| 【発明の名称】 |
ポリエステル混繊糸 |
| 【発明者】 |
【氏名】中塚 均
【氏名】田中 和彦
【氏名】河本 正夫
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| 【要約】 |
【課題】を提供する。
【解決手段】平均粒径0.01μm〜1μmの無機微粒子を0.1質量%〜10質量%の割合で含有する少なくとも2種のポリエステルフィラメント群(A)及び(B)とからなり、かつ下記(1)〜(4)式を満足するポリエステル混繊糸。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平均粒径0.01μm〜1μmの無機微粒子を0.1質量%〜10質量%の割合で含有する少なくとも2種のポリエステルフィラメント群(A)及び(B)とからなり、かつ下記(1)〜(4)式を満足することを特徴とするポリエステル混繊糸。 (1)75%≧DE(A)−DE(B)≧30%(2)50%≧Wsr(A)−Wsr(B)≧15%(3)ブラック染色処理時のL*≦16(4)tanδ(B)≧0.155DE(A):ポリエステルフィラメント群(A)の破断伸度、DE(B):ポリエステルフィラメント群(B)の破断伸度Wsr(A):ポリエステルフィラメント群(A)の沸水収縮率Wsr(B):ポリエステルフィラメント群(B)の沸水収縮率【請求項2】 混繊糸の交絡数が4ケ/m以上50ケ/m以下である請求項1記載のポリエステル混繊糸。 【請求項3】 仮撚用原糸である請求項1または2に記載のポリエステル混繊糸。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、染色性、解舒性に優れたポリエステル混繊糸に関する。【0002】 【従来の技術】ポリエステル繊維は衣料用繊維として広範囲に使用されており、布帛にふくらみとソフト感を付与するために、熱収縮率の異なる2種以上の繊維群を混繊した混繊糸が用いられている。このような異収縮混繊糸は、熱収縮率の異なる繊維群を別々に紡糸し、別工程で混繊加工を行う製造方法により得られたものが大半であり、生産性や製造コストの点で不利であり、さらに染色性においても不足なものであつた。 【0003】生産性を改善するため、一工程で混繊糸を得る方法として、特開平7−26435号、特開平6−17332号公報や特開平6-17332号公報には、口径の異なる2種の加熱装置を紡糸口金と引取ローラとの間に設け、紡出後、一旦冷却した2種の糸条を再加熱する際、両糸条に対する熱処理量を異ならせて、糸条間の物性を制御する方法が提案されている。しかしながら、この方法で得られた異収縮混繊糸は、糸条間の沸水収縮率の差を大きくすることはできるが、糸条間の伸度差を大きくすることができず、また、一本の混繊糸条に対し、2つの加熱装置を必要とするため、設備が簡易ではない。 【0004】さらに、特開平11−152634号公報では、一方の糸条を集束することによって、筒状加熱装置での熱処理条件を変えて捲取る方法が提案されているが、この方法で得られた混繊糸は熱収縮特性の差が不十分であり、十分な収縮差、さらには伸度差も得られない。 【0005】さらに特開昭62−69835号公報では、破断伸度の異なる2種以上のフィラメント糸条に複合仮撚を施すに際し、高伸度糸として未延伸糸を用い、低伸度糸として溶融紡糸された後、冷却気流によって冷却された未延伸糸を引き続いて加熱空気域に導入し、熱処理し、該加熱空気域から高速度で引取られた糸を用いることを特徴とする濃染性複合加工糸の製造法が提案されているが、高伸度側のフィラメントの破断伸度が大きく経時変化しやすい等の問題があり、また仮撚工程性は不安定なものであつた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記したような問題点を解決し十分な収縮率差、十分な伸度差を有し、染色性、解舒性に優れた混繊糸であり、生糸使いと仮撚用にも適した混繊糸を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、平均粒径0.01μm〜1μmの無機微粒子を0.1質量%〜10質量%の割合で含有する少なくとも2種のポリエステルフィラメント群(A)及び(B)とからなり、かつ下記(1)〜(4)式を満足することを特徴とするポリエステル混繊糸である。 (1)75%≧DE(A)−DE(B)≧30%(2)50%≧Wsr(A)−Wsr(B)≧15%(3)ブラック染色処理時のL*≦16(4)tanδ(B)≧0.155DE(A):ポリエステルフィラメント群(A)の破断伸度、DE(B):ポリエステルフィラメント群(B)の破断伸度Wsr(A):ポリエステルフィラメント群(A)の沸水収縮率Wsr(B):ポリエステルフィラメント群(B)の沸水収縮率【0008】 【発明の実施の形態】本発明の混繊糸を構成するポリエステルは、格別限定されるものではないが、繰り返し単位の85モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエステルが好ましく、極限粘度(フェノール/テトラクロルエタン=1/1混合溶媒中30℃で測定)が0.5以上、特に0.62〜0.72のもの好ましく用いられる。また、ポリエチレンテレフタレート単独でもよいが、ポリエチレンテレフタレートに酸成分やグリコール成分を共重合させたコポリエステルや、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ナイロン6,ナイロン66,ポリカーボネート等の他のポリマーを含むポリマーであってもよい。また、ポリエステルは、艶消剤、着色剤、安定剤、難燃化剤、帯電防止剤、表面改質剤等を含んでいてもよい。 【0009】本発明においては、混繊糸を構成するポリエステルフィラメント中に平均粒径0.01μm以上1μm以下の無機微粒子が0.1質量%〜10質量%の割合で含有されていることが重要である。無機微粒子の含有量が0.1質量%未満の場合、得られた繊維にループ、毛羽、繊度斑を生じ易くなり、10質量%を超えると工程通過性が悪く断糸の原因となるので、好ましくは0.5質量%〜5質量%の割合で無機微粒子を含有することが望まれる。また、無機微粒子の含有量は、ポリエステルフィラメント群(A)と(B)とで異なっていても同じであってもよいが、製法面からすれば両フィラメント群に実質同一量の無機微粒子が含有されていることが好ましい。 【0010】無機微粒子の種類としては、ポリエステルに対して実質的に劣化作用をもたず、それ自体で安定性に優れるものであればいずれも使用できる。かかる無機微粒子の代表例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機微粒子を挙げることができ、これらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。 【0011】無機微粒子の平均粒径は0.01μm以上1μm以下であることが必要であり、好ましくは0.02μm以上0.6μm以下である。平均粒径が0.01μm未満であると延伸時の糸条にかかる張力などに僅かな変動を生じても得られる繊維にループや毛羽、繊度斑などが発生するようになる。 【0012】一方、平均粒径が1μmを越えると繊維の紡糸性、延伸性の低下をもたらし紡糸断糸、延伸捲付などを発生し易くなる。尚、ここでいう平均粒径とは遠心沈降法を用いて求めた値をいう。 【0013】無機微粒子の添加方法については特に制限されず、ポリエステルの重合から溶融紡出直前までの任意の段階でポリエステル中に無機微粒子が均一に混合されているように添加、混合すればよい。 【0014】本発明のポリエステル混繊糸においては、フィラメント群(A)とフィラメント群(B)との伸度差{DE(A)−DE(B)}が30%以上75%以下であり、30%未満では仮撚した場合に良好なシボ感が得られず濃色性も不足である。一方、伸度差が75%より大きい場合は、高伸度側のフィラメントの熱収縮応力が小さいために満足する風合が得られず、ループ、毛羽が発生し、原糸の解舒性が悪く、さらにU%が大きく品位の低いものになる。従って、40%〜60%の伸度差がより好ましい。 【0015】次に沸水収縮率差{Wsr(A)−Wsr(B)}は15%以上50%以下であることが重要である。該収縮率差が15%未満では目的とする濃色感が得られず、50%より大きい場合は、ふかつきが大きすぎて満足のいく風合いが得られず、染色斑も見られる。 【0016】さらに低収縮、低伸度側のフィラメント群(B)のtanδ(B)は0.155以上である。0.155でなければならない。0.155より小さい場合は染色性の点で濃染化ができないため、発色性の乏しいものとなる。 【0017】本発明のポリエステル混繊糸は下記の条件にて分散染料のブラックの染色処理を施したときに得られるL*値が16以下、好ましくは14以下であり、色の深みが発現した良好な染色性を有したものである。 <染色条件> Kayalon Polyester Black G-SF 12%omf Tohosolt TD 0.5g/l Ultra Mt−N2 0.7g/l 浴比=50:1 135℃×40分染色後、還元洗浄80℃実施【0018】本発明の混繊糸は単繊維繊度やフィラメント数などは特に制限されず、用途に応じて適宜選択できる。また繊維断面も特に制限されず、丸断面のほか偏平断面、多角断面、多葉断面、中空断面など目的に応じてどのような断面であってもよい。 【0019】本発明のポリエステル混繊糸の製造方法は、前述した物性条件を満たす混繊糸となる製法であればいかなる製造方法でもよいが、例えば、溶融吐出したポリエステルフィラメント群を、一方は、一旦冷却した後チューブヒーターなどの加熱帯域を用いて加熱処理し、もう一方は熱処理することなく引取り、これらフィラメント群にそれぞれ油剤付与装置にて給油した後、集束ガイドで集束・合糸されて、さらにインターレーサーを用いて空気交絡処理を行った後引き取りローラーをへて3000m/分〜4500m/分の巻取速度で巻き取られる。 【0020】特に、この方法で製造する場合には、冷却風の温度を約20〜30℃、冷却風の温度を約20〜60%、冷却風の吹付け速度を0.4〜1m/sec程度とすることにより、繊度斑、染色斑を起こすことなく高品質の繊維を得ることができる。また、一方の糸条に用いる加熱帯域の長さは1m以上、加熱帯域の温度は150℃以上が均一に円滑に延併を行う上で望ましい。 【0021】また本発明の混繊糸は、糸条の交絡数が4ヶ/m以上50ヶ/m以下である。4ヶ/m未満では交絡数不足により、ループの影響で解舒不良が発生しやすく、一方、50ヶ/mより多い場合、糸条の拘束力が強く、染色の点で斑になりやすく、また仮撚処理した際に未解撚部発生しやすい。 【0022】 【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例及び比較例における特性値の測定方法は次のとおりである。 【0023】<無機微粒子の平均粒径の測定>遠心粒径測定器(堀場製作所製「CAPA−5000型」)を用いて測定した。 【0024】<繊維の強伸度>インストロン型の引張試験機を用いて得られる応力−歪曲線より強伸度を求めた。 【0025】<ポリエステルフィラメントの沸水収縮率>初荷重1.1mg/デシテックス下で試料に50cm間隔の印をつけ、次いで試料を98℃の熱水中に5.6mg/デシテックスの荷重下30分間放置し、その後取り出して1.1mg/デシテックスの荷重下で印の間隔L′cmを測定し、次式により算出した。 沸水収縮率(%)=[(50−L′)/50]×100【0026】<L*値>前述の染色条件にてブラック染色した染色物について日立307型カラーアナライザー(日立製作所製;自動記録式分光光度計)を用いて測定した値である。 【0027】<力学的損失正接(tanδ)>東洋ボールドウイン社製、レオバイブロン(Reo Vibron)DDV−11c型 動的粘弾性測定装置を用い、試料約0.1mg、測定周波数11OHz、昇温速度10℃/分で乾燥空気中で各温度におけるtanδを測定する。tanδ−温度曲線を描き、Tmax、((tanδ)max)を求める。 【0028】<染色性(発色性)、染斑>混繊糸を筒編にし、下記条件にて分散染料で染色し、目視判定で評価を行った。濃染性が高いものは○、△やや不良、×は不良として判定。 染色斑がないものは○、△やや不良、×は不良として判定。 (染色条件) Foron Navy Blue S-2GL 200% 1.5%omf ヂィスパーTL 1 g/l ウルトラMTレベル 1 g/l 浴比=50:1 100℃×30分染色後、水洗【0029】<仮撚工程性、風合>工程調子:仮撚速度100m/分、倍率1.02倍、撚数2020回/m、ヒーター120℃で仮撚加工を行ない、1日1錘当たりの仮撚断糸回数を測定し、1週間ランニングした際の平均で示し、次の基準で評価した。 ○:1.0回未満△:1.0回以上〜2.0回未満×:2.0回以上風合:得られた仮撚糸を織物にし、目視によるシボ感と手でさわり判定した。 ○:良 △:やや不良 ×:不良【0030】実施例1極限粘度が0.65であるポリエチレンテレフタレートを290℃で孔径0.25mmの孔数48の紡糸口金から吐出し、口金直下にて約25℃の冷却風を吐出糸条に横方向から吹き付けて冷却した。次いで48本のフィラメントのうち24本のフィラメント群(A)は、長さ1m、内径35mmφの加熱筒に通過させて熱処理した後、油剤を付与し、他方の24本のフィラメント群(B)は加熱筒に通すことなく油剤を付与した。引き続きフィラメント群(A)と(B)とを合糸しインターレース装置によりエアー圧2.5kg/cm2で交絡を付与した後、引き取りローラーを介して4000m/分で捲取り、110dtex/48フィラメントのポリエステル混繊糸を得た。つづいて、得られた混繊糸から筒編地を作成し、以下の処法で分散染料の黒染めを実施した。 【0031】 <染色条件> Kayalon Polyester Black G-SF 12%omf Tohosolt TD 0.5g/l Ultra Mt−N2 0.7g/l 浴比=50:1 135℃×40分染色後、還元洗浄80℃実施【0032】染着率は80%で十分な発色性を示し、かつ、L*値は14.0であった。混繊糸を構成するフィラメント群の物性、染色性、仮撚工程性、風合の評価結果を表1に示す。 【0033】 【表1】
【0034】実施例2微粒子の種類と添加量を表1に示すとおり変更したこと以外は実施例1と同様に混繊糸を製造し、筒編地とし、各種評価を行なった。結果を表1に示す。 【0035】比較例1無機微粒子を添加しないこと及び交絡数を40ケ/mとすること以外は実施例1と同様に混繊糸を製造し、筒編地とし、各種評価を行なった。結果を表1に示す。 【0036】実施例3、比較例2〜3捲き取り速度を表1に示すとおり変更した以外は実施例1と同様混繊糸を製造し、筒編地とし、各種評価を行なった。結果を表1に示す。 【0037】実施例4表1に示すようにフィラメント群(A)及び(B)を夫々異なる捲取速度で紡糸した後、インターレース交絡処理したこと以外は実施例1と同様混繊糸を製造し、筒編地とし、各種評価を行なった。結果を表1に示す。 【0038】比較例4フィラメント群(B)を2Step FOY(1000m/minで巻き取った原糸を延伸倍率3.5倍、熱処理温度120℃で延伸して得た延伸糸)とし、インターレース交絡処理したこと以外は実施例1と同様に混繊糸を製造し、筒編地とし、各種評価を行なった。結果を表1に示す。 【0039】比較例5インターレースエアー圧を0.3kg/cm2に変更したこと以外は実施例1と同様に混繊糸を製造し、筒編地とし、各種評価を行なった。結果を表1に示す。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001085 【氏名又は名称】株式会社クラレ
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| 【出願日】 |
平成12年1月21日(2000.1.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−200438(P2001−200438A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月27日(2001.7.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−12480(P2000−12480) |
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