| 【発明の名称】 |
高度目編地構造体およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】村上 確司
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| 【要約】 |
【課題】丸、楕円、三角、四角などの多角形などの中空の形状を維持し、構造体の全体が均質であり、多孔性(通気性)があり、しかも適度な曲げ自由度を有する良好な寸歩安定性を有する筒状の高度目編地構造体提供することにある。
【解決手段】繊維糸条で構成する高度目の編地であって、かつ中空の断面形状(筒状)を形成・保持し、構造体の全体が均質であり、多孔性があり、しかも適度な可撓性を持ち合わせていることによる適度な曲げに対する自由度を有する微多孔性の高度目編地構造体。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】繊維糸条で構成する高度目の編地で中空形状を保持した微多孔性の高度目編地構造体。 【請求項2】繊維糸条がポリエチレンテレフタレートからなる高配向未延伸糸のマルチフィラメンからなる請求項1記載の高度目編地構造体。 【請求項3】高配向未延伸糸条を丸編機にて編地を作成し、該編み地の内側に型部材を内在させた後、55〜130℃の蒸気もしくは熱水中あるいは該湿熱と等価の熱エネルギーである乾熱雰囲気下にて熱処理を施し、該編地を該型部材の形状にフィットさせて賦型し、次いで型部材から編地を取り出す高度目編地構造体の製造方法。 【請求項4】型部材が内在した編地構造体の外周部を被覆部材で被覆・固定し、130〜240℃の乾熱雰囲気下にて熱処理を施こして熱セットした後に該熱処理体の該被覆部材を取り除き、該型部材から編地を取り出す請求項3記載の高度目編地構造体の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンテレフタレートからなる高度目編地構造体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、中空を形成したいわゆる管と言えば、工業資材、衣料、家電、家庭、園芸、農業や医療製品としては、金属製、各種プラスチック、さらには天然ゴム、ウレタンゴム、ブチレンゴムやネオプレン(登録商標)ゴムなどの各種合成ゴムを原料にしたものがほとんどで、その手段としては板金、鋳型や射出成形などの技術で対応されており、なかでも繋ぎ目のない管、つまりシームレスパイプが好ましく用いられている。この製品の断面形状の保持性能は材料そのものが硬い、反発性(回復性)が良い等の特性があり性能が発揮できている。そのことで利用価値があり、水、各種溶液、塗料、血液などの液体や各種ガスを搬送する上で極めて高い利用価値があって、工業資材分野の各種用途に適用されている。 【0003】一方、衣料の繊維製品では、丸編機靴下やセーターの腕部分や胴体部分の構造体として筒状の丸編み地が作られるが、この場合は、筒状といえども上記工業資材のように、例えば丸の中空形状が保持されることは要求されることはない。その理由は収納時に嵩張るからで、繊維の可撓性が発揮され中空形状が保持されないことが良いとされる訳である。 【0004】ところで、腐敗防止、乾燥防止、通気性、浸透性、露光性、微粒子除去、不純物除去、繊度保持、香料や忌避剤の徐放などの機能を付与するための工業、衣料、家庭、園芸、農業や医療等の資材としては、多孔質の構造で、しかも丸、三角、四角などの中空の形状形成され、しかも保持されていることが重要な要素として位置付けられる場合がある。 【0005】これらを満足する多孔質材料としては、パンチングメタル、焼結合金や金属製のいわゆる金網などが好ましく用いられるところである。しかしながらパンチングメタルにあっては多孔穴と言える微細穴にするには穴加工技術に限界があり多孔質材料としてはとても使用できる材料にはならない。また、板金において、中空を形成させるには溶接などの繋ぎが必須となる。この場合繋ぎ目ができるので全体として均質な構造体になり得ないし、成型精度も良くないという問題が残る。焼結合金にあっては高価であり材料としての汎用性に欠けると言う欠点がある。また、該材料も上記同様成型性がし難い、曲げに対する融通性が欠落する。さらには使用後の廃棄処理や再利用が困難などの問題がある。 【0006】繊維糸条で構成される不織布、織物や編地などは好適な素材であるが、不織布、織物や横編地・トリコットなどの編地は一般的に面状であり、これを用いて例えば丸断面の筒状の構造体を作るとなると、縫合や接着芯地などで接着する必要がある。この場合、前述のごとく縫合部分や接着部分ができるので、全体が均質な構造体にはなり得ないという問題が生じる。 【0007】ところが、繊維糸条で構成される、いわゆる丸編地にあっては、文字通り繋ぎ目がなく、即座にシームレスの筒状体を形成する構造体である点で、極めて好ましい布帛構造体といえる。しかしながら、前述のように繊維は可撓性を有する材料であるために、中空の断面形状を保持し得ないという致命的欠点がある。以上のように、どの構造物でも、中空の断面形状(筒状)を採り、構造体の全体が均質であり、多孔性があり、しかも適度な曲げに対する適度な自由度を有する構造体は見当たらない。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】例えば、ポリエチレンテレフタレートからなる繊維糸条で構成される編地であって、丸、楕円、三角、四角などの多角形などの中空の断面形状(筒状)を採り、構造体の全体が均質であり、多孔性があり、しかも適度な可撓性を持ち合わせていることによる適度な曲げに対する自由度を有する高密度編地構造体を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を達成するため、次の構成を有する。すなわち、1.繊維糸条で構成する高度目の編地で中空形状を保持した微多孔性を有する高度目編地構造体。 2.繊維糸条がポリエチレンテレフタレートからなる高配向未延伸糸のマルチフィラメントからなる上記1項記載の高度目編地構造体。 3.糸条を丸編機にて編地を作成し、該編み地の内側に型部材を内在させた後、55〜130℃の蒸気もしくは熱水中、あるいは該湿熱と等価の熱エネルギーである乾熱雰囲気下にて熱処理を施し、該編地を該型部材の形状にフィットさせて賦型し、次いで型部材から編地を取り出す高度目編地構造体の製造方法。 4.上記3項記載の型部材が内在した編地構造体の外周部を被覆する被覆部材で被覆・固定し、130〜240℃以下の乾熱雰囲気下にて熱処理を施こして熱セットした後に該熱処理体の該被覆部材を取り除き、該型部材から編地を取り出す高度目編地構造体の製造方法。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明を更に詳しく説明すると、本発明に供する繊維糸条とは、例えばポリエチレンテレフタレートを主とするポリマーからなる繊維が好ましいが、ポリブチレンテレフタレートであってもポリ乳酸であっても、本発明の目的である以下に例示する特定形状を保持する高密度編地構造体を達成するならば、これらポリマーも含まれても何ら差し支えない。 【0011】ポリエチレンテレフタレートポリマーを主とする繊維は、融点も264℃(昭和40年12月15日発行繊維学会編「化繊便覧」117頁)と耐熱性が極めて高く、工業用途としてその利用価値が大きい。当然のことであるが第3成分を共重合したものでも、艶消し剤、消臭剤、抗菌剤、難燃剤、蛍光増白剤、蓄光剤、増摩剤、減摩剤、糸摩擦低減剤、抗酸化剤、顔料による着色剤、紫外線防止剤としての無機粒子や有機化合物を必要に応じて添加してもかまわない。ポリエチレンテレフタレートからなる繊維糸条は低複屈折率(以下△n)のものが良い。その好ましい範囲を述べるならば0.02〜0.08であり、高配向未延伸糸と称される糸条が好ましく用いられる。 【0012】△nが0.02未満でも適用できるが後の熱処理で劣化し、繊維破壊や強度低下を起こしても良い用途に適用することが望まれる。他方、△nが0.08を越えると熱収縮率が小さくなるが収縮作用を十分発揮し得る編地設計を行うと良い。 【0013】本発明の上記繊維糸条はモノフィラメントでもマルチフィラメントでも良いが、カバーファクターの点で後者の方が好ましく用いられる場合が多い。 【0014】また、本発明の高度目編地を構成する糸条の単糸繊度は1.1〜55.5dtexが良く、好ましくは2.22〜22.2dtexである。該単糸繊度が1.1dtex以上とすることにより、編地全体の剛性を保ち特定形状を保持する。他方、55.5dtex以下として編地の表面平滑性、緻密性を奏する。次ぎに、トータル繊度について述べる。該繊度は製品の目的に応じて適宜選択すれば良い。仮に例示するならば構造体の空間面積が1cm2以下の小面積構造体では少なくとも11.1dtex以上の繊度を持つ糸条が適用できる。 【0015】また、本発明の繊維糸条を構成する単繊維の断面形状は特に限定されるものではなく、丸断面をはじめ三角、四角などの多角形、C、I、Y、十字などの各種文字型、中空、芯鞘、異種ポリマーの貼り合わせ、海島、脱海型など適宜選択される。 【0016】さらに、該糸条は捲縮、繊維表面の凹凸、太細、撚(実撚、交互撚)、毛羽、交絡、単糸繊度差、収縮差、自発伸長などの有無に何ら制約されることなく適用できることは論を待たない。該繊維糸条は55〜130℃の蒸気もしくは熱水での熱処理で収縮を発現する性能をもっていることが重要である。ここで、この温度範囲内の熱処理において、収縮後に自発伸長させると型部材に密着しなくなり、型部材による形状賦型が不可能になるばかりか、繊維も柔軟化することで、賦型した形状を保持できない点で好ましくない。従って、収縮ピーク温度もしくは該温度未満の温度で処理することが望まれる。 【0017】ポリエチレンテレフタレートからなる高配向未延伸糸の場合、丸編地の収縮が開始する温度は熱水中で浸漬処理する場合は60℃で、収縮ピーク温度は80℃近傍にあるが、本発明の丸編地に供する糸条の収縮率は、フリー沸騰で10〜80%が好ましい。該収縮率を10%以上として、特定の断面形状が付与し、高度目編み地を提供するものである。他方、80%以下では、高度目編み地に仕立て上げ、また収縮性が均質になることに加えループ間に繊維微多孔を付与すると言う優れた効果を奏する。 【0018】本発明の編地は、円形編み機のベラ針機として知られる丸編み機、靴下編み機、糸の染色性を検査する目的で良く用いられるいわゆる筒編み機で編み立てられる編地であって、組織としては平編みが好ましいがゴム編み、パール編みであっても良いし、これら3種の基本編組織の変化編地であっても良いことは言うまでもない。 【0019】本発明の編地を熱処理する際の熱水とは、水100%、水に浸透剤や消泡剤などの各種界面活性剤を混ぜ込んでも良い。また、本は発明の目的を達成するための収縮、膨潤、硬化を促進させるための有機溶剤を含む液体も指す。 【0020】本発明の度目とは、編み機の針密度、つまりゲージ(針本数/2.54cm)に依存する単位当たりのコース数のことを指し、本発明にあっては糸条の収縮を活用することで、高ウエール数、高コース数とするもので、これにより本発明の超緻密な高度目編布帛が得られる。 【0021】本発明の高配向未延伸糸を用いた丸編地の熱処理方法について述べると、蒸気もしくは熱水で熱処理して収縮させる際には、編地の収縮を均一に生起させることが収縮斑を起こさせない上で極めて重要である。例えば繊維糸条の収縮ピーク温度に近い熱水中に瞬間的に浸漬させると、気泡を含み熱が均一に伝達せず収縮斑(皺)を発現するので好ましくない場合がある。そこで、収縮斑を生起させずに均一に収縮させるには、高配向未延伸糸が収縮を開始する温度以下の温度の熱水(例えば55℃)中に浸漬し、その後収縮が十分生起する温度(例えば80℃近傍)に徐々に昇温していくと良い。ここで、徐々に昇温するとは、例えば0.1〜20℃/分の昇温速度を指すが、この範囲に限定されるものではない。0.1℃以上として効率よく、かつ収縮性良好な処理を施す。一方、20℃/分以下では収縮斑を防止できるものである。その意味で、好ましい昇温速度の範囲は0.2〜5℃/分が良い。 【0022】次に本発明の微多孔性の構造体について述べるならば、微多孔性とは編地を構成するループ間に形成される空間のことを指し、そのサイズは、濾過・フィルティング、浸透等の作用を得るために一辺が300μm未満の正三角形が内接する空間であって、該空間が10個/cm以上有するものを指す。 【0023】本発明の高度目編地は、収縮を発現させて型部材にフィットさせることで型部材の形状を賦型するするもので、収縮に伴って繊維が硬化することを巧みに利用するものであって、熱処理をする前の丸編地は収縮代を有していることが重要である。なお、編地の収縮率、換言すれば糸条の収縮率はできるだけ大きい方が繊維が硬くなり、形状賦型・維持と言う観点でより好ましい。 【0024】本発明の該編地の設計にあっては、繊維糸条の繊度と編機ゲージで決めればよい。一例を挙げて説明するならば、D=7965×(K/G)2 にあるように(繊維工学 II、実教出版社発行、P25、26)ゲージと糸の太さは定義付けられており、これを用いて編地を作成すればよい。 【0025】なお、Dはデニール、Kは編機による常数、Gはゲージである。ここにおいて、Kは丸編靴下機の常数である3.4を参考にすれば良いが、本発明ではこれよりも粗い編密度である1.7から密な5.0の範囲で適宜選択すれば良い。より好ましい範囲は2.0〜5.0である。繊度がデニール表示になっているが、デシテックスの場合はデニールに1.11倍を乗じた値であることを念頭において求めれば良い。 【0026】本発明の構造体の中空形状は丸、楕円および三角・四角などの多角形の筒状が挙げられ、複数の高度目編地から形成する構造体にする際には多角形が構造強度の点が好ましい。 【0027】該本発明の中空形状を持ち合わせた高度目編地を得るに際し、型部材を用いるが該部材は、熱的に安定なアルミニウム、銅、ステンレス鋼、耐熱プラスチック、耐熱ガラス、耐熱性繊維強化プラスチック製などの中実もしくは中空体が実用上好ましくもちられるが、木材、竹材、石材、石膏材などもその範疇に属すことは論を待たない。要は本発明の編地が型部材によって賦型されれば良い訳である。要は自発伸長を生起させない温度(ポリエチレンテレフタレート繊維のケースではTgである80℃近傍になる)で熱処理して賦型部材の外形形状に賦型できる部材を適宜選定すれば良い。 【0028】この段階で得る本発明の中空形状を保持した高密度編地構造体は、該処理温度以下の環境下で使用できることは言うまでもない。もし、該Tgを越える温度雰囲気下で使用すると繊維自体が自発伸長(収縮とは逆の現象で繊維自身が自発的に伸びる現象を言う)を起こし、先の熱処理で折角賦型した形状が崩れるという重大な問題や繊維自身が極端に軟化するという問題が発生する。 【0029】本発明の高度目編地をTg以上の温度雰囲気下で使用する環境はいくらでもある。そこで該課題を解決するための本発明の熱処理について述べると、高配向未延伸糸条を丸編機にて編地を作成し、該編み地の内側に型部材を挿入した後、前記55〜130℃の蒸気もしくは熱水中あるいは該湿熱と等価の熱エネルギーである乾熱雰囲気下にて熱処理を施し、該編地を該型部材の形状にフィットさせて一旦賦型し、次いで該編地の外周部を被覆部材で被覆・固定し、130〜240℃の乾熱雰囲気下にて熱処理を施こして熱セットし、外在する該熱処理体の該被覆部材を取り除き、内在する該型部材から編地を取り出すことで、本発明の中空形状の高度目の編地構造体を得るものである。 【0030】自発伸長が発現する温度以上での熱処理における本発明の該自発伸長性を抑止する手段として提案する被覆材は特定されるものではないが、例示するとクラフト紙やコットン紙アラミド、フッ素などの耐熱フィルムやシート状物、さらには耐熱不織布を巻き付けることでの固定、金属性や耐熱プラスチック製の型枠による固定、無機質の粘土状物含浸・乾燥による固定、エメリーペーパー、針などの表面突起を有する粗面シート部材を巻くことによる固定、融着繊維もしくはパウダーを一部混ぜ込んで融着させることでの固定、さらには耐熱・熱硬化樹脂をコーティング、含浸を施しての固定など各種固定手段を施した後に自発伸長開始温度以上融点温度未満の高温熱処理を施すものである。この場合の熱処理は乾熱であっても加熱蒸気を含む湿熱であっても良い。 【0031】つまり、本発明の高温熱処理のポイントは、編地を封じ込めて高温熱処理することで自発伸長を起こさせないと言う考えに基づく点にある。 【0032】本発明の固定とは、前述のごとく繊維が伸びようとする挙動を封じ込めて該伸びを抑止すると同時に熱セットする技術概念を総称するものである。 【0033】本発明の高度目編地の厚さは特定されるものではないが1例を挙げるならばその範囲は0.1〜5.0mmである。 【0034】もちろん、本発明の中空形状を採る高度目編地の中空形状は型部材の形状で決まるのであり、何ら制限されるものではない。ここで、型部材が円柱の場合は円筒状の構造体になり、三角柱の場合は三角の筒状構造体になるが、四角にする場合は四角柱の型部材であってもよいし、断面が十字となる板部材からなる型部材であっても目的とするものが得られることは言うまでもない。ただ、繊維が自発伸長を生起する温度での熱処理による型部材形状の賦型には好ましくない。 【0035】さらに、本発明を詳しく述べると、本発明の高密度編地は熱処理前、処理中もしくは処理後に、帯電防止、制電防止、芳香、吸水、吸湿、撥水、防水、低複屈折率化、消臭を目的とする樹脂加工を施しても良いし、部分もしくは全面に表面バフ加工やアルカリ減量加工を施しても良いし、一般もしくは機能性塗料をペインティングしても良い。さらに、最近の環境に関して、最大の課題であるダイオキシン類を分解させる目的で該効果を発揮する触媒を担持させても良い。 【0036】さらに、浸染、捺染、抜染を基本とする染色を施しても良いことは言うまでもないし、抗菌や制菌を目的とする処理剤を繊維に付与しても良い。 【0037】本発明の中空形状を保持した高度目編み地構造体の適用用途の一例を挙げるならば印刷・プリンター分野のオイルローラーやブランケットローラーの一部の部材、汚染気体・汚水浄化を目的とした濾過部材や微生物着装部材、照明器具の傘部材、園芸・育苗部材、微粒子濾過部材、グリップ部材、果実被覆部材、緩衝部材、減摩部材、断熱部材、収納・充填篭的部材、消音部材、振動吸収部材、装飾部材、芳香・忌避剤の徐放部材、液切り部材、ゴルフシャフト・釣り竿などの収納筒部材、個体状にある石鹸などの熔解用部材、ガラス・陶器被覆部材、衣料の芯地部材、靴の型くずれ防止部材、環境分野におけるダイオキシンなどの有害物質を減少もしくは分解させる目的で用いる機能触媒フィルターの1構成パーツとなる触媒担持部材などに好適である。 【0038】本発明の複屈折の測定は偏光顕微鏡によるコンペンセーター法に依った。糸条の熱水収縮率および乾熱収縮率はJIS L 1013 A法に準じて測定した。糸条の繊度、編地分解糸の繊度共にJIS L 1030に準じて測定した。また、編地のウエール数とコース数は分解鏡を用いて2.54cm当たりの数を読み採り、n=5の平均値で表した。 なお、度目とは編地の密度を表すもので、一般的には1.27cm当たりのウエール数とコース数の和をもって表すのが通例であるが、本発明では、2.54cm(1吋に相当する)当たりのウエール数とコース数の単独数値で表示することにした。 【0039】また、ループ間に形成される空間サイズは、編地表面をSEM写真に採り、該空間に内接する正三角形を描き、1辺の長さを求め、その平均値を平均孔径とし、その孔径バラツキと言う意味で範囲も求めた。n数は20とした。厚さはJIS L 1096に記載の測定手順に準じたが、荷重は23.5kPaの1/5の4.7kPaで測定した。 【0040】 【実施例】実施例1ポリエチレンテレフタレート繊維(△n=0.030、フリー沸水収縮率=67%)からなる高配向未延伸糸(300dtex−48フィラメントのマルチフィラメントを釜径3.5吋、20ゲージの筒編機で平編地(ウエール数=31/2.54cm、コース数=33/2.54cm)を作成し、該編地を外径Φ=41mm、長さL=650mm、厚みt=2mmのアルミ管に通し、60℃の熱水中に投入し、2℃/分の昇温速度で昇温し、80℃の温度に達したところで10秒放置後熱水中から取り出し自然乾燥し、前記アルミ管から編地を抜き取った。得られた編地は内径Φ=41、有効長さL=300mm、厚さt=0.5mm、ウエール数=45/2.54cm、コース数=56/2.54cmの高度目編地(長さ30mmの時の 重量15.29cN、つまり単位長さ当たりの重量は0.510cN/cm)で、丸断面の中空形状を保持した硬くて高反発性を有する筒状構造体を得た。なお、ウエール数とコース数の増加率はそれぞれ45.2%、69.7%であった。一方、分解糸の繊度は385dtexであった。これは供給した高配向未延伸糸の繊度に対して28.3%の繊度増加を意味する。 【0041】次ぎに、編地の度目について述べると、本実施例の熱処理前の平編地の常数(K)は前記ゲージと糸の太さの関係からK=3.7に相当する。この組織における一般的な常数は、K=3.4とされる値からすると若干大きめになっていることから度目が若干高めになっていることが判る。この編地を上記条件下で熱処理を施した後の常数はK=4.17となり、超高度目の編地になっていることが判る。 【0042】なお、本発明の筒状構造の編地は、床上等に横置きしても真円に近い丸断面形状を維持し、また直立させることも可能であった。 【0043】加えて、該編地を160℃の乾熱雰囲気下で5分間の熱処理を行った後もウエール、コース方向の寸法変化が起こらなかった。このように本発明の最終熱履歴よりも低い温度雰囲気下で使用する限り、寸法安定性に優れた編地であるといえる。 【0044】ちなみに、ループ間に形成された空間サイズは、一辺が43μm±18μmの正三角形が内接する超微細孔を有するものであった。 【0045】比較例1実施例1と同じ編地にアルミ管を入れずに同一の熱処理条件で熱処理したところ、編地の度目と硬度は実施例1よりも高目になったが本発明の目的とする中空の断面形状(筒状)を形成することなく、扁平で大きな皺が入った編地となり、直立させることも不可能であった。当然、軽い曲げに対する自由度も有していた。 【0046】実施例2実施例1で得た丸断面形状を有する筒状編地構造体に再度外径Φ=41mm、長さL=400mm、厚さt=2mmのアルミ管を内在させ、その上に紙巻き(5回巻き)を行い、しかも巻紙が緩まないようにテーピングしてから、電熱オーブン中で205℃×10分間の乾熱処理を施し、室温での放冷を行った。アルミ管から取り出した編地は、先の熱処理品と比べると若干柔らかめに仕上がったものの高反発性を持ち、しかも真円に限りなく近い丸断面形状を有した筒状編地を得た。この編み地をオーブン中で再度200℃×10分の乾熱処理をし、自然放冷後の寸法(径、長さ)に変化が無く、しかも丸断面の形状保持性もほとんど変化く、真円に近い断面形状を維持していた。 【0047】この編地のウエール数は45/2.54cm、コース数は56/2.54cmの高度目編地(長さ300mmの時の重量15.29cN、つまり、単位長さ当たりの重量は0.510cN/cm)で実施例1と同一であった。また、分解糸の繊度も384dtexであった。これらのことから、自発伸長は一切起こっていないことが裏付けられた。 【0048】なお、ループ間に形成された空間サイズはより微細化・均質化し、一辺が33μm±13μmの正三角形が内接する超微細孔を有するものであった。 【0049】この筒状編地は横置きしても極めて真円に近い形状を維持し、しかも直立させることできる。当然、軽い曲げに対する自由度も有していた。 【0050】比較例2実施例1で得た丸断面形状を有する筒状編地構造体を再度外径Φ=41mm、長さL=400mm、厚さt=2mmのアルミ管に通し、その上に紙巻きせずに実施例2と同様の乾熱処理(電熱オーブン中205℃×10分間)を施したところ、自発伸長性が発現し、該熱処理前にはアルミ管上に密着していた編地は大きな緩みを生じ、アルミ管との間に大きな隙間を生じただけでなく波状皺が発生した。 【0051】また、アルミ管から取り出した編地は、繊維自体が柔軟になっていることも観察され、横置きに関係なく上下の編地がへばりついた不規則な扁平形状を呈し、本発明の目的とする中空形状を有する編地にはならなかった。当然直立させるもできなかった。 【0052】実施例3△n=0.030のポリエチレンテレフタレート繊維(フリー沸水収縮率=65%)からなる高配向未延伸糸300dtex−48フィラメントのマルチフィラメントと△n=0.032のポリエチレンテレフタレート繊維(フリー沸水収縮率=63%)からなる140dtex−18フィラメントを引き揃えて(トータル440dtex)釜径7.6cm、27ゲージの筒編機のべら針を一本おきに針抜きし、実質13.5ゲージ相当の平編地(ウエール数=22/2.54cm、コース数=2.54cm)を作成し、該編地を外径Φ=30、長さ650mm、厚さt=1.5mmのアルミ管に通し、58℃の熱水中に投入し、65℃までは1.5℃/分の昇温速度とし、それ以降は3℃/分の昇温速度で80℃まで昇温し、5秒放置後熱水中から取り出し自然乾燥し、前記アルミ缶から編地を抜き取ることなく、その上をアルミ材を半円にくりぬいた2枚の型枠で挟み込み(内径Φ31.3mmの空間を形成する)、該2枚の型枠をビス止めした後、210℃のオーブン中で10分間の乾熱処理を施し、室温での放冷を行い、アルミ管から編地を取り出した。得られた編地は、内径Φ=30mm、長さL=370mm、厚さt=0.7mmでウエール数35/2.54cm、コース数46/2.54cm、単位長さ当たりの重量0.47cN/cmの高度目の筒状の編地を得た。また、ループ間に形成される空隙は、一辺が48μm±18μmの正三角形が内接する超微細サイズであり、繊維微細多孔材料として優れた構造を有していた。また、該編地は高反発性があり、しかも中空の丸断面形状を有した筒状編地を得た。 【0053】次に該編地をオーブン中で再度160℃×10分の乾熱処理を施して寸法と形状の変化を調べたところ双方変化のない優れた構造体であることが確認された。 【0054】当然、軽い曲げに対する自由度(追随性)も持ち合わせていた。この筒状編地は横置きしても極めて真円に近い形状を維持し、しかも直立させることできた。当然、軽い曲げに対する自由度も有していた。 【0055】 【発明の効果】ポリエチレンテレフタレート繊維からなる繊維で構成される編地であって、丸、楕円、三角・四角などの多角形を含む特定の断面形状の空間を有する高度目編地構造体であって、微多孔材料としての活用が期待できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003159 【氏名又は名称】東レ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月8日(2000.6.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−348760(P2001−348760A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−171522(P2000−171522) |
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