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【発明の名称】 傾斜式洗濯機のすすぎ方法
【発明者】 【氏名】クワン オー ホーン

【要約】 【課題】すすぎ水の使用量とすすぎ時間を減らしながらもすすぎ性能を向上させる傾斜式洗濯機のすすぎ方法を提供することである。

【解決手段】斜めに設置された洗濯槽を回転させながら、洗濯物の荷重に基づいて一定量のすすぎ水を洗濯槽内に給水するすすぎ水の給水段階と、前記洗濯槽を一定速度以上で回転させるとともに洗濯槽内に給水された水を洗濯槽の上部に循環、噴射させながら洗濯物のすすぎを実施する循環すすぎ段階と、前記洗濯物をすすいだすすぎ水を排水し、洗濯槽を前記循環すすぎ段階の回転速度より高い速度で高速回転させて洗濯物からすすぎ水を脱水するすすぎ水の脱水段階とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 垂直方向に対して斜めに設置され、内槽と外槽から構成された洗濯槽の内槽を一定速度以下で回転させるか、内槽を停止させた状態で、洗濯物の荷重に基づく一定量のすすぎ水を洗濯槽に供給するすすぎ水の給水段階と、前記内槽を回転させるとともに洗濯槽内のすすぎ水を洗濯槽の上部に循環させて内槽に噴射させながら洗濯物のすすぎを実施する循環すすぎ段階とからなることを特徴とする傾斜式洗濯機のすすぎ方法。
【請求項2】 前記循環すすぎ段階の終了後、前記洗濯機内のすすぎ水を排水し、前記内槽を前記循環すすぎ段階の回転速度より高い速度で高速回転させて洗濯物からすすぎ水を脱水する段階を実施した後、前記すすぎ水の給水段階に復帰して洗濯物のすすぎを設定回数だけ繰り返し実施することを特徴とする請求項1記載の傾斜式洗濯機のすすぎ方法。
【請求項3】 前記すすぎ水の脱水の際に、前記内槽は400rpm 以上で回転することを特徴とする請求項2記載の傾斜式洗濯機のすすぎ方法。
【請求項4】 前記内槽の回転速度は、前記すすぎ水の給水段階で50rpm以下、前記循環すすぎ段階で50〜300rpm であることを特徴とする請求項1又は3記載の傾斜式洗濯機のすすぎ方法。
【請求項5】 前記循環すすぎ段階で、前記内槽の回転角速度はつぎの式1/2g<RW2 <2g(ただし、Wは内槽の回転角速度、Rは内槽の半径、gは重力加速度である)の範囲を満足することを特徴とする請求項1記載の傾斜式洗濯機のすすぎ方法。
【請求項6】 前記すすぎ水の給水段階で、洗濯槽に供給されるすすぎ水は洗濯槽に投入された洗濯物荷重の1/2〜5倍に相当する量が供給されることを特徴とする請求項1記載の傾斜式洗濯機のすすぎ方法。
【請求項7】 前記循環すすぎ段階で、循環されるすすぎ水は洗濯槽に投入された洗濯物の荷重の1/2〜5倍に相当する量が循環されることを特徴とする請求項1記載の傾斜式洗濯機のすすぎ方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は洗濯槽が斜めに設けられた洗濯機の洗濯方法に関するもので、特に傾いた洗濯槽に貯蔵されているすすぎ水を洗濯槽の上部に循環させて、ノズルを通してすすぎを実施し得るようにした傾斜式洗濯機のすすぎ方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は従来技術による直立式洗濯機の内部構成を示す断面図である。前記直立式洗濯機は、洗濯機ケース10内に設けられた4本の吊棒30により吊り下げられた状態で支持されており、前記洗濯槽20の下部には、内槽23を回転駆動させる駆動モーター40が取りつけられている。
【0003】前記洗濯槽20は、洗濯水又はすすぎ水が貯蔵される外槽22と、前記外槽22の内部に位置し、前記駆動モーター40により回転しながら洗濯物を洗浄させる内槽23とから構成されている。そして、前記外槽22の下部には、洗濯水を排出するための排水ホース26及び排水バルブ27が設けられ、前記内槽23の底面には、洗濯の効率増大のためのパルセーター25が設けられている。
【0004】前記のようなモーター直立式洗濯機の動作を説明すると次のようである。まず、内槽23に洗濯物及び洗剤を入れてから洗濯機を動作させると、前記洗濯槽20の内部に水が供給されて、外槽22と内槽23に一定の高さまで水が給水された後、駆動モーター40が動作して内槽23を回転させながら洗濯を行うことになる。
【0005】このように、洗濯を実施してから一定の時間が経過すると、駆動モーター40が動作を停止し、外槽22の下部に設けられた排水バルブ27が開放されて、洗濯槽20内部の水が排水ホース26を通して外部に排水される。排水が完了し、洗濯槽20に再び水が供給されて一定の高さまで上がると、内槽が撹拌してすすぎ運転を行うことになる。すすぎ運転は通常2〜3回にわたって行われ、前記洗濯運転と同一の動作で行われる。
【0006】このように、洗濯及びすすぎ運転が完了すると、前記内槽23を高速に回転して、洗濯物に含まれた水分を除去するための脱水運転に進行する。しかし、前述したような従来技術の洗濯機のすすぎ方法は、すすぎ行程を行うため、洗濯物がすすぎ水内に十分に漬かるように洗濯槽20の一定の高さまですすぎ水を満たさなければならないため、多量のすすぎ水が消耗されることはもちろん、すすぎ水の給水及び排水時間が長くなって、全体的に洗濯に長い時間がかかり、すすぎ性能も低下する問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を解決するために案出されたもので、傾いた洗濯槽を回転させるとともに循環ホース及びノズルにより、前記洗濯槽内に貯蔵された水を循環させながらすすぎ作動を行うようにすることにより、すすぎ水の使用量とすすぎ時間を減らすとともにすすぎ性能を向上させる傾斜式洗濯機のすすぎ方法を提供することにその目的がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するための本発明による傾斜式洗濯機のすすぎ方法は、斜めに設置された洗濯槽を回転させながら、洗濯物の荷重に基づいた一定量のすすぎ水を洗濯槽内に給水するすすぎ水の給水段階と、前記洗濯槽を一定速度以上で回転させるとともに洗濯槽内に給水された水を洗濯槽の上部に循環、噴射させながら洗濯物のすすぎを実施する循環すすぎ段階と、前記洗濯物をすすいだすすぎ水を排水し、洗濯槽を前記循環すすぎ段階の回転速度より高い速度で高速回転させて洗濯物からすすぎ水を脱水するすすぎ水の脱水段階とを含むことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明の実施例を説明する。図2は本発明による傾斜式洗濯機のすすぎ方法を実施することができる洗濯機の内部構成を示す断面図である。洗濯槽が傾いた洗濯機は、上部にドア55が設けられた洗濯機ケース50と、前記洗濯機ケース50内に、垂直方向に対して一定の角度(θ)だけ傾いて配置された洗濯槽60と、前記洗濯槽60が前記洗濯機ケース50内で斜めに配置されるように、上端が前記洗濯機ケース50の上側部に連結されるとともに下端が前記洗濯槽60の下側部に連結される4本の吊棒部材57と、前記洗濯槽60の下側に設けられた駆動モーター75とから構成される。
【0010】前記洗濯槽60は、前記吊棒部材57により洗濯機ケース50内に斜めに支持される外槽61と、前記外槽61内で前記駆動モーター75により回転され、底面にパルセーター66が設けられた内槽65とからなる。このように、外槽61と内槽65とからなる洗濯槽60は、垂直方向に対して傾斜角(θ)が0°<θ<30°となる範囲内で斜めに取り付けられる。
【0011】このように、洗濯槽60が斜めに取り付けられた場合、洗浄度が向上するとともに洗濯偏差が減る理由は、内槽65が回転するとき、内部の水流が重力、遠心力、傾いた内槽面の相互関係により非対称形態になり複雑な布流動を生成するためで、これにより洗濯物の洗浄力が向上される。更に、前記外槽61の底面の相対的に低い位置に排水口63が設けられ、この排水口63から洗濯機ケース50の外側に排水ホース64が連結される。
【0012】特に、前記排水ホース64の上流部では、洗濯槽60内の水を洗濯槽60の上方に強制循環させることができるように、内槽65の上部側に連結された循環ホース70が分岐される。すなわち、洗濯時又はすすぎ時には、循環ホース70を通して洗濯槽60の上部から内槽65の内側に水を供給し得るように洗濯水及びすすぎ水を循環させ、排水時には、排水ホース64を通して洗濯水又はすすぎ水を排水するようになっているものである。
【0013】このように、前記循環ホース70は外槽61の側面に一体的に形成された循環通路71の下端部に連結され、循環通路71の上端部には、内槽65の内側にすすぎ水を噴射させ得るように、タブカバー62に固定されたノズル74が連結される。もちろん、前記循環通路71を外槽61と一体的に形成しなく別に形成して外槽の側面に固定する方式で連結することもできる。
【0014】前記排水ホース64と循環ホース70が分岐する分岐点には、排水ホース64及び循環ホース70のいずれか一方を選択的に開放させる三方バルブ72が設けられ、前記三方バルブ72の上側にはすすぎ水を強制循環させるか排出させるためのポンプ73が設けられる。また、前記ポンプ73としては単一のポンプを使用することが好ましいが、前記外槽61の底面から循環ホースと排水ホースがそれぞれ別個に連結され、それぞれのホースに循環用ポンプと排水用ポンプを別に設けることもできる。
【0015】図3は本発明による傾斜式洗濯機のすすぎ方法を示す順序図である。前記のように構成される傾斜式洗濯機を用いる本発明のすすぎ方法は、給水、洗濯、排水、脱水からなる洗濯行程につづき、洗剤の除去のために、給水、循環すすぎ、排水、脱水過程からなる行程を規定回数繰り返すことからなる。図2及び図3に示すように、傾いた前記洗濯槽60の内槽65を一定速度(50rpm )以下で回転させながら、洗濯物の荷重の半分ないし5倍の量に相当するすすぎ水を給水するすすぎ水の給水段階(S1)と、前記内槽65を一定速度(50〜300rpm )で回転させるとともに洗濯槽60内の水を、洗濯物荷重の半分ないし5倍の量で循環ホース70及びノズル74を通して循環させながら洗濯物のすすぎを実施する循環すすぎ段階(S2)と、すすぎ水を排水ホース64を通して排水した後、内槽65を前記循環すすぎ段階(S2)の最高回転速度より高い速度(400rpm 以上)で回転させてすすぎ水を脱水するすすぎ水の脱水段階(S3)とからなる。
【0016】また、すすぎ水の脱水段階(S3)が終了すると、既設定されたすすぎ回数(N)に至るまで前記すすぎ水の給水段階(S1)に復帰して洗濯物のすすぎを実施する。前記すすぎ水の給水段階(S1)でのすすぎ水の給水量の感知は、洗濯槽60に設けられた水位センサー(図示せず)により感知することができ、すすぎ水の給水量は洗濯物荷重の1/2〜3倍に設定することが好ましい。
【0017】前記循環すすぎ段階(S2)において、内槽65は、内槽の半径(R)に内槽の角速度(W)を掛けた値である遠心方向の加速度が重力加速度(g)の1/2〜2倍の値に相当するように回転することが好ましいし、これを数式で表現するとつぎのようである。
1/2g<RW2 <2gこのような内槽65の回転速度は50〜200rpm 程度に設定することが好ましい。
【0018】そして、循環すすぎ段階(S2)でのすすぎ水循環時間は、洗濯物荷重の1/2〜3倍の量のすすぎ水が循環されるように設定することが好ましい。例えば、洗濯物の荷重が1kgである場合、すすぎ水循環時間は約0.5〜3リットルのすすぎ水が循環される時間と決めることができる。前記すすぎ水の脱水段階(S3)においては、まず、すすぎ水が排水されるように排水ホース64側を開放し、排水ポンプが設けられた場合には、排水ポンプを作動して排水を行う。その後、内槽65を400〜650rpm の速度で高速回転させて洗剤残滓が含まれたすすぎ水などが全て排出されるようにする。
【0019】一方、図2に示すように、前記洗濯槽60の下部から三方バルブ72により排水ホース64と循環ホース70が分岐され、前記循環用ポンプ73が設けられていると、前記循環すすぎ段階(S2)では、前記循環ホース70を通してすすぎ水が循環されるように、前記三方バルブ72及び循環用ポンプ73を作動させ、前記すすぎ水の脱水段階(S3)では、前記排水ホース64を通してすすぎ水が排水されるように、前記三方バルブ72を作動させる。
【0020】そして、前記洗濯槽60に、排水ホース及び排水バルブと別に循環ホース及び循環用ポンプが設けられた場合、前記循環すすぎ段階(S2)では、排水バルブが閉鎖された状態で循環用ポンプを作動させて、循環ホースを通してすすぎ水を循環させる。このようなすすぎ段階を繰り返し実施した後、設定した繰り返し回数(N)に至るとすすぎを終了する。
【0021】このような本発明による傾斜式洗濯機のすすぎ方法の作用をつぎに説明する。本発明のすすぎ方法のように、循環ホースを通してすすぎ水を上部から供給する作動は、図4に示すように、すすぎ性能の向上を期待することができる。すなわち、従来技術のように、内槽にすすぎ水を満たした後、内槽65の回転駆動による撹拌すすぎのみに依存しなく、洗濯槽60の上部からすすぎ水を噴射すると、撹拌すすぎ及び循環すすぎを同時に実施するため、洗濯物のすすぎ効果が向上される。
【0022】更に、洗濯槽60が傾いている状態で、洗濯槽60の最低面側から上部側に続けてすすぎ水を循環させながら撹拌及び循環すすぎを行うと内部の水流が非対称形態になり複雑な布流動を生成するため、図5に示すように、従来技術による水満たし、撹拌すすぎの場合よりずっと少ない水を使用してもより高いすすぎ効果を期待することができる。
【0023】すなわち、内槽65を回転駆動させて撹拌すすぎのみを行う場合には、内槽65内に洗濯物の高さほど水を十分に供給した後、すすぎ水と洗濯物との摩擦力を用いてすすぎ行程を実施している。本発明では、洗濯槽60が傾いた状態で下部の水を上部に循環させ散水しながら複雑な布流動で撹拌すすぎ及び循環すすぎを同時に行うので、少量の水を使用しても洗濯物のすすぎ力を向上させることができる。
【0024】この結果、少量のすすぎ水を使用してすすぎ行程を実施するため、給水時間が短縮されるとともに、短時間に排水が完了されるため、その分洗濯に必要な時間を短縮することができ、同一時間内ではすすぎ回数を増やしてすすぎ効果を向上させることができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による傾斜式洗濯機のすすぎ方法は、循環ホースとノズルを通して洗濯槽内に貯蔵された水を循環させながら傾斜による複雑な布流動ですすぎ作動を行うため、すすぎ水の使用量とすすぎ時間は減らしながらもすすぎ性能は向上させる効果を提供することになる。
【出願人】 【識別番号】590001669
【氏名又は名称】エルジー電子株式会社
【出願日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【公開番号】 特開2001−276482(P2001−276482A)
【公開日】 平成13年10月9日(2001.10.9)
【出願番号】 特願2001−17866(P2001−17866)