| 【発明の名称】 |
輪状ゴム紐の製造方法及び製造装置並びに輪状ゴム紐 |
| 【発明者】 |
【氏名】下山 次弘
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| 【要約】 |
【課題】下着等の筒状部分へ用いる輪状ゴム紐は、コールゴムを素材として製造されている。丸ゴムを用いたコールゴムで輪状ゴム紐を製造した場合、テンションの付加時にスリップインが発生する不都合があり、これの防止を図る。
【解決手段】ゴム紐2の先端部をこのゴム紐2の所定長さ位置に重ね合わせて輪状にし、この重ね合わせ領域Wの両側を相対逆方向へ引っ張りつつ、少なくともその長手方向の2箇所で厚さ方向を貫通する縫着を行う。従って、輪状ゴム紐1として、重ね合わせ領域W内に2箇所以上の縫着部3が設けられたことになり、丸ゴムを用いたコールゴムで製造した輪状ゴム紐でもスリップインの発生を防止できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ゴム紐(2)の先端部を当該ゴム紐(2)の所定長さ位置に重ね合わせて輪状にし、このゴム紐(2)における重ね合わせ領域(W)の両側を個々に挟持すると共に、これら両挟持部分を相対逆方向へ離反させて上記重ね合わせ領域(W)を所定張力下の引張状態に保持させ、該重ね合わせ領域(W)内において厚さ方向を貫通する1回目の縫着をした後、該重ね合わせ領域(W)を長手方向に沿って移動させ且つ厚さ方向を貫通する縫着を少なくとも1回繰り返し、その後、上記引張状態を解除することを特徴とする輪状ゴム紐の製造方法。 【請求項2】 重ね合わせ状態のゴム紐(2)をその厚さ方向で貫通状に縫着可能にするミシン(11)と、該ミシン(11)の正面域へ向けてその側方からゴム紐(2)を繰り出すゴム紐供給手段(12)と、該ゴム紐供給手段(12)によって繰り出されるゴム紐(2)の先端部を保持したままミシン(11)の正面域で上下方向にわたって輪型を描くように1回転させて該ゴム紐(2)の先端部を当該ゴム紐(2)の所定長さ位置に重ね合わせる輪型形成手段(13)と、上記ゴム紐供給手段(12)により所定長さ分を繰り出された状態でゴム紐(2)を切断する切出し手段(14)と、輪型とされたゴム紐(2)の重ね合わせ領域(W)両側をその厚さ方向で挟持して上記ミシン(11)の縫製位置(X)へ移動させる縫製介助手段(15)とを有しており、上記縫製介助手段(15)には、ミシン(11)の縫製位置(X)で保持させたゴム紐(2)の重ね合わせ領域(W)をその長手方向両側へ引張可能とする張力付与手段(66)と、該張力付与手段(66)によって所定張力下に保持されたゴム紐(2)をその長手方向に沿わせつつミシン(11)の縫製位置(X)に対して位置代え可能にする横送り手段(67)とが設けられていることを特徴とする輪状ゴム紐の製造装置。 【請求項3】 ゴム紐(2)の両端部が所定長さ領域にわたって重ね合わされた状態で輪状とされており、この重ね合わせ領域(W)にはゴム紐(2)の長手方向に引っ張られた状態のまま厚さ方向に貫通状に縫着されることによって形成された縫着部(3)が長手方向複数箇所に設けられていることを特徴とする輪状ゴム紐。 【請求項4】 前記ゴム紐(2)は、断面円形のゴム糸(g)を複数本並行させそれらのまわりをカバーリング糸で被覆したコールゴムとされていることを特徴とする請求項3記載の輪状ゴム紐。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、輪状ゴム紐の製造方法及び製造装置並びに輪状ゴム紐に関するものである。 【0002】 【従来の技術】下着をはじめとする各種衣類等においてその筒状になった部分へ用いられる輪状ゴム紐は、一般にコールゴムと呼ばれる、ある程度の幅を有した細帯状のゴム紐を素材として製造されている。このコールゴムは、複数本のゴム糸を並行状態にして、それらのまわりを人絹糸等のカバーリング糸で被覆したものである。なお、上記ゴム糸には、合成ゴム製であるものの他、ポリウレタン等の弾性樹脂製であるものも含まれる。ゴム糸の使用本数に応じて種別されるところの4C〜10C(Cはコール)という幅サイズが、現状ではよく使われている。 【0003】このようなコールゴムから輪状ゴム紐を製造するには、コールゴムを所定長さに切断したうえで、その両端部を重ね合わせて輪状にし、この重ね合わせ領域の両側を個々に挟持すると共に、これら両挟持部分を相対逆方向へ離反させて上記重ね合わせ領域を所定張力下の引張状態に保持させ、そして、この重ね合わせ領域内の1箇所を、厚さ方向を貫通させるようにしてミシンにて縫着するというようにしていた(実公平6−5158号公報参照)。図12に、このようにして得られた輪状ゴム紐における縫着部を示す。また図13(a)は、この縫着部を形成する場合の運針図であり、図13(b)は縫い目の拡大図である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】輪状ゴム紐を製造するためのコールゴムでは、図10に示すように、その形成材料のゴム糸Gとして、断面形状が矩形のもの(いわゆる角ゴム)を用いたものを採用するのが普通である。しかし、このコールゴムとして、図11に示すように、断面形状が円形のゴム糸g(いわゆる丸ゴム)を用いたものを採用することがないわけではない。ところが、上記のように断面形状が円形のゴム糸gを用いたコールゴムで輪状ゴム紐を製造した場合、この輪状ゴム紐の長手方向(周方向)にテンションを加えたときにスリップインと呼ばれる、縫着部でのゴム糸gのすり抜けが発生することがあった。これは、断面形状が円形のゴム糸gは、断面形状が矩形のゴム糸Gよりも滑り性が高いことに起因しているものと推測される。 【0005】すなわち、このような輪状ゴム紐を用いた衣類等では、この輪状ゴム紐の装着部分でゴム切れのような状態が起こるおそれがあった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、スリップインと呼ばれる縫着部でのゴム糸のすり抜けを防止できるようにした輪状ゴム紐を提供すると共に、このような輪状ゴム紐を製造するための製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は次の手段を講じた。即ち、本発明に係る輪状ゴム紐の製造方法では、まずゴム紐の先端部をこのゴム紐の所定長さ位置に重ね合わせて輪状にし、このゴム紐における重ね合わせ領域の両側を個々に挟持すると共に、これら両挟持部分を相対逆方向へ離反させて上記重ね合わせ領域を所定張力下の引張状態に保持させる。そして、この重ね合わせ領域内において厚さ方向を貫通する1回目の縫着をした後、この重ね合わせ領域を長手方向に沿って移動させ且つ厚さ方向を貫通する縫着を少なくとも1回繰り返し、そのうえで、上記引張状態を解除するものである。 【0007】このようにすることで、製造された輪状ゴム紐では、その重ね合わせ領域内に少なくとも2箇所の縫着部が設けられることになる。そのため、仮に、断面形状が円形のゴム糸を用いたゴム紐により輪状ゴム紐を製造するとしても、この製造された輪状ゴム紐において、スリップインと呼ばれる縫着部でのゴム糸のすり抜けは防止される。のみならず、縫着部は、ゴム紐の重ね合わせ領域に引っ張りをかけた状態のまま、形成させている。すなわち、ゴム紐の形成材料として用いられているゴム糸が引き延ばされて細くなった状態で縫製が行われるため、ミシン針が、この細くなったゴム糸を傷つけることが抑制され、それだけゴム糸自体の耐久性が高められたものとなっている。 【0008】しかも、このように細くなったゴム糸に対して縫製を行った後、ゴム紐の重ね合わせ領域に対する引っ張りを解除すれば、各ゴム糸に対するミシン糸の巻きつきが強く締めつけられる状態となるので、縫着構造としての強化にもなっている。また、本発明に係るゴム紐の製造装置では、ミシンと、ゴム紐供給手段と、輪型形成手段と、切出し手段と、縫製介助手段とを有している。ミシンは、重ね合わせ状態のゴム紐をその厚さ方向で貫通状に縫着できるようにしたものである。 【0009】ゴム紐供給手段は、ミシンの正面域へ向けてその側方からゴム紐を繰り出させるようにしたものである。輪型形成手段は、このゴム紐供給手段によって繰り出されるゴム紐の先端部を保持したまま、これをミシンの正面域で上下方向にわたって輪型を描くように1回転させ、これによってこのゴム紐の先端部をこのゴム紐の所定長さ位置に重ね合わせるようにしたものである。切出し手段は、ゴム紐供給手段により所定長さ分を繰り出された状態(即ち、輪型形成手段によって輪状とされるうえでの必要長さ分)でゴム紐を切断するようにしたものである。 【0010】縫製介助手段は、輪型とされたゴム紐の重ね合わせ領域両側をその厚さ方向で挟持して、上記ミシンの縫製位置へ移動させるようにしたものである。そして、このうち縫製介助手段には、ミシンの縫製位置で保持させたゴム紐の重ね合わせ領域をその長手方向両側へ引張可能とする張力付与手段が設けられていると共に、この張力付与手段によって所定張力下に保持されたゴム紐をその長手方向に沿わせつつミシンの縫製位置に対して位置代え可能にする横送り手段が設けられている。 【0011】また、本発明に係る輪状ゴム紐では、ゴム紐の両端部が所定長さ領域にわたって重ね合わされた状態で輪状とされており、この重ね合わせ領域に対して、ゴム紐の長手方向に引っ張られた状態のまま厚さ方向に貫通状に縫着されることによって形成された縫着部が、その長手方向の複数箇所に設けられたものとなっている。ゴム紐は、断面円形のゴム糸を複数本並行させ、それらのまわりをカバーリング糸で被覆したコールゴムとされているときに、特に有益である。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る輪状ゴム紐1を示している。この輪状ゴム紐1は、素材とするゴム紐2の両端部を所定長さ領域Wにわたって重ね合わせて輪状にしたうえで、この重ね合わせ領域W内における長手方向の複数箇所(図例では2箇所)に、縫着部3が設けられている。これら縫着部3は、いずれも、上記重ね合わせ領域Wをゴム紐2の長手方向に沿って引っ張った状態にしつつ、この重ね合わせ領域Wを厚さ方向に貫通して縫着することで形成したものである。 【0013】図2に、このようにして得られた輪状ゴム紐における縫着部3を示す。また図3(a)は、この縫着部3を形成する場合の運針図であり、図3(b)は縫い目図である。この輪状ゴム紐1において、素材として用いられているゴム紐2は、図10に示したように断面形状が矩形のゴム糸Gを複数本並行させ、それらのまわりをカバーリング糸で被覆したコールゴムとすればよいだけでなく、上記のように縫着部3が複数設けられていることから、図11に示したような断面形状が円形のゴム糸gを複数本並行させ、それらのまわりをカバーリング糸で被覆したコールゴムとしても、何ら不都合は生じないものである。 【0014】図4乃至図9は、上記のような輪状ゴム紐1を製造するための製造装置10の一実施形態を示している。図4に示すように、この製造装置10は、ミシン11と、ゴム紐供給手段12と、輪型形成手段13と、切出し手段14と、縫製介助手段15とを有している。ミシン11は、重ね合わせ状態にしたゴム紐2を、その厚さ方向で貫通状に縫着できるようにしたもので、プレート17上の針穴18周辺を縫製位置Xとしてミシン針19を上下動させるようにしてある。 【0015】ゴム紐供給手段12は、ミシン11の正面域へ向けてその側方(図4左側)からゴム紐2を繰り出させるようにしたもので、ゴム紐2のストックケース20からつづれガイド21を介して巻出ローラ装置22でゴム紐2を巻き出させた後、このゴム紐2を、更にダンサローラ23及びガイドローラ24,25を経て横送りテーブル26へと差し込ませ、この横送りテーブル26に設けた定寸送りローラ27によって、横送りテーブル26の先端側(図4右側)から必要長さ分だけ送り出すようになっている。 【0016】図5に示すように、横送りテーブル26には、ゴム紐2の上面を覆うようになるゴム押え上板28が設けられており、これによってゴム紐2の浮き上がりや蛇行を防止できるようになっている。また、上記ダンサローラ23は、上限センサ30と下限センサ31との間で上下移動範囲が自動的に制御される構造であり、横送りテーブル26に対するゴム紐2の送り込み量及びテンションが所定範囲に保たれるようになっている。横送りテーブル26には、定寸送りローラ26に間接状に当接してゴム紐2の送りを確実化させるスリップ防止ローラ33や、ゴム紐2を検出する各種のセンサ34,35等が設けられ、ゴム紐供給手段12としてのゴム紐2の自動供給が可能になっている。 【0017】輪型形成手段13は、上記ゴム紐供給手段12によって繰り出されるゴム紐2の先端部を保持すると共に、この保持状態のまま、これをミシン11の正面域で上下方向にわたって輪型を描くように1回転させ(図6の一点鎖線参照)、これによってこのゴム紐2の先端部を、このゴム紐2における所定長さ位置(ゴム紐供給手段12の横送りテーブル26から繰り出されている部分)へと重ね合わせるようにしたものである。この輪型形成手段13では、ミシン11の正面位置で長手方向を前後へ向け、且つ水平に設けられた回転軸40に対し、その径方向に張り出す状態で、ゴム紐2の先端部を保持するためのクランプ部41が設けられた構造となっている。 【0018】回転軸40は、巻き掛け伝動手段42等を介して1回転を1サイクルとする間欠動作をする。またクランプ部41は、待機時に上下方向で所定間隔を保持する一対のクランプ片41a,41bを有し、これらが流体圧シリンダ等の駆動具43によって必要に応じて相互近接し、また離反するものとなっている。このクランプ部41には、ゴム紐供給手段12の横送りテーブル26へ向く側面に支持アーム45が設けられている。この支持アーム45は、クランプ部41が1回転することで輪型にされるゴム紐2を、その輪の内側からすくい上げると共に、その後、クランプ部41が回転を停止したときに、すくい上げた部分のゴム紐2を水平状態に保持して、この時点でゴム紐供給手段12の横送りテーブル26側から送り出されているゴム紐2との間を同一高さに合わせるようにしている。 【0019】なお、この輪型形成手段13には、ゴム紐供給手段12の横送りテーブル26とは反対側となる側方(図4右側)に、ゴム掛けガイド46と緩み防止部材47とが付属されている。これらゴム掛けガイド46及び緩み防止部材47は、クランプ部41の1回転でゴム紐2が輪型にされるときに、この輪型が閉じないように保形させる(輪形状は円形ではなく逆三角形状となる)ためのものである。これらゴム掛けガイド46及び緩み防止部材47は、いずれも支持ポスト48に対し、これに昇降自在に保持された昇降台46a,47aを介して取り付られている。 【0020】そして、ゴム掛けガイド46では、その上昇及び下降を流体圧シリンダ(図示略)等によって行われるようになっており、これに対して緩み防止部材47では、その上昇は流体圧シリンダ(図示略)等によって行われるものの、下降は自荷重による自然落下的なものとなっている。この緩み防止部材47の下降限度位置には、この緩み防止部材47を検出するセンサ49が設けられており、このセンサ49が検出信号を発信したときには、ゴム紐2が無い異常事態として、装置の停止や報知を行うものとしてある。 【0021】なお、ゴム掛けガイド46では、ゴム紐2を引っ掛ける部分が円盤形になっており、その中心軸まわりで回動可能になっており、外周面に、ゴム紐2の幅サイズごとに溝幅が異なるガイド溝46bが設けられている。図例では、ゴム紐2の幅サイズとして4C,6C,8C,10Cの4種に適応可能にするために、90°おきの外周位置に合計4つのガイド溝46bを設けると共に、各ガイド溝46bが真上を向く状態に回動角度をクリック停止できるものとした。 【0022】なお、このゴム掛けガイド46は、必ずしも昇降可能とする必要はない。切出し手段14は、上記したゴム紐供給手段12により所定長さ分を繰り出されたゴム紐2を切断する(即ち、輪型形成手段13で輪状にするうえで必要となる長さのゴム紐2を切り出す)ようにしたものであって、ゴム紐供給手段12の横送りテーブル26における先端部(図4右側)に設けられている。この切出し手段14では、図7及び図8に示すように、ブラケット50を介して固定状態にされる下刃51と、ブラケット50に支軸52を介して回転自在に保持される上刃53と、この上刃53の支軸52に取り付けられた駆動レバー54に対して押引方向の駆動を伝える流体圧シリンダ等の駆動具55とを有している。 【0023】なお、支軸52には、ブラケット50と駆動レバー54との間にバネ56が挿通されており、支軸52に対する駆動レバー54の軸方向(左右方向)位置付けを調節可能となっており、これによって下刃51に対する上刃53の当接度合(即ち、切れ味)を調節できるものとなっている。縫製介助手段15は、上記の輪型形成手段13によって輪型とされたゴム紐2に対して、その重ね合わせ領域Wの両側を厚さ方向で挟持すると共に、この重ね合わせ領域Wを上記ミシン11の縫製位置Xへと移動させるようにしたものである。 【0024】この縫製介助手段15では、図9に示すように、左右一対のクランプ部60と、これら両クランプ部60の保持台61を前後動可能にする流体圧シリンダ等の前後進退装置62とを有している。各クランプ部60は、上下方向で所定間隔を保持する一対のクランプ片60a,60bを有し、これらが流体圧シリンダ等の駆動具63によって必要に応じて相互近接し、また離反するものとなっている。また、この縫製介助手段15では、他に、張力付与手段66及び横送り手段67が設けられている。 【0025】張力付与手段66は、ゴム紐2の重ね合わせ領域Wをミシン11の縫製位置Xへと移動させた後、引き続きこの重ね合わせ領域Wをその長手方向両側(左右方向)へ引張可能とするものであって、保持台61に対する左右の各クランプ部60の取付部として介設されている。具体的には、保持台61上で長手方向を左右へ向けて固定されたガイドレール70に、各別の左右動台71,72を介して左右の各クランプ部60を別々に支持させ、これら左右動台71,72を流体圧シリンダ等の各別の駆動具73,74で移動駆動させるようにしてある。 【0026】従って、駆動具73,74を共に縮退方向へ駆動させれば、両クランプ部60の相互間隔は広がり、反対に駆動具73,74を共に伸長方向へ駆動させれば、両クランプ部60の相互間隔は狭まるようになる。なお、図例のものでは、左右のクランプ部60の両方に対して、別々に張力付与手段66を設けたかたちとなっているが、いずれか一方だけとすることも可能である。横送り手段67は、ミシン11の縫製位置Xにおいて、上記張力付与手段66によって所定張力下に保持されたゴム紐2を、その長手方向に沿わせつつ位置代え可能にするものであって、上記した前後進退装置62自体を、横向きの流体圧シリンダ77によって左右動可能にしてある。 【0027】一方、図4に示したように、ミシン11の正面部であって、且つ輪型形成手段13におけるクランプ部41の回転中心近傍には、輪状にされた後の(即ち、製造後の)輪状ゴム紐1をスタッキングするための投げ込み用ガイド80が設けられている。次に、上記構成の製造装置10の稼働状況に基づいて、本発明に係る製造方法を説明する。まず、ゴム紐供給手段12は、巻出ローラ装置22と定寸送りローラ27とを作動させて、ゴム紐2をストックケース20から横送りテーブル26へわたって繰り出させ、この横送りテーブル26の先端側でミシン11の正面域へ向けていくらか突出させる状態とする。 【0028】次に、輪型形成手段13は、クランプ部41によって横送りテーブル26から突出しているゴム紐2の先端部を保持する。そして、この保持状態のままクランプ部41を回転軸40まわりで1回転させる。従って、図6に示すように、ゴム紐2は、ミシン11の正面域で上下方向にわたって輪型を描いた状態となる。また、クランプ部41で保持したゴム紐2の先端部は、このゴム紐2が横送りテーブル26から繰り出されている部分に対して所定長さで重ね合わされたものとなっている。 【0029】また更に、このときゴム紐2は、支持アーム45によって輪の内側からすくい上げられていると共に、クランプ部41がゴム掛けガイド46の上方及び緩み防止部材47の下方を通過するように回転したことに伴って、その後、ゴム掛けガイド46が上昇し、緩み防止部材47が下降したときに、ゴム紐2の輪型(逆三角形状)が保形されていることになる。次に、縫製介助手段15が作動を開始する。まず、前後進退装置62が左右のクランプ部60を、輪型形成手段13のクランプ部41へ向けて進出させ、輪型に保形されているゴム紐2の重ね合わせ領域(おおよそ支持アーム45からクランプ部41までの部分)の両側へこれらクランプ部60を差し込ませるようにする。 【0030】そして、左右のクランプ部60が作動して、ゴム紐2を重ね合わせ状態のままその厚さ方向で挟持する。この挟持の後、上記輪型形成手段13のクランプ部41は、ゴム紐2を解放する。また、このとき切出し手段14が作動して、横送りテーブル26の先端部に合わせてゴム紐2を切断する。従って、ゴム紐2は輪状にするうえで必要な所定長さ分を切り出されたことになる。なお、ゴム紐2を重ね合わせ領域に対して、左右のクランプ部60を挟持させる位置は、ゴム紐2の両側の端部と左右の各クランプ部60とが極端に近づき過ぎないようにする。おおよそ、左右のクランプ部60の中間位置から10mm程度は確保するようにする。 【0031】そして、上記前後進退装置62が左右のクランプ部60をミシン11側へと引き込ませ、ゴム紐2に対する両挟持部分をミシン11の縫製位置Xへと移動させる。次に、張力付与手段66が作動して、左右のクランプ部60を相対逆方向へ離反させ、これによってゴム紐2に対する両挟持部分(即ち、重ね合わせ領域)を所定張力下(おおよそ220%〜259%程度が好適)の引張状態に保持させる。 【0032】次に、ミシン11が作動を開始して、ゴム紐2の重ね合わせ領域内の所定箇所を、その厚さ方向を貫通させるようにして1回目の縫着をする(図3参照)。次に、横送り手段67が作動して、ミシン11の縫製位置Xにおいて、ゴム紐2の重ね合わせ領域を、その長手方向に沿わせつつ位置代えさせる。このときの移動距離は、あまり大きくなりすぎないようにする(6mm程度でよい)。この横送り手段67の作動中及び作動後も、ゴム紐2は、張力付与手段66による所定張力下に保持されたままとなっている。 【0033】そして、横送り手段67の作動後、再びミシン11が作動を開始して、ゴム紐2の重ね合わせ領域内の所定箇所を、その厚さ方向を貫通させるようにして2回目の縫着をする(図3参照)。このようにして、ゴム紐2における上記の重ね合わせ領域には、2箇所の縫着部3(図1及び図2参照)が形成される。その後、上記張力付与手段66による引張状態の解除、上記前後進退装置62による両クランプ部60のミシン11外への進出、両クランプ部60の解放等が行われ、輪状にされた後の(即ち、製造後の)輪状ゴム紐1は、投げ込み用ガイド80を介してスタッキングされる。 【0034】このようにして製造された輪状ゴム紐1では、図1に示したように、重ね合わせ領域W内に2箇所の縫着部3が設けられていることに伴い、上記したようにスリップインは防止されるものである。のみならず、縫着部3は、ゴム紐2の重ね合わせ領域Wに引っ張りをかけた状態のまま、形成させているので、ゴム紐2の形成材料としてのゴム糸(図10のGや図11のg)が引き延ばされて細くなった状態で縫製されたことになり、ミシン針19が、この細くなったゴム糸を傷つけることが抑制され、それだけゴム糸自体の耐久性が高められたものとなっている。 【0035】しかも、このように細くなったゴム糸に対して縫製を行った後、ゴム紐2の重ね合わせ領域Wに対する引っ張りを解除したことにより、各ゴム糸に対するミシン糸の巻きつきが強く締めつけられる状態となるので、縫着構造としての強化にもなっている。なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、実施の態様に応じて適宜変更することができる。本発明は、断面形状が矩形のゴム糸を用いたゴム紐により、輪状ゴム紐を製造する場合、及びこのようにして製造された輪状ゴム紐を含むものである。 【0036】製造装置10として採用した各部の機構、駆動具、部材形状等は、従来公知の適宜のものに置換可能である。 【0037】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に係る輪状ゴム紐の製造方法及び製造装置では、重ね合わせ領域内に少なくとも2箇所の縫着部を有した輪状ゴムを製造することができるものであり、このようにして製造された輪状ゴム紐では重ね合わせ領域内に少なくとも2箇所の縫着部を有していることから、仮に、断面形状が円形のゴム糸を用いたものであったとしても、スリップインと呼ばれる縫着部でのゴム糸のすり抜けは防止される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001339 【氏名又は名称】グンゼ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月10日(1999.12.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100061745 【弁理士】 【氏名又は名称】安田 敏雄
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| 【公開番号】 |
特開2001−162077(P2001−162077A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月19日(2001.6.19) |
| 【出願番号】 |
特願平11−351952 |
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