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【発明の名称】 不織布
【発明者】 【氏名】中島 弘樹

【要約】 【課題】伸縮性および柔軟性に優れた、湿布基布などに好適な不織布を提供すること。

【解決手段】(A)ビニル結合含量が30%以下のポリブタジエンブロックと、(B)(i)ビニル結合含量が30%を越える共役ジエンの重合体ブロック、または(ii)ビニル芳香族化合物成分含量が50重量%未満であり、かつ共役ジエン成分部分のビニル結合含量が30%を越える共役ジエンとビニル芳香族化合物とのランダム共重合体ブロックとを有している共役ジエン系ブロック共重合体の共役ジエン成分部分の二重結合が80%以上飽和した水添ジエン系重合体を重合体成分として含有していることを特徴とする不織布が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)ビニル結合含量が30%以下のポリブタジエンブロックと、(B)(i)ビニル結合含量が30%を越える共役ジエンの重合体ブロック、または(ii)ビニル芳香族化合物成分含量が50重量%未満であり、かつ共役ジエン成分部分のビニル結合含量が30%を越える共役ジエンとビニル芳香族化合物とのランダム共重合体ブロックとを有している共役ジエン系ブロック共重合体の共役ジエン成分部分の二重結合が80%以上飽和した水添ジエン系重合体を重合体成分として含有していることを特徴とする不織布。
【請求項2】 さらにポリオレフィン系樹脂を、上記水添ジエン系重合体との合計量のうち、99重量%以下含有していることを特徴とする請求項1に記載の不織布。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水添ジエン系共重合体を重合体成分として含有し、特に伸縮性に優れ、柔軟性、加工性、耐溶剤性、ロール引き出し性が良好な不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、伸縮性不織布に関する要望は各種業界において盛んであり、種々の不織布が出されている。例えば、湿布基材として繊維の捲縮を利用した伸縮性不織布などがある。しかし、伸びや弾性回復性などは不十分である。また、ポリマーとして、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系のエラストマーが用いられているが、十分な伸長性は得られない。ポリウレタンによる不織布は伸縮性の点で良好であるが、加工時の熱安定性や分解ガス発生の問題があり、また湿布基材などに使用するには目が粗く湿布薬を塗布しにくいという欠点もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、伸縮性および柔軟性に優れ、湿布基布などに好適に用いることができる不織布を提供することにある。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明によれば、下記の不織布が提供されて、本発明の上記目的が達成される。
1.(A)ビニル結合含量が30%以下のポリブタジエンブロックと、(B)(i)ビニル結合含量が30%を越える共役ジエンの重合体ブロック、または(ii)ビニル芳香族化合物成分含量が50重量%未満であり、かつ共役ジエン成分部分のビニル結合含量が30%を越える共役ジエンとビニル芳香族化合物とのランダム共重合体ブロックとを有している共役ジエン系ブロック共重合体の共役ジエン成分部分の二重結合が80%以上飽和した水添ジエン系重合体を重合体成分として含有していることを特徴とする不織布。
2.さらにポリオレフィン系樹脂を、上記水添ジエン系重合体との合計量のうち、99重量%以下含有していることを特徴とする請求項1に記載の不織布。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の不織布についてより詳細に説明する。
〔1〕水添ジエン系共重合体本発明の不織布が重合体成分として含有している水添ジエン系共重合体は、共役ジエン系ブロック共重合体の共役ジエン成分部分の二重結合が80%以上、好ましくは90%以上飽和している。そして、上記共役ジエン系ブロック共重合体は、(A)ビニル結合含量が30%以下、好ましくは25%以下のポリブタジエンブロック(以下、「ブロック(A)」ともいう)と、(B)(i)ビニル結合含量が30%を越える、好ましくは35%以上の共役ジエン重合体ブロック、または(ii)ビニル芳香族化合物成分含量が50重量%未満、好ましくは1〜40重量%であり、かつ共役ジエン成分部分のビニル結合含量が30%を越える、好ましくは35%以上の共役ジエンとビニル芳香族化合物とのランダム共重合体ブロック(以下、(i)と(ii)のブロックを併せて「ブロック(B)」ともいう)とを有しているブロック共重合体である。好ましい共役ジエン系共重合体は、上記ブロック(A)およびブロック(B)に加えて、ビニル芳香族化合物成分を50重量%以上、好ましくは70重量%以上含有するビニル芳香族化合物重合体ブロック(C)(以下、「ブロック(C)」ともいう)を有しているブロック共重合体である。
【0006】共役ジエン系重合体の共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。工業的に有利に利用でき、また物性の優れた水添ジエン系重合体を得る観点から、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。また芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α―メチルスチレン、p―メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。なかでも、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
【0007】共役ジエン系ブロック重合体は、カップリング剤の使用により重合体分子鎖がカップリング残基を介して延長または分岐された重合体であってもよい。この際用いられるカップリング剤としては、例えばアジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、四塩化ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、ジメチルクロロケイ素、テトラクロロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシアネートなどが挙げられる。
【0008】本発明の不織布に含有される水添ジエン系重合体は、上記共役ジエン系ブロック共重合体の共役ジエン部分の二重結合が80%以上、好ましくは90%以上飽和されている。80%未満では耐候性、耐熱性等が低下し好ましくない。
【0009】水添ジエン系共重合体として、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基およびエポキシ基から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する変性水添ジエン系共重合体を用いてもよい。さらには、上記未変性の水添ジエン系共重合体と変性水添ジエン系共重合体とを任意の割合でブレンドしたものも水添ジエン系共重合体として用いることができる。
【0010】また、水添ジエン系重合体として、2種以上の水添前の共役ジエン系ブロック共重合体のブレンド物を水素添加したものや2種以上の水添ジエン系重合体をブレンドしたものを用いることができる。
【0011】水添ジエン系重合体の重量平均分子量は、GPC法により測定されたポリスチレン換算値として、1〜70万が好ましく、より好ましくは5〜60万である。重量平均分子量が1万未満では、水添ジエン系重合体をペレット化した場合、ブロッキングしやすくなり、かつ下記するポリオレフィン系樹脂を併用した場合に、不織布の機械的強度が低下する。一方、70万を越えると、流動性、加工性等が劣り、好ましくない。
【0012】水添ジエン系重合体は、例えば特開平3−72512号公報第4頁右上欄第13行〜第6頁左下第1行、特開平5−271325号公報第3頁左欄42行〜第7頁右欄19行、特開平5−271327号公報第3頁左欄36行〜第7頁右欄31行、特開平3−128957号公報第4頁右上欄第8行〜第6頁左下欄第7行、特開平2−133406号公報第4頁左下欄13行〜第5頁左下欄10行に記載されている方法などによって製造することができる。
【0013】水添ジエン系重合体は、不織布に10〜90重量%含有されるのが好ましく、15〜85重量%含有されるのがより好ましい。
【0014】〔2〕ポリオレフィン系樹脂本発明の不織布の重合体成分として水添ジエン系重合体と併用することができるポリオレフィン系樹脂は、1種または2種以上のモノオレフィンを高圧法、中圧法、および低圧法のいずれかによる重合法から製造される結晶性樹脂であり、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1である。これら好ましいポリオレフィン樹脂は、単独重合体であってもよく、下記のコモノマーとの共重合体であってもよい。
【0015】上記の好ましいポリオレフィン系樹脂を製造するための好ましいコモノマーとしては、例えば、エチレン(主たる重合体がポリエチレンの場合は除く)をはじめ、プロピレン(主たる重合体がポリプロピレンの場合は除く)、ブテン−1(主たる重合体がポリブテン−1である場合は除く)、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などの直鎖状α−オレフィン、4−メチルペンテン−1、2−メチルプロペン−1、3−メチルペンテン−1、5−メチルヘキセン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1などの分岐状α−オレフィン;これらのα−オレフィンと共重合できるアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などのジカルボン酸やそのモノエステル、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル、酢酸ビニルや、プロピオン酸ビニルなどの飽和カルボン酸のビニルエステル;スチレン、α−スチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸などの酸無水物;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどのジエンモノマーさらにアクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド;などが挙げられる。
【0016】これらの共重合可能なコモノマーは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら共重合成分の量としては、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。これらを共重合した場合の共重合体の様式については特に制限はなく、例えばランダム型、ブロック型、グラフト型、これらの混合型などいずれであってもよい。
【0017】ポリオレフィン系樹脂として使用される好ましい共重合体としては、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、ブテン−1−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−nブチルアクリレート共重合体が挙げられる。これらポリオレフィン系樹脂は単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。
【0018】さらに、オレフィン系重合体は、上記で説明したオレフィン系重合体に、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基などの官能基から選ばれた少なくとも1種の官能基を導入した変性ポリオレフィン重合体であってもよい。
【0019】ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂と水添ジエン系重合体との合計量の0〜99重量%、好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは15〜85重量%占めるように用いられる。ポリオレフィン系樹脂が99重量%を越えて配合された場合、柔軟性、伸縮性が低下する。
【0020】本発明の不織布を構成する重合体成分は、必要に応じて従来公知の方法により、硫黄架橋、過酸化物架橋、金属イオン架橋、シラン架橋、樹脂架橋などの架橋を行うこともできる。
【0021】本発明の不織布は、各種成形法にて製造できるが、通常メルトブローンと称される直接成形法、すなわち熱可塑性の材料を溶融紡糸し、これを高速の気体によって繊維流とした後、シート状に捕集して不織布を製造する方法が適している。この場合、水添ジエン系重合体、ポリオレフィン系樹脂を押出機などで予め混練して組成物とし、それを不織布製造用の押出機に供給して製造することも可能であり、また所定量の水添ジエン系重合体、ポリオレフィン系樹脂を計量・混合したものを直接、不織布製造用の押出機に供給して製造することもできる。不織布製造の前に、予め混練して組成物とする場合、例えば各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの公知の混練機、およびそれらを組み合わせた混練機により溶融混練した組成物を得ることができる。また、各成分を一括で混合してもよく、任意の成分をあらかじめ予備混合したのち、残りの成分を混合してもよい。
【0022】本発明の不織布は、通常の不織布材料であるポリプロピレンなどと同様の容易さで成形することが可能であり、溶融粘度、ポリマー吐出量、噴射流体の量をいろいろ変更することで、任意の不織布を得ることが可能である。また、本発明の不織布は、エレクトレット加工を施してエレクトレット不織布とすることも可能である。
【0023】水添ジエン系重合体、ポリオレフィン系樹脂を含有する本発明の不織布には、必要に応じて各種添加剤、例えば老化防止剤、熱安定剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、銅害防止剤などの安定剤、防菌・防かび剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、結晶核剤、難燃剤、粘着付与剤、発泡剤、発泡助剤、酸化チタン、カーボンブラックなどの着色剤、フェライトなどの金属粉末、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの有機繊維、複合繊維、チタン酸カリウムウィスカーなどの無機ウィスカー、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、けい藻土、グラファイト、軽石、エボ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポリマービーズなどの充填剤またはこれらの混合物、ポリオレフィンワックス、セルロースパウダー、ゴム粉などの充填剤、低分子量ポリマーなどを配合して用いることができる。また、本発明の不織布の効果を損なわない程度に、ゴム質重合体、本発明の不織布の必須成分である特定された水添ジエン系重合体以外の水添ジエン系重合体、熱可塑性樹脂などを適宜配合することができる。非晶性のポリオレフィン系重合体、特にEBM(エチレン−ブテン−1共重合体)、EPM、EPDM、EVA、メタロセン系重合触媒によって得られる非晶性エチレン系共重合体、またはこれらを酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基、およびエポキシ基から選ばれた少なくとも1種の官能基で変性した官能基変性体等を配合しても構わない。
【0024】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の部および%は、特に断らない限り重量基準である。また、実施例、比較例中の各種測定は、下記の方法に拠った。
(1)ビニル芳香族化合物成分含量679cm-1のフェニル基の吸収をもとに、赤外分析法により測定した。
(2)共役ジエン成分部分のビニル結合含量赤外分析法を用い、モレロ法により算出した。
(3)共役ジエン成分部分の水添率四塩化炭素を溶媒に用い、90MHz、1H−NMRスペクトルから算出した。
(4)水添ジエン系重合体の重量平均分子量重量平均分子量(以下、「分子量」ともいう)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で求めた。
【0025】(5)加工性メルトブローンでの加工性を以下の基準で判定した。
◎:加工性良好であり、幅広い条件で良好な不織布を得ることができた。
○:加工性に問題なく、通常の条件で不織布を得ることができた。
×:溶融時の流動性が低い、もしくは噴出した繊維が凝集、膠着するなど、通常の条件で均一な不織布が得られない。
(6)不織布物性(伸度(%)、10%伸張時の応力)
不織布物性は、JIS L1092に従って測定した。
(7)耐溶剤性成形品をn−ヘプタンに23℃、24時間浸積した後の外観を以下の基準で判定した。
○:目視上、変化が認められなかった。
△:多少、膨潤した。
×:膨潤した。
(8)ロール巻き不織布のロール引き出し性ロール巻き不織布を自由に回転する軸へセットし、10m/分の速度で引き取る時の不織布と不織布の剥離の安定性を以下の基準で評価した。
○:問題なく引き出せた。
×:不織布相互の膠着のため、剥離が不安定で引き出しができなかった。
【0026】実施例および比較例に示す配合に用いられる各種の成分は、以下の通りである。
(水添ジエン系重合体)下記表1に示す構造を有する水添ジエン系重合体。
【0027】
【表1】

*:ブタジエン成分のビニル結合含量BD:ブタジエンST:スチレン【0028】(ポリオレフィン系樹脂)
P−1;日本ポリケム(株)製 低密度ポリエチレン、LJ900N、MFR:45g/10分(190℃、2.16kg荷重)
P−2;ダウ・ケミカル製 エチレン−オクテン−1共重合体、ENGAGE8402、MFR:30g/10分(190℃、2.16kg荷重)
P−3;日本ポリオレフィン(株)製 プロピレン−エチレンランダム共重合体、MD772H、MFR:30g/10分(230℃、2.16kg荷重)
【0029】(ゴム質重合体)
EP;日本合成ゴム(株)製、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、EP02P、ムーニー粘度24(ML1+4、100℃)
【0030】実施例1〜12、比較例1〜3水添ジエン系重合体、ポリオレフィン系樹脂を一軸押出機で溶融混合してペレットとした後、不織布製造用押出機で溶融後、メルトブローン紡糸装置にて不織布とした。物性評価の結果を表2〜4に示した。表2〜4に示す実施例1〜12の結果から、本発明の不織布は、表5に示す比較例1〜3に比べて加工性、伸縮性、柔軟性、耐溶剤性、ロール引き出し性のバランスに優れることがわかる。また、表4に示す実施例11、12は、本発明の水添ジエン系重合体とともに本発明で特定される水添ジエン系重合体以外の水添ジエン系重合体、あるいはゴム質重合体を用いた場合であり、いずれも加工性、伸縮性、柔軟性、耐溶剤性、ロール引き出し性のバランスに優れることがわかる。
【0031】これに対し、比較例1は、重合体成分としてポリオレフィン系樹脂のみを配合しているため、柔軟性に劣る。比較例2は、水添ジエン系重合体として本発明で特定されている範囲外のものを用いているため、耐溶剤に劣る。比較例3は、水添ジエン系重合体を用いず、ゴム質重合体(エチレン・プロピレン共重合体ゴムを用いているため、耐溶剤性およびロール引き出し性に劣る。
【0032】
【表2】

【0033】
【表3】

【0034】
【表4】

【0035】
【表5】

【0036】
【発明の効果】本発明の不織布は、ロール巻きからの引き出し性が良好であるため、各種製品への加工時のハンドリング性に優れ、しかも高伸長、高弾性で低モジュラスであるため、湿布基布などに好適である。また、ウレタン弾性繊維などに比べて熱安定性に優れているため、加工時のガスの発生や分解の問題もなく、また耐候性も良好であるので、各種用途に使用できる。具体的には、本発明の伸縮性不織布は、上記の湿布基布のほかに、外科用・工業用などの各種マスク、クリーンルーム用エアフィルター、血液フィルター、油水分離フィルターなどの各種フィルター、バッテリー用電極セパレーター、衣料用絶縁材や保温材、防護服、使い捨て下着などの各種衣料資材、ワイパー、吸油材・油水分離材、シーツ、おむつ、合成皮革、手術用ガウン、医療用使い捨て製品などの医療用品、その他の衛材、作業服、建築用断熱材などの各種断熱材、コーヒーバッグ、米飯包装用シートなどの食品包装材料、エレクトレット加工を施したエレクトレットフィルター、自動車用天井表皮材、防音材、基材、断熱材、クッション材、スピーカー防塵材、エアクリーナー材、インシュレーター表皮、バッキング材、接着不織布シート、ドアトリムなどの各種自動車用部材、複写機のクリーニング材などの各種クリーニング材、カーペットの表皮・裏材、農業捲布、木材ドレーン材、スポーツシューズ表皮などの靴用部材、カバン用部材、工業用シール材、ワイピング材など種々の用途に好適に使用できる。
【出願人】 【識別番号】000004178
【氏名又は名称】ジェイエスアール株式会社
【出願日】 平成12年1月18日(2000.1.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−200457(P2001−200457A)
【公開日】 平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願番号】 特願2000−9187(P2000−9187)