| 【発明の名称】 |
ドラム式洗濯機 |
| 【発明者】 |
【氏名】島影 勝之
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| 【要約】 |
【課題】脱水時にドラムの回転制御でバランス状態に応じて適切な条件でモータを回転駆動する。
【解決手段】ドラムに直結されたモータ16は、直流電源回路部29からインバータ主回路36を通じて通電される。制御回路26は、回転センサ19の検出信号に基づいてインバータ主回路36を駆動制御して回転制御する。洗濯運転の開始時点で、重量検知結果からモータ16の最大供給電力を設定する。脱水運転時に、制御回路26は、モータ16への供給電力を最大供給電力で制限するので、バランス状態が良好ではない場合にはTOP回転速度よりも低い回転速度で脱水運転を行って振動の発生を抑制することができる。バランス状態に応じた最高回転速度の設定では困難な場合でも、最大供給電力で制御することにより適切な回転速度で脱水運転を行えるようになる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外箱の内部に設けられる水槽と、この水槽の内部にほぼ水平方向に指向して回転軸が配置される回転槽と、前記水槽の背面側に設けられ前記回転槽を回転駆動する可変速形モータとを備え、洗い・すすぎ・脱水などの各行程を実施するようにしたドラム式洗濯機において、前記回転槽内に収容される洗濯物の重量を検知する重量検知手段と、前記可変速形モータへの供給電力を制御する制御手段とを設け、前記制御手段は、脱水運転を行う時に、前記可変速形モータへ供給する電力として、前記重量検知手段により検知された重量のときに目標とする最高回転速度に達するのに必要な最低の供給電力値を最大供給電力として設定するように構成されていることを特徴とするドラム式洗濯機。 【請求項2】 前記回転槽の低速回転領域におけるバランス状態を検知するバランス検知手段を備え、前記制御手段は、前記バランス検知手段からアンバランス状態が発生していないことを条件として前記可変速形モータへの前記最大供給電力の設定をするように構成されていることを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯機。 【請求項3】 前記制御手段は、前記バランス検知手段により検知されるバランス状態の判定結果に基づいて前記最大供給電力の設定値を補正するように構成されていることを特徴とする請求項2記載のドラム式洗濯機。 【請求項4】 前記制御手段は、脱水運転を開始して前記回転槽が所定回転速度に達するまでの立ち上がり時間を検出し、この検出時間に応じて前記設定されている最大供給電力を補正するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のドラム式洗濯機。 【請求項5】 前記制御手段は、前記バランス検知手段の検知結果に基づいて前記可変速形モータの目標最高回転速度を変更設定するように構成されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のドラム式洗濯機。 【請求項6】 前記制御手段は、前記可変速形モータが目標最高回転速度に達するまでの間の回転速度上昇率を、前記重量検知手段および前記バランス検知手段の検知結果に基づいて変更設定するように構成されていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載のドラム式洗濯機。 【請求項7】 前記制御手段は、前記可変速形モータへの供給電力が最大値に達したときの回転速度が前記共振回転速度に対応した所定回転速度領域にあるときには、前記目標最高回転速度をその所定回転速度領域から外れるように変更設定することを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載のドラム式洗濯機。 【請求項8】 前記制御手段は、前記可変速形モータが最終的に到達した実際の最高回転速度に応じて脱水時間を補正するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のドラム式洗濯機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、可変速形モータによりドラムを回転駆動する構成のドラム式洗濯機に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、ドラム式洗濯機においては、ドラムを高速で回転動作させて脱水運転を行う場合に、収容している洗濯物が偏っている場合には振動が発生するため、これを防止すべく、低速回転でバランス検知動作を行っている。このバランス検知動作では、モータの回転速度やモータ電流の変動などを検知して判定したり、あるいは、ドラムおよびドラム周辺部の振動振幅を検知することにより行われていた。 【0003】一方、低速回転動作ではアンバランスの発生が無い場合でも、実際の脱水運転の高速回転動作では、洗濯物の水分が脱水されるにしたがってバランスを崩してくることもあり、このようなアンバランスの発生に対応して、一旦高速回転になるまで回転速度を上昇させて水分を少なくし、この後再度低速回転に下げて再度バランス検知を行うようにしている。これは、バランス検知動作が低速回転動作において精度が確保できるという実情によるものである。 【0004】このようにして、バランス検知動作を行って、アンバランスが発生していないこを判定した上で、高速回転動作による脱水動作を行うように構成されている。したがって、脱水運転でアンバランス状態が発生することを防止して迅速且つ的確な脱水運転を行うことができるようになる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のような従来構成のものでは、次のような点で不都合があった。すなわち、前述したように、バランス検知動作は高速回転領域で行うと検出精度が高くないので、低速回転状態で行う必要があるが、高速回転領域で洗濯物から水が脱水される過程で新たに発生するアンバランスで再び低速回転まで低下させてバランス検知動作を行う必要がある。このため、バランス検知に要する時間が長くなり、洗濯運転に要する全体の時間が長くなる場合があった。 【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、一旦低速回転領域でバランス検知が良好とされた場合には、高速回転領域での脱水運転をアンバランス状態の発生を極力抑制して迅速且つ確実に行えるようにしたドラム式洗濯機を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、次のように構成される。請求項1記載のドラム式洗濯機においては、重量検知手段により回転槽内に収容される洗濯物の重量を検知し、脱水運転を行う時に、制御手段により、可変速形モータへ供給する電力として、重量検知手段により検知された重量のときに目標とする最高回転速度に達するのに必要な最低の供給電力値を最大供給電力として設定するように構成した。 【0008】上記構成を採用することにより、回転槽を回転駆動する可変速形モータに対する供給電力は、収容されている洗濯物の重量において決まる目標回転速度に達するのに必要な最低限の電力に設定される。この電力の値は、回転槽が良好なバランス状態のときに最も少ない電力で目標回転速度に達することができるぎりぎりの電力であり、この電力値が最大供給電力つまり可変速形モータに供給可能な電力の上限値として設定されることになる。 【0009】したがって、実際の脱水運転においてバランス状態が良好でない場合には、目標回転速度に達する前に可変速形モータに供給する電力値が最大供給電力となってしまうことになる。しかし、バランス状態が良好でないということは、これ以上の電力を供給するとそのバランス状態が悪化して振動が増大することになるので、これを自動的に抑制して脱水運転を迅速且つ的確に行うことができるようになる。 【0010】請求項2記載のドラム式洗濯機においては、回転槽の低速回転領域におけるバランス状態を検知するバランス検知手段を設け、制御手段により、バランス検知手段からアンバランス状態が発生していないことを条件として可変速形モータへの最大供給電力の設定をするようにした。 【0011】これにより、少なくとも回転槽の低速回転領域においてはアンバランスが発生しない条件で脱水運転をするので、可変速形モータに対して最大供給電力を与えたときに目標回転速度に近付く可能性が高くなり、また、高速回転領域で洗濯物の水分が少なくなった状態で良好なバランス状態が維持できなくなる場合でも、そのバランス状態による振動が大きくならない範囲に回転速度を制限して脱水運転を行うことができるようになる。 【0012】請求項3記載のドラム式洗濯機においては、請求項2の構成において、制御手段により、バランス検知手段によるバランス検知動作を回転槽の共振回転速度より低い回転速度領域において判定するようにし、この判定結果に基づいて最大供給電力の設定値を補正するようにした。これにより、重力検知結果に基づいて設定する最大供給電力の設定値に対して、バランス検知動作の実施によって予測されるバランス状態の程度に応じて最大供給電力の設定値を補正することで、振動の発生を抑制しながら効率的な脱水運転を行わせることができるようになる。 【0013】請求項4記載のドラム式洗濯機においては、制御手段により、脱水運転を開始して回転槽が所定回転速度に達するまでの立ち上がり時間を検出し、この検出時間に応じて設定されている最大供給電力を補正するようにした。これにより、重力検知手段により検知した時点での重量から推定される脱水時の重量と、脱水時に洗濯物が水分を含んだ状態での実際の重量とにずれが生じている場合でも、脱水運転の立ち上がり時間によってこれを検知することができるようになり、補正された最大供給電力によって可変速形モータの駆動制御を行うので、振動の発生を極力抑制した状態で脱水運転を実施することができるようになる。 【0014】請求項5記載のドラム式洗濯機においては、制御手段により、バランス検知手段の検知結果に基づいて可変速形モータの目標最高回転速度を変更設定するようにした。これにより、回転槽の回転状態が良好なバランス状態から逸脱することが予想されるような場合にその目標最高回転速度も変更設定することで、最大供給電力と共に両方の条件で可変速形モータの回転制御を行うことができ、確実に振動を抑制して迅速且つ確実な脱水運転を行うことができるようになる。 【0015】請求項6記載のドラム式洗濯機においては、制御手段により、可変速形モータが目標最高回転速度に達するまでの間の回転速度上昇率を、重量検知手段およびバランス検知手段の検知結果に基づいて変更設定するようにした。これにより、回転槽の回転状態を、洗濯物の重量と回転のバランス状態とに応じた適切な回転速度上昇率つまり加速度で可変速形モータを駆動制御することができるようになる。 【0016】請求項7記載のドラム式洗濯機においては、制御手段により、可変速形モータへの供給電力が最大値に達したときの回転速度が共振回転速度に対応した所定回転速度領域にあるときには、目標最高回転速度をその所定回転速度領域から外れるように変更設定するようにした。これにより、回転槽の回転状態によって可変速形モータの回転速度が共振回転速度に対応した所定回転速度の領域にあって共振による振動発生が予測される場合でも、この所定回転速度領域から外れるように目標最高回転速度が再設定されるので、振動の発生が強調される共振回転速度の領域を避けて回転制御することができ、振動の発生を極力抑制して迅速且つ確実に脱水運転を行うことができるようになる。 【0017】請求項8記載のドラム式洗濯機においては、制御手段により、可変速形モータが最終的に到達した実際の最高回転速度に応じて脱水時間を補正するように構成した。これにより、回転槽の回転状態によって到達可能な最終回転速度が変動する場合でも、これに対応して脱水時間を調整することで、振動の発生を抑制しながら、洗濯物の脱水を常に一定の性能で行うことができるようになる。 【0018】 【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図5を参照して説明する。図2は、ドラム式洗濯機の全体構成を縦断側面で示している。この図2において、矩形状に形成された外箱1には、その前面の中央部に洗濯物の出入口2が設けられ、この出入口2を開閉するように扉3が設けられている。外箱1の内部には、軸方向が前後方向に指向する円筒状をなす水槽4が、サスペンション47により弾性的に下方から支持された状態に設けられている。 【0019】水槽4は、胴部5と後板部6および前板部7から構成され、それらは例えば金属板により形成されている。前板部7には円形の開口7aが形成されている。この開口7aと前記洗濯物の出入口2とは筒状をなす弾性材たとえばゴム製の接続部材8により連通するように接続されている。 【0020】水槽4の内部には、洗濯物が収容される回転槽としてのドラム9が回転自在に設けられている。このドラム9は、胴部10と後面部材11と前板部12とを接合して構成されている。胴部10の周壁部には多数の孔部10aが形成され、前板部12には円形の開口12aが形成されている。また、後面部材11は、複数の通気口を有するフレーム部材11aに多孔状の板部材11bを取着して構成されている。 【0021】また、ドラム9の後面部材11の中心部分には、ドラム軸13が後方に突出するように取り付けられており、これは、前記水槽4の後板部6を貫通して取り付けられた鋳造成形品からなる軸受ハウジング14に軸受15を介して回転自在に支承されており、これによりドラム9が回転自在に設けられている。 【0022】ドラム9はアウタロータ形の直流ブラシレスモータからなるモータ16によりダイレクトに回転駆動されるように設けられる。すなわち、モータ16の回転軸を構成するドラム軸13の後端部には永久磁石を備えたロータ17が一体に回転可能に取付けられ、前述の軸受ハウジング14にはロータ17の内方に位置するようにステータコア及びコイルを備えたステータ18が設けられている。これにより、ロータ17が回転されると、ドラム軸13を介してドラム9がダイレクトに回転駆動される。ステータ18には、ロータ17に対向してその回転位置を検出する回転センサ19が2個設けられている。 【0023】水槽4の底部には排水弁モータ20(図1参照)によって開閉される排水弁21及びフレキシブルな排水ホース22が設けられており、排水弁21を開状態に駆動すると、水槽4内の水が排水ホース22を通じて外部に排出される。また、外箱1の上部には、水槽4内に給水する給水弁23(図1参照)が設けられており、図示しない給水ホースを介して水が供給されるようになっている。 【0024】外箱1の前面上部には操作パネル24が設けられており、この前面には表示部25(図1参照)が設けられ、外箱1の前面部の内部側には洗濯運転の制御を行う制御回路26やスイッチ入力部27を備えた制御部28が配設されている。 【0025】次に、図1を参照して電気的構成について説明する。直流電源回路部29は、整流回路30および平滑コンデンサ31a,31bからなる倍電圧回路と定電圧回路32とから構成される。整流回路30の入力端子にはリアクトル33を直列に介して交流電源34が接続される。整流回路30の出力端子には2本の直流電源線35a,35bに接続され、これらの間には平滑コンデンサ31a,31bが直列に接続されており、それらの共通接続点が整流回路30の入力端子の一方に接続されている。定電圧回路32は、整流回路30の出力端子間に接続され、制御回路26などの制御用の各回路に所定の直流電圧を生成して与える。 【0026】2本の直流電源線35a,35b間にはインバータ主回路36が接続されている。インバータ主回路36は、三相ブリッジ接続された6個のIGBT37a〜37fと、それぞれに並列に接続されたフリーホイールダイオード38a〜38fとから構成される。インバータ主回路36の3つの出力端子39a〜39cは前述したモータ16のステータ18の三相のコイル40a〜40cの各端子に接続されている。 【0027】IBGT37a〜37fの各ゲートはフォトカプラを介して駆動信号を与える駆動回路41に接続されている。駆動回路41は、前述した制御回路26を構成しているPWM回路26aに接続され、PWM信号が与えられる。制御回路26は、マイクロコンピュータなどを主体として構成されるもので、ROM、RAMなどを備えた構成である。前述のモータ16に設けられた2個の回転センサ19は制御回路26に検出信号を出力するように接続されている。なお、この回転センサ19と制御回路26とにより、後述する重量検知手段およびバランス検知手段が構成されるものである。 【0028】また、直流電源線35a,35b間には線間電圧をモニタする分圧回路42が接続されている。分圧回路42は、2個の抵抗42a,42bを直列に接続した構成で、それらの共通接続点が出力端子として制御回路26に接続されている。制御回路26には、このほかに、前述の排水弁モータ20,給水弁23および操作スイッチ27が接続されると共に、温風生成用のヒータ43,停電検出回路44,水位センサ45および扉開閉検知スイッチ46などが接続されている。 【0029】次に、本実施形態の作用について図3ないし図5も参照して説明する。なお、ここでは、本発明の要旨にかかわる脱水運転の動作を中心として説明することとし、その他の動作については、一般的なものと同様な動作であるから説明を簡略的にする。 【0030】洗濯の運転動作については、図3および図4に示すプログラムのフローチャートにしたがって制御回路26により駆動制御される。ドラム9に洗濯物を収容して扉3を閉じ、操作パネル24のスタートスイッチをオンすると、制御回路26は、図3に示すプログラムを開始し、まず洗濯物の重量を検知する(ステップS1)。 【0031】この重量検知動作では、制御回路26は、モータ16を所定回転速度(例えば600rpm)で回転駆動し、遠心力でドラム9の周壁に洗濯物が押し当てられて回転する状態とし、この後惰性回転させて回転速度が例えば330rpm程度の所定レベルまで低下するまでに要した時間を測定する。測定される時間は、洗濯物の量に応じて惰性回転するときの慣性が大きくなるので、回転速度が低下するまでの時間が変化する。これにより洗濯物の重量が検知される。 【0032】ここでは、制御回路26は、検知した洗濯物の重量が、例えば2kg未満のときに重量小、2kg以上で4kg未満の範囲にあるときに重量中、4kg以上あるときに重量大として判定し、その判定結果に応じてモータ16に供給可能な電力値として最大供給電力Pmax を設定する(ステップS2)。この場合、最大供給電力Pmax の値は、図5に示すように、モータ16への通電を行う場合のデューティ値(duty)として設定するもので、重量検知結果が大、中、小に応じて90%、80%、70%と変化させるようになっている。 【0033】また、ここで設定する最大供給電力とは、モータ16の回転速度を徐々に高めて行く制御の過程で、その制御において最終的に供給が許容される最も大きい電力の値を示すものである。また、この最大供給電力の値は、検出された洗濯物の重量で高速回転制御を行うときに、良好なバランス状態で回転するときだけTOP回転速度(最高回転速度)まで到達することができるように設定される値でもある。したがって、少しでもバランス状態が崩れると、TOP回転速度に達する前に設定された最大供給電力に達してしまうことになるように設定されたものである。 【0034】次に、制御回路26は、給水弁23を開動作させて水槽4内に給水する給水動作を行い(ステップS3)、続いてモータ16を回転駆動させて洗い運転を行う(ステップS4)。この後、制御回路26は、排水弁モータ20を駆動して排水弁21を開状態として排水動作を行い(ステップS5)、脱水動作を開始するようになる(ステップS6)。 【0035】この脱水動作では、制御回路26は、まず、モータ16を回転速度が100rpmとなるように低速回転制御し(ステップS7)、回転速度が100rpmに達するとバランス検知動作を行う(ステップS8)。バランス検知動作では、制御回路26は、回転センサ19から回転位置信号を入力し、これに基づいて回転状態を判断する(ステップS9)。バランス状態が良好な場合(OKな場合)には、次に高速回転制御のステップS10に移行する。また、アンバランス状態が判定された場合には、制御回路26は、一旦ほぐし動作を実行し(ステップS11)、再びステップS7〜S9に戻ってバランス検知動作を行い、バランス状態が良好となるまでこれを繰り返す。 【0036】図4は上記したステップS10の高速回転制御のルーチンを示すフローチャートで、制御回路26は、まずモータ16の目標回転速度としてバランス検知時と同じ100rpmに設定し(ステップS100)、この後、段階を追って回転速度を増加させるように制御する。すなわち、まず、制御回路26は、現在設定されている目標回転速度がTOP回転速度(例えば900rpm)と等しいか否かを判断し(ステップS101)、TOP回転速度に達していない場合には目標回転速度を所定量(例えば15rpm)だけ上昇させる(ステップS102)。 【0037】次に、モータ16の実際の回転速度を回転センサ19の検出信号により求め、現在設定されている目標回転速度を超えているか否かを判断し(ステップS103)、超えていない場合(「NO」の場合)には現在の供給電力が最大供給電力を超えていないことを条件として(ステップS104)、供給電力を増加させる(ステップS105)。供給電力の増加は、デューティの所定量アップにより行う。 【0038】また、ステップS103で「YES」と判断したとき、すなわち、モータ16の実際の回転速度が目標回転速度を超えている場合には、供給電力を低減する処理を行う(ステップS106)。以下、脱水時間として設定されている時間が経過するまでの間、上記したステップS101からS106の内容を繰り返し実行してモータ16の回転速度がTOP回転速度に達するように制御する。 【0039】この場合、ステップS7,S8で行ったバランス検知動作でOKでも、モータ16の高速回転制御で洗濯物の水分が減ってきた状態でアンバランスが発生することがある。このような場合でも、そのアンバランス状態でモータ16の回転むらが生じることで目標回転速度に達しない場合には、TOP回転速度に達する前に供給電力が最大供給電力Pmax に達することになる(ステップS104)。 【0040】しかし、この制御では、制御回路26は、モータ16の回転速度がTOP回転速度である900rpmに達しない状態のままその回転速度の状態で脱水運転を継続する。この結果、TOP回転速度となるように供給電力を増加させてアンバランスによる振動の発生を抑制しながら脱水運転を行うことができる。そして、この状態で脱水時間が経過するとその時点で脱水動作を終了して次の動作に移行するようになる。 【0041】このような第1の実施形態によれば、重量検知動作において検知した洗濯物の重量に応じて脱水時のモータ16への最大供給電力Pmax を設定するので、洗濯物を収容しているドラム9の回転状態が良好なバランスであるときにはその最大供給電力Pmax の範囲内でモータ16の回転速度をTOP回転速度まで到達させることができ、バランスが良好でない場合にはモータ16に最大供給電力Pmaxを供給してもその回転速度がTOP回転速度に達しない場合があるが、その状態ではTOP回転速度よりも低い回転速度で駆動することでアンバランスの発生に起因した振動を抑制しながら迅速且つ的確な脱水運転を行うことができるようになる。 【0042】(第2の実施形態)図6及び図7は本発明の第2の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、脱水動作を開始してモータ16を低速回転制御で駆動制御するときに、回転速度の上昇の仕方を測定してその度合いに応じて最大供給電力の設定値を補正するようにしたものである。 【0043】すなわち、図6において、前述同様にしてステップS6で脱水動作を開始すると、制御回路26は、モータ16への供給電力つまりデューティを増加して回転速度を高くするように制御する(ステップS12)。この場合、供給電力の増加の度合いは、重量検知結果に応じて決めている。例えば、重量小(2kg未満)の場合には10%から30%まで増加し、重量中(2kg〜4kg)の場合には15%から35%まで増加し、重量大(4kg以上)の場合には20%から40%まで増加させる。 【0044】そして、制御回路26は、供給電力の増加を行ってから所定時間(例えば0.5秒後)が経過したときの回転速度を検知し(ステップS13)、回転速度が30rpm未満か(ステップS14)、30rpm〜60rpmの間にあるか、あるいは60rpm以上であるか(ステップS15)を判定して、立上りランク1〜3のいずれかを判断する(ステップS16〜S18)。この後、前述同様にしてステップS7の低速回転制御の処理に移行するようになる。 【0045】さて、上述のように立上りランクを判定するのは、重量検知動作時に検出した重量が水を含まない状態での検知結果に対して、水を含んだ状態となることで、布地の質などの違いに起因して吸収する水の重量に差が発生し、脱水条件にも若干の変動を来たすのを是正するためである。 【0046】そして、例えば、図7に示すように、重量検知結果である重量大、重量中、重量大のそれぞれに対して、立上りランクが1〜3まで変化することに対応して、それぞれに最大供給電力Pmax が設定されている。ここでは、立上りランク2の状態が前述の図5の場合に対応させており、この立上りランク2を中心として、立上りランク1ではデューティを5%だけ高く補正し、立上りランク3ではデューティを5%だけ低くなるように補正する。 【0047】このような第2の実施形態によれば、重力検知結果及び脱水動作開始の直後に行う立上りランクの判定結果に応じて最大供給電力を補正することで、より適切な最大供給電力を設定することができ、これによって、アンバランス状態の発生を極力抑制して迅速且つ確実に脱水動作を行わせることができるようになる。 【0048】(第3の実施形態)図8は本発明の第3の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、バランス検知動作でバランス状態の程度を検知し、その程度に応じて最大供給電力Pmax の値を補正するようにしたところである。すなわち、制御回路26は、重量検知を行って重量大、中、小のそれぞれに対応して設定した最大供給電力に対して、バランス検知を行った結果を元にして補正するものである。 【0049】この補正は、図8に示すように、バランス状態が普通であるとき(図中では普と記載)には設定の補正を行わず、良好であるとき(図中では良と記載)にはデューティを5%上昇するように補正し、普通よりも悪いとき(図中では悪と記載)にはデューティを5%低下させるように補正する。 【0050】これにより、バランス状態が良好でないときには、これに対応して最大供給電力を低く補正して、モータ16のTOP回転速度を低めに抑えることが可能となり、これによってアンバランスに起因した振動の発生を抑制した脱水運転を行うことができるようになる。 【0051】(第4の実施形態)図9は本発明の第4の実施形態を示すもので、第3の実施形態と異なるところは、重量検知を行って設定した最大供給電力Pmax に対して、バランス検知動作で検知したバランス状態の程度に応じて、最大供給電力Pmax の補正に加えてTOP回転速度の設定を変更するようにしたところである。 【0052】制御回路26は、図9に示すように、重量検知結果で設定した最大供給電力Pmax とバランス検知結果とに対応して、図示のように、バランスが良好のときには普通の設定状態よりも最大供給電力Pmax およびTOP回転速度を高めるように変更設定し、良好でないときには共に低減するように変更設定する。 【0053】これにより、第3の実施形態における効果に加えて、バランス状態が良好でない場合におけるモータ16の回転速度を最大供給電力Pmax で制限すると共にTOP回転速度によっても制限するように回転駆動することができ、より確実に振動の低減を行うことができるようになる。 【0054】(第5の実施形態)図10は本発明の第5の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、ステップS10(図3参照)の高速回転制御のルーチンにおいて、モータ16の回転制御で供給電力が最大に達したときには(図4のステップS104で「YES」と判定される場合)、そのときのモータ16の実際の回転速度が所定回転速度以上まで上がっていることを条件として脱水運転を継続するようにしたところである。 【0055】すなわち、図10に示すように、制御回路26は、モータ16への供給電力が設定されている最大供給電力Pmax の値に達している状態では、そのままの状態で脱水運転を継続するか否かを、そのときの実際の回転速度が所定回転速度(例えば700rpm)以上となっているかどうかによって判断する(ステップS108)。これは、最大供給電力Pmax を供給しているにもかかわらず、何らかの原因で700rpm未満の回転速度にしか達していない場合に、これを異常状態と判断して脱水動作を停止させるためのものである。 【0056】これにより、TOP回転速度に向けて回転速度を上昇する制御をしているときに、ドラム9の回転のバランス状態が崩れるなどして実際の回転速度が所定回転速度以上に上昇されないことを検知して、異常振動が発生するのを防止するように速やかに脱水動作を停止させることができるようになる。 【0057】(第6の実施形態)図11は本発明の第6の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、ステップS10(図3参照)の高速回転制御のルーチンにおいて、目標回転速度を上昇させる場合(ステップS102)の上昇率を、バランス検知の結果に基づいて異なる変化量に設定するようにしたところである。 【0058】すなわち、制御回路26は、重量検知結果とバランス検知結果の両方の結果に基づいて、図11に示すように目標回転速度上昇率(rpm/秒)を設定する。例えば、重量検知結果が重量中と判断し、バランス検知結果が良好と判断されたときには、同図から毎秒20rpmの目標回転速度上昇率が設定される。 【0059】つまり、バランス状態が良好であるときには、普通の状態の設定に比べて高く設定しても問題なく回転速度の上昇を行うことができるからである。逆に、バランス検知結果が普通よりも悪い場合には、普通の場合と同等かあるいはそれよりも低い目標回転速度上昇率に設定される。これにより、洗濯物の重量とドラム9の回転のバランス状態とに基づいて、モータ16の回転速度の上昇制御を行うことができ、振動の発生を抑制して脱水運転を行うことができるようになる。 【0060】(第7の実施形態)図12は本発明の第7の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、ステップS10(図3参照)の高速回転制御のルーチンにおいて、モータ16への供給電力が最大供給電力Pmax に達したときに、実際の回転速度が所定回転速度の範囲に入っている場合にはその範囲から外れるようにTOP回転速度を変更設定するようにしたものである。 【0061】すなわち、ここでいう所定回転速度の範囲とは、装置本体の構造的な条件で決まる固有の共振回転速度の範囲を意味しており、具体的には、例えば700〜800rpmの回転速度の範囲に相当している。モータ16に対して最大供給電力Pmax を与えた状態での実際の回転速度がこの回転速度の範囲にあるときには(ステップS108で「YES」と判断)、装置全体が共振を起こすことで振動が増大してしまうため、これを避けるように制御することで振動の発生を抑制するようにしたものである。 【0062】(第8の実施形態)図13は本発明の第8の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、モータ16に対する最大供給電力を設定してその条件において最終的に到達した回転速度に対応して制御回路26により脱水時間を設定するようにしたところである。 【0063】すなわち、図13には、モータ16の到達回転速度を複数段階例えば5段階の範囲に分けて、それぞれの到達回転速度の範囲に対応して各脱水時間を設定している。ここで、脱水時間は、洗濯運転のすすぎ行程などで行う中間の脱水動作の時間と、最終の脱水行程で行う脱水時間との2つがあり、それぞれの行程に対応して設定するようになっている。これにより、モータ16の到達回転速度に対応して脱水時間が調整されることで、バランス状態にかかわらず一定の脱水能力を発揮させることができるようになる。 【0064】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のドラム式洗濯機によれば、次のような効果を得ることができる。請求項1の発明によれば、重量検知手段による洗濯物の重量検知結果に応じて、制御手段により、可変速形モータへの最大供給電力を設定するように構成したので、実際の脱水運転においてバランス状態が良好でない場合でも、目標回転速度に達する前に可変速形モータへの供給電力が最大供給電力に達するようにして振動の発生を抑制した脱水運転を行うことができるようになる。 【0065】請求項2の発明によれば、バランス検知手段を設け、制御手段により、バランス検知手段からアンバランス状態が発生していないことを条件として可変速形モータへの最大供給電力の設定をするようにしたので、可変速形モータに対して最大供給電力を与えたときに目標回転速度に近付く可能性を高め、振動が大きくならない範囲に回転速度を制限して脱水運転を行うことができるようになる。 【0066】請求項3の発明によれば、制御手段により、バランス検知動作の判定結果に基づいて最大供給電力の設定値を補正するようにしたので、重力検知結果に基づいた最大供給電力の設定値を、バランス状態に対応して補正することで、振動の発生を抑制しながら効率的な脱水運転を行わせることができるようになる。 【0067】請求項4の発明によれば、制御手段により、脱水運転の立ち上がり時間を検出し、この検出時間に応じて最大供給電力を補正するようにしたので、脱水時に洗濯物が水分を含んだ状態での実際の重量が重量検知結果に対してずれが生じている場合でも、補正された最大供給電力によって可変速形モータの駆動制御を行うことができ、振動の発生を極力抑制した状態で脱水運転を実施することができるようになる。 【0068】請求項5の発明によれば、制御手段により、バランス検知手段の検知結果に基づいて可変速形モータの目標最高回転速度を変更設定するようにしたので、回転槽の回転状態がバランスを崩すことが予想されるような場合にその目標最高回転速度も変更設定することで、最大供給電力と共に両方の条件で可変速形モータの回転制御を行うことができ、確実に振動を抑制して迅速且つ確実な脱水運転を行うことができるようになる。 【0069】請求項6の発明によれば、制御手段により、可変速形モータが目標最高回転速度に達するまでの間の回転速度上昇率を、重量検知手段およびバランス検知手段の検知結果に基づいて変更設定するようにしたので、回転槽の回転状態を、洗濯物の重量と回転のバランス状態とに応じた適切な回転速度上昇率つまり加速度で可変速形モータを駆動制御することができるようになる。 【0070】請求項7の発明によれば、制御手段により、可変速形モータへの供給電力が最大値に達したときの回転速度が共振回転速度に対応した所定回転速度領域にあるときには、目標最高回転速度をその所定回転速度領域から外れるように変更設定するようにしたので、可変速形モータの回転速度が共振回転速度に対応した所定回転速度の領域にある場合にこれを避けた目標最高回転速度で回転制御することができる。 【0071】請求項8の発明によれば、制御手段により、可変速形モータが最終的に到達した実際の最高回転速度に応じて脱水時間を補正するように構成したので、回転槽の回転状態によって到達可能な最終回転速度が変動する場合でも、これに対応して脱水時間を調整することで、振動の発生を抑制しながら、洗濯物の脱水を常に一定の性能で行うことができるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成12年5月26日(2000.5.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071135 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 強
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| 【公開番号】 |
特開2001−334096(P2001−334096A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月4日(2001.12.4) |
| 【出願番号】 |
特願2000−156944(P2000−156944) |
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