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【発明の名称】 ポリエステル繊維及びその製造方法
【発明者】 【氏名】坪井 誠治

【氏名】松本 三男

【要約】 【課題】従来にない非常にソフトな布帛が得られるポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル繊維及びその製造方法を提供する。

【解決手段】ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルからなるポリエステル繊維であって、該繊維の熱応力のピーク温度を50〜150℃、熱応力のピーク値を0.13〜0.39cN/dtexとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルからなり、熱応力のピーク温度が50〜150℃、熱応力のピーク値が0.13〜0.39cN/dtexであることを特徴とするポリエステル繊維。
【請求項2】 ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルを溶融紡出し、該紡出糸条を温度80℃以下のローラーを介して、速度4500〜8000m/分で引取ることを特徴とするポリエステル繊維の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソフトな風合いの布帛が得られるポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル繊維及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリトリメチレンテレフタレートは、弾性回復性や染色性に優れるといったポリアミドに類似した性質、並びに耐光性、熱セット性、寸法安定性、低吸水率といったポリエチレンテレフタレートに類似した性質を併せ持つことから、これらの特徴を生かしてBCFカーペット、ブラシ等の多くの分野への利用が提案されている(例えば、特開平9−3724号公報、特開平8−173244号公報、特開平5−262862号公報など)。さらに、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、低ヤング率であるため、ソフトな風合の製品が得られるとされている。
【0003】また、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を製造する方法については、300〜4000m/分で溶融紡糸した未延伸糸を、一旦巻取った後又は巻取ることなく連続して、未延伸糸のガラス転移温度以上の温度で一段又は多段に熱延伸する方法が提案されている。そして、その際の紡糸・延伸条件として、例えば、特開昭52−5320号公報には、引取られた未延伸糸を20〜80℃の温度で該温度における最大延伸倍率の70〜99.9%の倍率で延伸する方法、特開昭52−8123号公報には、複屈折率Δnが0.0025以上の未延伸糸を一旦巻取った後又は一旦巻取る事なく連続して延伸し次いで140〜180℃の加熱固体に接触させて熱処理する方法、特開昭58−104216号公報には、速度2000m/分以上で溶融紡糸した複屈折率Δnが0.035以上の未延伸糸を温度35〜80℃の熱ローラを用いて延伸する方法、特開平11−172526号公報には、溶融吐出した糸条を保温領域を通過させた後に固化させて未延伸糸を得、これを一旦巻取ることなく連続して延伸熱処理を施した後巻取る方法などが開示されている。
【0004】しかし、従来提案されているポリトリメチレンテレフタレート繊維は、確かにポリチレンテレフタレート繊維と比較して低ヤング率であるものの、これを布帛とした場合、その特性が充分に発揮されず、ソフト性の点でまだ充分満足のいくものが得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、従来にない非常にソフトな布帛が得られるポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル繊維及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課題を達成すべく研究を重ねた結果、従来提案されている方法で得られたポリトリメチレンテレフタレート繊維の熱応力のピーク温度がいずれも150〜220℃といった範囲にあり、かかる繊維を布帛とした場合、プレセット、染色、ファイナルセットといった通常実施される布帛の染色仕上げ工程で熱履歴を受けるたびに布帛が収縮し、風合が硬くなっていることに原因があることをつきとめた。そして、繊維の熱応力のピーク温度を従来より低く設定し、かつ該熱応力のピーク温度とさらに熱応力のピーク値とを変更していったとき、従来にないソフトな布帛が得られるところがあること、また、上記のような熱応力のピーク温度及びピーク値に容易にコントロールできる製糸条件が存在することを見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明によれば、1.ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルからなり、熱応力のピーク温度が50〜150℃、熱応力のピーク値が0.13〜0.39cN/dtexであることを特徴とするポリエステル繊維、2.ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルを溶融紡出し、該紡出糸条を温度80℃以下のローラーを介して、速度4500〜8000m/分で引取ることを特徴とするポリエステル繊維の製造方法、が提案される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明でいうポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とするポリエステルであって、本発明の目的を阻害しない範囲内、例えば全酸成分を基準として10モル%以下、好ましくは5モル%以下の割合で他の成分を共重合したポリトリメチレンテレフタレートであってもよい。好ましく用いられる共重合成分としては、例えば、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウム塩等の酸成分や、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコール成分、ε−カプロラクトン、4−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸成分などを挙げることができる。さらには、ポリオキシエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の長鎖グリコール成分の場合には、ポリエステル重量を基準として10重量%以下、好ましくは5重量%以下の割合で共重合されていてもよい。
【0009】また、必要に応じて、上記ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルには各種の添加剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤などが含有されていてもよい。
【0010】このようなポリエステルの固有粘度[IV]は、紡糸の工程安定性と得られる延伸糸の機械的特性の点から0.4〜1.5の範囲が好ましく、より好ましくは0.8〜1.2の範囲である。固有粘度が0.4未満の場合には、分子量が低すぎるために強度が低下するため好ましくない。
【0011】本発明においては、上記のポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルからなる繊維の熱応力のピーク温度及びピーク値が以下の条件を同時に満足していることが肝要であり、これにより、かかる繊維からは従来にない非常にソフトな布帛を得ることができるのである。
【0012】すなわち、本発明においては、該ポリエステル繊維の熱応力のピーク温度が50〜150℃の範囲、好ましくは50〜90℃の範囲であることが必要である。該ピーク温度が150℃を越えると、該ポリエステル繊維を製織・製編などして布帛とした後、これを一般的に実施される、染色仕上げ処理、つまり、プレセット、染色、ファイナルセットなどした際、これらの工程で熱履歴を受けるたびに布帛が収縮し続け、最終的に得られる布帛の風合が硬くなり、目的とするものが得られない。一方、該ピーク温度が50℃未満の場合は、低温で保管しても経時変化が発生し易くなる。
【0013】また、これに加えて、該ポリエステル繊維の熱応力のピーク値が0.13〜0.39cN/dtex、好ましくは0.2〜0.3cN/dtexであることが必要である。該ピーク値が0.38cN/dtexを越えると、染色仕上げ処理で発現する繊維同士の拘束力が強くなり過ぎて、布帛の風合が硬くなる。一方、該ピーク値が0.13cN/dtex未満では、染色仕上げ処理で発現する拘束力が弱すぎて、布帛組織がルーズになり、実用的な布帛とならない。
【0014】本発明においては、かかる熱応力のピーク温度とピーク値を共に満足させることにより、上記の効果が相俟って、従来にない極めてソフトな風合の布帛が得られるのである。
【0015】本発明にかかるポリエステル繊維は、衣料用途においてはマルチフィラメント糸が好ましい。その際、総繊度は特に限定する必要はないが、通常は11〜220dtex、特に33〜110dtexの範囲が適当であり、単糸繊度も特に限定する必要はないが0.11〜5.6dtex、特に1.1〜3.3dtexの範囲が適当である。また、繊維の断面形状は丸、三角、その他の多角形、扁平、L型、W型、十字型、井型、ドッグボーン型等制限はなく、さらには中実繊維であっても中空繊維であってもよい。
【0016】次に、本発明のポリエステル繊維の好ましい製造方法について説明する。溶融押出し温度(紡糸温度)は、高すぎるとポリマーの熱分解による着色や強伸度劣化が起りやすく、一方低すぎると十分な強伸度の繊維を得ることが困難になるので、250〜290℃の範囲が好ましく、特に260〜285℃の範囲が好ましい。
【0017】溶融吐出した糸条は、送風領域を通過させて冷却固化させる前に、保温領域を通過させて急激な冷却を抑制することが好ましい。この保温領域を通過させることにより、ポリマーの急激な冷却による微細結晶や高度に配向した非晶部分の生成が抑制され、後述する延伸工程で延伸されやすい非晶構造を作ることができ、良好な物性を有する繊維が安定して得ることができる。特に本発明が対象とするポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルは、例えばポリエチレンテレフタレートに比較すると速い結晶化速度を有しているので、このような徐冷を行うことは、微細な結晶や極度に配向した非晶部分の生成を抑制する上で極めて有効な方法である。雰囲気温度は80〜220℃の範囲が好ましく、特に150〜200℃の範囲が好ましい。また、この保温領域の長さは5〜80cmの範囲が好ましく、特に10〜40cmの範囲が好ましい。
【0018】また、送風領域における風量は、少なすぎると十分に冷却することが困難になって繊維物性のバラツキ、糸斑が激しくなる傾向にあり、一方多すぎると風による糸条の揺れが激しくなって糸斑が激しくなると共に紡糸性も低下するので0.5〜2.5m3/分の範囲が好ましく、特に1.0〜2.0m3/分の範囲が好ましい。
【0019】本発明においては、溶融紡出した紡出糸条を、ローラを介して速度4500〜8000m/分、好ましくは5000〜6500m/分でローラーで引取ることにより、前記熱応力のピーク温度及びピーク値を容易に達成することができ、非常にソフトな風合の布帛を得ることができる。この際、上記速度は、衣料用として最適な伸度である30%以上60%未満を達成できる点でも好ましい。
【0020】なお、引取る際のローラーの数は特に限定されず、単独でも2以上の複数であってもよいが、通常は一対のローラー群を介して引取られる。この際、第一のローラーと第二のローラーの回転速度(周速)は、紡糸安定性を損なわない範囲内で異ならしてもよいが、通常は同一速度とする。
【0021】また、この際、ローラー温度を80℃以下、好ましくは60℃以下とすることにより、上記熱応力ピーク温度の要件を達成することができる。通常、ローラーを特に加熱しなければ80℃以下のローラ温度とすることができるが、この温度を越えるような場合は、該ローラを冷却風や冷媒で冷却することにより達成できる。
【0022】さらに、第一ローラーと第一ローラーの次に設置してある第二ローラーとの間で延伸を行うような、紡糸−延伸工程を直結したいわゆる直延法によって作られる場合も第一、第二ローラーの速度は4500〜8000m/分の速度、好ましくは5000〜6500m/分の速度であり、該ロール温度は80℃以下が好ましい。更に好ましくは15〜60℃である。
【0023】もちろん糸条を巻き取った後、熱応力の前記のピーク温度及びピーク値を達成できれば、用途に適した伸度を得るために公知の方法で延伸してもよい。この延伸工程においてもロール温度は80℃以下が好ましい。更に好ましくは15〜60℃である。
【0024】本発明においては、以上に説明したポリエステル繊維を用いることによって、かかる繊維から非常にソフト性に優れた布帛を得ることができる。
【0025】本発明の布帛は、織物、編物、不織布、人工皮革の基布などをいうが、特に繊維同士が強く拘束される織物の形状で本発明の効果がより顕著に表れる。その際、織物の種類は、特に限定されるものではなく、平組織、綾組織、朱子組織、さらにはこれらの組織を組み合わせた組織であってもよい。織物の経糸及び緯糸の密度としては、経糸繊度44〜330dtex(40〜300de)の場合、経糸密度は50〜200本/25mm、緯糸繊度44〜440dtex(40〜400de)の場合、緯糸密度は40〜200本/25mmの範囲で、織物組織、用途に応じて設定すればよい。本発明において、織物製織用の織機は特に限定されるものではなく、エアージェットルーム、ウォータージェットルーム、レピアルーム、グリッパールーム、有杼織機などを用いて生産することができる。
【0026】本発明においては、前記のポリエステル繊維を上記のように布帛とした後、これを染色仕上げ処理する際、該染色仕上げ処理におけるリラックス温度及び染色温度を熱応力のピーク温度以上とすることにより、さらにソフトな布帛とすることができる。ここでいう染色仕上げ処理とは、成形した布帛に一般的に施される、精練(糊抜き)−リラックス−プレセット−染色−ファイナルセットという一連の工程の処理のことをいい、染色温度及びリラックス温度は、かかるリラックス工程及び染色工程における処理温度をいう。また、上記工程においては、必要に応じて染色前に減量加工を施してもよく、また、プレセット工程は必要に応じて省いてもよい。さらに、精練とリラックスを同時にしても良い。染色加工するに当たり、通常染色前に実施される精練、漂白あるいは例えばセルロース系繊維交織の場合にセルロース系繊維の染色性改善のためのアルカリ処理などをしてもよい。
【0027】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中における各特性値は下記の方法で測定した。
(1)固有粘度オルソクロロフェノールを溶媒として、温度35℃で常法にしたがって求めた。
【0028】(2)破断強伸度島津製作所製オートグラフ引張試験機を用い、サンプル長200mm、引張速度200mm/分で破断強度及び伸度を試料3点につき測定し、その平均を求めた。
【0029】(3)ヤング率強伸度測定時に得られた荷重−伸張曲線の傾きから求めた。
【0030】(4)10%伸長時の弾性回復率試料繊維を、チャック間距離250mmで引張試験機に取付け、引張速度50mm/分で伸長率10%まで伸長した後1分間放置する。次いで、引張と同じ50mm/分の速度で元の試料長までもどし、この時応力がかかっている状態でのチャックの移動距離(Lmm)を読みとり、以下の式に従って求めた。
弾性回復率(%)=〔(25−L)/25〕×100【0031】(5)沸水収縮率(BWS)
試料を10回巻いて作った200mmのかせに、0.0265cN/dtex(0.03g/de)の荷重をぶら下げた時の長さL0を測定し、その後、無荷重の状態で温度100℃の沸騰水中に30分浸した後、十分乾燥させてから上記と同様の荷重をかけた時の長さL1を測定する。沸水収縮率(BWS)を下記式から算出した。
BWS(%)=(L0−L1)/L0×100【0032】(6)熱応力のピーク値とピーク温度鐘紡エンジニアリング社製のKE−2を用いて、初荷重0.0442cN/dtex(0.05g/de)、昇温速度100℃/分で測定した。得られたデーターを、横軸に温度、縦軸に熱応力をプロットし、これから熱応力のピーク値とピーク温度を読み取った。
【0033】(7)織物の風合い織物を水平な台上に置き、織物の風合いの程度を5段階に分け、ハンドリングによる官能評価により、ソフト性が極めて良好な織物を5点、ソフト性が良好な織物を4点、ソフト性がやや良好な織物を3点、ソフト性が悪い織物を2点、ソフト性が極めて悪い織物を1点とし、5段階の点数を付けた。評価は5人でランク付けしてその平均値で表した。評価が3〜5点の範囲内は良好な風合いの織物とする。
【0034】[実施例1]固有粘度が1.025、水分率が50ppmのポリトリメチレンテレフタレートを265℃で溶融させ、直径0.3mmの吐出孔を36個有する一重配列の紡糸口金を通して押出した。押出された溶融吐出糸条は、長さ10cm、温度180℃の保温領域を通過させた後、風量1.2m3/分の送風領域を通過させて急冷固化させた。次にこの固化した糸条を速度5650m/分の第一ロール及び速度5650m/分の第二ロールを介して引取り、次いで速度5500m/分の巻取機で巻き取った。得られた繊維の物性を表1に示す。
【0035】上記で得られた81.9dtex/36fのポリトリメチレンテレフタレート繊維を経糸に、同じく81.9dtex/36fのポリトリメチレンテレフタレート繊維を緯糸に用いて、経密度(筬密度)97本/25mm、緯密度(緯糸打ち込み密度)98本/25mmの平織物を津田駒工業社製のエアージェットルーム(150cm幅)を用いて製織した。次に、得られた生機を精練リラックス−染色−ファイナルセットの一連の処理を行った。
【0036】精練リラックスはニッセン社製のソフサーを用い、苛性ソーダ5g/リットル、ノニオン系界面活性剤2g/リットル、温度98℃の条件で行った。染色は日阪製作所社製サーキューラーを用い、染料C.I DISPERSE BLUE291 1%owf、ディスパーTL 1g/リットル(明成化学社製:タモール型)、PH調整剤として酢酸0.5cc/リットル、温度110℃×時間30分で行った。また、ファイナルセットは温度140℃×30秒で行った。得られた布帛の風合の評価結果を表1に示す。
【0037】[実施例2]固有粘度が1.025、水分率が50ppmのポリトリメチレンテレフタレートを265℃で溶融させ、265℃で溶融させ、直径0.3mmの吐出孔を36個有する一重配列の紡糸口金を通して押出した。押出された溶融吐出糸条は、長さ10cm、温度180℃の保温領域を通過させた後、風量1.4m3/分の送風領域を通過させて急冷固化させた。次にこの固化した糸条を速度6500m/分の第一ロール及び速度6500m/分の第二ロールを介して引取り、次いで速度6200m/分の巻取機で巻き取った。得られた繊維の物性を表1に示す。該繊維を用いて実施例1と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛の風合の評価結果を表1に示す。
【0038】[比較例1]固有粘度が1.025、水分率が50ppmのポリトリメチレンテレフタレートを265℃で溶融させ、直径0.3mmの吐出孔を36個有する一重配列の紡糸口金を通して押出した。押出された溶融吐出糸条は、長さ10cm、温度180℃の保温領域を通過させた後、風量1.7m3/分の送風領域を通過させて急冷固化させた。次にこの固化した糸条を速度5650m/分、温度85℃の第一ロール及び速度5650m/分、温度130℃の第二ロールを介して引取り、次いで速度5500m/分の巻取機で巻き取った。得られた繊維の物性を表1に示す。次いで該繊維を用いて実施例1と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛の風合の評価結果を表1に示す。
【0039】[比較例2]固有粘度が1.025、水分率が50ppmのポリトリメチレンテレフタレートを265℃で溶融させ、直径0.3mmの吐出孔を36個有する一重配列の紡糸口金を通して押出した。押出された溶融吐出糸条は、長さ10cm、温度160℃の保温領域を通過させた後、風量1.4m3/分の送風領域を通過させて急冷固化させた。次にこの固化した糸条を速度1030m/分の第一ロール及び速度1030m/分の第二ロールを介して引取り、次いで速度1000m/分の巻取機で巻き取った。巻き取った原糸を予熱温度を60℃、プレートヒーター温度を140℃に設定し、延伸倍率2.75倍、オーバーフィード5.0%の条件で延伸した。得られ繊維の物性を表1に示す。精練リラックスの温度を98℃とする以外は実施例1と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛の風合の評価結果を表1に示す。
【0040】[比較例3]固有粘度が1.025、水分率が50ppmのポリトリメチレンテレフタレートを265℃で溶融させ、直径0.3mmの吐出孔を36個有する一重配列の紡糸口金を通して押出した。押出された溶融吐出糸条は、長さ10cm、温度180℃の保温領域を通過させた後、風量1.6m3/分の送風領域を通過させて急冷固化させた。次にこの固化した糸条を速度3000m/分の第一ロール及び速度3000m/分の第二ロールを介して引取り、次いで速度2880m/分の巻取機で巻き取った。
【0041】巻き取った原糸を予熱温度を60℃、プレートヒーター温度を160℃に設定し、延伸倍率1.45倍、オーバーフィード4.5%の条件で延伸した。得られ繊維の物性を表1に示す。精練リラックスの温度を98℃とする以外は実施例1と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛の風合の評価結果を表1に示す。
【0042】
【表1】

【0043】
【発明の効果】本発明のポリエステル繊維からは、染色仕上げ処理で布帛が過度に収縮し、風合が硬くなることがなく、従来にない非常にソフトな布帛を得ることができる。このため、アウター、インナー、裏地などの高い風合が要求される衣料用途などに極めて有用である。
【出願人】 【識別番号】000003001
【氏名又は名称】帝人株式会社
【出願日】 平成12年6月6日(2000.6.6)
【代理人】 【識別番号】100077263
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 純博
【公開番号】 特開2001−348729(P2001−348729A)
【公開日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願番号】 特願2000−168810(P2000−168810)