| 【発明の名称】 |
クッション体および製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】増渕 徹夫
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、通気性が良くてむれにくく、かつ自動車のシート等に使用しても、実質へたり等の問題のないクッション体の提供、および従来に比べて簡単な製造工程によって所定の立体形状に精度良く成型することが可能なクッション体とその製造方法を提供することである。
【解決手段】発泡剤入りの熱可塑性エラストマーからなる複数の繊維状物がランダムに曲がり、かつ互いの接触部が融着した繊維集合体からなり、上記繊維状物を発泡させ、かつ、モールドによって所定の立体形状に成型したことを特徴とするクッション体であって、該熱可塑性エラストマーが特定のジカルボン酸、特定のジオール、特定のポリエーテルグリコール成分を共重合してなる、ショアD硬さ20〜70のポリエーテルエステルブロック共重合体であることを特徴とするクッション体及びその製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性エラストマーからなる複数の繊維状物がランダムに曲がりくねり、かつ、互いの接触部が融着されている繊維集合体からなり、上記繊維状物が発泡していることを特徴とするクッション体であって、該熱可塑性エラストマーが次の(a)、(b)及び(c)成分を共重合してなる、ショアD硬さ20〜70のポリエーテルエステルブロック共重合体であることを特徴とするクッション体。 (a)短鎖ジカルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体であるジカルボン酸成分(b)短鎖ジオール成分が脂環式ジオール及び/またはそのエステル形成性誘導体である短鎖ジオール成分(c)長鎖ジオール成分が下式(1)に示す、両末端がアルコール性水酸基であり、数平均分子量が400〜6,000であるポリエーテルグリコール−CH2CH2CH2CH2O− (1) 【請求項2】 繊維状物の発泡倍率が1.2〜4.0倍であり、発泡繊維の断面積が0.2〜13.0mm2、クッション体の見掛け密度が0.005〜0.20g/cm3である請求項1記載のクッション体。 【請求項3】 短鎖ジオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール及び/またはそのエステル形成性誘導体である請求項1記載のクッション体。 【請求項4】 次の(a)、(b)及び(c)成分をブロック共重合してなるショアD硬さ20〜70の熱可塑性エラストマーに発泡剤を添加し、モールド内部に繊維状に連続的に押し出すとともに、押し出された繊維状物同志の接触部を互いに融着させる工程と、モールド内に充満させ内面形状に応じた立体に成型する工程と、上記モールドを冷却した後、脱型する工程とを具備したことを特徴とするクッション体の製造方法。 (a)短鎖ジカルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体であるジカルボン酸成分(b)短鎖ジオール成分が脂環式ジオール及び/またはそのエステル形成性誘導体である短鎖ジオール成分(c)長鎖ジオール成分が下式(2)に示す、両末端がアルコール性水酸基であり、数平均分子量が400〜6,000であるポリエーテルグリコール−CH2CH2CH2CH2O− (2) 【請求項5】 発泡剤の発泡温度以上で押し出すことにより、押し出しと同時に発泡させることを特徴とする請求項4記載の製造方法。 【請求項6】 押し出し温度を発泡剤の発泡温度以下にし、モールド内部温度を発泡剤以上の温度にすることにより、繊維状に押し出した後、発泡させることを特徴とする請求項4記載の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、各種乗り物用座席のパッド等を始めとして、ソファやベッド等の家具類などに好適な繊維系クッション体とその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、家具、ベッド、車両の座席等に使われているクッション体は、発泡ウレタンの一体成型品や、ポリエステル等の非弾性捲縮繊維の詰綿、あるいは非弾性捲縮繊維をバインダーによって接着した繊維系のクッション体などが知られている。特に、発泡−架橋型ウレタンは、クッション体としての耐へたり性が良好で あり、加工性も良いため、乗り物用シートなどに多用されている。 【0003】しかしながら、上記発泡ウレタンは、架橋型であるためリサイクルし難いという問題があり、また燃焼時に有毒なシアンガスを発生するという問題もあり、使用後の廃棄処理に課題を有している。また、通気性も十分ではなく、長時間使用した場合むれるという問題を有していた。 【0004】一方、特開平7−243163号公報、特開平7−238461号公報、特開平7−238462号公報、特開平7−324271号公報、特開平8−10470号公報、特開平8−24068号公報、特開平8−86772号公報、等には熱可塑性繊維からなるクッション体が開示されている。これらのクッション体は通気性には優れるものの、従来の発泡ウレタンに比べると、発泡していないためソフト感が十分ではなく、また耐熱性も不十分であり、自動車の座席等に使用した場合、へたりの問題があった。 【0005】また、特開平8−61410号公報には熱可塑性樹脂繊維を使用し、かつ発泡させる方法が開示されている。しかしながらこの発泡繊維の集合体は、耐熱性が十分ではなく、上記繊維系クッション材と同様にへたりの問題があった。 【0006】本発明の目的は通気性が良くて、むれにくく、かつ、自動車のシート等に使用しても、実質へたり等の問題のないクッション体の提供、および簡単な製造工程によって所定の立体形状に精度良く成型することが可能な製造方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は発泡剤入りの熱可塑性エラストマーからなる複数の繊維状物がランダムに曲がりくねり、かつ、互いの接触部が融着されている繊維集合体からなり、上記繊維状物を発泡させ、かつ、モールドによって所定の立体形状に成型したことを特徴とするクッション体であって、該熱可塑性エラストマーが次の(a)、(b)及び(c)成分を共重合してなる、ショアD硬さ20〜70のポリエーテルエステルブロック共重合体であることを特徴とするクッション体およびその製造方法に関する。 【0008】(a)短鎖ジカルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体であるジカルボン酸成分(b)短鎖ジオール成分が脂環式ジオール及び/またはそのエステル形成性誘導体である短鎖ジオール成分(c)長鎖ジオール成分が下式(3)に示す、両末端がアルコール性水酸基であり、数平均分子量が400〜6,000であるポリエーテルグリコール−CH2CH2CH2CH2O− (3) 【0009】本発明に使用するポリエーテルエステルブロック共重合体の重合に用いる(a)成分、即ち、芳香族ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸及び/またはこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。 【0010】また、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂環式、脂肪族のジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体を用いてもよい。これらは単独、もしくは2種以上組み合わせて使用してもよい。好適にはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸が用いられる。 【0011】また、(b)成分は特定の脂環式ジオールが用いられる。例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等の脂環式ジオール、及び/またはこれらのエステル形成性誘導体;水素化されたビスフェノールA 、及び/またはこのエステル形成性誘導体が挙げられる。好適には、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び/またはこのエステル形成性誘導体が挙げられる。これら脂環式ジオール及び/またはこれらのエステル形成誘導体の脂環式基は少なくとも50%以上、さらに好ましくは60%以上がトランス異性体であることが望ましい。トランス異性体が50%未満では、得られるクッション体の耐熱性、耐へたり性が劣り好ましくない。 【0012】上記の芳香族ジカルボン酸及び/またはこれらのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオール及びこれらのエステル形成性誘導体との組合せによりポリエーテルエステルブロック共重合体のハードセグメント即ち短鎖ポリエステルが構成されるが、本発明の脂環式ジオール及び/またはそのエステル形成誘導体を用いることにより、耐熱性および耐へたり性に優れるクッション体を得ることができる。 【0013】この組合せに他のジオール及び/またはそのエステル形成性誘導体を40モル%以内、好ましくは20モル%以内加えて使用することも出来る。その他ジオールの例としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール及び/またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。また、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン等、及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。 【0014】本発明に用いられるポリエーテルエステルブロック共重合体の(c)成分、即ち、長鎖ポリエステルを構成するポリエーテルグリコールは下記式(4)で示される、両末端がアルコール性水酸基であるポリエーテルグリコールである。 −CH2CH2CH2CH2O− (4) 【0015】ポリエーテルグリコールの数平均分子量は400〜6,000、好ましくは1000〜3,000、さらに好ましくは1,500〜2,500であるのものが使用される。400未満になると重合する最終ポリエーテルエステルブロック共重合体のハード/ソフトセグメント比にもよるが、通常は短鎖ポリエステル(ハードセグメント)の平均連鎖長が小さくなり、融点降下が激しくなって耐熱性に劣るため、クッション体に使用する場合好ましくない。また、6,000を越えると、単位重量当りのポリエーテルグリコール中の末端基濃度が低くなり、重合しにくくなるので好ましくない。 【0016】このポリエーテルエステルブロック共重合体に占める全ポリエーテルグリコールユニット(ソフトセグメント)の量は20〜90重量%、好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは40〜60重量%である。この値は本発明の用途に必要とされるショアD硬さが20〜70である必要がある。この場合のポリエーテルグリコールユニットの量とはソフトセグメントの重量比のことであって仕込のポリエーテルグリコールの全モノマー中に占める重量比のことではない。 【0017】一般に、ポリエーテルエステルブロック共重合体のハードセグメントは短鎖エステルであり、ソフトセグメントは長鎖エステルからなるが、ポリエーテル部分の末端はジカルボン酸成分とエステル結合にて連結し、ハードセグメントと連なっている。ポリエーテル部分の片末端のエステル結合を構成するユニットも含めたものを便宜上ソフトセグメントとした。 【0018】このハード/ソフトセグメントの比率は 1H−NMRにて正確に定量することが可能である。ソフトセグメントの量が20重量%より小さいと軟質性に劣り、特に本発明のステアリングのソフト感が損なわれるので好ましくない。また、この量が90重量%を越えると耐熱性、耐へたり性に劣り好ましくない。 【0019】本発明による熱可塑性エラストマーはショアD硬さが20〜70好ましくは25〜50の範囲に入るようにすれば良く、ソフトセグメント量は適宜選択される。ショアD硬さが20未満では、クッション体にした場合、耐熱性、耐へたり性が悪化するので好ましくない。ショアD硬さが70を越えると、得られるクッション体のソフト感が不足するので好ましくない。 【0020】ショアD硬さはASTM D−2240により測定できる。クッション体としてのショアD硬さは発泡状態のままでは測定しにくいので、成型前のポリマーからか、それとも成型後、再度チップ化した後、射出成型によりシート状化することにより測定可能である。 【0021】かかるポリエーテルエステルブロック共重合体は公知の方法で製造できる。例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量、脂環式グリコールおよびポリエーテルグリコールを触媒の存在下、エステル交換反応させ、続いて、得られる反応生成物を減圧下重縮合する方法、あるいはジカルボン酸と脂環式グリコール及びポリエーテルグリコールを触媒の存在下エステル化反応させ、ついで得られる生成物を重縮合する方法、また予め短鎖ポリエステルを作っておき、これに他のジカルボン酸やジオールもしくはポリエーテルグリコールを加えたり、もしくは他の共重合ポリエステルを添加してエステル交換によりランダム化させる方法など何れの方法をとっても良い。 【0022】ポリエーテルエステルブロック共重合体を製造するのに利用するエステル交換反応またはエステル化反応と重縮合反応に共通の触媒としては、テトラ(イソプロポキシ)チタネート、テトラ(n−ブトキシ)チタネートに代表されるテトラアルキルチタネート、これらテトラアルキルチタネートとアルキレングリコールとの反応生成物、テトラアルキルチタネートの部分加水分解物、チタニウムヘキサアルコキサイドの金属塩、チタンのカルボン酸塩、チタニル化合物等のチタン系触媒が好ましい。また、モノn−ブチルモノヒドロキシスズオキサイド、モノn−ブチルスズトリアセテート、モノn−ブチルスズモノオクチレート、モノn−ブチルスズモノアセテート等のモノアルキルスズ化合物、ジn−ブチルスズオキサイド、ジn−ブチルスズジアセテート、ジフェニルスズオキサイド、ジフェニルスズジアセテート、ジn−ブチルスズジオクチレート等のジアルキル(またはジアリール)スズ化合物等も用いることができる。 【0023】この他、Mg、Pb、Zr、Zn等の金属、金属酸化物、金属塩触媒が有用である。これらの触媒は単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用しても良い。 【0024】エステル化あるいは重縮合触媒の添加量は生成ポリマーに対して0.005〜0.5重量%が好ましく、特に0.03〜0.2重量%が好ましい。これら触媒はエステル交換またはエステル化反応開始時に添加した後、重縮合反応時に再び添加してもしなくても良い。 【0025】また、ジカルボン酸やグリコールの一部としてポリカルボン酸や多官能ヒドロキシ化合物、オキシ酸等が共重合されていても良い。多官能成分は高粘度化成分として有効に作用し、その共重合し得る範囲は3モル%以下である。かかる多官能成分として用いることが出来るものには、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびそれらのエステル、酸無水物等を挙げることができる。 【0026】このように重合したポリエーテルエステルブロック共重合体の重合度は一般には相対溶液粘度(η rel)や固有粘度([η])、メルトフローレート(MFR)にて表現されるが、本発明ではメルトフローレート(230℃、2.16kg加重の値、以下MFRと略記)にて表現される。 【0027】MFRは0.5〜50g/10分、好ましくは5〜30g/10分、さらに好ましくは8〜20g/10分である。MFRが0.5g/10分未満では、成型性に劣り、押し出し時にメルトフラクチャーが発生するので好ましくない。また、MFRが50g/10分を越えると、発泡ガスが保持できず、発泡性が悪くなるばかりではなく、機械物性(破断強度、破断伸び等)や摩耗性、C−Set等に劣るためで好ましくない。 【0028】本発明に用いられる添加剤としては少なくとも酸化防止剤、光安定剤及び熱安定剤が用いられることが望ましい。酸化防止剤はポリエーテルエステルブロック共重合体の製造中または製造後の任意の時期に加えることが出来るが、特にポリエーテルグリコールが高温に曝される時点、例えば重縮合反応に入る時点でポリエーテルグリコールの酸化劣化を防止するため重縮合反応を阻害せず、また触媒の機能を損なわない酸化防止剤を加えることが望ましい。 【0029】これらの酸化防止剤としては、燐酸、亜燐酸、の脂肪族、芳香族又はアルキル基置換芳香族エステルや次亜燐酸誘導体、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等のリン化合物;フェノール系誘導体特にヒンダードフェノール化合物、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベンズイミダゾール系、チオカルバニリド系、チオジプロピオン酸エステル等のイオウを含む化合物;スズマレート、ジブチルスズモノオキシド等のスズ系化合物を用いることができる。 【0030】これらは単独で用いても2種以上組み合わせて用いても構わない。これら安定剤の添加量はポリエーテルエステルブロック共重合体100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.2〜3重量部が望ましい。通常、酸化防止剤は一次、二次、三次老化防止剤に分けることが出来る。特に一次老化防止剤としてのヒンダードフェノール化合物としてはIrganox1010(チバガイギー社製、登録商標)、Irganox1520(チバガイギー社製、登録商標)等が好ましい。二次老化防止剤としての燐系化合物はPEP−36、PEP−24G、HP−10(いずれも商品名:旭電化(株)製)Irgafos168(チバガイギー社製、登録商標)が好ましい。さらに三次老化防止剤としての硫黄化合物としてはジラウリルチオプロピオネート(DLTP)、ジステアリルチオプロピオネート(DSTP)等のチオエーテル化合物が好ましい。 【0031】また必要に応じ、同様な方法で紫外線吸収剤・光安定剤を加えてもよい。これらの紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。光安定剤としてはヒンダードアミン化合物のようなラジカル捕捉型光安定剤が好適に用いられる。 【0032】ポリエーテルエステルブロック共重合体を発泡させるために用いられる発泡剤としては、通常射出成型によってポリエーテルエステルブロック共重合体を発泡成型できるものであれば有機系、無機系を問わず使用することができる。このような発泡剤の具体例としては、アゾジカルボン酸アミド等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム等の炭酸塩、クエン酸、クエン酸ナトリウム、蓚酸等の有機酸、水素化硼素ナトリウム等を挙げることができる。また、炭酸塩と有機酸の組み合わせでも良い。比較的高い温度で発泡成型を行なう場合には、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート等の化合物も使用することができるが、一般的にアゾジカルボン酸アミドが好ましい。 【0033】発泡剤の添加方法としては、材料混練時に発泡剤を添加する方法でも、成型時に発泡剤又はそのマスターバッチを添加する方法でも良い。 【0034】上記発泡剤の配合量は前記ポリエーテルエステルブロック共重合体100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは1〜9重量部、さらに好ましくは2〜7重量部である。発泡剤の配合量が上記範囲未満であると発泡倍率が劣り、クッション体のソフト感が低下し、またモールド内で発泡させてもモールド内に十分に充満させることができないので好ましくない。また、配合量が上記範囲を超えると得られるクッション体が柔らかすぎ、座席等に使用し人が座った場合の安定性に欠けるので好ましくない。 【0035】また、成型性、物性を損なわない範囲でカオリン、シリカ、マイカ、二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリン、ケイソウ土、アスベスト、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維等の充填剤や補強材:ステアリン酸亜鉛やステアリン酸ビスアマイドのような滑剤ないしは離型剤:着色のためのカーボンブラック、群青、チタンホワイト、亜鉛華、べんがら、紺青、アゾ顔料、ニトロ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料等の染顔料:オクタブロモジフェニル、テトラブロモビスフェノールポリカーボネート等の難燃化剤:エポキシ化合物やイソシアネート化合物等の増粘剤:シリコーンオイルやシリコーン樹脂、各種可塑剤等、公知の各種添加剤を用いることが出来る。 【0036】本発明のクッション体に使われる繊維集合体は、発泡した繊維状物が曲がりくねり多数のランダムループを形成し、各々のループの接触部の大部分を互いに融着した三次元的な立体網目構造を形成している。接触部の融着については大部分融着しておればよく、各融着部の一部がはずれるような状態にあっても良い。大部分とはおおむね90%以上の部分を指していると考えている。繊維状に押し出したときに繊維状物はランダムに曲がりくねった構造となる。この繊維状物同士が溶融状態で接触させると相互に融着した構造となる。このため、クッション体の使用時に大きい応力で大変形を与えても、おおむね接触部で融着しているため、立体網目構造全体が互いに協働して三次元的に変形しつつ応力を吸収し、応力が解除されると立体網目構造が元の形状に復元することができる。 【0037】繊維状物の発泡倍率は1.2〜4.0倍であることが必要である。倍率が1.2未満であると、繊維状物の発泡性が充分でなく、クッション体としたときの座り心地及び弾発性が不足し好ましくない。発泡倍率が4.0倍を超えるとまた弾発性が不足し好ましくなくなる。 【0038】発泡繊維状物の好ましい断面積は、クッション体として好ましい反発力が得られる0.2〜13.0mm2、好ましくは0.8〜7.0mm2である。発泡繊維状物の断面積が0.2mm2未満では発泡繊維状物の強度が低下して反発力が低下するので好ましくない。また、断面積が13.0mm2を越えると、クッション体の単位体積当たりの発泡繊維状物の構成本数が少くなり、圧縮特性が悪くなるので好ましくない。発泡繊維状物の直径はさらに好ましくは1.8〜5.0mm2である。断面形状には特に制限がなく、円状、角状、異形断面であっても良く、用途により適宜選択される。 【0039】本発明における発泡後のクッション体の好ましい見掛け密度 は、0.005〜0.20g/cm3であり、より好ましくは、0.01〜0.05g/cm3である。発泡後のクッション体の見掛け密度が0.005g/cm3未満では反発力が失われるのでクッション体として不適当である。また0.20g/cm3を越えると弾発性が強くなり過ぎて、座り心地が悪くなるのでクッション体として不適当である。 【0040】本発明の熱可塑性エラストマーは、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、さらにこれらを組み合わせたもの等により、溶融混練後、造粒することにより容易にペレットの形態で得られる。この熱可塑性エラストマーペレットを、次の繊維状クッション材の成型に供することができる。 【0041】本発明で言う発泡した繊維状物とは、上記発泡剤を熱可塑性エラストマーに分散させて押出し機にて繊維状に押し出すと同時か、押し出した後に、発泡剤の分解温度以上の温度で加熱して発泡させた繊維状物である。 【0042】本発明で言う押出機とは、一般の単軸押出機や2軸押出機、または射出成型機の加熱塔に使われる押出装置(可塑化計量と吐出の切替えができる機能をもたせた押出装置)等の押出し装置が挙げられる。好ましくは、可塑化計量と吐出を定量的にできる、射出成型機の加熱塔型の押出し装置を用いて、発泡剤を分散させたエラストマーを、直接モールド内に複数の紡口より繊維状に押出す。 【0043】モールド内での発泡は、発泡剤の分解温度以上の温度で行われる。この時に用いる加熱装置としては、モールドに直接熱風を供給できる構造であればよいが、閉鎖された空間内で熱風が循環する構造のものであればエネルギー消費量が少ないため望ましい。熱風を通過させることのできるモールドとして、パンチングメタル製モールドや多数の通気孔を設けた鋳型やアルミ型などが挙げられる。 【0044】本発明のクッション体は、繊維の材料である軟化状態の熱可塑性エラストマーを、モールド内に直接供給して繊維状物を形成し、同時又は逐次に発泡させて繊維を膨脹させるため、モールドの内面形状に沿う所定の立体形状のクッション体を能率良くしかも正確な形状に成型することができる。しかも、繊維同志が互いに接触部で圧迫されることによって強固に融着するため、形崩れしにくく、しかも一定量の繊維を正確にかつ無駄なく用いることがきる。 【0045】 【実施例】以下、本発明について更に詳細に説明するため、実施例にて説明する。なお、実施例および比較例にて使用した原材料、成型機、金型、発泡方法および評価方法は以下のとおりである。 【0046】ポリエーテルエステルブロック共重合体のソフトセグメントに用いるポリオキシアルキレングリコールとしては、以下に示すものを使用した。 (a)ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール:保土ヶ谷化学(株)製、PTG−1,800、 Mn=1828、Mv/Mn=2.11【0047】1.ポリエーテルエステルブロック共重合体(以下TPEEと略記)成分(1)TPEE−1:15リットルの三菱重工業(株)製円錐型リアクター(VCR)に、ジメチルテレフタレート(三菱化成(株)製、以下同じ)1520g、1,4−シクロヘキサンジメタノール(和光純薬(株)製、試薬特級、以下同じ)1696g、(a)のポリオキシアルキレングリコールを3200g、イルガノックス1010(チバガイギー社製)15gを仕込み、窒素置換後、窒素雰囲気下で200℃まで昇温した。ついでテトライソプロポキシチタネート(東京化成製試薬1級、以下同じ)を1.5g添加した。そして、200℃に30分間保持した後に230℃まで昇温し、回転数150rpmで撹拌しながら2時間かけてエステル交換反応を行った。留出してきたメタノール量は理論量の94%であった。ついで温度を250℃にし、回転数50rpmで撹拌しながら30分かけて0.5mmHgまで減圧し、その後約3時間かけて、トルク上昇が起こらなくなるまで縮合反応を行った。 【0048】リアクターの内容物を下部より抜きだしたところ、ポリエーテルエステルブロック共重合体が透明な粘調重合体として得られた。これをストランドカッティングすることでペレット化し、70℃で12時間真空乾燥した。このペレット100重量部に対し、Irganox1010を0.1重量部、ジラウリルチオプロピオネート(DLTP、吉富製薬(株)製)を0.15重量部、及びTINUVIN327(チバガイギー社製)を0.1重量部それぞれ230℃、押出機で溶融ブレンドすることで熱可塑性エラストマー組成物を得た。この熱可塑性エラストマー組成物のショアD硬さは36、MFRは11g/10分であった。 【0049】(2)TPEE−2:TPEE−1の合成で仕込のジメチルテレフタレート2070g、1,4−シクロヘキサンジメタノール2304g、(a)のポリオキシアルキレングリコールを2750g仕込んだ以外は同様にして、エステル交換反応と縮合反応を行った。添加剤の種類及び調合比率も同様に行った。得られた熱可塑性エラストマー組成物のショアD硬さは43、MFRは13g/10分であった。 【0050】(3)TPEE−3:TPEE−1の合成で仕込の(a)のポリオキシアルキレングリコールを2500gとした以外は同様に、エステル交換反応と縮合反応を行った。添加剤の種類及び調合比率も同様に行った。得られた熱可塑性エラストマー組成物のショアD硬さは49、MFRは15g/10分であった。 【0051】(4)TPEE−4:TPEE−1の合成で仕込のジメチルテレフタレート2490g、1,4−シクロヘキサンジメタノール2768g、(a)のポリオキシアルキレングリコールを800gとした以外は同様に、エステル交換反応と縮合反応を行った。添加剤の種類及び調合比率も同様に行った。得られた熱可塑性エラストマー組成物のショアD硬さは75、MFRは20g/10分であった。 【0052】(5)TPEE−5:TPEE−1の合成で仕込のジメチルテレフタレート2070g、1,4−ブタンジオール1440g、(a)のポリオキシアルキレングリコールを2750g仕込んだ以外は同様にして、エステル交換反応と縮合反応を行った。添加剤の種類及び調合比率も同様に行った。得られた熱可塑性エラストマー組成物のショアD硬さは40、MFRは21g/10分であった。 【0053】射出成型機(一般樹脂用縦型) 射出容量;400cm3、型締力;250tonf。ノズル;バルブノズル付き(一定圧力以上で射出可能にすることができる圧力バルブ付きノズル。シリンダー内での発泡を抑制する。)。 【0054】金型箱形(天面;100×100mm、深さ70mm)。射出成型機で熱可塑性エラストマーを可塑化計量後、金型天面に均一に分配されたオリフィス(断面形状;直径1.5mmの円状)に導かれ、下方に一定量の溶融熱可塑性エラストマーを、自由落下により線状に連続して途切れることなく金型内に供給することができる。この繊維状物は金型内部で曲がりくねりながらランダムループを形成させる。そして、ループ同士が接触した部位は、融着により接着する(上記オリフィスは金型天面に、幅方向、長さ方向共、7mm間隔に均一に空けられており、均一な3次元編み目構造を形成することができる。)。また、金型下面には多数の通気孔が空けられており、射出、冷却後金型を取り出し、天面開口部にも同様の多数の通気孔の空いた蓋をして、次の発泡工程に供する。なお、図1に実施例に使用したクッション体成形装置の概念図を示す。 【0055】発泡方法金型の下部に設けた多数の通気孔より、発泡剤の分解温度以上の熱風を金型内部に3分間導入し発泡させた。金型を冷却プレス(プレス上下の面の内部に水管を通して、冷却することができる)に入れ、15分間冷却後、脱型して所望の立体形状のクッション体を得た。 【0056】評価方法(1)発泡倍率の測定試料の四隅と中心部から長さ2cm程度の繊維を切出し、ミラージュ貿易(株)製の電子比重計によって測定した平均値とした。 【0057】(2)融着状況試料の繊維を手で引っ張り、繊維の交絡点が破壊するか、もしくは外れない場合;良好、外れる場合を不良と判断した。 【0058】(3)クッション体の見掛け密度試料を5cm×5cm×3cmの大きさに切出し、精密天秤で重さを測定して、重さを体積で除した値とした。 【0059】(4)耐へたり性試料(100×100×70mm)を厚み方向(初期値t0;70mm)に25%圧縮(圧縮後の厚みt1;約52.5mm)固定後、90℃のオーブンに24時間放置した。試料をオーブンより取り出し冷却後、圧縮を解除し、30分後の厚みt2を測定した。耐へたり性を下記式にて求めた。 耐へたり性=(t0−t2)/(t0−t1)×100【0060】(5)座り心地本発明の方法により作成したクッション体を使用し座席を制作した。この座席にパネラーを座らせ以下の評価をおこなった(n=10)。 a)床つき感:座ったときの「どすん」と床に当たった感じの程度を感覚的に定性評価した。 殆ど感じない;○やや感じる ;△感じる ;×b)蒸れ感:2時間座っていて、臀部やふと股の内側の座席と接する部分が蒸れた感じを感覚的に定性評価した。 殆ど感じない ;○やや蒸れを感じる ;△蒸れを著しく感じる;×c)疲れ感:4時間座席に座らせたときの腰の疲れ程度を感覚的に定性評価した。 殆ど疲れない;○やや疲れる ;△非常に疲れる;×【0061】実施例1TPEE−1とアゾジカルボン酸アミド系発泡剤(分解温度198℃)をTPEE−1、100重量部に対し3重量部ドライブレンドし成型に供した。射出成型機のシリンダー温度は、ホッパー側からノズル側に160℃、180℃、185℃に設定した(発泡剤の分解温度以下。)。射出量は、金型深さの60%の深さになる様に調整した。ここで射出量が金型深さの60%とは、発泡剤無しで繊維を充填したときに金型の深さの60%になる充填量である。 【0062】冷却後金型を取り出し、蓋をした後、金型下部の通気孔より220℃の熱風を金型内部に3分間導入し発泡させた。金型を冷却プレスに入れ、15分間冷却後、脱型して所望の立体形状のクッション体を得た。このクッション体を用い上記評価を行った。結果を表1に示した。 【0063】 【表1】
【0064】実施例2、3TPEE−2、TPEE−3を用い、実施例1と同様にクッション体を成型した。得られたクッション体の評価結果を表1に示した。 【0065】比較例1、2TPEE−4、TPEE−5を用い実施例1と同様にクッション体を成型した。結果を表2に示した。表2より本発明以外の材料で成型したクッション体は何らかの不具合が有った。 【0066】比較例3発泡剤を用いず、金型への熱可塑性エラストマーの射出量を金型深さの100%に調整した以外は、実施例1と同様にクッション体を成型した。評価結果を表2に示した。 【0067】 【表2】
【0068】 【発明の効果】本発明により成型したクッション体は、繊維の材料である熱可塑性エラストマーをモールド内に直接供給して発泡させるため、モールドの内面形状に応じた立体的なクッション体を能率良くかつ正確な形状に成型することができる。しかも、モールド内で繊維同志が互いに接触部で圧迫され、強固に融着するため、形崩れしにくく、しかも一定量の材料を直接モールド内に供給して繊維集合体を作るため材料を無駄なく使用でき、重量的に安定したクッション体が得られる。そして得られたクッション体は、通気性が充分な繊維集合体を用いているために蒸れにくいなど、座り心地が良いものである。また、耐熱性、耐へたり性に優れるため、室内温度が上昇する自動車の座席等に好適に用いることができる。さらに、熱可塑性であるのでリサイクル使用が可能であり、発泡ウレタン製クション体の欠点である、低リサイクル性等の問題を解決することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000033 【氏名又は名称】旭化成株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月29日(2000.2.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094709 【弁理士】 【氏名又は名称】加々美 紀雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−248050(P2001−248050A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月14日(2001.9.14) |
| 【出願番号】 |
特願2000−53272(P2000−53272) |
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