| 【発明の名称】 |
ゴム補強用繊維 |
| 【発明者】 |
【氏名】奥山 幸成
【氏名】一柳 隆治
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| 【要約】 |
【課題】ゴム接着性及び耐久性に優れたゴム補強用繊維を得ること。
【解決手段】糸の長さを100とした場合の芯糸の糸足長さが101〜106で、鞘糸の糸足長さが125以上である強度が13cN/dtex以上の芯糸がポリベンザゾール繊維からなる芯鞘複合嵩高加工糸からなるゴム補強用繊維。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】糸の長さを100とした場合の芯糸の糸足長さが101〜106で、鞘糸の糸足長さが125以上である強度が13cN/dtex以上の芯鞘複合嵩高加工糸からなることを特徴とするゴム補強用繊維。 【請求項2】芯及び鞘糸がフィラメントであることを特徴とする請求項1記載のゴム補強用繊維。 【請求項3】芯糸がポリベンザゾール繊維からなることを特徴とする請求項1または2記載のゴム補強用繊維。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ、ホースおよびベルトの心線や歯布等のゴム補強材として用いられる、ゴムとの接着性が良好で高強度を有するゴム補強用繊維に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、タイヤ、ホースおよびベルト等のゴム補強材として使用される繊維に関してはナイロン繊維、ポリエステル繊維、ガラス繊維およびスチール繊維が中心であったが、近年高強度、高弾性率を有する、ケブラーに代表される芳香族ポリアミド繊維が、各種ゴム補強材として用いられている。 【0003】近年この芳香族ポリアミド繊維と比較してもはるかに高い強度・弾性率を有し、しかも耐熱性及び寸法安定性にも優れるポリベンザゾール繊維は、ゴム補強材として注目されている。そしてゴム資材分野で従来の有機繊維では性能的に不十分であったより高強度、高負荷耐久性が要求される用途での補強用繊維として使用が検討されている。 【0004】しかしながら、ポリベンザゾール繊維は上記の優れた特性を有するのに対し、ゴムマトリックスとの接着性が他の有機繊維と比較して劣るという欠点を有している。そこでゴムマトリックスとの接着性を改善するための方法として、特開平7−026029号公報、特開平7−102473号公報、特開平6−344708号公報、特開平6−280169号公報、特開平6−280167号公報及び特開平6−287866号公報、等に開示されているが、それらの方法では未だ十分な接着性は得られていないのが現状である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果、達成されたものである。即ち、マトリックスゴムとの接着性が劣るという問題点を解消し、高強度とゴムとの接着性を兼ね備えたゴム補強用繊維を提供せんとするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】即ち本発明は、糸の長さを100とした場合の芯糸の糸足長さが101〜106で、鞘糸の糸足長さが125以上である強度が13cN/dtex以上の芯鞘複合嵩高加工糸からなることを特徴とするゴム補強用繊維である。 【0007】そして具体的には芯及び鞘糸がフィラメントであることを特徴とする上記記載のゴム補強用繊維及び芯糸がポリベンザゾール繊維からなることを特徴とする上記記載のゴム補強用繊維である。 【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明における、ポリベンザゾール繊維(PBZ)とは、ポリベンズオキサゾール(PBO)ホモポリマー、ポリベンゾチアゾール(PBT)ホモポリマー及びそれらPBO、PBTのランダム、シーケンシャルあるいはブロック共重合ポリマー等をいう。 【0009】芯鞘複合嵩高加工糸とは、いわゆるインターレース、タスラン(登録商標)加工、その他複合加工による嵩高加工糸をいう。 【0010】本発明に用いる鞘部繊維は、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、アラミド繊維などが挙げられる。なかでも、ポリアミド繊維が好ましい。一方、本発明に用いる芯部繊維も上記した鞘糸繊維と同様の糸を使用することができるが、コードの耐久性、耐熱性等を考慮するとポリベンザゾール繊維を採用することが望ましい。 【0011】該嵩高加工糸の長さを100とした場合の芯糸の糸足長さが101〜106であることを要する。101未満では鞘糸との交絡が不十分でありループ毛羽が出来ず、ひいては十分な接着力が得られない。また106を超えると繊維の直線性の乱れが大きい為に強度低下が起こり、所定の強力が得られない。好ましくは102〜104である。 【0012】同時に該嵩高加工糸の長さを100とした場合の鞘糸の糸足長さが125以上であることを要する。125未満では供給量不足でループ毛羽が不十分であり、十分な接着力が得られないからである。好ましくは125〜175である。 【0013】次に、上記の嵩高加工糸を製造する方法を説明する。鞘糸のオーバーフィード率を芯糸のオーバーフィード率よりも大きくし、長さ方向の位相をずらすことで部分的に繊維長差を形成し、集束して嵩高加工糸を形成することが出来る。芯糸と鞘糸を高速空気流と共に噴射管より噴射し、噴射方向に対して垂直方向に、かつ噴射速度よりも遅く引き出す。更に芯糸と鞘糸のオーバーフィード率に差(20〜70%が好適)を持たせることにより、噴射された芯糸に鞘糸が順次突き刺さるようにして絡まり、嵩高加工糸が形成される。オーバーフィード率は、巻出し速度と巻取り速度の差で規定されるが、芯糸のオーバーフィード率は1〜6%、鞘糸のオーバーフィード率は25〜75%程度のものが採用される。 【0014】上記の芯鞘複合嵩高加工糸は、1本又は複数本引き揃え、リング撚糸機等により片撚りもしくは諸撚りを付与するとことがループ毛羽の固定および耐疲労性を改善する観点から望ましい。その際の下撚の撚係数(TM)は0.5〜4.5が好ましい。 【0015】上記芯鞘複合嵩高加工糸の強度は13cN/dtex以上、好ましくは 17cN/dtex以上であることを要する。13cN/dtex未満であると本発明の所期の目的たる高度の耐久性を有するゴム補強材となすことが出来ないからである。 【0016】このようにして得られた撚糸コードはゴムとの接着性を向上させるため、いわゆるディップが施される。処理液としては、(A)エポキシ樹脂の水分散液、(B)ブロックドイソシアネートの水分散液、(C)ゴムラテックスの水分散液、(D)レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂−ゴムラテックス混合液、の組み合わせもしくは単独で、一段または二段以上の多段処理により施される場合が一般的であるが、その他の処方であってももちろん良い。特にこの処方においてはコード中でのマイグレーションの均一性が耐疲労性および強度・弾性率の利用率を高めるために特に重要である。 【0017】かくして得られるゴム補強用繊維は、ポリベンザゾール繊維本来の高強力を保持しつつ、フィラメント交絡糸の保有するループ毛羽の効果によりポリベンザゾール単独コードと比較してゴムマトリックスと高い接着力が得られる。以上から、高強度を有するポリベンザゾール繊維を芯部に用いることにより、従来にない高強度と接着性とを兼ね備えたゴム補強用繊維を得ることが可能となった。 【0018】 【実施例】(実施例1〜4、比較例1〜6)次に実施例を用いて本発明について説明する。もちろん本発明は実施例に限定されるものではない。 <ポリベンゾビスオキサゾール繊維の製造>固有粘度25(メタンスルホン酸溶液、25℃)のポリベンゾビスオキサゾールポリマーを、ポリリン酸中に、14wt%の濃度で含有する紡糸ドープを、直径0.3mmの紡糸孔を有し、160℃に加熱された紡糸金口から空気中に紡出し、凝固浴槽を通過せしめた後、ポリリン酸の抽出工程、乾燥工程、熱処理工程を経た後巻き取った。この工程中、実質的に延伸は行っていない。 【0019】得られたマルチフィラメントは、引張強度5.8GPa(37cN/dtex)、破断伸度3.5%の高い機械的特性を有していた。 【0020】得られたポリベンザゾール繊維555dtexを芯糸とし、ナイロン222dtexを鞘糸として、芯糸オーバーフィード(OF)率および鞘糸オーバーフィード(OF)率を振って種々の芯鞘嵩高加工糸を作製した。物性値を表1に示した。 【0021】得られた嵩高加工糸に300T/mの下撚りを掛け、これを2本引き揃えて上撚りを300T/m掛けて生コードとした。また比較として、ポリベンザゾール繊維555dtexに300T/mの下撚りを掛け、これを2本引き揃えて上撚りを300T/m掛けて生コードとした(比較例6)。該生コードに二段のディップ処理を施してディップコードを作製した。一段目のディップ処理液は(1)エポキシ樹脂の水分散液であり、処理温度は200℃、二段目のディップ処理液はRFL液であり、処理温度は200℃であった。 (糸の長さ)得られた嵩高加工糸に0.09(dtex)相当の荷重を掛けた状態で、5cmおよび20cm長さにカットする。5cmにカットした嵩高加工糸から鞘糸を抜き出し、0.09(dtex)相当の荷重を掛けた状態でその長さをn=50測定し、平均値を鞘糸糸足長さとした。また20cmにカットした嵩高加工糸から芯糸を抜き出し、0.09(dtex)相当の荷重を掛けた状態でその長さをn=50測定し、平均値を芯糸糸足長さとした。 (初期接着)JIS-L1017のTテスト(A法)を改良したHテストで評価した。処理コードをゴム中に1cmの長さで埋め込み、140℃×40分で加硫した後、室温雰囲気下でゴムからコードを300mm/分で引き抜くのに要した力をNで表したもの。 【0022】実施例1〜4、比較例1〜6の接着特性を表1に示す。本発明の実施例1〜4は、比較例1〜6と比較して、ゴム接着力が著しく改善され、かつ高い強度を保持していることは明らかである。従来技術では到達できなかったポリベンザゾール繊維の高い強度を保持しつつ、ゴムとの良好な接着性を実現した。 【0023】 【表1】
【0024】 【発明の効果】本発明によるとゴム接着性及び耐久性に優れたゴム補強用繊維を得ることを可能とした。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003160 【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月29日(2000.5.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−336038(P2001−336038A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月7日(2001.12.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−158844(P2000−158844) |
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