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【発明の名称】 複数のスピニングステーションを含むスピニングマシン
【発明者】 【氏名】ハンス・シュターレッカー

【要約】 【課題】はぐれ繊維の発生をできるだけ避け、もし発生したらそれらをスピニングステーションの領域から排除するスピニングマシンを提供する。

【解決手段】複数のスピニングステーションを持つこのスピニングマシンはスピニングステーション毎にドラフティング装置並びにドラフトされた繊維ストランドを凝縮する凝縮帯域を含み、この繊維ストランドは吸引チャネルのスライド表面上の空気透過性輸送ベルトにより凝縮帯域を通して輸送される。このスライド表面には吸引スリットが設けられている。吸引チャネルは、複数のスピニングステーションに沿って延び、ドラフティング装置のフロントローラ対により形成されたくさび形状間隙中に突出する。吸引チャネルはフロントローラー対のフロントニッピングライン及びそのボトムシリンダーに、それらに実際に触れることなく、できるだけ近くに配置される。ボトムシリンダーはスピニングステーション間に吸引チャネルに関して十分に大きなクリーニング間隙が覆われずに残るような方式で切削される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フロントニッピングラインを規定するフロントローラー対を含むドラフティング装置、並びにドラフトされた繊維ストランドを凝縮するためのドラフティング装置の下流に配置された凝縮帯域をそれぞれが含む複数の隣接して配置されたスピニングステーションを持つスピニングマシンであって、その凝縮帯域が繊維ストランドを輸送する空気透過性輸送ベルト、この輸送ベルトをスライド表面上で案内する吸引チャネル、及びスライド表面内に設けられた吸引スリットを含み、更に複数のスピニングステーションに沿って延びる吸引チャネルがフロントローラー対により形成されたくさび形状間隙中に突出し、フロントローラー対が複数のスピニングステーションに沿って延びる駆動されたボトムシリンダーを含み、このボトムシリンダーがスピニングステーション間にスピニングステーションにおけるよりも小さい直径を持つものであって、吸引チャネル(17)が技術的に可能なかぎりフロントニッピングライン(13)及びボトムシリンダー(10)に接近してそれらに触れることなくかつくさび形状間隙(27)の領域内で凝縮される繊維ストランド(5)を顕著に偏向させることなく配置されること、及びボトムシリンダー(10)がスピニングステーション(1,2,3)間の吸引チャネル(17)に関して十分に大きなクリーニング間隙(28)を残すことを特徴とするスピニングマシン。
【請求項2】 ボトムシリンダー(10)が金属切削工程によりスピニングステーション(1,2,3)間の直径を減少させられていることを特徴とする請求項1に記載のスピニングマシン。
【請求項3】 クリーニング間隙(28)が少なくとも1.2mmの内幅(a)を持つことを特徴とする請求項1または2に記載のスピニングマシン。
【請求項4】 ボトムシリンダー(10)がほぼ27mmのスピニングステーション(1,2,3)における直径(D)を持ちかつスピニングステーション(1,2,3)間にほぼ24mmの直径(d)を持つことを特徴とする請求項3に記載のスピニングマシン。
【請求項5】 ボトムシリンダー(10)が輸送ベルト(15)に輸送ベルトが吸引チャネル(17)に対向して支持されていない点(29)で触れることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のスピニングマシン。
【発明の詳細な説明】【0001】発明の背景及び概要本発明はフロントニッピングラインを規定するフロントローラー対を含むドラフティング装置、並びにドラフトされた繊維ストランドを凝縮するためのドラフティング装置の下流に配置された凝縮帯域をそれぞれが含む複数の隣接して配置されたスピニングステーションを持つスピニングマシンに関し、その凝縮帯域が繊維ストランドを輸送する空気透過性輸送ベルト、この輸送ベルトをスライド表面上で案内する吸引チャネル、及びスライド表面内に設けられた吸引スリットを含み、更に複数のスピニングステーションに沿って延びる吸引チャネルがフロントローラー対により形成されたくさび形状間隙中に突出し、フロントローラー対が複数のスピニングステーションに沿って延びる駆動されたボトムシリンダーを含み、このボトムシリンダーがスピニングステーション間にスピニングステーションにおけるよりも小さい直径を持つものに関する。
【0002】スピニングマシンのドラフティング装置でドラフトされた繊維ストランドは引き続いてスピニング撚りを受ける。もしこのスピニング撚りがドラフティング後に直接に与えられたなら、そのときはいわゆるスピニングトライアングルがフロントローラー対で起こるであろう。このスピニングトライアングルは完全に撚り糸中に結合されなかった横方向繊維を含む。この不利を避けるために、いわゆる凝縮帯域が近年ドラフティング装置の直ぐ下流に配置された。このドラフティング帯域でドラフトされたがまだ撚りのない繊維ストランドがその単一繊維の横集束によりまとめられまたは凝縮され、従って更なるニッピング点の配置後はこの不利なスピニングトライアングルはもはや存在しない。凝縮された繊維ストランドが次いでそのスピニング撚りを通常の方法で与えられるとき、毛羽立ちが少なく、より均質でかつより引裂抵抗性の糸が作られる。
【0003】上述の形式の先行技術のスピニングマシン(ドイツ公開特許出願19837179)においては、吸引チャネルがドラフティング装置のフロントローラー対の下流に配置される。この吸引チャネルはフロントニップラインから大きな距離にあるか、またはフロントニップラインの下流で直接凝縮される繊維ストランドを大きな程度に偏向させるかのいずれかである。フロントローラー対と吸引チャネルとの間に、特にまた個々のスピニングステーション間に設けられたくさび形状間隙の領域内に、一つの理由または別の理由から凝縮中に繊維ストランドに結合されなかった繊維が集まる。これらのはぐれ単一繊維はあるときは望ましくない方法で繊維ストランドに戻り及び/または空気透過性の輸送ベルトの穴を塞ぐかもしれない。その両方ともやがては凝縮効果を害う。この不利益はボトムシリンダーが既知の方式で溝付部を備えている既知のスピニングマシンにおいてはボトムシリンダーがスピニングステーションにおけるよりもスピニングステーション間に幾らか小さい直径を持つということにより排除されることができない。溝付部での幾らか大きい直径は製造時の溝付部の通常の転造時のそりから生じる。
【0004】本発明の目的ははぐれ繊維をできるだけ最大範囲で避けることにあり、それらが発生するときはそれらをスピニングステーションの領域から排除することにある。
【0005】この目的は本発明により、吸引チャネルが技術的に可能な限りフロントニップライン近くにかつそれに実際に触れることなくボトムシリンダー近くにかつ凝縮される繊維ストランドをくさび形状の間隙の領域内にどのような顕著な程度にも偏向させることなく配置されること、及びボトムシリンダーが吸引チャネルに関してスピニングステーション間に十分に大きなクリーニング間隙を残すことにより達成される。
【0006】吸引チャネルがフロントニップライン及びボトムシリンダーにできるだけ接近して配置され、それにより当然にある必要な距離が維持されねばならないことにより繊維風綿が減らされることが示された。要素の配置は繊維ストランドがそれがフロントニップラインを離れてからできるだけ少なく偏向されるようなものであるべきである。かくして高品質の繊維ストランドが初めから生ずる。どのような発生するはぐれ繊維も通常スピニングステーションの横に位置したクリーニング間隙に到達する。このクリーニング間隙はボトムシリンダーと吸引チャネルの間のスピニングステーションの外側に形成されている。はぐれ繊維は先行技術でボトムシリンダーの溝付部の製造時に発生する直径変動より顕著に大きなこの拡大クリーニング間隙を通って落下することができ、かくしてスピニングステーションの危険領域から除去される。
【0007】スピニングステーション間のボトムシリンダーは好ましくは金属切削により直径を減らされる。クリーニング間隙が少なくとも1.2mmの内幅を持つまで少なくとも減らされるべきである。
【0008】有利な比は、スピニングステーション(すなわちその溝付き領域)でのボトムシリンダーがほぼ27mmの直径を持ちかつスピニングステーション間でほぼ24mmの直径を持つときに与えられることを試験が示した。
【0009】より信頼性ある方式ではぐれ繊維を除去するために、ボトムローラーはそれが吸引チャネルに対向して支持されていない点で輸送ベルトに触れることがさらに提供されることができる。かくしてボトムシリンダーと輸送ベルトが接触点で反対方向に走行するので輸送ベルトの追加的な機械的クリーニングが起こる。
【0010】図面の簡略説明本発明のこれらの及び更なる目的、特徴及び利点が添付図面に関して説明される以下のその詳細な説明からより容易に明らかとなるであろう。図面において:図1は凝縮帯域の領域内のスピニングステーションを通した部分断面側面図であり、図2はボトムシリンダー及び凝縮帯域についての図1の矢印IIの方向での図である。
【0011】図面の詳細な説明上述のスピニングマシンの場合、リングスピニングマシンが好ましくは含まれる。それは通常マシンの縦方向に隣接して配置された複数のスピニングステーションを含み、そのうちの三つのスピニングステーション1,2及び3が図2に見える。
【0012】各スピニングステーション1は数ある要素中でドラフティング装置4(その端領域のみが図1に示されている)、及びドラフティング装置4の下流に配置された凝縮帯域6を含み、この凝縮帯域6はドラフトされているがまた撚りのない繊維ストランド5をまとめる。スピニングステーション1の残りの要素は示されていない。
【0013】各ドラフティング装置4は数ある要素中でフロントローラー対7並びにその上流に配置されかつ下方エプロン8と上方エプロン9を含むエプロン対を含む。ドラフティング装置4の残りのローラー対は示されていない。
【0014】フロントローラー対7は複数のスピニングステーション1,2,3−−−に沿って延びるボトムシリンダー10を含み、このボトムシリンダー10は既知の方式の溝付部領域11を持つ。各スピニングステーション1において、トップローラー12が既知の方式でボトムシリンダー10の溝付部領域11に向けて配置されている。フロントローラー対7はフロントニッピングライン13を規定し、ここでドラフティング装置4のドラフティング帯域が終わる。ドラフティング装置4で、供給繊維材料14、例えばスライバまたはロービング、が希望の繊度へ輸送方向Aにドラフトされる。ドラフティング工程は本質的にフロントニッピングライン13で終わる。
【0015】上述の理由のため、凝縮帯域6はドラフティング装置4の下流に配置されており、この凝縮帯域6でまだ撚りのない繊維ストランド5がその単一繊維の横集束によりまとめられまたは凝縮される。
【0016】各凝縮帯域6は空気透過性輸送ベルト15を含み、これが凝縮帯域6を通して凝縮される繊維ストランド5を輸送する。輸送ベルト15の場合には、空気透過性が自然に起こる細い密接網目を持つ織られたベルトが含まれることが好ましい。輸送ベルト15は複数のスピニングステーションに沿って延びる吸引チャネル17の外方輪郭により形成されるスライド表面16の上を案内される。吸引チャネル17は減圧導管18を介して減圧源(図示せず)に連結されている。
【0017】各スピニングステーション1のスライド表面16内に、吸引スリット19が設けられ、これは輸送方向Aに対してわずかに斜めに配置されており、この結果として横集束縁20を備え、それに沿って凝縮される繊維ストランド5が移動する。この集束縁20において、繊維ストランド5がその単一繊維の横集束により凝縮され、それに加えて非常にわずかな偽撚りが適用され、これが凝縮効果を増大する。輸送ベルト15は吸引スリット19からある距離をおいた伸張要素21を介して案内される。
【0018】送り出しローラー23が凝縮帯域6の終端に配置され、この送り出しローラー15が輸送ベルト15を駆動しかつ吸引チャネル17と共に送り出しニッピングライン24を形成し、そこまで吸引スリット19が延び、それがスピニング撚りに関して撚り阻止を形成する。送り出しニッピングライン24の直ぐ下流で糸25が発生し、一方それは送り出し方向Bに撚り装置(図示せず)、例えばリングスピンドル、に向け供給される。送り出しローラー23は糸25に適用されたスピニング撚りが凝縮帯域6中に逆戻りするのを防ぐ。
【0019】一点鎖線によってのみ示されている歯付きベルト駆動体26は送り出しローラー23の駆動の役目をし、送り出しローラー23がトップローラー12よりわずかに速い周速を持つように設計されている。
【0020】図1から分かるように、フロントローラー対7は凝縮帯域6に対面するその側にくさび形状間隙27を形成し、そこに吸引チャネル17が突出する。吸引チャネル17はこの結果ボトムシリンダー10と接触することなくかつくさび形状間隙27の領域内の凝縮される繊維ストランド5を顕著に偏向することなく、技術的に可能なかぎりフロントニッピングライン13及びボトムシリンダー10に密接して配置されるべきである。かかる配置が特に良好な品質の糸25をもたらすことが示された。密接配置は、吸引チャネル17とフロントニッピングライン13とボトムシリンダー10の間に非常に小さな必要距離のみがあるようなものであるべきである。
【0021】この吸引チャネル17のフロントローラー対7への密接配置はそのとき繊維ストランド5を離れる発生はぐれ繊維をできるだけ少なくする。もしはぐれ繊維が発生したら、これらの繊維が望ましくない方式で繊維ストランド5中に再度入り込まないように注意されねばならない。この理由のためスピニングステーション1,2,3−−−間にボトムシリンダー10が、吸引チャネル17に関して、十分に大きなクリーニング間隙28を持つことが規定される。このクリーニング間隙28は溝付部領域11の標準的な適用の結果としてボトムシリンダー10に通常存在する先行技術の直径減少より顕著に大きなものであるべきである。
【0022】クリーニング間隙28の寸法はいずれのはぐれ繊維も落下し、従ってスピニングステーション1の危険領域から除去されるように選ばれる。
【0023】ボトムシリンダー10のより小さい直径dは好ましくは金属切削工程により作られ、それにより直径dはクリーニング間隙28が少なくとも1.2mmの内幅aを持つような範囲に減少されるべきである。好適条件はボトムシリンダー10がその溝付部領域11にほぼ27mmの直径Dを持ち、かつスピニングステーション1,2,3−−−間にほぼ24mmの直径dを持つときに実際に発生した。
【0024】クリーニング効果はもし輸送ベルト15が吸引チャネル17に対向して支持されていない点29でボトムシリンダー10が輸送ベルト15に触れるなら増大させられることができる。この点29ではボトムシリンダー10と輸送ベルト15は反対方向に移動する。かくして追加の機械的クリーニングが起こる。
【出願人】 【識別番号】591106141
【氏名又は名称】フリッツ・シュターレッカー
【氏名又は名称原語表記】FRITZ STAHLECKER
【識別番号】591106152
【氏名又は名称】ハンス・シュターレッカー
【氏名又は名称原語表記】HANS STAHLECKER
【出願日】 平成13年4月4日(2001.4.4)
【代理人】 【識別番号】100059694
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 光雄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−355133(P2001−355133A)
【公開日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【出願番号】 特願2001−105583(P2001−105583)