| 【発明の名称】 |
極細繊維 |
| 【発明者】 |
【氏名】▲高▼田 佳憲
【氏名】後藤 文悟
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| 【要約】 |
【課題】工業的な連続生産性に優れ、ウエブとして、フィルター用途、隔離膜用途、衣料用用途等に有用で、特に血液分離フィルター用途として有用な極細繊維を提供する。
【解決手段】重縮合触媒としてTiO2 :SiO2 =90:20〜20:80モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化ケイ素共沈物を使用してエステル及び/又はオリゴエステルを重縮合してなり、極限粘度が0.3〜1.5、ポリスチレン換算重量平均分子量が4000〜20000であるポリエステル又は/及びコポリエステルで構成され、平均繊維径が0.7〜5μmである極細繊維。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 重縮合触媒としてTiO2 :SiO2 =90:20〜20:80モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化ケイ素共沈物を使用してエステル又は/及びオリゴエステルを重縮合してなり、極限粘度が0.3〜1.5、ポリスチレン換算重量平均分子量が4000〜20000であるポリエステル又は/及びコポリエステルで構成され、平均繊維径が0.7〜5μmである極細繊維。 【請求項2】 メルトブロー法により製造されてなる請求項1記載の極細繊維。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ウェブ状物として有用な、ポリエステル系の極細繊維に関する。 【0002】 【従来の技術】メルトブロー法による重合体の紡糸法については、インダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミストリー第48巻、第8号(1956年)、第1342頁〜1346頁に記載されており、その中ではポリエステルを用いた極細繊維が記載されており、それ以降、メルトブロー法による極細繊維の特許出願が数多くなされている(特開昭53−65471号公報、特公昭63−53309号公報、特開平3−8855号公報、特開平4−2850号公報など)。 【0003】極細繊維を作る方法としては、他に、特公昭62−35481号公報等に開示されているように、細い口径のノズルからポリマーを押出し、直接、極細繊維を紡糸するような方法もある。一方、ポリエステルの重縮合触媒としては、3酸化2アンチモンやチタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド等を1種又は2種以上使用した触媒があり、工業的には一般的に3酸化2アンチモンが使用されている。 【0004】ところで、特表平9−507514号公報には、2酸化チタン共沈物を用いたポリエステルの重縮合触媒が提案されている。2酸化チタン共沈物触媒は反応性が高く、触媒量として少量でも反応が起こることから、3酸化2アンチモン代替として有効であると考えられる。しかし、この2酸化チタン共沈物を用いて重合されたポリエステル、コポリエステルを使用した極細繊維については、その特徴や工業的手法などを含めて未だ知られていない。 【0005】エステル、オリゴエステルの重縮合触媒としては、一般に、工業的には3酸化2アンチモン系の触媒が使用されているが、しかし、本発明者らの知見によれば、触媒としての3酸化2アンチモンの使用量が多いために、極細繊維を長時間にわたり生産を続けていると、紡口付近に3酸化2アンチモンが析出・付着するため、紡口の吐出量が変化し、糸切が起こったり、ウエブの目付斑が大きくなる等、工業的な連続生産性を低下させる原因となっている。 【0006】また、3酸化2アンチモン触媒で作られたポリエステル、コポリエステルの極細繊維から成るウエブは、表面に微量の3酸化2アンチモンが付着していたり、内部に存在しているものがブリードアウトする現象が見られる。したがって、このような極細繊維から成るウエブを血液分離フィルター等のフィルター用途に使用する場合は、極細繊維から成るウエブを洗浄処理することが行われており、コストアップの要因となっている。 【0007】また、触媒である3酸化2アンチモンの使用量を減少させる事も考えられるが、重縮合反応速度が低下したり、反応が不十分となったり、分子量分布が大きくなったりするので、工業的に安定に生産するには問題が多い。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような問題の無い、ウエブ状物として有用な極細繊維を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、重縮合触媒としてTiO2 :SiO2 =90:20〜20:80モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化ケイ素共沈物を使用してエステル又は/及びオリゴエステルを重縮合してなり、極限粘度が0.3〜1.5、ポリスチレン換算重量平均分子量が4000〜20000であるポリエステル又は/及びコポリエステルで構成され、平均繊維径が0.7〜5μmである極細繊維に関する。 【0010】本発明は、エステル、オリゴエステルの重縮合触媒として従来使用されていた3酸化2アンチモン系を使用せず、平均繊維径が0.7〜5μmの極細繊維を工業的に安定に長期間生産することが出来、また、該極細繊維から成るウエブを血液分離フィルターに用いる場合、洗浄工程が不要なためコスト的に極めて有利である。 【0011】本発明に用いるエステル、オリゴエステルの重縮合触媒は、TiO2 :SiO2 =90:20〜20:80モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化ケイ素共沈物である。触媒の使用量は、重合すべきエステル、オリゴエステルに対し全量で1ppm〜250ppmが好ましく、より好ましくは2ppm〜150ppm、さらに好ましくは5ppm〜50ppmである。触媒量が少なすぎると重合反応速度が低下したり、オリゴマー等が増加し、また触媒量が多すぎると、所望の極限粘度に制御するのが難しくなったり、紡糸後、極細繊維に付着する触媒の量が多くなる傾向がある。 【0012】本発明においては、上記触媒により重合されたポリエステル、コポリエステルであればいかなるものでも良い。かかるポリエステル、コポリエステルとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,2−ビス(4−カルボフェノキシ)エタン、2,6−ナフタリンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸や、アジピン酸、セバシン酸、シュウ酸等の脂肪族ジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのグリコール等を用いることにより得られる。また、これらのジカルボン酸成分及びグリコール成分の夫々1種づつを用いても良く、いずれか一方又は双方の成分を2種以上用いても良い。 【0013】必要に応じて、各種の添加剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤などを共重合、または混合してもよい。本発明に用いるポリエステル、コポリエステルは、ポリエステル、コポリエステルのオリゴマーの含有量が3wt%以下であることが好ましく、これによって繊維の強度低下を避けることが可能になるほか、工業的に必要な紡糸安定性を確保できる。尚、ポリエステル、コポリエステルのオリゴマーとは、通常、ポリエステル、コポリエステル単位が2〜4個繋がったオリゴマーであり、線状構造であっても、環状構造であってもよい。 【0014】オリゴマーの含有量が3wt%を越える場合には、例えば、紡糸する場合にオリゴマーがノズル周りに析出し、ポリマー玉が生成しやすくなる。長時間安定に紡糸を行うためには、1.5wt%以下が好ましく、更に好ましくは1wt%以下である。更に、得られた繊維の毛羽が少なくなるという点からは、0.5wt%以下、更に好ましくは0.3wt%以下が好ましく、もちろん理想的にはオリゴマーを含まないことである。 【0015】尚、ポリマー玉とは、ウエブを構成する極細繊維の直径約10〜500倍程度の直径を有する玉状ポリマー、または極細繊維の端部や中央部に生成したコブ状ポリマーである。このポリマー玉は、顕微鏡を用いて観察するか、またはウエブをそのまま、もしくはウエブにプレス、カレンダー、交絡処理、その他の手段を施して、その繊維密度を高めた後、これを染色することによって検知できる。ポリマー玉が多く存在すると、得られる極細繊維から成るウエブの用途が大きく制限され、特に血液分離フィルターとしては使用が困難となる。 【0016】本発明の極細繊維を構成するポリエステル、コポリエステルの極限粘度は0.3〜1.5であり、好ましくは0.4〜1.0、更に好ましくは0.4〜0.7である。このため、得られるウエブは、柔軟性に富んだものであるにも関わらず、強度が高く、熱、光、薬品等に対しての耐久性にも優れている。極限粘度が0.3未満であると、繊維の強度が低く、ポリマー玉が生じることがあり、また、紡糸する場合に繊維状のものに成りにくく、ウエブの形成が困難となる。1.5を越える場合は、平均繊維径が0.7〜5μmの極細繊維を安定して紡糸する事が出来ず、糸切れが多くなったり、平均繊維径が5μmよりも大きくなり、また、繊維がもつれてがさついたり、ピリングが生じたりする。 【0017】本発明の極細繊維を構成するポリエステル、コポリエステルのポリスチレン換算重量平均分子量は4000〜20000であり、好ましくは5000〜15000である。ポリスチレン換算重量平均分子量が4000未満であると、紡糸時に糸切れ等が発生し、連続的に紡糸を行うことが困難となり好ましくなく、20000を越えると、本発明で規定するような平均繊維径の細い極細繊維を安定して紡糸する事が出来ない。 【0018】本発明に用いるポリエステル、コポリエステルの製法として好ましい一例を挙げるならば、テレフタル酸、またはテレフタル酸ジメチルを原料とし、これにエチレングリコールと、さらに酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸マンガン等の金属酢酸塩1種あるいは2種以上を0.03〜0.1wt%加え、常圧下あるいは加圧下、エステル交換率90〜98%でビスヒドロキシエチルテレフタレートを得る。本発明の目的を達成するためには、このように遷移金属以外の金属の酢酸塩を用いることが好ましい。 【0019】次に、TiO2 :SiO2 =90:20〜20:80モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化ケイ素共沈物を、重合すべきエステル、オリゴエステルに対し全量で1ppm〜250ppm添加し、250〜290℃で減圧下反応させる。重合の任意の段階、好ましくは重縮合反応の前に安定剤を入れることが、樹脂組成物の白度、ポリエステル、コポリエステルのオリゴマー量や、分子量が300以下の有機物量を特定量に制御できる観点から好ましい。この場合の安定剤としては、5価または/および3価のリン化合物やヒンダードフェノール系化合物が好ましい。 【0020】5価または/および3価のリン化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト等が挙げられ、特に、トリメチルホスファイトが好ましい。 【0021】ヒンダードフェノール系化合物とは、フェノール系水酸基の隣接位置に立体障害を有する置換基を持つフェノール系誘導体であり、分子内に1個以上のエステル結合を有する化合物である。具体的には、ペンタエリスリトール−テトラキス[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゼン)イソフタル酸、トリエチルグリコール−ビス[3(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレン−ビス[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を例示しうる。中でもペンタエリスリトール−テトラキス[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。 【0022】本発明の極細繊維は、平均繊維径が0.7〜5μm、好ましくは0.8〜3μmであって、適度な繊維径分布を有する混合繊維である。平均繊維径が0.7μm未満では、得られる繊維の強度が不十分になると同時に、発色性、堅牢性の低下が起こる。例えば、0.7μm未満の平均繊維径のものを用いた血液フィルターは、圧損が高くなり処理するのに時間がかかる。一方、5μmを越えると柔軟性に乏しい粗悪な感触を与える極細繊維にしかならない。例えば、5μmを越える平均繊維径のものを用いた血液フィルターは、除去能力が低い。 【0023】また、メルトブロー法により得られた極細繊維は、極めて小さな繊維径を有しているため、血液フィルター用途として好ましい。メルトブロー法による極細繊維は、繊維の平均長さを測定することは困難であるが、30mm以上、多くの場合は70〜350mm程度と推定される。本発明のポリエステル極細繊維から成るウエブ状物の目付量は用途によって任意に設定できるが、一般に5〜200g/m2 の範囲である。 【0024】本発明の極細繊維を、ウエブ状物として得るための好ましい製造法として、メルトブロー法の一例を図面に基づいて以下に説明する。押出機内で溶融されたポリエステル又は/及びコポリエステルの溶融ポリマー流は、適当なフィルターによって濾過された後、メルトブローダイ(1)の溶融ポリマー導入部(2)へ導かれ、その後、オリフィス状ノズル(3)から吐出される。それと同時に加熱気体導入部(4)に導入された加熱気体を、メルトブローダイ(1)とリップ(6)により形成された加熱気体噴出スリット(5)へ導き、ここから噴出させて、前記吐出ポリマー液に当て、これを細化して極細繊維を形成する。 【0025】本発明においては、ポリマーの溶融押し出し温度を260〜320℃にすることが好ましい。320℃を越えると、ポリマーが熱劣化、加水分解の加速などを起こして溶融粘度が低下し、得られるウエブの強度が低下する他、ポリマー玉の生成、目付斑、染色堅牢性の低下を起こす場合がある。本発明においては、噴出させる高温高速気体としては、スチーム及び/又は空気が、ポリマーの劣化が少なくコスト面からも有利であり、なかでも高圧のスチームが好ましい。高圧のスチームは熱量が多く、ポリマーの細化が容易に達成され、平均繊維径0.7〜5μmの本発明の極細繊維から成るウエブを効果的に得ることが出来る。 【0026】高温高速気体の温度は270〜380℃が好ましい。270℃未満では、吐出ポリマー流に対する冷却効果が過大になるため、ポリマー流の細化が不十分となり、ポリマー玉が増大しウエブの品質を低下させる傾向がある。一方、380℃を越えると、気体からの伝熱によって溶融ポリマー導入部(2)やオリフィス状ノズル(3)の温度が300℃を越えてしまう。より好ましくは340〜380℃である。 【0027】高温高速気体の噴出圧力は、0.03〜0.4MPaの範囲に設定することが好ましい。尚、噴出圧力は加熱気体導入部(4)のリップ(6)に近い点で測定した値である。この噴出圧力が0.03MPa未満の場合には、噴出する気体のポリマー細化エネルギーが小さくなるために、ポリマーの細化が不十分となり、そのために、柔軟性の低下、目付斑が起こる傾向がある。一方、0.4MPaを越えると、ポリマーの細化が進み、ウエブの強度が強くなって好ましい方向となるものの、発色性、堅牢性が低下する傾向があり、また、噴出する高温高速気体の力が強すぎるために、捕集されたウエブの一部が巻き上げられたりして表面品位が劣る場合がある。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものでない。尚、測定法、評価法等は下記の通りである。 (1)極限粘度極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求めた値である。 【0029】 【数1】
【0030】定義式中のηrは、純度98%以上のo−クロロフェノールで溶解した試料の希釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶剤自体の粘度で割った値であり、相対粘度と定義されているものである。またCは、上記溶液100ml中のグラム単位による溶質の質量値である。 (2)分子量島津製作所製の高速液体クロマトグラフィーLC−10Advpを用いて、以下の条件で測定した。 ・カラム:Shodex社製、GPCカラムを繋ぎ使用した。 【0031】(HFIP−803)−(HFIP804)−(HFIP−805) ・移動相:10mM CF3 COONa/HFIP・温度:40℃・流量:0.8ml/分・検出:RIPMMA標準ポリマーにより検量線を作成し、下記の換算式により、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)を求めた。 【0032】ポリスチレン換算重量平均分子量=(当該ポリマーの分子量)×41.3/(当該ポリマーのQファクター) 尚、当該ポリマーのQファクターは39とした。 (3)平均繊維径サンプルの任意の10ヶ所について、電子顕微鏡により、倍率2000倍で10枚写真撮影を行った。1枚の写真につき、任意の10本の繊維の直径を測定し、これを10枚の写真について行った。合計100本の繊維径測定値を求め、平均値を計算した。 【0033】(4)目付斑ウエブの巾方向にわたって連続的に10cm×10cmのサンプルを切り取り、この質量を計量した。その値の平均値Aと、最大値と最小値の差Rを求め、次式により目付斑を測定した。 目付斑=R/A×100(5)柔軟度カンチレバー法(45度)を用いて評価した。数値が小さいほど柔軟性が高いことを示す。 【0034】(6)生産性メルトブロー法により極細繊維から成るウエブを連続的に生産し、目付斑が30%以上となるまで生産を行い、この連続日数を比較した。 〔実施例1〕テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを1:2のモル比で仕込み、理論ポリマー量の0.05wt%に相当する酢酸マンガンを加え、徐々に昇温して240℃でエステル交換反応を完結させた。得られたエステル交換物に、TiO2/SiO2 共沈物(商品名C94:Akuzo社製)を理論ポリマー量の35ppm加え、290℃で1時間反応させた。得られたポリマーの極限粘度は0.67であり、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は14000であった。 【0035】得られたポリマーを押出機を用いて290℃で溶解し、溶融ポリマーを1mmピッチで1500個一列に並んだ0.3mmφのオリフィスから吐出させ、ダイオリフィス下60cmに位置せしめた移動する捕集面上に連続的に集積し、目付100g/m2 になる様にランダムウエブとして巻き取った。メルトブロー条件および得られたウエブの物性を表1に示した。 【0036】この極細繊維から成るウエブは、そのままでも血液分離フィルター等のフィルター用途として用いられるが、この後、プレス機等で厚み調整する事で毛羽が押さえられ更に有用になる。次に、このランダムウエブを金網上に乗せ、下方から真空度50mmHgで吸引しながら、3mmピッチで一直線に配列された0.2mmの径のオリフィスより3.0MPaの圧力で連続的に噴出する高速水流をシート全面に噴き当て、次いで1.0MPaの圧力で同様に処理した。得られたシートの物性も表1に示した。 【0037】得られたウエブ、シートは、柔軟性、磨耗性、摩擦堅牢性、発色性に優れ、常圧で濃色に染色することができ、ポリマー玉が少ない優れたものであり、人工皮革基布等の衣料用として有用である。表1に結果を示す。 〔実施例2〕TiO2 /SiO2 共沈物の量を理論ポリマー量の10ppmとし、実施例1と同様の操作を行った。得られたポリマーの極限粘度は0.46であった。ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は9000であった。 【0038】実施例1と同様に、メルトブロー法を用い極細繊維から成るウエブを作製した後、同様な操作で高圧水処理を行った。表1に結果を示す。 〔実施例3〕TiO2 /SiO2 共沈物の量を理論ポリマー量の10ppmとし、実施例1と同様の操作を行った。得られたポリマーの極限粘度は0.36であった。ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は5500であった。 【0039】実施例1と同様に、メルトブロー法を用い極細繊維から成るウエブを作製した後、同様な操作で高圧水処理を行った。表1に結果を示す。 〔比較例1、2〕実施例1で製造したポリマーを用いて、メルトブロー条件を表1に記載のように変えて実験を行った。得られたウエブ及びシートの物性を表1に示した。いずれの場合も、平均繊維径が本発明の範囲をはずれるために、ポリマー玉の発生が多く、目付斑が大きい粗悪なものであった。表1に結果を示す。 【0040】〔比較例3〕TiO2 /SiO2 共沈物の量を理論ポリマー量の0.2ppmとし、実施例1と同様のポリマーを作成しようとしたが、重縮合反応時間を4時間経過しても反応は起こらなかった。 〔比較例4〕TiO2 /SiO2 共沈物の量を理論ポリマー量の350ppmとし、実施例1と同様のポリマーを作製した。極限粘度1.7、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は47000であった。 【0041】実施例1と同様に、メルトブロー法を用いて極細繊維から成るウエブを作成しようとしたが、触媒量、極限粘度が本発明の範囲をはずれるため、平均繊維径が大きく、目付斑の大きい粗悪なウエブで、また生産性も悪かった。また、より高温のスチームでブローを行っても、平均繊維径が5μm以下の極細繊維を得ることは出来なかった。表1に結果を示す。 【0042】〔比較例5〕重縮合触媒として3酸化2アンチモンを理論ポリマー量に対し350ppm使用し、実施例1と同様のポリマーを作製した。極限粘度0.67、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は14000であった。実施例1と同様に、メルトブロー法を用いて極細繊維から成るウエブを作成したが、紡口づまりが激しく、目付斑が大きく、生産性も悪かった。表1に結果を示す。 【0043】〔比較例6〕重縮合触媒として3酸化2アンチモンを理論ポリマー量に対し250ppm使用し、実施例1と同様のポリマーを作製した。極限粘度0.49、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は9000であった。実施例1と同様に、メルトブロー法を用いて極細繊維から成るウエブを作成したが、紡口づまりが激しいため、目付斑が大きく、生産性も悪かった。ブロー終了後に、紡口付近に析出した物を解析したところ、その殆どがアンチモン系の化合物であった。表1に結果を示す。 【0044】〔比較例7〕重縮合触媒として3酸化2アンチモンを理論ポリマー量に対し35ppm使用し、実施例1と同様のポリマーを作成しようとしたが、重縮合反応時間を4時間経過しても反応は起こらなかった。 【0045】 【表1】
【0046】 【発明の効果】本発明の極細繊維は、ポリマーの重縮合触媒が従来の3酸化2アンチモンとは異なっているため、紡糸における工業的な連続生産性に優れている。すなわち、従来の連続生産日数5日に対し、16〜20日と3倍以上の連続生産が可能である。 【0047】また、本発明の極細繊維から成るウエブ状物は、繊維の細さ均一性に優れ、柔軟性、磨耗性、発色性、摩擦堅牢性に優れ、常圧で濃色に染色することができ、ポリマー玉が少ない。従って、その用途として、血液分離フィルター、防塵フィルター、耐熱フィルター等のフィルター用途、気液セパレータ、溶液セパレータ、電池セパレータの隔離膜用途、人工皮革基布等の衣料用用途、テープ、テープ芯地、使い捨ておむつ、生理用品、パップ剤基布等の薬剤保持基布、作業着、眼鏡拭き、水拭きや油拭きのワイピングクロスなどの各種ワイパー用途、保温中綿、芯地、シート、キャップ等に有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000033 【氏名又は名称】旭化成株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月6日(2000.6.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−348728(P2001−348728A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−169162(P2000−169162) |
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