで保持され摺動可能となっている。
【0016】連結子8はリブで囲まれた略長方形状のフック部8aを有し、フック部内にはフック部外枠から伸びる挿入子8bと対向する形で嵌合突起8cが設けられている。挿入子8bの先端外周には嵌合爪8gと抜止め突起8d(8e)を一対ずつ備え、中心部には切欠き8fを有し先端部がたわみやすくなっている。
【0017】また、連結子8は挿入子8bが摺動軸11の挿入口11cに挿入した形で接続され、挿入後は嵌合爪8gと抜止め突起8d(8e)とで固定板11bを狭持することになり、連結子8全体は摺動軸11の挿入口11cを基点に任意に傾くことができる。
【0018】バネ受け9は中央部に軸穴9aと、一端には挿入突起9cを、他端にはガイドリブ9dを有し、両側面には規制リブ9bを有する。
【0019】バネ受け9は前記連結子8のフック部8a内に位置し、軸穴9aは前記操作カム6の係合軸6aと回動自在に係合し、前記ガイドリブ9dと規制リブ9bはフック部8aの肉厚部を狭持する形で設けられている。
【0020】押バネ10は前記バネ受け9の挿入突起9cと前記連結子8のフック部8内の嵌合突起8c間で保持されバネ受け9と連結子8に一定の押力を与えている。
【0021】次に本発明の実施例の動作を図1,図2,図3,図4により説明する。
【0022】洗濯機に排水バルブを組付け排水動作させた時、水の流れは図2に示す矢印の通りで、流路の途中にベローズがあり、ベローズの位置により開弁、閉弁を制御することができる。
【0023】図2は本発明の閉弁状態を示し、操作カム6は摺動軸11を押付けた状態で停止している。この時バネ受け9はオシバネ10を押付ける位置にあり、この押力が連結子8、摺動軸11を介してベローズ12に伝達されて止水する。押力はベローズ12の閉弁部の表面積にもよるが約1.2N程度あれば確実に止水できる。また、モーター3には閉弁に至る直前に閉弁に必要な押力を与える回転方向の力のみしか付加されず1.2N・cm程度で済む。
【0024】図3は閉弁状態から完全開弁状態に至る前の途中状態を示し、操作カム6の嵌合軸6aは閉弁位置から90°回転した所にある。この時、ベローズは摺動軸11、連結子8を介して操作カム6により引込まれ半開した状態になる。モーター3の負荷は開弁動作が始まると漸次減少し、ベローズの押圧が解除された時点でなくなり、この位置でのモーター負荷はベローズ剛性の反力と摺動軸11の摺動抵抗等のみで微少となっている。また、連結子8は操作カム6の嵌合軸6aの回動に追従して動き、摺動軸11の挿入口11cを基点に任意に傾くことができる。
【0025】図4は完全開弁状態を示し、ベローズは図3の位置から更に引込まれ全開位置に達する。この位置は洗濯機組付時の排水状態であり、槽内の水が完全に排水されるまで保持される。この位置でのモーター負荷は図3と同一で微少である。この状態から更に操作カム6を180°回転させることにより図2の閉弁状態に戻すことができる。
【0026】本発明の他実施例について図5により説明する。前記実施例では摺動軸11と連結子8は別体とし、挿入嵌合して連結する旨を説明したが、図5に示す通り摺動軸部と連結子部を一体化したものでも当初の目的を達することが可能である。
【0027】ただ、図5で示す構造の場合、摺動軸と連結子の接続部8aは操作カム6の嵌合軸6aの回動に追従して曲る必要があり、曲る部分の肉厚が薄い程モーター3にかかる負荷は軽減される。反面、肉厚が薄いと閉弁時オシバネ10で押された時、環境試験等で座屈する可能性があり相反する要素を持っている。
【0028】このため、モーターの負荷トルク、オシバネの付与力等を基に肉厚の程度及び材質等の選定が必要で技術的に難がある。この点を考慮すると別体の方が有利と考えるも部品点数が増えることから価格的には不利になる可能性がある。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、ベローズを押圧し閉弁するためのオシバネを、操作カムと操作カムの回動により往復運動する摺動軸との接続部に設けることで、モーターの負荷は閉弁時の押圧を操作カムで操作する力しか印加されないためモーターの負荷は大幅に軽減できる。
【0030】また、負の負荷は閉弁解除時、瞬時に作用するのみで停止後の再起動は支障なく行なえる。更に閉弁時の摺動軸を傾ける外力は微小でこれに保持されるベローズの着座は安定し閉弁時の水封性は確実になる。
【0031】また、摺動軸部を2部品化し、一方の略長方形リブ部内に操作カムと係合して回動するバネ受けを設け、バネ受けと略長方形の内面間にベローズを押圧するバネを設けることで前記効果を具体的に確実にすることが可能である。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成12年6月2日(2000.6.2)
【代理人】 【識別番号】100075096
【弁理士】
【氏名又は名称】作田 康夫
【公開番号】 特開2001−340693(P2001−340693A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2000−170406(P2000−170406)