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【発明の名称】 |
ドラム式洗濯機 |
| 【発明者】 |
【氏名】小池 敏文 【氏名】太田 義注 【氏名】永野 洋介 【氏名】鹿森 保 【氏名】大杉 寛 |
【課題】洗濯水に含まれ、洗剤の働きに悪影響を及ぼすカルシウムイオン、マグネシウムイオンを除去し、洗浄力が向上したドラム式洗濯機を提供する。
【解決手段】外槽3内に給水する給水経路の給水弁28と洗剤投入ケース30の間でかつ外槽3より上部に、ナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂を内部に充填した円筒容器41と、その上部に設けた塩水容器42と、この中に設置した複数回の再生が可能な量の塩を収容する塩容器45とを有するイオン除去装置40を設ける。塩水容器42内に供給した水に塩容器45から塩を溶解し約10%濃度の塩水を生成する。そして、洗い及びすすぎ給水終了毎に、あるいは水道水硬度と供給水量により決定される間隔で前記塩水をイオン交換樹脂に流下し、イオン交換樹脂を自動的に再生処理する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】洗濯物を収容して洗濯を行う洗濯槽と、該洗濯槽に給水する給水装置と、前記洗濯槽内の水を排水する排水装置とを備えたドラム式洗濯機において、前記給水装置は、給水弁と該給水弁の下流側に洗剤を投入する容器と、給水に含まれるイオンを除去するイオン除去手段とを備え、該イオン除去手段を前記給水弁と前記洗剤投入容器との間に設けたことを特徴とするドラム式洗濯機。 【請求項2】洗濯物を収容して洗濯を行う洗濯槽と、該洗濯槽に給水する給水装置と、前記洗濯槽内の水を排水する排水装置と、洗濯の工程の制御する制御装置とを有するドラム式洗濯機において、前記給水装置の途中に前記給水に含まれるイオンを除去するイオン除去装置を設け、前記制御装置で前記給水装置を制御して洗い工程の給水中に一旦給水を中断し、前記洗い工程を途中まで行い、その後前記給水装置による給水を再開し規定量の水を給水することを特徴とするドラム式洗濯機。 【請求項3】洗濯物を収容して洗濯を行う洗濯槽と、該洗濯槽に給水する給水装置と、前記洗濯槽内の水を排水する排水装置と、洗濯の工程の制御する制御装置とを有するドラム式洗濯機において、前記給水装置の途中に、前記給水に含まれるイオンを除去するイオン除去装置を設けると共に、該イオン除去装置のイオン除去機能を再生する再生装置を設け、前記制御装置で前記給水装置を制御して洗い工程の給水中に一旦給水を中断し、前記洗い工程を途中まで行い、その後前記給水装置による給水を再開し規定量の水を給水すると共に、給水を中断している間に前記イオン除去装置のイオン除去機能を再生することを特徴とするドラム式洗濯機。 【請求項4】洗濯物を収容して洗濯を行う洗濯槽と、該洗濯槽に給水する給水装置と、前記洗濯槽内の水を排水する排水装置と、洗い、すすぎ及び脱水の各洗濯工程を制御する制御装置とを有するドラム式洗濯機において、前記給水装置の途中に、前記給水に含まれるイオンを除去するイオン除去装置を設けると共に、該イオン除去装置のイオン除去機能を再生する再生装置を設け、前記制御装置で前記給水装置及び前記再生装置を制御し、洗い工程の給水の終了後に前記イオン除去装置を再生し、すすぎ工程でイオンを除去した軟水を給水することを特徴とするドラム式洗濯機。 【請求項5】洗濯を行う洗濯槽と、該洗濯槽に給水する給水手段と、前記洗濯槽内の水を排水する排水手段とを備えたドラム式洗濯機において、前記給水手段は、給水弁と注水ケースと該注水ケース内に設けた洗剤投入ケースと前記注水ケースと前記洗濯槽とを結ぶ注水パイプと前記給水に含まれるイオンを除去するイオン除去手段とからなり、該イオン除去手段は、前記給水弁と前記洗剤投入ケースとの間に設けたことを特徴とするドラム式洗濯機。 【請求項6】洗濯を行う洗濯槽と、該洗濯槽に給水する給水手段と、前記洗濯槽内の水を排水する排水手段とを備えたドラム式洗濯機において、前記給水手段は、給水弁と注水ケースと該注水ケース内に設けた洗剤投入ケースと前記注水ケースと前記洗濯槽とを結ぶ注水パイプと前記給水に含まれるイオンを除去するイオン除去手段とからなり、該イオン除去手段は、前記洗濯槽より上部に設けたことを特徴とするドラム式洗濯機。 【請求項7】洗濯を行う洗濯槽と、該洗濯槽に給水する第1の給水手段と、前記洗濯槽内の水を排水する排水手段とを備えたドラム式洗濯機において、前記給水手段は、給水弁と注水ケースと該注水ケース内に設けた着脱可能な洗剤投入ケースと前記注水ケースと前記洗濯槽とを結ぶ注水パイプと前記給水に含まれるイオンを除去するイオン除去手段とからなり、該イオン除去手段は、イオン交換樹脂を充填した樹脂容器と、前記イオン交換樹脂のイオン除去能力を再生させる再生剤を収容する再生剤容器と、前記樹脂容器の上部に配置されかつ前記再生剤容器を内部に配置し、第2の給水手段から給水される水に前記再生剤容器から略規定量の再生剤が溶解して生成された略規定濃度の再生水を貯蔵する再生水容器と、該再生水容器底部に前記注水ケース底面を貫通し前記樹脂容器と連通して設けられ前記貯水した再生水を前記樹脂容器に流下させる通路と、前記樹脂容器底部と前記排水手段とを接続する再生水排出路を備え、前記再生水容器は、前記洗剤投入ケース内に配置されたことを特徴とするドラム式洗濯機。 【請求項8】洗濯を行う洗濯槽と、該洗濯槽に給水する第1の給水手段と、前記洗濯槽内の水を排水する排水手段と、洗い、すすぎ及び脱水の各工程の制御を行う制御手段とを有するドラム式洗濯機において、前記給水手段の途中に前記給水に含まれるイオンを除去するイオン除去手段を設け、前記イオン除去手段は、イオン交換樹脂を充填した樹脂容器と、底面及び側面がメッシュフィルタで作られ前記イオン交換樹脂のイオン除去能力を再生させる再生剤を収容する再生剤容器と、前記樹脂容器の上部に配置されかつ全記載製剤容器を内部に配置し、第2の給水手段から給水される水に前記再生剤容器から略規定量に再生剤が溶解して生成された略規定濃度の再生水を貯蔵する再生水容器と、該再生水容器底部に前記注水ケース底面を貫通し前記樹脂容器と連通して設けられ前記貯水した再生水を前記樹脂容器に流下させるサイホンと、前記樹脂容器底部と前記排水手段とを接続する再生水排出路と、該再生水排水路の開閉を行う再生水排出弁とを備え、前記制御手段は、まず、前記第1の給水手段による前記洗い工程及びすすぎ工程の給水後に前記第2の給水手段を動作させ前記再生水容器に1回目の給水を行い、次に前記洗い工程及びすすぎ工程が終了した後で前記再生水排出弁を開き前記排水手段を動作させると共に前記第2の給水手段を動作させて前記再生水容器内に2回目の給水を行い前記イオン交換樹脂を再生し、その後第1の給水手段を動作させ前記樹脂容器内が水で満たされる量を給水し前記再生水排出路から排水する工程を複数回行うことを特徴とするドラム式洗濯機。 【請求項9】洗濯を行う洗濯槽と、該洗濯槽に給水する第1の給水手段と、前記洗濯槽内の水を排水する排水手段と、洗い、すすぎ及び脱水の各工程の制御を行う制御手段とを有するドラム式洗濯機において、前記給水手段の途中に前記給水に含まれるイオンを除去するイオン除去手段を設け、前記イオン除去手段は、イオン交換樹脂を充填した樹脂容器と、底面及び側面がメッシュフィルタで作られ前記イオン交換樹脂のイオン除去能力を再生させる再生剤を収容する再生剤容器と、前記樹脂容器の上部に配置されかつ全記載製剤容器を内部に配置し、第2の給水手段から給水される水に前記再生剤容器から略規定量に再生剤が溶解して生成された略規定濃度の再生水を貯蔵する再生水容器と、該再生水容器底部に前記注水ケース底面を貫通し前記樹脂容器と連通して設けられ前記貯水した再生水を前記樹脂容器に流下させるサイホンと、前記樹脂容器底部と前記排水手段の下流側とを接続する再生水排出路と、該再生水排水路の開閉を行う再生水排出弁とを備え、前記制御手段は、まず、前記第1の給水手段による前記洗い工程及びすすぎ工程の給水中で一旦該給水を中断し前記第2の給水手段を動作させ前記再生水容器に1回目の給水を行い、次に該1回目の給水終了後規定時間が経過した後で前記再生水排出弁を開くと共に前記第2の給水手段を動作させて前記再生水容器内に2回目の給水を行い前記イオン交換樹脂を再生し、その後第1の給水手段を動作させ前記樹脂容器内が水で満たされる量を給水し前記再生水排出路から排水する工程を複数回行い、再び前記第1の給水手段による給水を再開することを特徴とするドラム式洗濯機。 【請求項10】洗濯を行う洗濯槽と、該洗濯槽に給水する第1の給水手段と、前記洗濯槽内の水を排水する排水手段と、洗い、すすぎ及び脱水の各工程の制御を行う制御手段とを有するドラム式洗濯機において、前記給水手段の途中に前記給水に含まれるイオンを除去するイオン除去手段を設け、前記制御手段は、前記給水の硬度を測定もしくは入力する手段と、前記硬度及び前記イオン交換樹脂のイオン除去能力と硬度の関係を記憶する記憶素子と、前記洗濯槽に供給された水量を測定する手段を備え、前記給水の硬度と前記洗濯槽に供給された水量に応じて、前記イオン交換樹脂の再生時期を決定することを特徴とするドラム式洗濯機。 【請求項11】洗濯を行う洗濯槽と、該洗濯槽に給水する給水手段と、前記洗濯槽内の水を排水する排水手段と、洗い、すすぎ及び脱水の各工程の制御を行う制御手段とを有するドラム式洗濯機において、前記給水手段の途中に前記給水に含まれるイオンを除去するイオン除去手段を設け、前記制御手段は、前記給水手段による前記洗い工程の給水中に一旦給水を中断し、前記洗い工程を途中まで行い、その後前記給水手段による給水を再開し規定量の水を給水することを特徴とするドラム式洗濯機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯に用いる水から硬度成分を除去する手段を搭載したドラム式洗濯機に関する。 【0002】 【従来の技術】硬度成分としてのカルシウムイオン、マグネシウムイオンという2価の陽イオンが洗剤の洗浄力に大きな影響を及ぼすことが知られている。これらは洗剤中の界面活性剤と反応して水不溶性の金属石けんを生成するため、洗浄に寄与する界面活性剤の量が減少し、洗浄力を低下させる。合成洗剤では、硬度の影響を小さくするために、ビルダーの一つとしてゼオライトが配合されている。ゼオライトは、けい酸とアルミナを主成分とした水に不溶性の白色の微粒子であり、ゼオライト中のナトリウムイオンと水中のカルシウム、マグネシウムなどの多価陽イオンとがイオン交換し、水を軟水化する効果がある。しかし、ゼオライトが多価陽イオンを除去する間に、これら多価陽イオンは洗剤の界面活性剤とも反応するため、金属石けんの生成を完全に防ぐことはできない。本来ならば洗濯用水からこれらイオンを除去した後の水に洗剤を溶かして洗濯に用いる方が好ましい。さらにビルダーとして水不溶性のゼオライトを洗剤に多量に混入すると、洗濯後の衣類にゼオライト粒子が付着するという問題もある。 【0003】これら金属イオンを除去して洗濯を行う洗濯機が特開平11−151397号公報に記載されている。この洗濯機では、水の硬度を判定する硬度判定手段と、硬水を軟水にする軟水化手段とを備え、洗濯槽へ給水する水の硬度を検出し、硬度に応じた量だけ洗濯槽へ給水される水を軟水化している。また、上記公報には、軟水化手段の他に、この軟水化手段に用いられている陽イオン交換樹脂を再生する再生機構が開示されている。この再生機構は、陽イオン交換樹脂の再生に用いる塩を投入する塩投入手段と、再生時に陽イオン交換樹脂からの排水を洗濯機外部へ排出する排水経路とによって構成されている。さらに詳細には、塩溶液又は食塩が予め入れられた塩ケースを設け、この塩ケースから自動的に1回分の塩溶液又は食塩を放出し、給水経路を通る水と共に軟水化部へ送り、陽イオン交換樹脂を再生する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の洗濯機では、水道水の硬度が陽イオン交換樹脂の軟水化能力を超える場合には、洗濯水量を少なくして洗剤の能力を上げ、かつより長い時間洗いを行うようにしており、硬度が非常に高い場合の軟水化への配慮が十分ではない。 【0005】また、洗剤の洗浄効果の低下を防ぐための軟水化については配慮しているが、すすぎ水の軟水化とその効果に関しては配慮されていない。硬度成分は、すすぎに対しても影響を及ぼす。すすぎは、洗濯で衣類から取り除かれた汚れ成分を洗濯槽から排除し、再び衣類へ付着しないようにすることと、衣類に吸着した洗剤を取り除くために行う。衣類に吸着した洗剤中の界面活性剤は、すすぎ水で希釈され、衣類から離脱する。この時、すすぎ水が硬度成分を多く含む硬水では、硬度成分と界面活性剤が結合し金属石けんを作る。界面活性剤が衣類に吸着した状態で金属石けん化すると、これを取り除くことは困難となる。従って、すすぎ後も衣類に金属石けんが付着した状態となり、衣類の肌触りが悪化(ゴワゴワ感)し、着心地も悪くなる。 【0006】例えば、一般的にヨーロッパやアメリカでは日本よりも硬度の非常に高い水が用いられている。 【0007】ヨーロッパで主流のドラム式洗濯機では、お湯を使うことで洗浄力の低下を防いでいる。しかし、温度を上げるためには多くの電力が必要である。例えば、30Lの水を20℃から60℃まで上げるためには、完全に断熱したとしても約1.4kWhの消費電力量となる。これは、水で洗濯する場合の消費電力量に対し、お湯を作るだけで約10倍の電力量である。最近は、電気製品に地球温暖化防止のための省エネルギ化が求められている。このため、ドラム式洗濯機では、洗濯水の温度を下げることが課題となっており、このためには、お湯以外の方法で洗浄力を高めることが必要である。 【0008】本発明の第1の目的は、硬度の高い水に対しても高い洗浄効果を得ることができる洗濯機を提供することにある。 【0009】また、本発明の第2の目的は、洗剤による洗浄効果を高めるばかりでなく、すすぎを含めて洗濯性能を向上させた洗濯機を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するために、本発明のドラム式洗濯機は、洗濯物を収容して洗濯を行う洗濯槽と、この洗濯槽に給水する給水装置と、洗濯槽内の水を排水する排水装置とを備えたドラム式洗濯機において、給水装置に、給水弁とこの給水弁の下流側に洗剤を投入する容器と、給水に含まれるイオンを除去するイオン除去手段とを備え、イオン除去手段を給水弁と洗剤投入容器との間に設ける。 【0011】このとき、洗濯の工程の制御する制御装置で、洗い工程の給水中に一旦給水を中断し、洗い工程を途中まで行い、その後給水を再開して規定量の水を給水するとよい。 【0012】また、上記第2の目的を達成するために、洗い工程の給水の終了後にイオン除去装置を再生し、すすぎ工程でイオンを除去した軟水を給水する。 【0013】上記のイオン除去装置としては、イオン交換機能材を用い、再生処理では再生処理剤を用いてイオン交換機能材のイオン交換機能を再生すると良い。また、再生処理剤としては、例えば、塩或いは塩水を用いることができる。しかし、イオン除去装置のコンパクト化のためには、塩を貯めておき、再生毎に水を給水して塩水を作って使用することが好ましい。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態例に係る洗濯機を、図面を用いて説明する。 【0015】図1は本発明の一実施の形態例に係るドラム式洗濯機の外観図であり、図2は図1のAA線に沿う縦断面図である。 【0016】ドラム式洗濯機は,外枠1内に防振ばね(引っ張りコイルばね)11と摩擦ダンパー12等によって外槽3を緩衝支持(防振支持)する構成となっている。外枠1の正面1b中央部には洗濯物の投入口1aが形成されており、上部には天板2が設けられている。 【0017】外槽3は、筒体部4と側板5、6とで構成され、洗い及びすすぎ時に洗濯水及びすすぎ水を収容する。筒体4の下部には排水口4aが、側板5の中央部には洗濯物の投入口5aが形成されている。排水口4aの下部には排水ベローズ23を介して排水ポンプ24が設けられており、排水ポンプ24の吐出口には排水ホース25が接続されている。排水ホース25は、外枠1の背面1cから洗濯機外へ出て、洗濯機設置場所の排水設備(図示せず)に接続される。排水ベローズ23の下部23bには圧力ホース26が取り付けられており、圧力ホース26の他端は、外枠1上部に設けた水位センサ27に接続されている。 【0018】洗濯槽と脱水槽を兼ねるドラム7は、筒体部8、側円板9、10とで構成され、外槽4の側板6の中心部に固定された軸受筒13で水平に支持され、外槽3の中に回転自在に収容されている。筒体部8には、全周に脱水穴として機能する直径4〜5mmの小穴8aが多数穿孔され、内部には洗濯物(図示せず)を撹拌する複数個のリフタ14が設置されている。側円板9には中央部に洗濯物の投入口9aが形成され、側円板10にはドラム駆動軸15が一体に嵌着されたハブ16が固定されている。 【0019】椀状に形成されたガラス窓等により構成された蓋17は、外枠1に形成された洗濯物の投入口1aに係合して、外槽3内の洗濯水の流出を阻止するため、ベローズ18に密接している。運転中、蓋17はソレノイドなどからなる蓋ロック装置(図示せず)が作動して閉じられている。洗濯物は、前記蓋17を開閉して出し入れされる。ベローズ18は、弾性に富むゴムなどで形成され、、外枠1の開口部(洗濯物の投入口1a)と外槽2の開口部(洗濯物の投入口5a)を水密、かつ柔軟に連結している。 【0020】ドラム7を回転駆動する駆動部は、整流子モータ、インバータモータ、または直流モータ等の類である可変速度型のモータ19と、モータ19の軸に締結された小プーリ20、ドラム駆動軸15に締結された大プーリ21、両プーリ間に掛けられたベルト22とで構成されている。洗い及びすすぎ時には、ドラム7は、例えば毎分50回転前後で正逆回転され、脱水時には、初めに毎分120回転前後の低速で、続いて定格脱水回転数の毎分900回転の高速で回転させられる。 【0021】外枠1の上部には、電磁弁28、イオン除去装置40、注水ケース65などの給水部品が設けられており、上部前面側には、マイクロコンピュータ等の電気部品を収納する操作箱61が設けられている。注水ケース65の底面には注水パイプ39が接続されており、注水パイプ39の他端は外槽3の筒体部4に接続されている。 【0022】操作箱61の前面には図3に示す操作パネル31が取り付けてあり、操作箱61内には、制御部であるマイクロコンピュータなどを内蔵した制御回路33が設けられている。操作パネル31には、電源スイッチ38、各種表示器35、各種操作ボタン34、ブザー(図示せず)等が配置されており、使用者が操作ボタン34で洗濯機を操作し、またその動作状態を表示器35で確認できるようになっている。また、イオン除去装置40の再生に使用する塩の補充を催告表示する塩補充表示36と、塩の補充完了後、塩補充表示36を消灯させる塩補充完了ボタン37がある。 【0023】操作パネル31と並んで、洗剤や柔軟仕上げを投入する洗剤投入ケース30が設けられている。洗剤投入ケース30は、注水ケース65内に設けられており、注水ケース65から引き出し、洗剤や柔軟仕上げ剤を投入する構造になっている。 【0024】図4は、天板2を取り外した時の給水部品の平面図である。外枠1の背面1c上部には、水道栓等からの給水ホースが接続される水道栓口29が設けられている。水道栓口29は、電磁弁28に接続されている。電磁弁28は、給水電磁弁28a、塩給水電磁弁28b、仕上剤給水電磁弁28cの3連弁である。給水電磁弁28aの隣にはイオン除去装置40、注水ケース65が設けられている。給水電磁弁28aは、給水パイプB62でイオン除去装置40に接続されている。塩給水電磁弁28bは、給水管54でイオン除去装置40に接続されている。仕上剤給水電磁弁28cは、給水パイプC63で注水ケース65に接続されている。イオン除去装置40と注水ケース65は、注水パイプA59で接続されている。このように、イオン除去装置40を電磁弁28と注水ケース65の間でかつ両者に隣接して設置することで、これらの間をつなぐ給水路を短くすることができる。このため、給水路の配管抵抗を少なくでき、給水流量の低減を防ぐことができる。また、給水部品をコンパクトに配置することができる。 【0025】図5、図6に本発明の主要構成であるイオン除去装置40の詳細を示す。図5は、イオン除去装置40及び洗剤投入ケース30の全体斜視図、図6はイオン除去装置40の縦断面図である。イオン除去装置40は、円筒容器41と、その上部に設けた塩水容器42及び、塩水容器内に設けた塩容器45とで構成される。塩水容器42は、洗剤投入ケース30と一体に形成されている。洗剤投入ケース30は、手前側に洗剤投入部30aと柔軟仕上剤投入部30bが、奥には塩水容器42が設けられている。洗剤と柔軟仕上材の投入時には、洗剤投入ケース30を中ごろまで引き出し、塩投入時には、全て引き出す。 【0026】円筒容器41には樹脂ケース47が円筒容器41対して下部空間49、上部空間50を有するように設けられ、樹脂ケース47は外周部に設けたねじ47dで円筒容器41に固定されている。下部空間49の高さは、イオン除去装置40の高さを抑えるために3〜5mmとなっている。樹脂ケース47の外周部にはシール部材A55が設けてあり、水が円筒容器41と樹脂ケース47との隙間を流れるのを防止している。また、樹脂ケース47の上面には中心部に孔を有する上板48があり、樹脂ケース47に接着あるいは溶着で固定されているされている。 【0027】樹脂ケース47の高さ方向のほぼ中央と下面にはメッシュフィルタ47aが設けられており、上下のメッシュフィルタ47a間で樹脂室52を形成している。樹脂室52にはイオン交換機能材としてのナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂(以下、イオン交換樹脂と呼ぶ)51が充填されている。メッシュフィルタ47aは、イオン交換樹脂51の樹脂室52からの流出や、樹脂室52への異物の侵入を防いでいる。イオン交換樹脂51は、一般に広く用いられているビーズ状のものの他、繊維状にしたものであってもよい。 【0028】円筒容器41の下部には、下部空間49に開口するスリット状の入水口41aが、下部空間49底部には再生水排出口41cが設けられている。給水電磁弁28aに接続された給水パイプB62は、入水口41aに繋がっている。再生水排出口41cには再生水排出弁44が取り付けられており、再生水排出弁44の出口には、排水チューブ58が接続され、排水チューブ58の他端は、排水ベローズ23の下部23aに接続されている。 【0029】上部空間50と樹脂ケース47の外周面に設けられた円周溝47bとは、樹脂ケース47に設けた複数個の孔47cで連通している。円筒容器41には、円周溝47bと通じるように吐出口41bが設けられている。吐出口41bと洗剤投入ケース30は給水パイプA59で接続されている。 【0030】上部空間50の上方には逆止弁53が設けられている。逆止弁53は、ボール53aと弁座53bで構成されている。ボール53aは密度が1(g/cm3)以下の材質、例えばポリプロピレン製である。これは、水道水圧が低く流量が非常に少ない(水の流速が遅い)場合でも、上部空間に水があるとボール53aは浮き上がり、弁座53bに密着するため、給水中に水が上部へ漏れるのを確実に防ぐことができるからである。給水時以外は、上部空間50の水はなくなるためため、ボール53aは自重で落ち、孔46aは開いた状態となる。弁座53bは、上板48の下面に設けた凹状の窪み部48aに装着されている。弁座53bはゴム製であり、中心部に設けた孔は、後述するサイホン46の孔46aと通じている。また、窪み部48aは、ボール53aが逆止弁から脱落するのを防ぐ役目も有している。 【0031】円筒容器41の上部には、注水ケース65があり、注水ケース65内に洗剤投入ケース30と一体化した角型の塩水容器42が設けられている。注水ケース65と円筒容器41の接続部には、中心に孔を有するシール部材B56が設けられている。サイホン46の中心部の孔46aは、シール部材B56の孔と逆止弁53を介して円筒容器41の上部空間50に連通している。塩水容器41は、上面が開口しており、底面中央部にサイホン46が設けられている。塩水容器42の内側底面は、サイホン46部分が最も低いすり鉢状になっている。これは、塩水容器42内に入った水がサイホン46に集まるようにするためである。実際には、塩水容器42の底面外縁部とサイホン46部との高さの差は2mm程度で十分である。 【0032】注水ケース65の背面には、塩給水電磁弁28bからの給水管54が設けてある。給水管54は、注水ケースの流路65aに接続されており、流路65aは塩水容器42内に開口している。 【0033】塩水容器42内には、着脱可能な角型の塩容器45がある。図7、図8に塩容器45の詳細を示す。図7は塩容器を斜め下方から見た斜視図、図8は図7のBB線で切断した断面図である。塩容器45は、枠45dで形成されており、上面が開口している。底面の枠45d以外の部分にはメッシュフィルタ45cが、側面の枠45d以外の部分にはメッシュフィルタ45gが設けてある。底面の枠の四隅には下面突起45bが、側面上方の枠には側面突起45fがある。下面突起45bと側面突起45fは、塩水容器42に対する塩容器45の位置決めの作用をする。側面突起45fは、側面下方の枠にあってもよい。 【0034】塩容器45の側面と塩水容器42の側面とは隙間64aを、塩容器45の底面と塩水容器42とは隙間64bを有する。隙間64aは2〜5mm程度、隙間64bは3〜4mm程度が好ましい。この理由については、後で述べる。塩容器45の底面中央部には内部に空間45eを有する円筒状突起45aがある。これは、塩水容器42のサイホン46との干渉を防ぐためである。 【0035】塩容器45内には、予め使用者により塩57が投入されている。塩の投入は、洗剤投入ケース30を引き出すことで、洗濯機の前面から行える。また、塩容器45は、塩水容器42から取り外しができるため、塩の投入は使用者が作業しやすい場所、姿勢で行えるため、作業中に塩をこぼして飛散させる心配がない。更に、塩容器の掃除も容易である。なお、図示していないが、塩容器45は使用者が扱いやすいよう、取手を設けたり持ちやすい形状にすることはもちろんである。使用する塩は、安価な精製塩が不純物(一般に言うカルシウム、マグネシウムなどのミネラル分)が少なく最も適している。塩容器45のメッシュフィルタ45c、45gは、塩粒の流出を防止するとともに、塩投入作業中に乾燥した塩が外部にこぼれることを防止する。従って、メッシュフィルタ45c、45gの網目の大きさは、精製塩の粒径が約0.2mm〜0.8mmであるから、網目の大きさを0.1mm〜0.15mmにすればよい。 【0036】塩の投入量は複数回分の再生に必要な量であり、本実施の形態例では約500gである。これは、後で述べるイオン交換樹脂51の再生処理1回当たりに必要な塩量25gの20回分に相当し、1日1回洗濯を行うとすると使用者は約半月に一度塩57を投入すればよいことになる。塩容器45の容積は、乾燥した塩500g分を収容できるよう500mL〜550mLである。本実施の形態例では、塩容器45のサイズを幅125mm、奥行き80mm、高さ55mm(容積550mL)として、塩水容器42は幅135mm、奥行き90mm、高さ60mmとしている。 【0037】水道栓からのホースは水道栓口29に接続される。水道水は、給水電磁弁28aの開閉により、給水パイプB62を通り円筒容器41の入水口41aに導かれ、下部空間49を満たしてからイオン交換樹脂51を充填した樹脂室52内を上昇しながら通過する。この時、逆止弁53は、ボール53aが浮上し孔46aを塞いでいる。 【0038】水道水は、ここで軟水化つまりカルシウムイオン、マグネシウムイオンが除去される。そして、上部空間50を満たし樹脂ケース47の孔47c、円周溝47bを通り吐出口41bから流出する。その後、給水パイプA59を通り、注水ケース65へ入り、洗剤投入ケース30に予め投入されている洗剤を溶かしながら、注水パイプ39を流下し、外槽3(ドラム7)に給水される。 【0039】本実施の形態例では、イオン交換樹脂51の粒径は0.2mm、樹脂量は150mLである。ドラム式洗濯機の洗濯時の使用水量は15〜30Lであるが、この粒径、樹脂量のイオン交換樹脂を使用することで、給水量が30Lの時硬度300ppm(炭酸カルシウム換算)の水道水を硬度40ppm以下まで下げることができる。 【0040】樹脂ケース47の内径dは95mmになっており、イオン交換樹脂層の厚さLは約21mmである。このようにイオン交換樹脂層を扁平化することで、イオン交換樹脂層の流路面積が大きくなり、流速が小さくなるため、イオン交換樹脂部での圧力損失を小さくすることができる。従って、イオン交換樹脂を充填したイオン除去装置40を設けたことによる給水流量の低下を最小限に抑えることができる。例えば、水道水圧が非常に低い0.029MPaの場合、イオン除去装置40がないと毎分6.3Lの給水流量であるが、上述のイオン除去装置を設けても毎分5.5Lとなり、約13%の低下に抑えることができる。また、水道水圧が0.29MPaの場合は、毎分15.5Lが毎分14.6Lと約6%の低下となる。更に、イオン交換樹脂層を扁平化したことで、高さが低くなるため、塩容器45に塩500gを収容するためのスペースを確保することができる。 【0041】本実施の形態例では、イオン除去装置の高さを極力低く抑えるために、上記のイオン交換樹脂層を扁平にし、下部空間49の高さを3〜5mmにしてある。このため、スリット状の入水口41aからの水は噴流となって下部空間49に流入する。このため、イオン交換樹脂層内の水の流れが不均一となり、イオン交換樹脂層の一部にのみ水が流れ、硬度除去能力が低下する可能性がある。このために、図9に示すように、下部空間49には、整流部材43を設けている。整流部材43は、噴流状に流入した水を整流し、イオン交換樹脂層全体に均一に水を流し、効率よく金属イオンを吸着するために設けてある。 【0042】イオン交換樹脂51は、架橋した三次元の高分子基体にスルホン酸基のようなイオン交換基を化学結合で結合させた合成樹脂である。カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの2価の陽イオン(硬度成分)を含んだ水道水が陽イオン交換樹脂間を流れると、陽イオン交換樹脂のイオン交換基であるスルホン酸基と水道水中の陽イオンがイオン交換され、水道水中の陽イオンが除去される。 【0043】化1、化2にナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂のイオン交換反応式を示す。 【0044】 【化1】
【0045】 【化2】
【0046】ナトリウム型陽イオン交換樹脂は−SO3の陰イオンを固定イオン、Naの陽イオンを対イオンとするイオン交換樹脂で、イオンの選択性を利用して水中に含まれるカルシウム、マグネシウム等の多価陽イオンを除去するものである。イオン交換樹脂を通過する水中のカルシウム、マグネシウムイオンは、化1、化2の左辺から右辺への反応でイオン交換樹脂のナトリウムイオンとイオン交換されて除去される。イオン交換樹脂中の全てのナトリウムイオンがカルシウム、マグネシウムイオンと交換すると、イオン交換樹脂はイオン除去能力を失う。このため、イオン交換樹脂を繰り返し使用するためには、イオン除去能力を回復するために再生を行う必要がある。ナトリウム型陽イオン交換樹脂の場合、再生には塩水を使用する。カルシウム、マグネシウムイオンを吸着したイオン交換樹脂に塩水を流すと、化1、化2の右辺から左辺への反応で、カルシウム、ナトリウムイオンが、ナトリウムイオンとイオン交換されて離脱し、ナトリウムイオンが樹脂に戻り、イオン交換樹脂が再生される。再生に使用する塩水の濃度は、約10%が最も再生効率がよいことが知られている。 【0047】実験室等で使用する市販の小型軟水化装置は、イオン交換樹脂量が1〜2Lで処理流量が毎時10L(毎分0.16L)程度の能力ものが一般的である。前述したように家庭用洗濯機においては、直接水道栓から洗濯槽に給水している。給水流量は、水道水圧にもよるが、毎分6〜20Lである。このため上記のような市販小型軟水化装置の処理流量では給水時間が長くなりすぎるため、洗濯以外の時間を利用してバッチ処理したものを一旦貯水槽に溜めた後に利用せざるを得ない。また、イオン樹脂量1〜2Lは、家庭用洗濯機に搭載(内蔵)するのには容積が大きすぎる。つまり家庭用洗濯機では上述のイオン交換樹脂の処理流量、樹脂量の問題を解決する必要がある。 【0048】図10に、コンパクトタイプのゼオライト入り市販合成洗剤を使用した場合の洗浄率と硬度の関係を示す。図には、洗剤濃度がメーカ指定量である0.067wt%(重量%)の場合と、その倍の0.133wt%の場合について示してある。図の洗浄率は、数1で定義される。 【0049】 【数1】
【0050】式1で、Dは洗浄率、R1は洗濯前の人工汚染布反射率、Rwは洗濯後の人工汚染布反射率、R0は原布の反射率である。人工汚染布及び実験方法は、日本工業規格(電気洗濯機、JIS C 9609−1993)で規定されている。 【0051】図10から明らかなように、硬度が高いほど洗浄率が低下する。当然、洗剤量を増やすと洗浄率が向上する。硬度が100〜300ppmという高硬度の水でも、洗剤メーカの指定洗剤量の2倍使用することで(洗剤濃度0.133wt%、重量%)、硬度50ppmの水で洗剤濃度0.067wt%の場合とほぼ同等の洗浄率が得られる。しかし、洗剤量を増やすことは、すすぎへの悪影響(同一すすぎ水量ではすすぎ後の残留洗剤濃度が高くなるため、すすぎに多くの水が必要となる)や、環境への負荷を考えると好ましくない。 【0052】洗剤濃度0.067wt%では、硬度が40ppm以下になると、洗浄率がほぼ一定になる。硬度40ppm以下では、合成洗剤に含まれるゼオライトが硬度成分を大部分吸着し、界面活性剤の量が十分あるため洗浄率がほぼ一定になる。これ以上の硬度では、ゼオライト量が不足し一部の界面活性剤が硬度成分と反応し金属石けんを生成し、その分界面活性剤量が減少するため洗浄率が低下するのである。従って、ゼオライト入りの合成洗剤を洗濯に使用する場合には、この40ppm程度まで洗濯水から硬度成分のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを除去することが望ましい。例えば、硬度が300ppmの水を40ppmまで軟水化することができれば、洗浄率は2倍以上向上し、洗剤量を増やさなくても洗浄率を高くすることができる。一方、石けんでは、通常ゼオライトは配合されておらず、図10破線で示すように、硬度の増加とともに洗浄率が低下するため、できるだけ硬度成分を除去するのが好ましい。 【0053】このように硬度成分であるカルシウムイオン、マグネシウムイオンを除去することで洗濯機の洗浄力を大きく改善することができる。また水道水をそのまま使った場合と同等の洗浄率でよいとするならば、軟水化により洗剤使用量を削減することができる。さらに、硬度が40ppm以上の地域では洗剤量を必要以上に使用する必要がなく、環境への影響も少なくなる。 【0054】一方、水温と洗浄率の関係は図11に示すようになる。洗剤は、図10と同じで、水の硬度は100ppmである。水温が高いほど洗浄率が向上する。これは、水温が高い方が洗剤の活性が高いこと、溶解が促進されることや、汚れ、特に皮脂汚れのような脂汚れが流動化し落ちやすくなるからである。平均的な水道水は約20℃であるが、これを60℃にすると洗浄率は約2倍となる。 【0055】図10と図11から、硬度を40ppm以下にすれば、20℃の水道水でも60℃のお湯で洗った場合と同等の洗浄率が得られることが分かる。ヨーロッパで一般的に使用されているドラム式洗濯機は、上記のような硬度成分による洗浄力の低下を補うために、電気式ヒータを内蔵し、洗濯水温を上げお湯で洗濯を行うコースを備えている。 【0056】イオン交換樹脂のイオン交換性能は、イオン交換容量(イオン交換樹脂が陽イオンを捕集(イオン交換)できる容量)、イオン交換速度などで決定される。洗濯機でイオン交換樹脂を使用する場合、処理流量は毎分6〜20L、樹脂量は洗濯機に搭載可能なようできるだけ少ないことが求められる。このためには、イオン交換速度を極力大きくして処理流量を確保し、イオン交換容量を大きくして樹脂量を少なくすればよい。イオン交換容量、イオン交換速度はイオン交換樹脂の架橋度、樹脂の構造(ゲル型、多孔性)や樹脂径などにより変化する。しかし、架橋度を上げるとイオン交換容量は増加するが、イオン交換速度が低下し、多孔性にするとゲル型よりイオン交換速度は上昇するが、イオン交換容量が減少する。このように、イオン交換樹脂の架橋度や構造で両方の性能を同時に向上させることは困難である。 【0057】図12は、硬水を軟水化するために最も一般的に用いられている架橋度8%のナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂について、通水量に対する漏洩硬度の変化を、イオン交換樹脂量と樹脂径をパラメータに実験した結果である。原水の全硬度は300ppm、流量は15L/分である。実験した樹脂量、樹脂径ではどの場合も硬度成分が漏洩し、その濃度は、樹脂量、樹脂径によって異なる。通水初期段階における漏洩硬度は、同一樹脂径では、樹脂量が多いほど小さく、樹脂量が同じ場合は、樹脂径が小さい方が小さい。 【0058】図13は、図12における通水初期段階の漏洩硬度をイオン交換樹脂の全表面積(計算値)に対し整理し直した結果である。図から、漏洩硬度は、イオン交換樹脂の全表面積にほぼ反比例しており、イオン交換速度は、イオン交換樹脂の全表面積に比例することがわかる。イオン交換樹脂の全表面積は、イオン交換樹脂量に比例し、イオン交換樹脂径に反比例するので、樹脂径を小さくすることにより樹脂量を少なくすることができる。 【0059】図12で分かるように、漏洩硬度の変化は、通水初期段階ではほぼ一定であるが、通水量が増加していくとある点から急に増加し、ついにはイオン交換能力を失い原水と同じ硬度となる。イオン交換容量は、漏洩硬度線と原水硬度線(破線)で囲まれた面積で表されるが、樹脂径には関係なく、樹脂量のみに比例する。例えば樹脂量150mL、樹脂径0.1〜0.3mmの場合の図12中ABCAで囲まれた面積と、樹脂量150mL、樹脂径0.3〜0.5mmの場合のDECEで囲まれた面積は等しい。 【0060】図12のイオン交換樹脂のイオン交換容量は、2.0meq/mL−R(イオン交換樹脂1mL当たり2.0当量)であり、樹脂1mL当たりCaCO3換算で100mgの硬度成分を除去できる。今、全硬度300ppmの水道水を流量15L/分で流し、ドラム式洗濯機の洗濯時水量30Lを軟水化することを考える。軟水化は、ゼオライト入り合成洗剤の洗浄力に影響を及ぼさない40ppmまででよいとすると、除去すべき硬度成分は7.8g( CaCO3換算)であり、イオン交換容量のみで考えると必要最少樹脂量は78mLという少量でよい。しかし、イオン交換速度を考えるとこの樹脂量では40ppmまで軟水化することはできない。実際には図12のように、最も小さい樹脂径0.1〜0.3mmの場合で樹脂量は150mL必要である。樹脂径がこれより大きい場合には、樹脂量を470mLまで多くしても40ppm以下にはできない。 【0061】以上から、ドラム式洗濯機において、樹脂径を0.1〜0.3mmのイオン交換樹脂を使用することで、樹脂量が150mLと少量でも、少なくとも洗濯1回分の洗濯水のイオン除去(軟水化)が可能なイオン除去装置を実現でき、家庭用ドラム式洗濯機へコンパクトに搭載が可能となる。なお、樹脂径を更に小さくすることで樹脂量をより低減することも可能であるが、イオン交換樹脂による圧力損失が増加し、給水流量が低下することや、イオン交換樹脂の目詰まりの可能性を考えると、0.1mm以上の樹脂径を使用することが好ましい。 【0062】ここで、イオン交換樹脂量の測定法について説明する。イオン交換樹は一般に容積を用いて量を表す。容積測定法には、専用の体積測定器を用いる方法とメスシリンダによる方法とがある。前者は手順が煩雑であるため、本実施の形態例では後者のメスシリンダ法で樹脂量を測定した。メスシリンダ法は、予め水を入れたメスシリンダにイオン交換樹脂を入れ、底部を軽くたたきながら、体積がこれ以上減少しなくなった体積を読み取ることにより測定を行う方法である。なお、生産工程で樹脂を装置へ充填する場合、いちいちメスシリンダで容積を測定することは非効率的であるため、上記で測定した樹脂容積と水切りした樹脂質量の関係を測定しておくことで、樹脂量を質量で取り扱うことができ効率的である。 【0063】図14は、マイクロコンピュータ66を中心に構成される洗濯機制御部のブロック図である。マイクロコンピュータ66は、操作ボタン入力回路34や水位センサ27とも接続され、使用者のボタン操作、洗濯槽内の洗濯用水水位の情報信号を受ける。マイクロコンピュータ66からの出力は、双方向性3端子サイリスタ等で構成される駆動回路67に接続され、前記モータ19や給水電磁弁28a、塩給水電磁弁28b、排水ポンプ24等に商用電源を供給して、これらの開閉あるいは回転を制御する。また使用者に洗濯機の動作を知らせるため、ブザー68や表示器35などの報知装置にも接続される。電源回路71は商用電源を整流平滑してマイクロコンピュータ66に必要な直流電源を作る。69は点灯して塩補充を表示する発光ダイオードである。発光ダイオード69は操作パネル31に装着され、塩容器45への塩補充がが必要な時に点灯して、塩補充表示36で使用者に知らせる。塩補充完了ボタン37は、塩の補充が完了したときに使用者が押すボタンで、操作パネル31に装着される。塩補充完了ボタン37を押すことでマイクロコンピュータ66は、発光ダイオード69を消灯し、塩補充表示36を消す。 【0064】次に本発明によるドラム式洗濯機の動作を説明する。図15に概略の動作フローを示す。 【0065】使用者が、電源スイッチ38を押す(ステップ101)。この時、塩容器45に塩が入っていない場合は、塩補充表示36が点灯している(ステップ102)。使用者は、洗剤投入ケース30を引き出し、塩容器45内に約500gの塩を投入する(ステップ123)。塩の補充が完了すると、使用者は塩補充完了ボタン37を押す(ステップ124)。塩補充完了ボタン37が押されたことを検知したマイクロコンピュータ66は、発光ダイオウード69を消灯し、塩補充表示36を消す(ステップ125)。 【0066】次いでドアオープンボタン34cを押すと、マイクロコンピュータ66は、蓋ロック70を解除する。そして、使用者が蓋17を開け、投入口9aから洗濯物をドラム7に入れ蓋17を閉じ、さらに洗剤と、必要であれば柔軟仕上剤を洗剤投入ケース30入れ、コースセレクトボタン34bで洗濯コースを選んだ後、スタートボタン34aを操作する(ステップ103)。マイクロコンピュータ66は、給水電磁弁28aを開とする(ステップ104)。 【0067】水道栓29から給水電磁弁28aを通過した水道水は、前述したように、イオン除去装置40を通過して、注水ケース65に流れ出す。注水ケース65に入った水は、予め洗剤投入ケース30に投入されている洗剤の上部にシャワー状に降り注ぎ、洗剤を溶かしながら注水パイプ39を流下し、外槽3内に溜まる。 【0068】水道水は、イオン交換樹脂51を通過する間にイオン交換樹脂51のイオン交換作用で、中に含まれるカルシウムイオン、マグネシウムイオンが除去される。図16は、イオン交換樹脂51の樹脂径0.1〜0.3mm、樹脂量150mLの場合に、全硬度300ppmの水を流量15L/分で流した場合の、吐出口41bでの漏洩硬度と通水量の関係である。図中●印は、イオン交換樹脂が新品の場合を、▲印は、濃度10%、300mLの塩水でイオン交換樹脂を再生した後を示す。図から分かるように、新品に比べ再生後は、漏洩硬度が多い。これは、イオン交換基が全て再生されていないことを示す。再生用の塩水の量を増やせば、新品に近づけることができるが、硬度300ppm、30Lの水を40ppmまで軟水化することを考えると、これで十分である。以後の説明は、再生後の漏洩硬度(▲印)を用いて説明する。 【0069】漏洩硬度は、最初約18ppmと一定であるが、通水量が10L弱から増加を始め、通水量30Lでは約88ppmとなる。従って、次回の給水時に硬度40ppm以下の水を得るためには、再生が必要である。 【0070】通水初期段階で硬度が低いことは、次のような利点がある。給水の最初、水は洗剤投入ケース30に入っている洗剤を溶かしながら給水される。この時、硬度が低いと、洗剤の界面活性剤と硬度成分が結合しにくいため、洗剤は金属石鹸化せずによく溶ける。そして、洗剤を溶解した洗濯水が洗濯物に染み込み汚れに作用するため、汚れ落ちをよくする。通水量の増加で漏洩硬度が上昇するが、洗剤投入ケース内の洗剤は既に流されており、洗剤投入ケース内で洗剤が金属石鹸化してしまうことはない。図中△印で示したのは、外槽3に溜まった洗濯水の硬度である。洗濯水の硬度は、▲印の漏洩硬度を平均したものであり、30L給水時で約38ppmと40ppm以下になっている。 【0071】なお、給水と洗いを次のように行うと、更に洗浄力が向上する。給水を途中で一旦停止して、ドラム7を正逆回転させて、洗濯物に洗濯水を染み込ませながら洗いを開始する。その後、順次通水量を増加させ、最終的に規定量(本例では30L)の水を供給するようにする。 【0072】例えば、給水を10Lで停止したとすると、外槽3に溜まった洗濯水の硬度は約20ppmとなる。この時、洗剤投入ケース30に入っていた洗剤は、ほとんど全て外槽3内への流入が終わっている。洗剤の量は、水量30Lに見合った量であるため、給水量が10Lでは、外槽3内の洗濯水の洗剤濃度は3倍になっている。従って、硬度が低く、かつ洗剤濃度が高い洗濯水で洗濯を行える。洗剤濃度が高いと、界面活性剤が汚れに効率よく浸透し、汚れが洗濯物から落ちやすくなるため、洗浄力が向上する。水量が少ないため、洗濯物の傷みの恐れがあるが、ドラム式洗濯機の場合、洗濯物の落下によるたたき作用が主な機械作用であり、傷みが増加することはない。 【0073】その後、再度給水を開始する。ここで給水された水の硬度は、30〜80ppm程度になり、最初に給水された10Lの硬度より高くなるが、上記の高濃度洗剤での洗い中に汚れは洗濯物から浮いているため、ここで追加された水に汚れが分散し、洗濯物から汚れがとれる。 【0074】イオン交換樹脂51は、消毒のために水道水中に投入された次亜塩素酸ナトリウムの残留塩素により酸化し、樹脂が膨潤する(樹脂の粒径が大きくなる)。このため、樹脂室52の容積は、新品時のイオン交換樹脂51の量に対して余裕を設ける必要がある。通常の水道水の残留塩素濃度は、ほぼ1ppm以下であり、この濃度の水を洗濯機の耐用年数である7年間分通水(1日2回洗濯)した場合のイオン交換樹脂の膨潤は約5%である。このことから、イオン交換樹脂の膨潤を考慮して、樹脂室52の容積はイオン交換樹脂量に対して5%以上大きくする必要がある。実用上は、樹脂室52の容積はイオン交換樹脂量に対して5〜10%の範囲にしたほうがよい。この理由は、樹脂室52が大きすぎると、樹脂室52内でイオン交換樹脂51に過大な偏りが発生するからである。すると、イオン交換樹脂層の厚さが布均一になり極端に薄い場所ができ、イオン交換樹脂全体を均一に水が流れなくり、イオン交換性能が低下するからである。 【0075】このように、樹脂室52の容積は、イオン交換樹脂量より大きい(樹脂室52にはすき間がある)。このことは、次のような効果も有する。水道水は、イオン交換樹脂層内を下から上に向かって流れる。このため、給水中イオン交換樹脂51は、水の勢いで樹脂室52の上側に移動する。給水が停止すると、イオン交換樹脂51は樹脂室52の下側に落下する。このように、樹脂室52にすき間があると、給水の開始、停止時にイオン交換樹脂51は、樹脂室52内で撹拌される。水道水中には、メッシュフィルタ47aを通過するような小さいごみ(配管の鉄錆が大部分)が入っていることもある。これが、イオン交換樹脂層内に留まると目詰まりが発生する。しかし、イオン交換樹脂が撹拌されることで、ごみは樹脂室52外へ排除されるため、目詰まりの発生を防止できる。 【0076】塩補充直後の場合(ステップ105)、ここで、塩へ水を含ませる含水工程を行う。マイクロコンピュータ66は、塩給水電磁弁28bを開き(ステップ126)、120〜130mLの水を塩水容器42内に注水する。注水量の制御は、水道水圧を考慮して塩給水電磁弁28bの開時間を制御することで行う。水道水圧と給水流量(実際には、給水時の水位1から水位2まで溜まる時間)の関係は予めマイクロコンピュータ66のメモリに記憶されている。洗濯給水時に時間Tを測定することで、上記の関係から水道水圧を求め、水道水圧に応じて塩給水電磁弁28bの開時間を制御することで、注水量を調整できる。注水された水は、塩水容器42内に溜まると同時に、メッシュフィルタ45c、45gを通して乾燥した塩42に吸収される。上記120〜130mLの水は、塩500gに全て吸水される。メッシュフィルタ45cより下の隙間46b部分の水も表面張力で塩に吸収される。塩へ水が全て吸収される時間は、1分以内である。以上で塩への含水動作が終了する。 【0077】この含水工程は、後述する再生用塩水生成時に、安定した質量濃度の塩水とするために行う。 【0078】水位センサ27で規定量の水が外槽3内に給水されたこと知ったマイクロコンピュータ66は、給水電磁弁28aを閉じて給水を停止させる。そしてドラム7を正逆反転させて(ステップ106)、洗い工程を開始する。給水量が30Lとすると、ドラム7内に給水された洗濯水の硬度は、図16△印で示すように約38ppmである。この硬度では、洗剤中の界面活性剤が汚れに有効に作用し、300ppmの水で洗った場合に比べ、洗浄率が大幅に向上する(図10参照)。また、硬度成分が、洗剤中の界面活性剤と反応して生成される不溶性の金属石けんはほとんど発生しない。さらに、従来のドラム式洗濯機で、60℃お湯を使った場合と同等の洗浄力が得られるため、電力と時間(お湯を作るのに要する時間)の節約ができ、省エネルギ化にも役立つ。 【0079】ステップ104の給水が終了し、ドラム7を正逆転(ステップ106)がスタートするとほぼ同時に、マイクロコンピュータ66は、塩給水電磁弁28bを短時間開き、塩水容器42内へ第1の注水を行う(ステップ107)。注水量は、70〜80mLである。注水量の制御は、上記と同様、塩給水電磁弁28bの開時間で行う。 【0080】注水された水60aは、塩水容器42の底に溜まり、その水面は塩水容器の底面からh1となる。これは、塩水容器42の底部にあるサイホン46の排水パイプ46bの高さがh1より高く設定してあるからである。本実施の形態例で説明している塩水容器42及び塩容器45の寸法では、前記注水量でh1は7mmから10mmとなる。塩水容器42底面と塩容器45底面のメッシュフィルタ45cとの間隔は、前述のように4mm〜6mmに設定してあり、メッシュフィルタ45cは水面より低い。このため、メッシュフィルタ45cを通して塩が溶け出し、注水した水の塩分濃度が上昇して行く。ドラム正逆転中に、塩分濃度は、約20%程度まで上昇する。この時、上述の含水工程で塩は水を含んでおり、第1の注水が塩に吸収されることはない。含水工程がないと、塩が乾いている場合は第1の注水は、ほとんど全て塩に吸収されるため、約20%の塩水を生成できない。 【0081】ステップ106のドラムの正逆転が終了し、洗い工程が終了すると、マイクロコンピュータ66は、排水ポンプ24を運転し(ステップ108)、外槽3内の洗濯水の排水を開始する。そして、排水ポンプ24の運転開始と同時に、再生水排水弁44を開とする(ステップ109)。円筒容器41内に残っていた水は、再生水排出口41c、再生水排出弁44、排水チューブ58から排水され始める。なお、再生水排出弁44が開いた時に、排水チューブ58内に水がないと、円筒容器41内の水の排出速度が非常に遅くなる。これは、水の排水に重力を利用しているが、円筒容器の上下間では水位差が少ないためである。後述の再生をスムーズに行うためには、排水チューブ58は再生前に水で満たされている必要がある。そこで、再生水排出弁44を開くと同時に、給水電磁弁28aを短時間開き、予備給水を行う。すると、下部空間49から排水チューブ58を通り水が流れ、排水チューブ58内に水が満たされる。このため、上部空間50の水面と排水チューブ58出口との水位差ができ、円筒容器41内の水はスムーズに排出される。 【0082】そして、上部空間50の水がなくなる前(再生水排出弁44を開いてから約10〜20秒後)に、塩給水電磁弁28bを開き、塩水容器42内への第2の注水を行う(ステップ110)。注水量は、160〜170mLで、注水量の制御は、上述と同様塩給水電磁弁28bの開時間で行う。塩水容器42内にはステップ107で注水した水に約20gの塩が溶け、濃度約20%の高濃度塩水がすでに溜まっている。第2の注水でこの塩水は、希釈される。実際には、第2の注水でも約5gの塩が溶けるため、合計約25gの塩が溶解した濃度約10%の塩水ができる。 【0083】第2の注水で、塩水容器42内の水位はh2まで上昇して行くが、サイホン46の排水パイプ46bの高さを超えるため、サイホン46が通じ、孔46aから塩水が流れ出す。なお、塩水容器42と塩容器45側面との隙間64aが小さすぎると、水面h2の水位が上昇しすぎ、注水ケース65に流れ出してしまい、塩水が無駄になる。このため、隙間64aを2〜5mm程度にするのが好ましい。孔46bからの塩水は逆止弁53が開いているため、上部空間50内に流下し、イオン交換樹脂51の再生(ステップ111)が始まる。塩水容器42内の塩水は、サイホン46の作用でほぼ全てが上部空間50に流下する。なお、塩水容器42底面と塩容器45との隙間64bは、3mm以上にすることが好ましい。これは、隙間64bが狭すぎると、塩水の表面張力による力がサイホン46の水力学的ヘッドによる力に勝り、隙間64bに空気が侵入せず、隙間64bに多くの塩水が残留し、ほぼ全ての塩水を流下させることができないからである。 【0084】上部空間50に塩水が流下した時、樹脂室52、下部空間49と排水チューブ58内はまだ水で満たされている。このため塩水は、排水チューブ58出口23aと上部空間50内の塩水水面との水位差で、イオン交換樹脂51層内を容易に通過できる。すなわち、重力のみで塩水をイオン交換樹脂間に流すことができるため、特別な動力が必要なく、コンパクトかつ安価にイオン交換樹脂の再生機構を実現できる。塩水がイオン交換樹脂51内を流れることで、化1、化2の右辺から左辺への反応が起き、給水時にイオン交換されたカルシウム、マグネシウムイオンなどの硬度成分と塩水中のナトリウムイオンが置換され、イオン交換樹脂を再生する(ステップ111)。これで、イオン交換樹脂51のイオン交換能力が復活し、次回給水時に利用できるようになる。上記再生で、塩容器45内の塩57は、約25gずつ消費され、徐々に減少する。本実施の形態例では、約500gの塩があるため、再生20回分は塩の補充をせずにイオン交換樹脂の再生が行える。 【0085】イオン交換樹脂51を通過し、硬度成分を多く含んだ再生排水は、下部空間49に出て、再生水排出口41c、再生水排出弁44、排水チューブ58を通り、排水ベローズ23下部23aから排水ベローズ23内に入りる。そして、排水中の洗濯水と共に排水ポンプ24で排水ホース25から洗濯機外へ排水される。従って、再生排水はステンレス鋼製の外槽3やドラム7に直接触れることがなく、これらに錆が発生する恐れがない。また、再生排水が洗濯物に触れることもないため、洗濯物に吸着している洗剤の界面活性剤と結合し、金属石鹸が洗濯物に残ることもない。 【0086】ステップ111の再生終了後、イオン交換樹脂51間には表面張力による再生残水が残っている。再生残水中には、再生でイオン交換樹脂51から離脱した高濃度(数千ppm)の硬度成分が残っている。この残水が次回給水時に外槽内に入ると、硬度が5〜10ppm上昇してしまう。そこで、これを排除するために、クリーニング給水を行う(ステップ112)。クリーニング給水で排除した再生残水が、外槽3内に入らないよう次のような方法で行う。 【0087】給水電磁弁28aを短時間開き約150mLの水を樹脂ケース47内に供給する(ステップ112)。150mLの給水量は、樹脂ケース47内はほぼ水で満たされるが、注水ケース65には出ない量である。この水は、再生水排出口41cを通り排水チューブ58から排水ベローズ23へ排出される。排出には、約20〜30秒かかるので、この間待ち時間をとり(ステップ114)、再度給水電磁弁28aを短時間開き約150mLの水を樹脂ケース47内に供給する(ステップ112)。約150mLの給水を3から5回行う(ステップ113)。このように、少量の水を複数回に分けてイオン交換樹脂に供給し、排水チューブから排水することで、再生残水を外槽3内に入れずにイオン交換樹脂のクリーニングが行える。 【0088】以上で、イオン交換樹脂51の再生が終了し、次に、すすぎ工程へ移行する。すすぎは、コース設定時使用者により、その回数が設定されている。マイクロコンピュータ66は、設定された回数すすぎを繰り返す(ステップ115)。すすぎ工程の動作は、全て同一であるので、その内の1回について説明する。 【0089】マイクロコンピュータ66は、ドラム7を回転し中間脱水を行う(ステップ116)。脱水が終了すると、再生水排水弁を閉じ(ステップ117)、給水電磁弁28aを開き(ステップ118)、前述の洗い給水と同様の給水経路で外槽3内にすすぎ水を給水する。イオン交換樹脂51は、既に再生されているため、給水した水は軟水化されている。そして、規定の水量になったら給水電磁弁28aを閉じ、ドラム7を正逆反転させ(ステップ109)すすぎを行い、洗濯物に残留した洗剤を洗いだし希釈する。給水量が30Lとすると、給水中の吐出口41bにおける漏洩硬度は、上述の洗い給水と同様、図16で給水毎再生の範囲▲印で示したように、18ppmから88ppmまで変化する。外槽3に溜まったすすぎ水の硬度は、△印で示すように約38ppmとなる。 【0090】なお、上記説明では、再生工程が終了後中間脱水を行うようにしているが、再生とクリーニングで3〜4分の時間が必要である。このため、再生工程終了前に、中間脱水(ステップ116)を開始してもよい。ただし、脱水終了時には、クリーニングが終了している必要がある。 【0091】給水電磁弁28aを閉じ、ドラム7を正逆反転させ、すすぎを開始したら、マイクロコンピュータ66は、再生工程を行う。再生工程は、上述した洗い工程後と同様であるので、説明を省略する。 【0092】このように、本実施の形態例ではすすぎ水に軟水を使用する。ところで、すすぎは、洗い工程で除去した汚れの排除と、衣類に残留する洗剤を少なくするために行う。従来、すすぎは、すすぎ水による洗剤の希釈で議論されており、すすぎ水での洗剤希釈率を重要視していた。しかし、重要なのは実際に衣類に残留する洗剤である。そこで、すすぎ後に衣類に残留している洗剤量(界面活性剤量)について説明する。 【0093】図17は、すすぎ水の硬度とすすぎ後に衣類に残留した界面活性剤の量の関係である。衣類の材質は木綿で、すすぎ回数は1回である。図から明らかなように、すすぎ水硬度と界面活性剤残留量はほぼ比例し、硬度が低いほど界面活性剤残留量が減少する。この理由は次の通りである。洗い時には衣類に界面活性剤が吸着している。すすぎは、水でこの界面活性剤を希釈し衣類から取り除くことであるが、水の硬度が高いと衣類に吸着している界面活性剤と硬度成分が結合し金属石鹸を生成する(界面活性剤の親水基と硬度成分が結合する)。この金属石鹸は、疎水性で水に不溶な物質であり、すすぎ水中に溶け出すことができずに、衣類に付着したままとなるため、衣類への界面活性剤残留量が多いのである。 【0094】界面活性剤の残留量は、すすぎ回数を増やすことで減らすことができる。一例として図17中〇印で、すすぎを4回行った場合の界面活性剤残留量を示す。界面活性剤残留量は、軟水ですすぎを1回行った場合と同程度まで減少する。しかし、すすぎ回数を増やすことは、水や時間が多く必要で、最近の省エネルギ化の要請に反してしまう。このように、すすぎ水に軟水を使用することで、衣類から効率よく界面活性剤を取り除くことができる。 【0095】更に、すすぎに軟水を使用すると、次のような効果もある。それは、衣類への界面活性剤の蓄積である。図18は、洗濯(洗い、すすぎ、脱水、乾燥)の繰り返し回数と乾燥後の衣類への界面活性剤残留量との関係である。硬度が高い場合(実線)、洗濯の繰り返し数の増加につれて界面活性剤残留量が増えて行き、衣類に蓄積して行くのがわかる。これに対し、軟水(破線)では、ほとんど増加が見られない。硬度成分が水に含まれている場合、洗濯の繰り返しで界面活性剤の蓄積が発生する。ただし、衣類に吸着できる界面活性剤の量は、衣類の材質により決定され、その量は有限である。例えば、木綿は多く、ポリエステルは小さい。このため、界面活性剤の蓄積量が無限に増えることはなく、ある洗濯回数で飽和する。 【0096】洗剤量を少なくすることで、初期の蓄積量は少なくできる。しかし、図18中、二点鎖線で示すように、洗濯1回毎の蓄積量は洗剤量が少ないほうが少ないが、繰り返し数の増加とともに残留量が増加し、通常の洗剤量との差が小さくなる。従って、蓄積を考えると軟水を使用したほうがよい。これは、上述のように、衣類への界面活性剤吸着量が有限であり、洗剤量が少なくても、いずれこの量まで界面活性剤が吸着するためである。このように、軟水を使用することで、洗濯の繰り返しによる界面活性剤残留量の蓄積を防ぐことができる。 【0097】以上のように、すすぎに軟水を使用することは、衣類から界面活性剤を効率よく除去するのに非常に有用である。特に、ドラム式洗濯機では使用水量が少ないために、すすぎ回数を多く行っていたため、結局使用水量が多くなる傾向にあった。軟水を使用することで、少ないすすぎ回数(少ない水量)でも十分なすすぎ性能が得られる。 【0098】衣類に残留する界面活性剤が少なくできると、アレルギー体質で肌が弱い人にとっても、アレルギーの原因となりうる要因を少しでも少なくすることができる。また、硬度が高い水ですすいだ場合は、前述のように衣類の残留した界面活性剤は金属石鹸化している。これは、乾燥後も衣類に付着しているため、衣類のゴワゴワ感につながり、着心地や風合いを損ねるという問題がある。しかし、軟水で洗い、すすぎを行うことで、衣類が柔らかな仕上がりとなるという効果もある。また、衣類に残留した界面活性剤は黄ばみの原因の一つであるが(特に天然石鹸の場合)、黄ばみの防止にも効果がある。 【0099】使用者により設定された回数のすすぎ工程が終了したら(ステップ115)、マイクロコンピュータ66は、ドラム7を一方向に回転し脱水工程を行う(ステップ120)。そして、再生水排出弁44を閉じ、排水ポンプ24を止め(ステップ121)、蓋ロック装置70を解除し、洗濯を終了する(ステップ122)。 【0100】本実施の形態例では、給水時、水はイオン交換樹脂51層の下から上に向かって上方に水が流れ、再生時は逆に下方に塩水が流れるようにしてある(給水時と再生時で水の流れ方向が逆)。塩水を下方に流すのは、円筒容器41内の塩水水面と外槽3内の水面との水位差のみで(重力で)塩水を流すことができ、イオン除去装置40の構造を簡単化できるためである。また、上述のように上部空間50に塩水を溜めることができるため、イオン交換樹脂51内を塩水が均一に流れ再生を効率よくできるからである。 【0101】給水を上方に向かって流すのは、上部空間50から下部空間49に向かって流した場合、上部空間50には水道圧力(0.029〜0.78MPa)が作用し、逆止弁53をこの圧力に耐える構造にする必要があり、構造の複雑化や信頼性の低下につながるからである。また、下部空間49に吐出口があると給水終了後すぐに下部空間49内の水が排出し、水位差のみで塩水を流下させることができなくなるためである。さらに、樹脂室52に隙間が設けてあるため、イオン交換樹脂51は、給水開始時と給水停止時に、樹脂室52内で撹拌され、イオン交換樹脂51間入った異物が樹脂室外に排除され、目詰まりが発生することがない。一方、給水が上方から下方に流れると、イオン交換樹脂51は撹拌されないため、異物がイオン交換樹脂上に溜まり、目詰まりが発生する可能性が大きい。 【0102】ここで、塩容器45側面のメッシュフィルタ45gの効果について述べる。既に説明したように、塩容器45内の塩57は、通常水を含んだ状態である。吸水した塩57は、時間が経過すると表面から固まっていく。この時、塩容器45側面が水の通過しない壁状であれば、塩と壁は固着する。塩は、塩容器45底面のメッシュフィルタ45cを通して溶け出し量が減少していく。しかし、塩と壁面が固着していると塩が下に落ちることができずにメッシュフィルタ45cと塩との間に空間が形成され、成長していく。最終的には、メッシュフィルタ45cに接する塩が非常に少なくなってしまい、高濃度塩水の生成ができなくなる。 【0103】しかし、本実施の形態例のように塩容器45の側面にメッシュフィルタ45gを設け、かつ塩水容器側面との間に隙間64aを設けると、ステップ110の塩給水電磁弁28aによる給水で塩水容器42内の水面がh2まで上昇した場合、隙間64aから塩容器45側面のメッシュフィルタ45gを通して水が侵入し、塩容器45側面メッシュフィルタ45gに接した塩が少量溶け出し、メッシュフィルタ45gと塩57間に隙間が形成される。このため、塩57と塩容器45の側面との固着が発生せず、塩が溶けた分だけ塩は下方に落ち、常に底面のメッシュフィルタ45cと接した状態を維持でき、飽和塩水を安定して生成することが可能となる。なお、隙間64aは装置の小型化のためには極力小さくした方がよいが、塩容器45の塩水容器42への着脱のし易さを考えると2〜5mm程度が好ましい。 【0104】次に、塩水容器42からの塩水の排出にサイホン46を使用する利点について説明する。サイホン46を使用することで、再生時に塩水容器42内の水は全て排出されるため、再生終了後は塩水容器42内にはほとんど水がない。従って、塩容器45も水に浸かっていない。塩残量が少なくなり、塩を補充する時、使用者は塩容器45を塩水容器42から取り外し、作業しやすい場所まで移動することができる。この時塩容器45に水が残っていると、塩容器の運搬中に水が落ちる水ダレが発生してし、洗濯機や床などを汚してしまう。しかし、水はメッシュフィルタ45cの編み目内に残っている以外ほとんど残っていない。さらに本実施例では、塩容器45底部の枠の形状を図8に示すような円弧状45h、または傾斜面とすることで、枠部分への水の残留を防止する様になっており、故意に塩容器45を振り回すようなことをしない限り水ダレの可能性は非常に小さい。 【0105】既に説明したように、本実施の形態例では塩容器45に約500gの塩を投入してあり、洗濯20回分の再生は自動的に行える。通常、使用者は再生回数を数えていることはなく、塩の補充を忘れる恐れがある。このために、塩補充表示36設け、塩容器45内に塩57がなくなったことを使用者に知らせる。そこで、塩の有無を検知する方法について、次に述べる。 【0106】第一の方法は、洗濯の回数(再生の回数)をマイクロコンピュータ66でカウントし、規定回数になったら塩補充表示36を行う方法である。マイクロコンピュータ66は、使用者が塩の補充を完了して塩補充完了操作ボタン37が押されたことを検知したらカウンタをリセットし、同時に塩補充表示36を消す。本方法は、特別のセンサなしに実現でき、低コストであるという利点がある。 【0107】第二の方法は、塩57の残量を検知し、規定値以下になったら塩補充表示36を行う方法である。この方法は、使用者が補充する塩量の多少に関わらず確実に塩がないことを表示できる利点がある。塩残量の検知は、実際の塩残量の質量を測定する方法が最も簡単である。具体的には、塩容器45の質量を測定する荷重計のようなセンサを塩水容器42底部に設けることで実現できる。 【0108】質量測定は、別の効果も有する。それは、使用者の塩の補充量に応じて含水動作時の注水量を制御できることである。使用者が補充する塩の量が約500gの場合は、含水動作のための注水量は120〜130mLである。しかし、補充する塩の量がこれより少ないと注水量が120〜130mLでは注水量が多すぎることになる。 【0109】例えば、塩の補充量が300gだった場合は、この注水量では約50mLの水が塩へ吸収されずに塩水容器42内に残る。ここに、高濃度塩水を生成するために第1の注水で70〜80mLが注水されると、サイホン46が通じ、ほとんど塩が溶けないうちに上部空間50に流下してしまう。このため、高濃度塩水が生成できず、イオン交換樹脂51の再生が十分に行えなくなる。しかし、補充された塩の量を荷重計で検知できると、その量に見合った注水量とすることができるため、上記のような問題を防ぐことができる。 【0110】また、塩残量の検知は、生成する塩水濃度を電導度計などで測定することでも可能である。塩水濃度が規定値以下になったら塩補充表示36を行う。塩水濃度の測定は、生成する塩分濃度をほぼ一定に制御することにも使用できる。これにより、常に再生効率の良い濃度10%の塩水を再生に使用することができる。 【0111】以上述べてきた本実施の形態例では、給水毎にイオン交換樹脂の再生を行うことで、洗い、すすぎ時の水の硬度を40ppm以下にした。しかし、すすぎ水の硬度が高くても、洗浄力には影響がない。そこで、イオン交換樹脂の再生を、最終すすぎ後だけ行うようにしてもよい。こうすることで、洗濯水を常に軟水化できる。 【0112】また、塩の補充を行わないで使用した場合は、イオン交換樹脂は硬度除去能力を完全に失っている。この時、軟水で洗濯を行おうとすると、給水前にイオン交換樹脂を再生する必要がある。これは、図15の動作フローを次のように若干変更することで、実現できる。例えば、スタートスイッチ34aと塩補充完了ボタン37が同時に押された時は、給水前に再生を行うようプログラミングされている。 【0113】使用者がスタートボタン34aと塩補充完了ボタン37を同時に押すと、給水前再生モードになる。塩補充を行った後、ステップ104の給水を行わずに、まず含水工程(ステップ126)を行う。その後、ステップ107からの再生工程を行う。この場合、ステップ107の第1の注水からステップ110の第2の注水までの間隔は、最低でも1分、望むらくは3分必要である。これは、第1の注水で高濃度塩水を作るのに必要だからである。1分では濃度約15%の塩水ができるが、3分あれば約20%の塩水が生成できる。再生工程が終了したら、ステップ104の給水電磁弁開くところから、通常の動作フローに戻る。こうすることで、洗濯水を軟水化できる。 【0114】以上、水道水の硬度が300ppm、給水量が30Lの場合を想定して,本実施の形態例について説明してきた。しかし、実際には洗濯機が使用される場所により水道水の硬度は、さまざまである。例えば、水道水の硬度が100ppmの場合、外槽3に30L給水時の洗濯水硬度は約6ppmであり、イオン交換樹脂をすぐに再生する必要はない。給水量がすべて30Lとすると、4回目の給水で硬度が約40ppmとなる。洗い1回とすすぎ2回とすると、洗濯工程中の再生は,最終すすぎ後に1回行えばよい。従って、水道水硬度により、イオン交換樹脂の再生間隔を決定するようにすることで,塩の無駄な消費を抑えることができる。 【0115】以下、その実施の形態例を説明する。 【0116】図14において、72は電気的書き込みが可能な不揮発性メモリであるEEPROMである。 【0117】水道水硬度と、通水量及びイオン交換樹脂の硬度除去性能の関係は、予め分かるので、洗濯機製造業者は、その関係をEEPROM72に記憶させておく。具体的には、図16のような関係を、複数の硬度条件に対して記憶しておく。すなわち、水道水硬度と処理できる水量との関係を記憶しておく。 【0118】ただし、この関係を利用するためには、使用している水道水の硬度を知る手段が必要である。硬度を知る手段には、次のような方法がある。 【0119】最も確実な方法は、イオン除去装置40より上流側の給水経路に硬度測定装置を設けることである。硬度測定装置としては,カルシウムイオン濃度やナトリウムイオン濃度を測定する方法、電導度を測定する方法などがある。この方法は、使用する水の硬度を直接測定できるため、きめ細かい制御が可能である。測定した硬度と、使用した水量から、上記関係を利用してイオン交換樹脂の再生タイミングを決め、必要なときのみに再生が行うようにできる。ただし、本方法は、電極や電気回路などが必要で、洗濯機のコストが若干上昇する。 【0120】より簡便な方法は、市販の硬度測定指示薬を使用する方法である。使用者は、洗濯機を使い始めるに当たり、この指示薬で使用する水道水の概略硬度を測定する。そして、その値をEPROMに記憶させる。これは、操作ボタン34を使い、例えば、スタートボタン34aとドアオープンボタン34cを同時に押すことで、マイクロコンピュータ66を硬度入力モードとし、コースセレクトボタン34bを押した回数で行う。例えば、1回であれば50ppm以下、2回であれば50〜100ppm等とすればよい。 【0121】別な簡便な方法は、洗濯機を使用している場所の地域情報(電話番号や郵便番号)を利用する方法である。通常、水道水は市区町村単位で設置された浄水場から給水される。従って、ある地域はほぼ同一の浄水場から給水されている。浄水場の硬度は、浄水場が定期的に実施している水質調査結果から分かる。従って、洗濯機製造業者は、予め地域情報と浄水場の水道水硬度の関係をEEPROMに記憶して出荷する。使用者は、洗濯機を使い始めるに当たり、地域情報を操作ボタン34で入力する。 【0122】EEPROM72には、洗濯またはすすぎに使用する水の目標硬度が、洗濯機製造業者あるいは使用者により記憶されている。マイクロコンピュータ66は、上記で測定あるいは記憶した水道水硬度値と、実際に給水した水量(水位センサ27で測定する)をから、前記図16のような関係を使用し、イオン交換樹脂の硬度除去性能を求め、外槽3に溜まった水(洗濯水またはすすぎ水)の硬度を算出する。給水する水量は、通常、洗いとすすぎで略同量であるので、次に給水した時の外槽3内の水の硬度が予想できる。この値と予め記憶されている目標硬度とを比較し、目標硬度を越える場合は、次回給水前に図15で説明した方法と同様のイオン交換樹脂の再生工程を行う。 【0123】具体的な動作フローを図19に示す。本動作フローでは、給水及び再生の部分のみを説明する。マイクロコンピュータ66が給水電磁弁28aを開とし(ステップ131)、外槽3内への給水を開始する。マイクロコンピュータ66は、水位センサ27により給水流量を監視する。一方、EEPROM72には、外槽3内へ溜まった水の目標硬度値及び、水道水硬度、給水量とイオン交換樹脂の硬度除去性能の関係が予め書き込まれている。マイクロコンピュータ66は、これらの関係から外槽3に溜まった水の硬度を算出し、目標硬度と比較する(ステップ132)。 【0124】図20は、給水量と外槽3に溜まった水(洗濯水と表示)の硬度の関係である。図には一例として、水道水硬度が100、300、500ppmの場合について示してある。たとえば、水道水硬度が500ppmの場合は、給水量約10Lで目標硬度に達するので、マイクロコンピュータ66は、一旦給水電磁弁28aを閉じ、給水を停止する。そして、イオン交換樹脂の再生工程を行う。再生工程の詳細は、図20の下部に記載してあるが、図15で説明した方法と同様である。再生工程が終了すると、再び給水電磁弁28aを開き、給水を開始する。 【0125】なお、本例のように、給水途中で再生工程を行う場合、硬度成分を多量に含む再生排水を、絶対に外槽3内に流入させてはならない。このためには、排水ベローズ23と排水ポンプ24の間に排水弁を設け、排水弁より下流側に排水チューブ58を接続するようにする必要がある。こうすることで、給水、洗い、すすぎ中は排水弁が閉じているため、再生排水が外槽3内に流入することはない。また、排水弁を設けない場合は、排水チューブ58を洗濯機外へ取り出し、排水ホース25の出口部25aに接続するよう構成してもよい。出口部25aは、排水ホース25の最も高い部分より下方にあるため、再生排水が排水ホース25を逆流して外槽3内に流入することはない。 【0126】規定量の水が外槽3に溜まったことを、水位センサ27からの信号で知ったマイクロコンピュータ66は、給水電磁弁28aを閉じ、ドラム7を正逆回転させて、洗いまたはすすぎを開始する。例えば、給水量が30Lとすると、水道水硬度500ppmでは、給水途中で2回再生工程を行う必要があるが、水道水硬度300、100ppmでは、給水途中で再生を行う必要はない。 【0127】洗いまたはすすぎを開始したら、マイクロコンピュータ66は、次回給水時に外槽3内の水が限界硬度を超えるかどうかを予測する(ステップ135)。例えば、図20で示す水道水硬度300、500ppmの場合、限界硬度に近いため、再生が必要であるが、水道水硬度100ppmの場合は再生の必要がない。再生が必要な場合は、ステップ138の再生工程を行う。 【0128】このように、使用する水道水硬度と給水量により、イオン交換樹脂の再生間隔を決定するようにすることで、イオン交換樹脂の硬度除去能力が残っている場合は再生を行わないため、塩の無駄な消費や再生のための時間を節減できる。また、500ppmというような高硬度の水を40ppm以下にするためには、通常、給水量が30Lの場合で、約300mLのイオン交換樹脂が必要となり、イオン除去装置が大型化し、洗濯機への内臓が困難となる。しかし、上記のように、給水の途中で給水を一旦停止して再生を行うようにすることで、イオン交換樹脂の量が少なくても、高硬度の水道水の軟水化が可能となり、洗濯機に内臓可能な小型のイオン除去装置を実現できる。従って、日本のようにほとんどの水道水が100ppm以下の地域でも、ヨーロッパやアメリカのように300〜500ppmという硬水の地域でも、同一のイオン除去装置で対応が可能である。 【0129】家庭によっては、洗濯機に給湯器からのお湯を直接供給することもある。この場合、イオン交換樹脂中をお湯が流れることになる。イオン交換樹脂の耐熱温度は、100℃以上のものが一般的であり、ドラム式洗濯機で洗濯に使用する60℃程度では、イオン交換樹脂がすぐに劣化することはない。消毒が主目的の煮沸洗浄を行う場合は、80〜95℃の高温のお湯を供給することがある。長期間お湯を使用し続けた場合は、イオン交換樹脂の基材が劣化する恐れがある。そこで、供給される水の水温検知装置を設け、規定温度以上の場合は給水を遮断して、イオン交換樹脂に流れないようにした方がよい。遮断は、給水電磁弁28aを閉じればよい。煮沸洗浄は、水を給水しドラム式洗濯機に内蔵された電気ヒータで水温を上げるようにする。また、水温が規定温度以上の場合、給水を遮断するのではなく、イオン交換樹脂(イオン交換装置)のバイパス流路を設け、バイパス流路を通り注水ケースへ給水するようにしてもよい。 【0130】尚、上記説明で使用した図10、11、12、13、16、17、18及び20は実験によるものである。 【0131】 【発明の効果】本発明によれば、イオン交換能を有する素材をコンパクトに構成し、再生剤を複数回の再生が行える量を収容し、かつドラム式洗濯機に装着した状態で、洗濯工程毎に、あるいは給水毎に、あるいは給水途中で一旦給水を止め、自動的に再生処理して用いることを可能にしたので、どのような水道水硬度でも、お湯を用いることなく高い洗浄力のドラム式洗濯機を洗濯機を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成11年9月20日(1999.9.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075096 【弁理士】 【氏名又は名称】作田 康夫
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| 【公開番号】 |
特開2001−87592(P2001−87592A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月3日(2001.4.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−265012 |
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