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【発明の名称】 円形織機
【発明者】 【氏名】鳥居 恒男

【氏名】西田 弘美

【要約】 【課題】円筒状の織物Wを製織するにあたって、円形織機によって直径D1,D2の変化する織物を製織する。

【解決手段】織物の製織過程でアウタゲージリング15の内径が変化し、これによって直径の変化する織物が製織される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多数のヘルドをアウタゲージリングのまわりに配列し、複数のシャトルを前記ヘルドとアウタゲージリング間に配置し、多数の縦糸を前記ヘルドの目に通し、前記アウタゲージリングの下側に導き、前記各ヘルドによって前記各経糸を開口するとともに、前記各シャトルを開口された経糸間に走行させ、前記シャトルから緯糸を引き出し、前記アウタゲージリング内において、前記経糸と緯糸によって円筒状の織物を製織し、これを前記アウタゲージリングの上方に導き、取り出すようにした円形織機において、前記織物の製織過程で前記アウタゲージリングの内径を変化させ、これによって直径の変化する織物を製織するようにしたことを特徴とする円形織機。
【請求項2】 複数のリンクによって前記アウタゲージリングを構成し、前記各リンクをリング状に配列し、連結するとともに、前記各リンクを前記アウタゲージリングの半径方向に変位させ、これによって前記アウタゲージリングを膨張または収縮させ、その内径を変化させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の円形織機。
【請求項3】 カムリングなどの駆動機構によって各リンクを変位させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の円形織機。
【請求項4】 前記アウタゲージリングをインナゲージリングと組み合わせ、前記インナゲージリングに上向きのテーパ面を形成し、前記アウタゲージリングを前記テーパ面に対向させ、前記各経糸を前記アウタゲージリングとインナゲージリング間に導き、前記アウタゲージリングの内径を変化させるとき、それに応じて前記インナゲージリングを上昇または下降させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の円形織機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、円筒状の織物を製織する円形織機に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】周知のように、円形織機は円筒状の織物を製織するためのもので、多数のヘルドを有し、ヘルドはアウタゲージリングのまわりに配列される。さらに、複数のシャトルがヘルドとアウタゲージリング間に配置され、多数の経糸がヘルドの目に通され、アウタゲージリングの下側に導かれ、各ヘルドによって各経糸が開口される。さらに、各シャトルが開口した経糸間を走行し、シャトルから緯糸が引き出され、アウタゲージリング内において、経糸と緯糸によって円筒状の織物が製織され、これがアウタゲージリングの上方に導かれ、取り出される。
【0003】ところで、最近、図5に示すように、円筒状の織物Wにおいて、直径D1,D2の変化するものを新たに提供することが要望されている。たとえば、土木用資材分野でそれが要望されており、直径D1,D2の変化する織物Wを小さい直径D2の位置Xで切断し、その織物Wにセメントや土を入れ、これを基礎工事現場で使用し、地中に埋めることが企図されている。なお、セメントや土を入れた織物を地中に埋めることについては、それ自体は一般になされているところのもので、その織物はジオグラフィカルテクスタイルと呼ばれているが、これまで、それは直径の一定の織物に限られていた。したがって、直径D1,D2の変化する織物Wによって基礎工事効果を高めることが企図されているものである。
【0004】
【発明の目的】したがって、この発明は、円筒状の織物を製織するにあたって、円形織機によって直径の変化する織物を製織することを目的としてなされたものである。
【0005】
【発明の構成】この発明によれば、多数のヘルドがアウタゲージリングのまわりに配列され、複数のシャトルがヘルドとアウタゲージリング間に配置され、多数の経糸がヘルドの目に通され、アウタゲージリングの下側に導かれ、各ヘルドによって各経糸が開口される。さらに、各シャトルが開口された経糸間を走行し、シャトルから緯糸が引き出され、アウタゲージリング内において、経糸と緯糸によって円筒状の織物が製織され、これがアウタゲージリングの上方に導かれ、取り出される。さらに、この発明によれば、織物の製織過程でアウタゲージリングの内径が変化し、これによって直径の変化する織物が製織される。
【0006】好ましい実施例では、複数のリンクによってアウタゲージリングが構成され、各リンクがリング状に配列され、連結される。さらに、各リンクがアウタゲージリングの半径方向に変位し、これによってアウタゲージリングが膨張または収縮し、その内径が変化する。
【0007】カムリングなどの駆動機構によって各リンクを変位させることが好ましい。
【0008】さらに、アウタゲージリングがインナゲージリングと組み合わされ、インナゲージリングに上向きのテーパ面が形成され、アウタゲージリングはインナゲージリングのテーパ面に対向する。そして、各経糸がアウタゲージリングとインナゲージリング間に導かれ、アウタゲージリングの内径が変化するとき、それに応じてインナゲージリングが上昇または下降する。
【0009】
【実施例の説明】以下、この発明の実施例を説明する。
【0010】図1において、これは円筒状の織物Wを製織する円形織機であり、多数のヘルド1を有し、ヘルド1はアウタゲージリング2のまわりに配列されている。さらに、複数のシャトル3がヘルド1とアウタゲージリング2間に配置され、多数の経糸4がヘルド1の目に通され、アウタゲージリング2の下側に導かれる。この実施例では、アウタゲージリング2がインナゲージリング5と組み合わされ、インナゲージリング5に上向きのテーパ面6が形成されており、アウタゲージリング2はインナゲージリング5のテーパ面6に対向する。そして、各経糸4がアウタゲージリング2とインナゲージリング5間に導かれる。
【0011】さらに、カムドラムなどの駆動機構によって各ヘルド1が駆動され、各ヘルド1によって各経糸4が開口される。その詳細は知られており、説明は省略する。さらに、シャトル3については、そのタイヤ7,8がレール9,10に係合し、タイヤ7,8およびレール9,10によってシャトル3が支持されており、各ヘルド1によって各経糸4が開口されるとき、それに追随し、駆動機構によって各シャトル3が押され、各シャトル3が開口された経糸4間を走行し、タイヤ7,8はレール9,10に沿って転動する。したがって、シャトル3から緯糸が引き出され、アウタゲージリング2内において、経糸4と緯糸によって円筒状の織物Wが製織される。さらに、この実施例では、各シャトル3において、図2に示すように、インサートローラ11がアーム12に支持され、圧縮ばね13によってアーム12が弾性付勢されており、インサートローラ11が緯糸および経糸4に押し付けられ、緯糸および経糸4がアウタゲージリング2とインナゲージリング5間に押し込まれる。これによっていわゆる筬打ちがなされ、円筒状の織物Wを的確に製織することができる。さらに、その織物Wがアウタゲージリング2の上方に導かれ、ピンチローラ14によってそれが送られ、取り出される。
【0012】したがって、織物Wの直径D1,D2については、アウタゲージリング2がそれに関係し、アウタゲージリング2の内径によって織物Wの直径D1,D2が決定され、直径D1,D2はアウタゲージリング2の内径に対応する。そして、この円形織機では、織物Wの製織過程でアウタゲージリング2の内径が変化し、これによって直径D1,D2の変化する織物Wが製織される。
【0013】これに関連し、この実施例では、図3に示すように、複数のリンク15によってアウタゲージリング2が構成され、各リンク15がリング状に配列され、連結されている。たとえば、合計8つのリンク15がリング状に配列され、リンク15の両端に長さ方向のスロット16が形成され、隣接リンク15間において、そのスロット16が互いに重ね合わされ、ピン17がそれに挿入され、スロット16およびピン17によって各リンク15が連結されている。さらに、各リンク15において、それぞれホルダ18が設けられ、リンク15はホルダ19に取り付けられ、保持されており、ホルダ18はテーブル19に取り付けられ、スライド可能に案内されている。そのスライド方向はアウタゲージリング2の半径方向であり、テーブル19はフレーム20に取り付けられ、固定されている。したがって、ホルダ18をテーブル19に沿ってスライドさせ、各リンク15をアウタゲージリング2の半径方向に変位させ、スロット16およびピン17によってそれを吸収することができ、これによってアウタゲージリング2を膨張または収縮させ、その内径を変化させることができる。
【0014】さらに、各リンク15の駆動機構としてカムリング21が使用され、テーブル19の下方において、カムリング21がアウタゲージリング2に同心に配置されており、その外側および内側において、フレーム20に複数のロッド22が設けられ、カムリング21はロッド22のベアリング23に取り付けられ、回転可能に支持されている。さらに、図4に示すように、カムリング21に複数のカムみぞ24が形成され、それに対応する位置のホルダ18において、それぞれフォロワ25が設けられており、カムみぞ24はカムリング21の回転方向にのび、その半径方向に傾斜し、フォロワ25はそのカムみぞ24に挿入されている。さらに、カムリング21の一定の角度範囲において、チェーン26がカムリング21の外周縁に沿って設けられ、その上面に固定され、スプロケット27がシャフト28に設けられ、チェーン26にかみ合わされ、シャフト28はフレーム20を貫通し、その上方にのび、モータ29に連結されている。したがって、モータ29によってシャフト28およびスプロケット27を回転させ、スプロケット27によってチェーン26およびカムリング21を回転させることができ、カムみぞ24をフォロワ25およびホルダ18に作用させ、ホルダ18をアウタゲージリング2の半径方向にスライドさせ、変位させることができる。
【0015】カムリング21のモータ29については、制御装置30がモータ29、センサ31およびカウンタ32に接続されている。センサ31はホルダ18の位置を検出するためのものである。カウンタ32は織物Wの送り長さを検出するためのもので、ピンチローラ14に接続されている。さらに、インナゲージリング5が複数のシリンダ33に支持され、制御装置30がそのシリンダ33に接続されており、後述するように、制御装置30によってシリンダ33を制御し、インナゲージリング5を上昇または下降させることができる。
【0016】この円形織機において、経糸4と緯糸によって円筒状の織物Wが製織され、ピンチローラ14によってそれが送られるとき、カウンタ32によってピンチローラ14の回転数がカウントされ、これによって織物Wの送り長さが検出される。そして、織物Wの送り長さが設定値に達すると、カウンタ32の検出信号にもとづき、制御装置30によってモータ29が駆動され、シャフト28およびスプロケット27が回転する。したがって、スプロケット27によってチェーン26およびカムリング21が回転し、カムみぞ24がフォロワ25およびホルダ18に作用し、ホルダ18がテーブル19に沿ってスライドし、各リンク15がアウタゲージリング2の半径方向に変位する。これによってアウタゲージリング2が膨張または収縮し、その内径が変化する。
【0017】たとえば、各リンク15がアウタゲージリング2の半径方向に変位し、これによってアウタゲージリング2が膨張し、その内径が増大する。したがって、アウタゲージリング2の内径によって織物Wの直径が変化し、小さい直径D2が大きい直径D1に増大する。さらに、ホルダ18が設定位置までスライドし、変位したとき、センサ31によってそれが検出され、その検出信号にもとづき、制御装置30によってモータ29が制御され、停止する。したがって、その後、大きい直径D1で円筒状の織物Wが製織される。
【0018】さらに、これと同時に、制御装置30によってシリンダ33が制御され、アウタゲージリング2の内径が増大するとき、それに応じてインナゲージリング5が上昇する。これによってテーパ面6の高さが調節され、アウタゲージリング2とテーパ面6の間隔が保たれる。さらに、インナゲージリング5が上昇するとき、テーパ面6および経糸4によってインサートローラ11が押され、後退し、アーム12が揺動し、圧縮ばね13によってそれが吸収される。したがって、アウタゲージリング2の内径が増大しても、それに関係なく、円筒状の織物Wを的確に製織することができる。
【0019】さらに、その後、カウンタ32によってピンチローラ14の回転数がカウントされ、織物Wの送り長さが検出され、その送り長さが設定値に達すると、カウンタ32の検出信号にもとづき、制御装置30によってモータ29が駆動され、シャフト28およびスプロケット27が逆方向に回転する。したがって、チェーン26およびカムリング21が逆方向に回転し、ホルダ18が逆方向にスライドし、各リンク15が逆方向に変位する。これによってアウタゲージリング2が収縮し、その内径が減少する。したがって、アウタゲージリング2の内径によって織物Wの直径が変化し、大きい直径D1が小さい直径D2に減少する。さらに、ホルダ18が設定位置までスライドし、変位したとき、センサ31によってそれが検出され、その検出信号にもとづき、制御装置30によってモータ29が制御され、停止する。したがって、その後、小さい直径D2で円筒状の織物Wが製織される。
【0020】これと同時に、制御装置30によってシリンダ33が制御され、アウタゲージリング2の内径が減少するとき、それに応じてインナゲージリング5が下降し、これによってテーパ面6の高さが調節され、アウタゲージリング2とテーパ面6の間隔が保たれる。さらに、インナゲージリング5が下降するとき、圧縮ばね13によってアーム12が押され、揺動し、インサートローラ11が前進する。したがって、アウタゲージリング2の内径が減少しても、それに関係なく、円筒状の織物Wを的確に製織することができる。
【0021】その後、この工程が順次交互に繰り返され、織物Wの製織過程でアウタゲージリング2の内径が変化し、増大または減少する。これによって直径D1,D2の変化する織物Wが製織されるものである。
【0022】なお、この実施例では、各リンク15をアウタゲージリング2の半径方向に変位させるにあたって、その駆動機構としてカムリング21を使用し、カムリング21によって各リンク15を変位させるようにしたものを説明したが、必ずしもその必要はない。たとえば、いくつかのシリンダをいくつかのリンク15に連結し、各シリンダによって各リンク15を変位させてもよい。他の駆動機構によって各リンク15を変位させることも考えられる。
【0023】さらに、この場合、織物Wの直径D1,D2によってその経糸密度が変化し、大きい直径D1の部分の経糸密度は低く、小さい直径D2の部分の経糸密度は高いことは当然である。したがって、織物Wの直径D1,D2によってその緯糸密度を変化させ、経糸密度と反対に、大きい直径D1の部分の緯糸密度が高く、小さい直径D2の部分の緯糸密度が低くなるようにすることが好ましい。これを達成するには、たとえば、実公昭61−18054号公報に記載されているように、制御装置によってピンチローラ14を制御し、その回転速度を変化させ、異なる送り速度で織物Wを送る。そして、大きい直径D1で円筒状の織物Wが製織されるとき、低い送り速度でそれを送り、小さい直径D2で円筒状の織物Wが製織されるとき、高い送り速度でそれを送ればよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、円筒状の織物Wを製織するにあたって、円形織機によって直径D1,D2の変化する織物Wを製織することができ、所期の目的を達成することができるものである。
【出願人】 【識別番号】391035407
【氏名又は名称】株式会社鳥居鉄工所
【出願日】 平成12年1月18日(2000.1.18)
【代理人】 【識別番号】100068032
【弁理士】
【氏名又は名称】武石 靖彦 (外2名)
【公開番号】 特開2001−200449(P2001−200449A)
【公開日】 平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願番号】 特願2000−8638(P2000−8638)