| 【発明の名称】 |
加工糸の製造方法および製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 英春
【氏名】内野 義隆
【氏名】田中 清志
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| 【要約】 |
【課題】高品質な加工糸を安価かつ収率良く製造することのできる加工糸の製造方法および製造装置を提供する【解決手段】走行する糸条に熱加工を施すとともにその糸条の走行状態を検出し、かつ、その糸条の熱加工状態の経時変化を検出し、これらの検出結果に基づいて加工糸の良否を判定する。
【解決手段】走行する糸条に熱加工を施すとともにその糸条の走行状態を検出し、かつ、その糸条の熱加工状態の経時変化を検出し、これらの検出結果に基づいて加工糸の良否を判定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行する糸条に熱加工を施すとともにその糸条の走行状態を検出し、かつ、その糸条の熱加工状態の経時変化を検出し、これらの検出結果に基づいて加工糸の良否を判定することを特徴とする加工糸の製造方法。 【請求項2】糸条の熱加工状態の経時変化を間欠的に検出する、請求項1に記載の加工糸の製造方法。 【請求項3】糸条の走行状態を糸条の張力状態から検出する、請求項1または2に記載の加工糸の製造方法。 【請求項4】糸条は溶融ポリマーを紡糸したものであって、糸条の熱加工状態をポリマーの配向状態から検出する、請求項1〜3のいずれかに記載の加工糸の製造方法。 【請求項5】ポリマーの配向状態を染め差から検出する、請求項4に記載の加工糸の製造方法。 【請求項6】糸条は溶融ポリマーを紡糸したものであって、糸条の走行状態を糸条の張力状態から検出し、糸条の熱加工状態を糸条の染め差から検出し、それら検出値と予め設定された許容値とを比較して加工糸の良否を判定する、請求項1または2に記載の加工糸の製造方法。 【請求項7】糸条を走行させる走行手段と、走行する糸条に熱加工を施す熱加工手段と、糸条の走行状態を検出する走行状態検出手段と、糸条の熱加工状態の経時変化を検出する熱加工状態検出手段と、これら走行状態検出手段および熱加工状態検出手段から得られる検出結果に基づいて加工糸の良否を判定する判定手段とを備えていることを特徴とする加工糸の製造装置。 【請求項8】走行状態検出手段は、連続的または間欠的に糸条の走行状態を検出できるものである、請求項7に記載の加工糸の製造装置。 【請求項9】走行状態検出手段が張力計を備えている、請求項7または8に記載の加工糸の製造装置。 【請求項10】熱加工状態検出手段が染め差測定手段を備えている、請求項7〜9のいずれかに記載の加工糸の製造装置。 【請求項11】染め差測定手段が、温度制御手段および弛み防止手段を含む染色手段と、水分除去手段および撚り逃げ防止手段を含む測定手段とを備えている、請求項10に記載の加工糸の製造装置。 【請求項12】走行状態検出手段が張力計を備え、熱加工状態検出手段が染め差測定手段を備え、判定手段が、検出された糸条の張力状態および染め差と予め設定された許容値とを比較する比較手段を備えている、請求項7または8に記載の加工糸の製造装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルやナイロンなどの糸条の加工工程において工程中の設備不良を検知して加工工程にフィードバックすることによって高品質の加工糸を収率良く生産する加工糸の製造方法およびその製造装置に関する。 【0002】 【従来の技術】たとえば、ポリエステルやナイロンなどの糸条に仮撚加工を施す場合、図4に示すように、糸Yが、クリールスタンド2に支持された給糸パッケージ3から第1フィードローラ4によって引き出され、1次ヒータ5、バルーン制御板6を順に経て、ニップツイスタ(仮撚装置)7に到達し、このニップツイスタ7によって仮撚加工が施される。仮撚加工が施された糸Yは、張力計15、第2フィードローラ8、2次ヒータ9、第3フィードローラ10を順に経て、巻き取り装置11に到達し、パッケージ12に巻き取られる。 【0003】ニップツイスタ7は、たとえば図5に示すように、交差した一対の無端状のベルト13、14を備え、これらが互いに交差して糸Yを押し挟むように構成されており、両ベルトをそれぞれ回転走行させることにより、糸Yの送りと加撚とが行なわれる。ニップツイスタ7による撚りは第1フィードローラ4まで伝播し、1次ヒータ5で熱固定される。すなわち、ニップツイスタ7より上流側が加撚側であり、下流側が解撚側となっている。 【0004】ここで、たとえばベルト13、14として新品のものを用いて一定のニップ圧で長期間運転すると、解撚張力T2の経時変化は図6に示すようになる。この解撚張力T2の変化は後工程で行われる染色の濃度の変化も示しており、解撚張力T2が低いと染色は淡くなり、解撚張力T2が高いと染色は濃くなる。ベルト13、14が新品の時点t0で解撚張力T2がM(染色濃度の標準)のレベルとすると、数日後t1の時点で解撚張力T2が一旦L(染色が淡くなる)のレベルにさがる。しかしその後、解撚張力T2は徐々にMのレベルに回復し、さらにT2の時点でD(染色が濃くなる)のレベルに至り、それ以降はDのレベルで安定する。そして、Dのレベルでの数か月の安定期間が過ぎると、t3で急に解撚張力T2が強まり最終的にはニップ圧を変えても解撚張力T2を調整できなくなる。これはベルトの寿命である。そして、ベルトを新たに交換するとまた最初は品質の変動が起きる。 【0005】このように、ベルト13、14がなじんで解撚張力T2が安定するまでには、ベルト材質によっては約2か月もの時間がかかり、製造される加工糸の品質や性状が安定しないといった問題がある。 【0006】そこで、製造される加工糸の品質や性状を安定化するために、図4に示すように、ベルト式のニップツイスタ7の下流に糸Yの解撚張力T2を検出する張力計15を設け、解撚張力T2を常時検出し、その検出結果と予め設定した解撚張力T2の目標値とを比較して、検出値が目標値と異なる場合は、その差に基づいてベルト13,14のニップ圧を調節することも行われている。 【0007】しかしながら、たとえば、1次ヒータ5は、使用時間が長くなるにつれ油剤などが焼き付いて表面の汚れが多くなるが、付着した表面の汚れ物質は一般的に熱伝導が悪いので、走行糸への加熱効果が減少し、糸の配向度が低下する。この結果、同じ条件で加工糸を製造していても、運転時間とともに品質が変動し、図7に示すように後工程における染色の濃度が濃くなってしまう。このように、上述の方法では、解撚張力T2のみに基づく制御を行うだけであるので、1次ヒータ5の表面の汚れによる走行糸への加熱効果の経時変化等、糸の品質や性状に影響を及ぼす他の要因は考慮することができず、また、加工糸の良否判定を行うのではないので、発生した不良糸のパッケージを除去することができない。 【0008】一方、解撚張力T2の制御を行わず、後工程で行われる工程と同じ染色によって加工糸の良否を判定して不良糸を除去するということが行われている。たとえば、加工糸で筒状等の編物を形成し、その編物を一括染色した後、洗浄、乾燥し、判定者が加工糸の染め斑によって良否を目視判定し、その結果に応じて不良糸を除去したり、また、特開平11−316196号公報には、糸条を染色し、その染色した糸条に仮撚を与えるとともに可視光および赤外光糸を含む光を照射し、糸条を透過した透過拡散光に含まれる可視光成分と赤外光成分の比率演算結果から染着度を測定し、その染着度から加工糸の良否を判定するという、自動的に加工糸の良否判定を行い不良糸を除去することも開示されている。 【0009】しかしながら、この様な方法では、製造された加工糸の品質を保証するために製造された加工糸全てについて染色して判定する必要があるので時間がかかり、さらに欠陥糸が発見されてからしか加工条件を修正することができないので収益が悪い。そして、判定者に依る目視判定の場合には、設備費は抑えられるものの人件費がかかり、また、検査時間が長く、結果が出るまで製品を出荷することができず、さらに、製造工程へのフィードバックが遅れるといった問題があり、一方、特開平11−316196号公報に開示されているような装置を用いて自動判定を行う場合には、装置が複雑で設備費が嵩むといった問題がある。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、高品質な加工糸を安価かつ収率良く製造することのできる加工糸の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するための本発明は、走行する糸条に熱加工を施すとともにその糸条の走行状態を検出し、かつ、その糸条の熱加工状態の経時変化を検出し、これらの検出結果に基づいて加工糸の良否を判定する加工糸の製造方法を特徴とする。 【0012】このとき、糸条の熱加工状態の経時変化を間欠的に検出すること、糸条の走行状態を糸条の張力状態から検出すること、糸条は溶融ポリマーを紡糸したものであって、糸条の熱加工状態をポリマーの配向状態から検出すること、そして、ポリマーの配向状態を染め差から検出することが好ましい。また、糸条は溶融ポリマーを紡糸したものであって、糸条の走行状態を糸条の張力状態から検出し、糸条の熱加工状態を糸条の染め差から検出し、それら検出値と予め設定された許容値とを比較して加工糸の良否を判定することも好ましい。 【0013】また、本発明は、糸条を走行させる走行手段と、走行する糸条に熱加工を施す熱加工手段と、糸条の走行状態を検出する走行状態検出手段と、糸条の熱加工状態の経時変化を検出する熱加工状態検出手段と、これら走行状態検出手段および熱加工状態検出手段から得られる検出結果に基づいて加工糸の良否を判定する判定手段とを備えている加工糸の製造装置を特徴とする。 【0014】ここで、走行状態検出手段は、連続的または間欠的に糸条の走行状態を検出できるものであること、走行状態検出手段が張力計を備えていること、熱加工状態検出手段が染め差測定手段を備えていること、そして、染め差測定手段が、温度制御手段および弛み防止手段を含む染色手段と、水分除去手段および撚り逃げ防止手段を含む測定手段とを備えていることが好ましい。また、走行状態検出手段が張力計を備え、熱加工状態検出手段が染め差測定手段を備え、判定手段が、検出された糸条の張力状態および染め差と予め設定された許容値とを比較する比較手段を備えている態様も好ましい。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明の加工糸の製造方法は、たとえば図1、2に示すような装置において実施され、走行する糸条に熱加工を施すとともにその糸条の走行状態を検出し、かつ、その糸条の熱加工状態の経時変化を検出し、これらの検出結果に基づいて加工糸の良否を判定することを特徴とする。図1は、1つの加工糸の製造装置における糸のパスラインおよびフィードバック経路を示す模式図、図2は染め差測定手段の構成を示す模式図である。 【0016】本発明の装置は、図1に示す様に、仮撚加工手段、サンプリング手段、染め差測定手段から構成されている。 【0017】仮撚加工手段100においては、第1フィードローラ4、1次ヒータ5、バルーン制御板6、ニップツイスタ(仮撚装置)7、張力計15、第2フィードローラ8、巻き取り装置11がこの順序で配置されている。溶融ポリマーを口金から紡出して形成された糸Yは、給糸パッケージ3から第1フィードローラ4によって引き出され、1次ヒータ5、バルーン制御板6を順に経て、ニップツイスタ(仮撚装置)7に到達し、このニップツイスタ7によって仮撚加工が施される。仮撚加工が施された糸Yは、張力計15、第2フィードローラ8を順に経て、巻き取り装置11に到達し、パッケージ12に巻き取られる。 【0018】ここで、仮撚装置にはニップツイスタの他に図8に示すようなフリクションツイスタを用いても良い。図8に示すフリクションツイスタは、同一回転速度で回転駆動する多数の円盤16と、その円盤16に回転運動を与える駆動軸17〜19とから構成されており、駆動軸17〜19は、それらの軸心が三角形を形成するように、また、異なる駆動軸に設けられた隣り合う円盤16同士が一部重なるようになっている。このような構成によって、走行している糸Yは、円盤16が駆動軸17〜19によって回転すると、異なる駆動軸に設けられた隣り合う円盤16同士が重なる部分の中心部をジグザグ状に通過することになり、仮撚りされる。 【0019】そして、ベルト同士のニップ圧や回転速度は、下流側(解撚側)の糸Yの解撚張力T2に影響を与え、また、同じニップ圧や回転速度であっても、ベルト表面の摩擦状態の経時変化により解撚張力T2が変化し、変動する解撚張力T2によって巻き取られた糸の品質や性状が影響される。そこで、本発明においては、ニップツイスタ7などの仮撚装置の下流側に張力計15などの走行状態の検出手段を設けている。 【0020】この張力計15は、糸の走行状態をより精度良く加工工程へフィードバックするために、ニップツイスタ7の下流側すぐの位置に設けることが好ましい。また、解舒張力T2を一定値に制御するためにT2コントローラを設けることが好ましい。また、張力計15を、1つの仮撚手段において同時並行に走行している糸条それぞれに対して設けてもよいが、糸の走行状態が比較的安定するようであれば、たとえば10錘ずつをブロック化し、そのブロックに対して1つの張力計を設け、自動切換えロボットでそのブロック内で順次測定する錘を切り替える、いわゆる時分割方式で張力測定すると、設備費を削減できるので好ましい。なお、1つの張力計で測定する錘の数(1ブロックにする錘の数)は、糸条の張力変動の周期と測定錘の切換速度とから適宜決定すればよい。 【0021】また、本発明においては、糸の熱加工状態の経時変化を検出するために、仮撚加工手段の後段にサンプリング手段200や染め差測定手段300が設けられている。サンプリング手段200には、仮撚加工手段100にて形成されたパッケージ12を複数個並列に配置するクリール車22と、それらパッケージ12から糸を解舒してミニチーズ24を形成するミニチーズ形成手段23とを設けている。 【0022】また、サンプリング手段200の後段に設けた染め差測定手段300は、図2に示すように、ミニチーズ24から糸を解舒する給糸部301と、解舒した糸を連続的に染色槽26に導いて染色する染色部302と、染色した糸の染め差を測定する測定部303などから構成されており、染色することによってポリマーの配向度を顕在化させることができるものである。 【0023】染色槽26、洗浄槽27は、わずかな温度変化が染め差に大きく影響するので、染色液や洗浄水の温度を一定にするよう高精度に制御することが望ましい。また、染色槽26内で走行糸に弛みを生じると糸切れの原因になり易く染め差にも影響するので、染色槽26と洗浄槽27との間に積極駆動するローラーガイド30を設けたり、また、洗浄槽27中に設けたネルソンローラ29の直径を染色槽26のそれよりも1〜5%程度大きくするなど弛み防止機構を設けることが好ましい。 【0024】そして、測定部303においては、染色した糸条に仮撚を与えるとともに可視光および赤外光糸を含む光を照射し、糸条を透過した透過拡散光に含まれる可視光成分と赤外光成分とを受光する光学部34と、得られた可視光成分と赤外光成分の比率演算結果から染着度を算出し、その染着度から加工糸の良否を判定するデータ処理部35とを備えている。そして、走行糸の含有水分量が測定値に影響を及ぼすので、エアー吹き付け手段を備えた水切ノズル32などの水分除去機構を設けて水分量を一定値に制御することが好ましい。また、走行糸の形状を安定化させ染め差測定の再現性を高めるため、測定部の上流側に、3点式の撚り止めガイド33などを設け、撚り逃げ防止機構を設置することが望ましい。 【0025】そして、加工糸の良否を判定するために、図1に示すように、走行状態の検出手段と染め差測定手段の検出結果から糸の良否を判定するT2コントローラや染め差測定手段等に設けられた判定手段を有している。T2コントローラは、検出された解撚張力T2と予め設定された値とを比較して、必要な場合にはT2コントローラの信号を基に直ちにニップ圧を調節する。そして、同時並行に走行している糸条におけるニップツイスタ7の特性にバラツキがある場合には、各糸条における解舒張力T2のバラツキが大きくなるので、個々のニップ圧を迅速にフィードバックするために、それら糸条それぞれを制御するとできるので好ましい。一方、ニップツイスタ7の特性が揃っているようであれば、設備を抑えるために同時並行に走行している糸条をまとめて制御することが好ましい。 【0026】また、染め差測定手段による糸の良否判定は、同一ロットにより染色された標準サンプル糸との染め差を比較して行い、この判定結果から、異常のある工程を特定して必要な処置を行う。判定結果を加工工程にフィードバックしたことによる染め差変動の改善を図3に示す。 【0027】本発明においては、走行する糸の走行状態と熱加工状態の経時変化両方の検出結果を用いて加工糸の良否を判定するので、加工糸の品質に大きく影響する解撚張力T2などを迅速に制御できるとともに、染め差測定器などによる熱加工状態の経時変化の判定結果の特徴から異常工程を発見・修正できるので、高品質な加工糸を収率良く生産できる。そして、熱加工状態の経時変化を検出するために必要なミニチーズ作成は、熱加工状態の経時変化が許容する限り、具体的には、ヒーター表面の汚やベルトの摩耗による影響を検出できる程度に少なく間欠的にすると、染め差測定など熱加工状態の経時変化を測定する糸の量を抑えることができるとともに染め差測定手段の台数を低減できるので好ましい。さらに、熱加工条件の経時変化はゆっくりなので、間欠的に熱加工状態の経時変化を検出すれば、染め差測定器の設備台数を低減することができ、設備費を低減することができる。 【0028】次に本発明の加工糸の製造方法について説明する。 【0029】本発明の方法は、たとえば図1に示す加工糸の製造装置を用いて実施される。溶融ポリマーが口金から紡出されて形成された糸Yは、給糸パッケージ3から第1フィードローラ4によって引き出され、1次ヒータ5、バルーン制御板6を順に経て、ニップツイスタ(仮撚装置)7に到達し、このニップツイスタ7によって仮撚加工が施される。仮撚加工が施された糸Yは、張力計15、第2フィードローラ8を順に経て、巻き取り装置11に到達し、パッケージ12に規定重量巻き取られる。このとき、張力計15によって解舒張力T2を検知するとともに、T2コントローラによりその解舒張力T2を一定値に制御する。 【0030】続いて、仮撚加工手段によって形成された複数個のパッケージ12をサンプリング手段のクリール車22に並列に積載し、これらパッケージ12から糸条をたとえば10mずつ引き出して、それら引き出した糸条を次々に接続しながらミニチーズ形成手段23で1本のミニチーズに巻き取る。形成されたミニチーズ24の両端糸には比較判定の基準となる標準糸を10〜100m程度接続する。なお、標準糸は必要に応じて、ミニチーズの中間部に配置しても良い。 【0031】このようにして複数個のミニチーズ24を形成し、染め差測定手段300のサンプル台25に設置するとともに、これら複数個のミニチーズ24を連続的に測定するために、各々のミニチーズ24の端糸を予め接続する。 【0032】次いで、ミニチーズ24から糸を解舒し、染色槽26にたとえば60m/分の糸速で連続的に導入して染色する。染色槽26で染色された糸を、染色槽26と洗浄槽27の間に設けたローラーガイド30を駆動して走行糸に弛みが発生しないようしながら洗浄槽27に導入する。この際には、洗浄ノズル31で糸に水を噴霧し余分な染色液を除去する。なお、染色槽26は、たとえば、青色の分散染料が飽和状態で溶解されたものに分散剤を添加し、また、染色液のわずかな温度変化が染め差に大きく影響するので、この温度をたとえば目標値93℃に対して±0.1℃以内になるように一定に制御することが好ましい。また、洗浄液の温度はたとえば約85℃に設定する。 【0033】続いて洗浄した糸を水切ノズル32で水切りしながら光学部34に導入し、同一ロットにより染色された標準サンプル糸との染め差を比較し、データ処理部35で染め差が管理限界値に収まっているかどうかを自動的に判定する。この際、糸の水分量が一定になるよう水切ノズル32のエアー吹き付け位置を調整することが好ましい。この結果、染め差が標準サンプル糸に対してある一定の範囲内、たとえば±0.8%、品種によっては±0.5〜1.5%の範囲であれば、その糸条のパッケージを良品をとして出荷する。一方、染め差が管理限界値を超えた場合は、ブザーを鳴らしてオペレータに警告するとともに、測定値を記録に残し、直ちに測定サンプルのIDコードから工程の不良個所を特定し、さらに、その糸条のパッケージを不良品として出荷ラインから取り除く。 【0034】 【発明の効果】本発明は、走行する糸条の走行状態を検出すると共にその糸条の熱加工状態の経時変化を検出し、これらの検出結果に基づいて加工糸の良否を判定する加工糸の製造方法を特徴とするものである。また、本発明は、糸条を走行させる走行手段と、糸条の走行状態を検出する走行状態検出手段と、糸条の熱加工状態の経時変化を検出する熱加工状態検出手段と、これら走行状態検出手段および熱加工状態検出手段から得られる検出結果に基づいて加工糸の良否を判定する判定手段とを備えている加工糸の製造装置を特徴とするものである。このようにすることで、不良糸の発生を常時未然に防ぐことができるので高品質の加工糸のパッケージを製造でき、また、発生してしまった不良糸によるパッケージについては、それを的確に抽出し、なおかつ、不良糸発生の原因となっている加工条件の経時変化による異常工程を特定、修正することが可能となる。 【0035】ここで、熱加工条件は急速に変化するものではないので、熱加工条件の経時変化を間欠的に検出すると設備備費を低減でき、結果、安価に加工糸を製造できるので好ましい。また、走行糸の張力状態から走行状態を検出したり、ポリマーの配向状態から熱加工状態を検出する場合には、ニップツイスタおけるニップ圧や回転速度の影響や、さらには、ニップツイスタのベルト表面の摩擦状態の経時変化による影響を把握することができ、それに併せて張力を制御したり、異常工程の検出・調整をできるので好ましい。特に、糸を染色するとポリマーの配向度に応じて染色の濃淡が現れるので容易に糸の熱加工状態を検出できる。さらに、染色液の温度を制御したり、走行糸条の弛みや撚り逃げを防止したり、また、測定部において水分を除去させることにより、糸の配向度をより正確に検知することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003159 【氏名又は名称】東レ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月10日(2000.3.10) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−254238(P2001−254238A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月21日(2001.9.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−66152(P2000−66152) |
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