トップ :: D 繊維 紙 :: D03 織成




【発明の名称】 柄組み方法及びその装置
【発明者】 【氏名】荒木 弘

【氏名】長谷川 直樹

【氏名】白川 正登

【氏名】上野 弘良

【要約】 【課題】複数本の経糸を素材別の一層のシート状に並べてなる複数枚の経糸シートの各経糸を予め定められた素材の順番に経糸を一層のシート状に自動的に並び替えることができ、予め定められた素材の順番に経糸を自動的に柄組みすることができる。

【解決手段】織機ビームWから解いた多層状の複数枚の経糸シート群を各層別に放射状に張架可能な複数個の先端把持部からなる多層糸張り機構Aと、各層の経糸シートの内から予め選択された経糸シートSの経糸Rを順次一本宛分離可能な糸分離機構Bと、糸分離機構により分離された一本の経糸を糸長を変えずに三次元的に移送可能な糸端移送機構Cと、糸端移送機構により移送されてくる経糸を綾取りする綾取機構Dと、綾取りされた経糸の糸端側を一層のシート状に固定可能な糸端固定機構Eとを具備してなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数本の経糸を素材別に一層のシート状に並べてなる複数枚の経糸シートを織機ビームに多層状に巻き取り、該織機ビームから解いた多層状の複数枚の経糸シート群の織機ビーム側を保持すると共に各層の経糸シートの糸端側を各層別に放射状に張架保持し、該各層別に張られた各層の経糸シートの内から予め選択された経糸シートの経糸を順次一本宛分離し、該分離された一本の経糸を織機ビーム側の把持位置と糸端側の把持位置との間の糸長を変えずに三次元的に移送させ、該経糸を綾取りして経糸の糸端側を一層のシート状に並べて固定することを特徴とする柄組み方法。
【請求項2】 上記分離された経糸の織機ビーム側の把持位置と糸端側の把持位置との間を切断すると同時に切断された経糸の糸端を保持釈放することを特徴とする請求項1記載の柄組み方法。
【請求項3】 複数本の経糸を素材別に一層のシート状に並べてなる複数枚の経糸シートが多層状に巻き取られた織機ビームと、該織機ビームから解いた多層状の複数枚の経糸シート群の織機ビーム側を保持可能な中間把持部及び該各層の経糸シートの糸端側を各層別に保持すると共に該各層の経糸シートを中間把持部の把持位置を中心とする各層別に放射状に張架可能な複数個の先端把持部からなる多層糸張り機構と、該各層別に張られた各層の経糸シートの内から予め選択された経糸シートの経糸を順次一本宛分離可能な糸分離機構と、該糸分離機構により分離された一本の経糸の糸端側を把持し、該一本の経糸を該中間把持部の把持位置を中心として該把持位置と糸端側の把持位置との間の糸長を変えずに三次元的に移送可能な糸端移送機構と、該糸端移送機構により順次移送されてくる経糸を綾取りする綾取機構と、該綾取りされた経糸の糸端側を一層のシート状に固定可能な糸端固定機構とを具備してなることを特徴とする柄組み装置。
【請求項4】 上記多層糸張り機構の複数個の先端把持部は中間把持部の把持位置を中心とする円弧状に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項3記載の柄組み装置。
【請求項5】 上記糸分離機構は各層の経糸シート別に複数個設けられていることを特徴とする請求項3又は4記載の柄組み装置。
【請求項6】 上記糸分離機構により分離された経糸の織機ビーム側の把持位置と糸端側の把持位置との間を切断すると同時に切断された経糸の糸端を保持釈放可能な切断保持部を設けてなることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の柄組み装置。
【請求項7】 上記経糸シートの経糸の分離及び移送に伴って変化する経糸シートのシート端に追従して上記糸分離機構、糸端移送機構、綾取機構及び上記糸端固定機構を移動させる追従移動機構を設けてなることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の柄組み装置。
【請求項8】 上記糸端固定機構は対向配置された一対の粘着テープを含んでなることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の柄組み装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は織機で織物を織るのに先立って行われる製織準備作業としての柄組み方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この柄組みとは、天然繊維や化合成繊維等の素材の異なる経糸を予め設定された順番に一層のシート状に並べる作業をいう。
【0003】従来この種の柄組み作業は、予め定められた順番表を見ながら素材の異なる経糸を人為的に順次一層のシート状に並べるようにしている。そして、この柄組みされた多数の経糸はドロッパー、ヘルド及び筬に一本宛引き通したのち、織機に掛けられることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記柄組み作業は手作業による肉眼に依存しているため、作業者の疲労負担は大きく、熟練度を要する長時間作業のため作業能率の低下を余儀なくされているという不都合を有している。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の方法の発明は、複数本の経糸を素材別に一層のシート状に並べてなる複数枚の経糸シートを織機ビームに多層状に巻き取り、該織機ビームから解いた多層状の複数枚の経糸シート群の織機ビーム側を保持すると共に各層の経糸シートの糸端側を各層別に放射状に張架保持し、該各層別に張られた各層の経糸シートの内から予め選択された経糸シートの経糸を順次一本宛分離し、該分離された一本の経糸を織機ビーム側の把持位置と糸端側の把持位置との間の糸長を変えずに三次元的に移送させ、該経糸を綾取りして経糸の糸端側を一層のシート状に並べて固定することを特徴とする柄組み方法にある。又、請求項2記載の発明は、上記分離された経糸の織機ビーム側の把持位置と糸端側の把持位置との間を切断すると同時に切断された経糸の糸端を保持釈放することを特徴とするものである。
【0006】又、請求項3記載の装置の発明は、複数本の経糸を素材別に一層のシート状に並べてなる複数枚の経糸シートが多層状に巻き取られた織機ビームと、該織機ビームから解いた多層状の複数枚の経糸シート群の織機ビーム側を保持可能な中間把持部及び該各層の経糸シートの糸端側を各層別に保持すると共に該各層の経糸シートを中間把持部の把持位置を中心とする各層別に放射状に張架可能な複数個の先端把持部からなる多層糸張り機構と、該各層別に張られた各層の経糸シートの内から予め選択された経糸シートの経糸を順次一本宛分離可能な糸分離機構と、該糸分離機構により分離された一本の経糸の糸端側を把持し、該一本の経糸を該中間把持部の把持位置を中心として該把持位置と糸端側の把持位置との間の糸長を変えずに三次元的に移送可能な糸端移送機構と、該糸端移送機構により順次移送されてくる経糸を綾取りする綾取機構と、該綾取りされた経糸の糸端側を一層のシート状に固定可能な糸端固定機構とを具備してなることを特徴とする柄組み装置にある。
【0007】又、請求項4記載の発明は、上記多層糸張り機構の複数個の先端把持部は中間把持部の把持位置を中心とする円弧状に移動可能に設けられていることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記糸分離機構は各層の経糸シート別に複数個設けられていることを特徴とするものであり、又、請求項6記載の発明は、上記糸分離機構により分離された経糸の織機ビーム側の把持位置と糸端側の把持位置との間を切断すると同時に切断された経糸の糸端を保持釈放可能な切断保持部を設けててなることを特徴とするものであり、又、請求項7記載の発明は、上記経糸シートの経糸の分離及び移送に伴って変化する経糸シートのシート端に追従して上記糸分離機構、糸端移送機構、綾取機構及び上記糸端固定機構を移動させる追従移動機構を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項8記載の発明は、上記糸端固定機構は対向配置された一対の粘着テープを含んでなることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図1乃至図10は本発明の装置の実施の形態例を示し、大別すると、多層糸張り機構A、糸分離機構B、糸端移送機構C、綾取機構D及び糸端固定機構Eから成り立っている。
【0009】Wは織機ビームであり、この場合、複数本の経糸Rを天然繊維や化合成繊維等の糸の素材別に一層のシート状に並べてなる二枚の経糸シートS・Sが二層状に巻き取られている。すなわち、例えば天然繊維からなる複数本の経糸Rを一層のシート状に並べてなる経糸シートSと化合成繊維からなる複数本の経糸Rを一層のシート状に並べてなる経糸シートSとを二層状に巻取ってなる。
【0010】上記多層糸張り機構Aは、この場合、図1、図2の如く、織機ビームWから解いた層状の二枚の経糸シートS・S群の織機ビームW側を保持可能な中間把持部1及び各層の経糸シートS・Sの糸端側を各層別に保持すると共に該各層の経糸シートS・Sを中間把持部1の把持位置Kを中心とする各層別に放射状に張架可能な複数個の先端把持部2・2からなり、かつ、この各先端把持部2・2は中間把持部の把持位置Kを中心とする半径Hの円弧状に移動調節固定可能に設けられている。
【0011】又、上記糸分離機構Bは、上記多層糸張り機構Aの中間把持部1と先端把持部2・2との間に各層別に張られた各層の経糸シートS・Sの内から、図示省略のコンピュータ内に設定され記憶されたプログラムをもつ層選択手段により、予め選択された経糸シートSの経糸Rを順次一本宛分離する構造となっており、この場合、糸分離機構Bは各層の経糸シートS・S別に複数個設けられ、各層の経糸シートS・Sの経糸R群はそれぞれ二本の綾紐F・Fにより綾取りがなされており、この綾取りされた経糸シートSの経糸Rを一本宛分離するように構成され、勿論、綾取りがなされていない経糸シートSの経糸Rを一本宛分離する構造を採用することもある。
【0012】この場合、糸分離機構Bは、図3の如く、綾紐F・Fと協働して経糸シートSのシート端S1側から経糸Rを一本宛分離する図示省略の分離機構が設けられ、かつ、この場合、糸分離機構Bと糸移送機構Cとの間に経糸Rの織機ビーム側の把持位置Kと糸端側の把持位置との間を切断すると同時に切断された経糸Rの糸端を保持釈放可能な切断保持部6が設けられ、この切断保持部6は経糸Rの張架方向と交差する方向としての上下に行戻動作可能な切断保持片6a及び切断保持片6aと協働する切断保持部材6bからなり、しかして、糸分離機構Bの分離機構により綾紐F・Fと協働して経糸シートSのシート端S1側から経糸Rを一本宛分離し、分離された経糸Rを切断保持部6側へ引き寄せた状態で、切断保持片6aを切断保持部材6b方向に戻り動作させることにより経糸Rの織機ビーム側の把持位置Kと糸端側の把持位置との間を切断すると同時に切断された経糸Rの糸端を保持するように構成している。
【0013】又、上記糸端移送機構Cは、図3、図4の如く、上記糸分離機構Bにより分離された一本の経糸Rの糸端側を把持し、この一本の経糸Rを中間把持部1の把持位置Kを中心として該把持位置Kと糸端側の把持位置Gとの間の糸長を変えずに三次元的に移送可能な構造となっており、この場合、上記切断保持部6と把持位置Kとの間の切断保持部6に近い位置を把持釈放可能な把持部材7を把持位置Kを中心として上記三次元的に移送運動させる移送機構8を備えてなり、この把持部材7は一個乃至複数個設けられ、この場合、把持部材7は固定的な把持筒体7aと把持筒体7aの端面との間で経糸Rを保持釈放すべく進退運動可能な把持体7bからなり、又、この場合、移送機構8は複数個の把持部材7を間隔を置いて配列可能な二個一対の無端状の循回走行ベルト8a・8aと、循回ベルト8a・8aに間隔を置いて取り付けられた軸受走行体8b・8bと、走行軸受体8b・8b間に軸受された二本のスライド軸8c・8cと、二本のスライド軸8c・8cにスライド自在に架設され、把持部材7を取付可能な取付体8dと、取付体8dに取り付けられたカムフォロワ8eと、カムフォロワ8eに摺動係合可能な三次元的なカム曲線をもつ溝カム8fが形成されたカム部材8gと、循回走行ベルト8a・8aを循回走行させる図示省略の走行用モータと、溝カム8f内に設けられて上記把持体7bを所定位置において進退運動させ、これにより経糸Rを把持釈放させる図示省略の空圧シリンダからなる作動機構とを備えて構成されており、しかして、図5の如く、糸分離機構Bにより分離された一本の経糸Rは、図6、図7の如く、切断保持部6により切断され保持されている経糸Rの把持位置Kと切断保持部6との間の切断保持部6に近い位置をこの経糸Rに対向位置する把持部材7により糸端側の把持位置Gを把持し、図8の如く、把持部材7により経糸Rを把持した後に切断保持部6から切断された糸端を釈放し、把持部材7により糸端側の把持位置Gを把持したまま、図8から図9の如く、この一本の経糸Rを循回走行ベルト8a・8aの循回走行及び溝カム8fとカムフォロワ8eとの案内作用並びにスライド軸8c・8cのずれ吸収作用をもって中間把持部1の把持位置Kを中心として把持位置Kと糸端側の把持位置Gとの間の糸長を変えずに経糸シートSの張架方向とほぼ垂直の上向きに移送した後に折曲して経糸シートSの張架方向とほぼ平行の向きに移送し、すなわち、三次元的に移送運動させるように構成している。
【0014】又、上記綾取機構Dは、この場合、上記糸端移送機構Cにより一本宛順次移送されてくる経糸Rの張架方向と交差する方向に並列張架される二本の綾紐Q・Qと、この二本の綾紐Q・Qの各糸端Q1・Q1を保持すると共に経糸Rの張架方向と交差する方向の上下方向に交互に綾取運動可能な二個の綾紐止着部材9・9とからなり、この場合、綾取動作は、図9の如く、糸端移送機構Cの把持部材7により一本宛移送されてくる毎に綾紐止着部材9・9は交互に上下動作して綾取りし、綾紐Q・Qにより綾取りすることにより一層のシート状に並べられる経糸Rの順番を保持するように構成している。
【0015】又、上記糸端固定機構Eは、図9の如く、糸端移送機構Cにより順次移送されてくる経糸Rの糸端を一層のシート状に固定する構造となっており、この場合、二つの粘着テープN・Nにより挟着固定する構造が採用されている。
【0016】Mは追従移動機構であって、図2の如く、上記経糸シートS・Sの経糸Rの分離及び移送に伴って変化する経糸シートS・Sのシート端S1に追従して上記糸分離機構B、糸端移送機構C、綾取機構D及び糸端固定機構Eを移動させる構造となっており、この場合、経糸シートS・Sのシート端S1を検出可能な図示省略の糸検出センサー及び各層別の複数個の糸分離機構B並びに糸端移送機構Cを移動枠体17に取付け、機体にラック17aを取付け、移動枠体17にピニオン17bを取付け、ピニオン17bを送り用モータ17cにより所定量回転させ、糸検出センサーの検出に同期して移動枠体17を追従移動させるように構成している。
【0017】この実施の形態例は上記構成であるから、図1、図2の如く、複数本の経糸Rを天然繊維や化合成繊維等の素材別に一層のシート状に並べてなる二枚の経糸シートS・Sを織機ビームWに二層状に巻き取り、この織機ビームWから解いた二層状の二枚の経糸シートS・S群の織機ビーム側Wを中間保持部1により二枚一緒に保持すると共に各層の経糸シートS・Sの糸端側を二個の先端把持部2により各層別に放射状に張架保持し、この各層別に張られた各層の経糸シートS・Sの内から予め選択された経糸シートSの経糸Rを糸分離機構Bにより順次一本宛分離し、そして、図3、図5乃至図9の如く、分離された一本の経糸Rを織機ビームW側の把持位置Kと糸端側の把持位置Gとの間の糸長を変えずに糸端移送機構Cにより三次元的に移送し、図9の如く、この糸端移送機構Cにより一本宛順次移送されてくる経糸Rを綾取機構Dにより綾取りするので、予め定められた素材の順番に一層状のシート上に並べられた経糸Rの順番を保持することができ、それだけ、次の織機準備作業としてのドロッパー、ヘルド及び筬への経糸一本宛の引き通し作業を円滑に行うことができ、図10の如く、この順次一本宛移送されてくる経糸Rの糸端側を糸端固定機構Eにより一層のシート状に並べて固定するができ、従って、複数本の経糸Rを素材別の一層のシート状に並べてなる複数枚の経糸シートS・Sの各経糸Rを予め定められた素材の順番に経糸Rを一層のシート状に自動的に並び替えることができ、例えば化合成繊維の経糸Rの隣に天然繊維の経糸、その隣に化合成繊維の経糸R、その隣に化合成繊維の経糸Rの如く、予め定められた素材の順番に経糸Rを自動的に柄組みすることができ、それだけ、作業者の疲労負担を軽減することができると共に柄組み作業性を大幅に向上することができる。
【0018】この場合、上記多層糸張り機構Aの複数個の先端把持部2・2は中間把持部1の把持位置Kを中心とする円弧状に移動可能に設けられているから、把持位置Kと先端把持部2・2の把持位置との間の糸長を変えずに放射状に経糸シートS・Sを張架することができ、それだけ糸分離機構Bとの相対位置を容易に調節することができ、又、この場合、上記糸分離機構Bは各層の経糸シートS・S別に二個設けられているから、各層の経糸シートS・Sと糸分離機構Bとの相対位置を容易に調節することができ、各層の経糸シートS・Sからの経糸Rの分離を円滑に行うことができ、又、この場合、上記糸分離機構Bにより分離された経糸Rの織機ビーム側の把持位置Kと糸端側の把持位置Gとの間を切断すると同時に切断された経糸の糸端を保持釈放可能な切断保持部6を設けてなるから、糸分離機構Cから糸移送機構Cへの経糸Rの受け渡しを掴みながら確実に行うことができると共に伸縮性を有する糸やビリの出る強撚糸でも良好に受け渡すことができ、又、この場合、上記経糸シートS・Sの経糸Rの分離及び移送に伴って変化する経糸シートSのシート端S1に追従して上記糸分離機構B及び糸端移送機構C、綾取機構D並びに上記糸端固定機構Eを移動させる追従移動機構Mを設けているから、経糸シートS・Sからの経糸Rの分離に伴って変化するシート端S1と糸分離機構B及び糸端移送機構C、綾取機構D並びに上記糸端固定機構Eとの相対位置を良好に定めることができると共に織機ビームW及び多層糸張り機構Aを追従移動させる構造に対して、構造を簡素化することができると共に柄組み後の工程としての糸通し作業工程への柄組みされた経糸シートSの移行を円滑に行うことができ、それだけ作業性を高めることができ、又、この場合、上記糸端固定機構Cは対向配置された一対の粘着テープN・Nを含んでなるから、粘着テープN・Nの間により経糸Rの糸端側を一層のシート状に並べて固定することができ、構造を簡素化することができ、又、この場合、多層糸張り機構Aにより張られた経糸シートSの張架方向と柄組み後の経糸シートSとがほぼ同一の面上に張架されることになるので、運転作業状況の監視を容易に行うことができる。
【0019】尚、本発明は上記実施の形態例で示す構造に限られるものではなく、例えば上記実施の形態例においては、二枚の経糸シートを張架するようにしているが四枚等の複数枚の経糸シートを張架することもあり、又、多層糸張り機構A、糸分離機構B、糸端移送機構C、綾取機構D、糸端固定機構E、追従移動機構Mの構造や形態等は適宜変更して設計される。
【0020】
【発明の効果】本発明は上述の如く、請求項1又は3記載の発明にあっては、複数本の経糸を天然繊維や化合成繊維等の素材別に一層のシート状に並べてなる複数枚の経糸シートを織機ビームに多層状に巻き取り、織機ビームから解いた多層状の複数枚の経糸シート群の織機ビーム側を中間保持部により複数枚一緒に保持すると共に各層の経糸シートの糸端側を複数個の先端把持部により各層別に放射状に張架保持し、この各層別に張られた各層の経糸シートの内から予め選択された経糸シートの経糸を糸分離機構により順次一本宛分離し、そして、分離された一本の経糸を織機ビーム側の把持位置と糸端側の把持位置との間の糸長を変えずに糸端移送機構により三次元的に移送し、この一本宛順次移送されてくる経糸を綾取機構により綾取りするので、予め定められた素材の順番に一層状のシート上に並べられた経糸の順番を保持することができ、それだけ、次の織機準備作業としてのドロッパー、ヘルド及び筬への経糸一本宛の引き通し作業を円滑に行うことができ、この順次一本宛移送されてくる経糸の糸端側を糸端固定機構により一層のシート状に並べて固定するができ、従って、複数本の経糸を素材別の一層のシート状に並べてなる複数枚の経糸シートの各経糸を予め定められた素材の順番に経糸を一層のシート状に自動的に並び替えることができ、予め定められた素材の順番に経糸を自動的に柄組みすることができ、それだけ、作業者の疲労負担を軽減することができると共に柄組み作業性を大幅に向上することができる。
【0021】又、請求項2及び請求項6記載の発明にあっては、上記糸分離機構により分離された経糸の織機ビーム側の把持位置と糸端側の把持位置との間を切断すると同時に切断された経糸の糸端を保持釈放可能な切断保持部を設けてなるから、糸分離機構から糸移送機構への経糸の受け渡しを掴みながら確実に行うことができると共に伸縮性を有する糸やビリの出る強撚糸でも良好に受け渡すことができ、又、請求項4記載の発明にあっては、上記多層糸張り機構の複数個の先端把持部は中間把持部の把持位置を中心とする円弧状に移動可能に設けられているから、把持位置と先端把持部の把持位置との間の糸長を変えずに放射状に経糸シートを張架することができ、それだけ糸分離機構との相対位置を容易に調節することができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記糸分離機構は各層の経糸シート別に複数個設けられているから、各層の経糸シートと糸分離機構との相対位置を容易に調節することができ、各層の経糸シートからの経糸の分離を円滑に行うことができ、又、請求項7記載の発明にあっては、上記経糸シートの経糸の分離及び移送に伴って変化する経糸シートのシート端に追従して上記糸分離機構、糸端移送機構、綾取機構及び上記糸端固定機構を移動させる追従移動機構を設けているから、経糸シートからの経糸の分離に伴って変化するシート端と糸分離機構及び糸端移送機構並びに上記糸端固定機構との相対位置を良好に定めることができると共に織機ビーム及び多層糸張り機構を追従移動させる構造に対して、構造を簡素化することができると共に柄組み後の工程としての糸通し作業工程への柄組みされた経糸シートの移行を円滑に行うことができ、それだけ作業性を高めることができ、又、請求項8記載の発明にあっては、上記糸端固定機構は対向配置された一対の粘着テープを含んでなるから、粘着テープの間により経糸の糸端側を一層のシート状に並べて固定することができ、構造を簡素化することができる。
【0022】以上、所期の目的を充分達成することができる。
【出願人】 【識別番号】592102940
【氏名又は名称】新潟県
【出願日】 平成12年3月2日(2000.3.2)
【代理人】 【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
【公開番号】 特開2001−248038(P2001−248038A)
【公開日】 平成13年9月14日(2001.9.14)
【出願番号】 特願2000−56655(P2000−56655)