| 【発明の名称】 |
分割筬 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 武
【氏名】中田 明彦
【氏名】澤田 茂晴
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| 【要約】 |
【課題】製織過程で、緯糸の打ち込みに用いられる製織用筬から、反給糸側で緯糸の存在しない領域に設けられる補助筬へ、緯糸が安定して通過可能な分割筬を提供する。
【解決手段】製織用筬2と補助筬3とからなる分割筬1において、補助筬3の緯糸案内通路5の奥壁13を製織用筬2の緯糸案内通路4の奥壁12よりも反織り前側つまり織り前31よりも経糸17の送り出し側に位置するように取り付ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 経糸の存在する領域に配置され、緯糸案内通路を有する製織用筬と、この製織用筬の反給糸側で、製織用筬から分離して、経糸の存在しない領域に配置され、製織用筬の緯糸案内通路に続く緯糸案内通路を有する補助筬とを有する分割筬において、上記補助筬に形成された緯糸案内通路の奥壁が前記製織用筬の緯糸案内通路の奥壁よりも反織り前側に位置していることを特徴とする分割筬。 【請求項2】 補助筬は、製織用筬と同一形状の筬羽を用いて編成され、補助筬のスレーへの取り付け位置を製織用筬のスレーへの取り付け位置よりも反織り前側へずらすことを特徴とする請求項1記載の分割筬。 【請求項3】 補助筬は、製織用筬と同一形状の筬羽を用いて編成され、編成後、下側の筬羽固定部材に取り付ける際、補助筬の取り付け位置を製織用筬の取り付け位置よりも反織り前側へずらして固定することを特徴とする請求項1記載の分割筬。 【請求項4】 補助筬の筬羽は、製織用筬の筬羽と異なり、補助筬の緯糸案内通路の奥壁が製織用筬の緯糸案内通路の奥壁よりも反織り前側に拡張して形成されていることを特徴とする請求項1記載の分割筬。 【請求項5】 補助筬の筬羽は、製織用筬の筬羽と異なり、補助筬の緯糸案内通路の奥壁が製織用筬の緯糸案内通路の奥壁よりも反織り前側へ拡張して形成されており、補助筬のスレーへの取り付け位置を製織用筬のスレーへの取り付け位置よりも反織り前側へずらすことを特徴とする請求項1記載の分割筬。 【請求項6】 補助筬の筬羽は、製織用筬の筬羽と異なり、補助筬の緯糸案内通路の奥壁が製織用筬の緯糸案内通路の奥壁よりも反織り前側に拡張して形成されており、下側の筬羽固定部材に取り付ける際、補助筬の取り付け位置を製織用筬の取り付け位置よりも反織り前側へずらして固定することを特徴とする請求項1記載の分割筬。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、織機の分割筬の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】図1は、従来の一般的な分割筬1を示す。分割筬1は、分割状態の製織用筬2および補助筬3により構成されている。製織用筬2および補助筬3は、織布30の織り前31に対して平行で一線上に配置されている。そして、製織用筬2と補助筬3との間には隙間22が存在するため、メインノズル28により緯入れされた緯糸16は、その隙間22の部分を通過する際に、サブノズル29からの空気の噴射の影響や、分割筬1の前進運動の影響を受けて、補助筬3に入る前に反織り前側の方向、つまり織り前31よりも経糸17の送り出し側の方向にそれて、正規の緯入れ経路から離脱してしまうことがある。 【0003】そこで、特開平9−268454号公報は、上記問題を解決するために、つぎの技術を提案している。すなわち、その技術は、空気噴射式織機の分割筬において、それらの各筬羽に、緯糸案内用の通路を形成し、緯糸案内用の通路の1つの区間とそれに続く他の区間との境界間で、段階的に形状の異なる筬羽を用いることにより、緯入れ方向下流側の緯糸案内用の通路の入口部分を緯入れ方向上流側に向けて、漏斗状に拡大させている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術によると、段階的に形状の異なる筬羽を製作するので、分割筬の製作工程が煩雑になり、分割筬が非常に高価になること、また、段階的に形状の異なる筬羽を編成し、精度よく滑らかにテーパ状の緯糸通し通路を形成することが困難であり、滑らかに形成できないとき、緯入れに支障が起きること、などの課題が残る。 【0005】したがって、本発明の目的は、製織過程で、緯糸の打ち込みに用いられる製織用筬から、反給糸側で緯糸の存在しない領域に設けられる補助筬へ、緯糸が安定して通過可能な分割筬を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的のもとに、本発明は、製織用筬と補助筬とからなる分割筬において、補助筬の緯糸案内通路の奥壁を製織用筬の緯糸案内通路の奥壁よりも反織り前側つまり織り前より経糸の送り出し側に位置するように取り付けている。ここで、製織用筬の緯糸案内通路および補助筬の緯糸案内通路は、筬羽にほぼコの字形として形成され、上壁面、下壁面、奥壁からなる。 【0007】さらに具体的に記載すれば、本発明は、請求項1で、経糸の存在する領域に配置され、緯糸案内通路を有する製織用筬と、この製織用筬の反給糸側で、製織用筬から分離して、経糸の存在しない領域に配置され、製織用筬の緯糸案内通路に続く緯糸案内通路を有する補助筬とを有する分割筬において、上記補助筬に形成された緯糸案内通路の奥壁を前記製織用筬の緯糸案内通路の奥壁よりも反織り前側に位置させている。 【0008】請求項2の分割筬において、補助筬は、製織用筬と同一形状の筬羽を用いて編成され、補助筬のスレーへの取り付け位置を製織用筬のスレーへの取り付け位置よりも反織り前側へずらされている。 【0009】請求項3の分割筬において、補助筬は、製織用筬と同一形状の筬羽を用いて編成され、編成後、下側の筬羽固定部材に取り付ける際、補助筬の取り付け位置を製織用筬の取り付け位置よりも反織り前側へずらして固定されている。 【0010】請求項4の分割筬において、補助筬の筬羽は、製織用筬の筬羽と異なり、補助筬の緯糸案内通路の奥壁が製織用筬の緯糸案内通路の奥壁よりも反織り前側に拡張して形成されている。 【0011】請求項5の分割筬において、補助筬の筬羽は、製織用筬の筬羽と異なり、補助筬の緯糸案内通路の奥壁が製織用筬の緯糸案内通路の奥壁よりも反織り前側へ拡張して形成されており、補助筬のスレーへの取り付け位置を製織用筬のスレーへの取り付け位置よりも反織り前側へずらされている。 【0012】さらに、請求項6の分割筬において、補助筬の筬羽は、製織用筬の筬羽と異なっており、補助筬の緯糸案内通路の奥壁が製織用筬の緯糸案内通路の奥壁よりも反織り前側に拡張して形成されており、下側の筬羽固定部材に取り付ける際、補助筬の取り付け位置を製織用筬の取り付け位置よりも反織り前側へずらして固定されている。 【0013】 【発明の実施の形態】図2および図3は、本発明の分割筬1を示している。分割筬1は、製織用筬2と補助筬3とで構成されている。製織用筬2は、経糸17の存在する領域に配置され、緯糸案内通路4を有しており、また、補助筬3は、この製織用筬2の反給糸側で、製織用筬2から分離して、経糸17の存在しない領域に配置され、製織用筬2の緯糸案内通路4に続く緯糸案内通路5を有している。 【0014】製織用筬2および補助筬3は、ともに多数の筬羽6、7、上下の筬羽固定部材14、15からなる。それらの筬羽6、7は、織布30の織り前31と対向する位置で緯糸案内通路4、5を形成している。これらの緯糸案内通路4、5は、筬羽6、7にほぼコの字形として形成され、上壁8、9、下壁10、11および奥壁12、13からなる。 【0015】そして、補助筬3の緯糸案内通路5の奥壁13は、製織用筬2の緯糸案内通路4の奥壁12よりも反織り前側つまり織り前31よりも経糸17の送り出し側に位置するように取り付けられている。なお、製織用筬2と補助筬3とは、カッタ20およびタックイン装置21と干渉しないために、適当な空間により隙間22を形成している。 【0016】図2および図3において、緯糸16は、緯入れ用のメインノズル28によって経糸17の開口18の内部に緯入れされる。緯入れされた緯糸17は、複数のサブノズル29に付勢されながら、製織用筬2の緯糸案内通路4に沿って飛走し、やがて緯入れ方向下流側の補助筬3の緯糸案内通路5に達する。正常に緯入れされた緯糸16は、補助筬3と対応する位置で、一対の緯糸フィーラ19によって検出され、正常な緯入れと判断される。 【0017】正常に緯入れされた緯糸16は、分割筬1(製織用筬2および補助筬3)の筬打ち運動によって、織布30の織り前31に筬打ちされ、筬打ち後、製織用筬2と補助筬3との間でカッタ20によって切断される。切断後、緯糸16の織り端側の端部は、タックイン装置21のタックイン動作によって、経糸17の次の開口18の中に折り返され、織布30の織り端で耳組織を形成する。 【0018】前記のように、補助筬3の緯糸案内通路5の奥壁13は、製織用筬2の緯糸案内通路4の奥壁12よりも反織り前側すなわち織り前31より経糸17の送り出し側に位置する。このため、上記の緯入れ過程で、緯糸16は、製織用筬2と補助筬3との間の隙間22を通過するときに、製織用筬2の緯糸案内通路4から出て、サブノズル29からの噴射空気の影響や、分割筬1の前進の影響を受けて、反織り前側にそれても、補助筬3の緯糸案内通路5の内部に確実に進入する。 【0019】この例で、補助筬3は、同一の筬羽7のみで編成されている。したがって、従来の技術で述べた課題、つまり「精度よく滑らかにテーパ状の緯糸通し通路を形成することが困難」という問題は生じない。 【0020】つぎに、図4ないし図7は、本発明による分割筬1(製織用筬2および補助筬3)のスレー23に対する取り付け例を示す。まず、図4および図5の例において、補助筬3の筬羽7は、製織用筬2の筬羽6と同一形状のものとして構成されており、補助筬3のスレー23への取り付け位置は、製織用筬2のスレー23への取り付け位置よりも反織り前側、つまり織り前31より経糸17の送り出し側に位置へずらされている。 【0021】すなわち、製織用筬2は、下側の筬羽固定部材14によって、スレー23の取り付け溝24の内部に収められ、前側に介在物25を介在させない状態で、後ろ側で大きなくさび26およびボルト27によって固定される。これに対し、補助筬3の下側の筬羽固定部材15は、スレー23の取り付け溝24の内部に収められ、前側に介在物25を介在させながら、後ろ側で小さなくさび26およびボルト27によって固定されている。この結果、補助筬3の奥壁13は、介在物25の厚みに相当する分だけ、織り前31から後ろ側に離れる方向に位置していることになる。 【0022】つぎに、図6の例において、補助筬3の筬羽7は、製織用筬2の筬羽6と同一形状のものによって編成されている。製織用筬2および補助筬3の編成後、これらを下側の筬羽固定部材14、15に取り付ける際、各筬羽固定部材14、15の溝の形成位置を前後方向で異ならせることによって、補助筬3の奥壁13を製織用筬2の奥壁12よりも反織り前側へずらす。この例によると、下側の筬羽固定部材14、15は、製織用筬2と補助筬3とで異なっていることになる。しかし、製織用筬2および補助筬3の筬羽6、7は、同一であるから、それらの製作上の困難は、ない。 【0023】つぎに、図7の例において、製織用筬2および補助筬3は、スレー23に対して同じ前後位置に取付けられ、補助筬3の筬羽7は、製織用筬2の筬羽6と異なっており、補助筬3の奥壁13は、製織用筬2の奥壁12よりも反織り前側に拡張した状態として形成される。これにともない、筬羽7の後部は、強度保持の観点から必要に応じ、奥壁13の拡張に対応して、後方に張り出すように形成される。 【0024】なお、図7の例でも、図4および図5と同様に、筬羽固定部材15と取り付け溝24との間に、適当な厚みの介在物25を介在させてもよく、また、図6と同様に、補助筬3の部分で、筬羽7の収納位置を前後方向に変化させることによって、奥壁13の後退量を変化させることもできる。 【0025】なお、補助筬3をスレー23に取り付けるときに、図2に二点鎖線で示すように、緯入れ上流側から下流側に向けて、織り前31に対して傾斜した状態として取り付けることもできる。 【0026】 【発明の効果】本発明によれば、次の効果が得られる。補助筬の緯糸案内通路の奥壁は、製織用筬の緯糸案内通路の奥壁よりも反織り前側すなわち織り前より経糸の送り出し側に位置する。このため、緯入れ過程で、緯糸は、製織用筬と補助筬との間の隙間を通過する際に、製織用筬の緯糸案内通路から出て、サブノズルの噴射空気の影響や、分割筬の前進の影響を受けて、反織り前側にそれても、補助筬の緯糸案内通路の内部に確実に進入する。 【0027】そして、補助筬が同一の筬羽のみで編成されている実施の形態によれば、従来の技術で述べた課題、つまり補助筬に関し「精度よく滑らかにテーパ状の緯糸通し通路を形成することが困難」という問題は生じない。また、製織用筬および補助筬が同一の筬羽によりで編成されている実施の形態によれば、それらの筬羽が共通の加工工程より一貫して、能率よく、安価に製作できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000215109 【氏名又は名称】津田駒工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月30日(2000.5.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083770 【弁理士】 【氏名又は名称】中川 國男
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| 【公開番号】 |
特開2001−336045(P2001−336045A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月7日(2001.12.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−159779(P2000−159779) |
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