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【発明の名称】 繊維およびその繊維組成物
【発明者】 【氏名】谷内 宏

【氏名】高井 庸輔

【要約】 【課題】火災時に安全で、焼却などの廃棄処分が無害にでき、リサイクル可能で、強力などの性能は従来並みで製品の使い勝手に支障のないポリオレフィン系の難燃化繊維及びその組成物を提供する。

【解決手段】モノマーの炭素数が2〜8のαオレフィンのホモまたは共重合の樹脂に、高分子量ヒンダードアミン系安定剤を難燃効果剤として0.1〜10重量%添加し、オレフィン樹脂に難燃性を付与することで難燃化した繊維及びその組成物とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 炭素数nが2≦n≦8であるαオレフィンから選ばれた、1つまたは複数の成分を主成分とする、1種または複数種のポリオレフィン樹脂に、高分子量ヒンダードアミン・ラジカル捕集剤のイミノ基(>N−H)がN−アルコキシ・イミノ基(>N−O−R)(Rは炭素数1〜20のアルキル基)に置き換えられているヒンダードアミン誘導体が難燃効果剤として添加された繊維であって、該ポレオレフィン樹脂への該難燃効果剤の添加率a(重量%)が、0.1≦a≦10で、該難燃効果剤を添加された樹脂の総含有率b(重量%)が30≦bであり、使用されている全ポリオレフィン樹脂に対して、該難燃効果剤が少なくとも0.1重量%含有され、難燃性の効果を有していることを特徴とする繊維。
【請求項2】 難燃効果剤が添加されているポリオレフィン樹脂がポリプロピレンであることを特徴とする請求項1記載の繊維。
【請求項3】 請求項2記載の難燃効果剤が添加されているポリプロピレンを1成分としたポリオレフィン樹脂から成る複合繊維。
【請求項4】 請求項3記載のポリオレフィン樹脂がポリプロピレンであることを特徴とした複合繊維。
【請求項5】 難燃効果剤が添加されている複数種のポリオレフィン樹脂からなる繊維が複合繊維または混合紡糸繊維であることを特徴とする請求項1記載の繊維。
【請求項6】 難燃効果剤が添加された繊維が、難燃効果剤が添加されているポリオレフィン樹脂を1成分とし、非ポリオレフィン樹脂である、融点が100〜300℃の熱可塑性樹脂をもう1成分とする複合繊維または混合紡糸繊維であることを特徴とした請求項1記載の繊維。
【請求項7】 難燃効果剤が添加されているポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン、エチレン共重合体、プロピレン共重合体、ポリプロピレンから選ばれた1つまたはこれらの複数種の混合物であり、これらを鞘成分とし、融点が少なくとも20℃高い熱可塑性樹脂を芯成分とする鞘芯型の複合繊維としたことを特徴とする請求項1記載の繊維。
【請求項8】 請求項1記載の繊維と他の繊維が混用されて構成される繊維組成物において、該組成物中の全オレフィン樹脂に対して、請求項1記載の難燃効果剤が少なくとも0.2重量%の割合いで保持され、難燃性の効果を有していることを特徴とする繊維組成物。
【請求項9】 請求項1記載の繊維が熱接着性繊維として使われていることを特徴とする請求項8記載の繊維組成物。
【請求項10】 請求項1記載の繊維と他の繊維が物理的繊維交絡によって一体化されていることを特徴とする請求項8記載の繊維組成物。
【請求項11】 請求項1記載の繊維と他の繊維が繊維接着剤によって一体化されていることを特徴とする請求項8記載の繊維組成物。
【請求項12】 請求項1記載の炭素数nが2≦n≦8であるαオレフィンから選ばれた、1つまたは複数の成分からなる、1種または複数種のポリオレフィン樹脂に、高分子量ヒンダードアミン・ラジカル捕集剤のイミノ基(>N−H)がN−アルコキシ・イミノ基(>N−O−R)(Rは炭素数1〜20のアルキル基)に置き換えられているヒンダードアミン誘導体が難燃効果剤として添加された繊維であって、該難燃効果剤の添加率a(重量%)が、0.1≦a≦10で、該難燃効果剤を添加された樹脂の総含有率b(重量%)が30≦bであり、使用されている全ポリオレフィン樹脂に対して、該難燃効果剤が少なくとも0.1重量%含有され、難燃性の効果を有していることを特徴とする繊維からなる繊維組成物。
【請求項13】 請求項8または請求項12記載の繊維組成物が織物であり、該織物に請求項1記載の難燃効果剤を少なくとも0.1重量%含み、融点が該織物を構成する主体繊維の融点より少なくとも15℃低いポリオレフィン樹脂で被覆されていることを特徴とする難燃性の効果を有する織物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性の効果を有する繊維およびその繊維組成物に関する。さらに詳しくは、濾過資材、インテリア資材、繊維資材、そして自動車の内装材用途などで、ノンハロゲンの、ポリマー添加剤を難燃効果剤として用いてポリオレフィン樹脂を難燃化して、繊維全体を難燃化した繊維およびこれらの繊維を用いて難燃化した繊維組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エアーフィルターや濾過布などの濾過資材、壁紙やカーペットなどのインテリア資材、テント、自動車の幌シートや日除けテントなどの繊維資材、そして自動車の内装材など、従来から製品に難燃性が求められている分野では、塩化ビニル製品や、特公昭60−7722号、特公昭60−24205号あるいは、特公昭61−44967号公報に示されているようなハロゲン化合物の難燃剤を用いた製品が多用されてきたが、使用後に焼却して廃棄処分するとダイオキシンなどの有害物の発生の可能性があり、また火災時にはハロゲン化水素などの有害物や煤が発生し、いずれも問題視されている。
【0003】また、最近は、リサイクル性などが強く要求されて、ポリエチレンテレフタレートよりリサイクルが容易なポリオレフイン樹脂で上記資材を作ることが求められているが、ポリオレフイン樹脂はラジカル重合で作られているため、難燃化が困難であり、前述の様にハロゲン化合物の難燃剤が用いられてきたことにより、リサイクル性の点からは問題があった。
【0004】従来のポリオレフィン系の難燃繊維には、比重の重いハロゲンガスを、熱分解させて発生させて繊維を覆って酸素を遮断することで難燃化するハロゲン系難燃剤、主に縮重合樹脂で効果を発揮する、熱分解温度を下げ、脱水反応で水素を引抜いて炭化を促進して難燃化するリン酸アンモニウム塩や赤燐などの燐化合物、そして、不燃の無機物やさらには結晶水を加熱すると放出する無機物を概ね過半量添加して、可燃性の樹脂の量を減らすことで難燃化する水酸化マグネシュウムなどの水酸化物などを使用しており、これらも検討したが、難燃効果が従来の物より格段に優れたものは見つからず、ここ十年、他社でも実用化されたものはないのが実状であった。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】上記ように製品に難燃性が求められている分野では、従来、難燃効果の高いハロゲン化合物、例えば、塩化ビニル樹脂やハロゲン系難燃剤がこの用途に多用されてきたが、火災時にハロゲン化水素などの有害物や煤を発生し、被災者にこれら有害物が強い被害を与え、また、破損や劣化で使用に耐えなくなった時、焼却して廃棄処分するとダイオキシンなどの有害物が発生するため焼却できず、微生物などでの処分もできないため、これらの使用は廃棄処分においても重大な問題があった。また、これら製品を製造またはリサイクル使用する時、ハロゲン化水素などの有害物が発生し、製造環境の劣悪化と製造設備の劣化を招き、問題が大きく、また塩化ビニル製品においては、使用によって柔軟剤が溶出して再生が出来ない等問題があった。
【0006】上記した難燃剤を用いた従来技術では、公知のハロゲン系難燃剤に加え、りん系、アンモニウム塩系が紹介されており、樹脂の難燃剤としては水酸化マグネシウムなどが従来から公知であったが、ポリオレフィン繊維では、ハロゲン系難燃剤を主剤としないと効果がなく、これらが主として実用されてきた。しかしながら、上記した様に種々の問題があるため、本発明は、ハロゲン元素を含まない薬剤の使用、すなわち、ノンハロゲン化によって、より火災時に安全で、焼却などの廃棄処分が無害にでき、リサイクル可能で、強力などの性能は従来並みで製品の使い勝手に支障のないポリオレフィン系の難燃化繊維及びその組成物を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】ポリオレフィン樹脂に難燃性を発現させるには、■酸化剤である酸素の遮断、■着火しない低温で熱分解させて耐熱性の炭化物で被覆する、■可燃物である樹脂の含有量を減らし着火しても低発熱とする手段が従来の難燃性付与方法であった。これらを整理すると、■酸素の遮断、■燃焼時の可燃ガス発生抑制、■炎の低温化となり、ポリオレフィン系の難燃繊維では、■の効果を持つハロゲン系難燃剤を主体とし、■または■の薬剤を補助とした難燃剤構成であったが、製造上、使用上、火災発生時などで上記の通り大きな問題を抱えているため、従来の難燃剤の概念を捨てて、一から再検討した。本発明は、ポリオレフィン樹脂の燃焼機構が、まず、熱によって樹脂が熱分解を起こし、低分子量のモノマーなどを放出して、これらが着火し、さらに熱分解の連鎖を起こして燃焼する機構と仮定して検討を続けた結果、ハルス系のラジカル捕集剤をポリオレフィンの安定剤としてでなく、難燃化剤としてもっと大量に添加することで、外部からの炎によって樹脂が熱分解される時、アルキルラジカル(R・)がまず発生するが、このラジカルを捕捉することで、熱分解連鎖を遮断すれば、低分子量物の発生を抑制でき、ポリオレフィン樹脂やその繊維を難燃化できるのではと考え、本発明に至ったものである。
【0008】本発明は、モノマーの炭素数が2〜8のαオレフィンのホモまたは共重合の樹脂に、高分子量ヒンダードアミン系安定剤を難燃効果剤として0.1〜10重量%添加し、オレフィン樹脂に難燃性を付与することで難燃化した繊維及びその組成物とするものであって、使用する難燃効果剤が、従来の難燃剤でなく、ポリオレフィン樹脂の安定剤であるヒンダードアミン系安定剤を用いており、結果として、環境ホルモンにも該当しない薬剤で、ノンハロゲンで難燃化を達成しており、火災時にも有害ガスを発生せず、廃棄処分でも有害物を排出しないので安全であり、当該効果剤が樹脂の安定剤に類するものであるからリサイクルも容易であり、必要添加量も従来の難燃剤より少ないので繊維の性能の低下もあまり生じない特徴を持ったものとなる。
【0009】前記したアルキルラジカル(R・)を捕捉する本発明の難燃効果剤として用いるヒンダードアミン系安定剤は、イミノ基の窒素の部分が、N−アルコキシ・イミノ基(>NOR)(Rは炭素数1〜20のアルキル基)であり、該基は、主としてアルキルラジカル(R・)を捕集するので特に好ましく、アルキル−パーオキシラジカル(RO2・)を主とし て捕集する>NH、>NOHや>NCH3より難燃効果が大きく好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の形態は、モノマーの炭素数が2〜8のαオレフィンのホモまたは共重合の樹脂に、高分子量ヒンダードアミン系安定剤を難燃効果剤として0.1〜10重量%添加し、オレフィン樹脂に難燃性を付与することで難燃化した繊維及びその組成物に関する。
【0011】本発明の難燃効果剤を添加するオレフィン樹脂は、主として炭素数が2〜8のαオレフィンのホモポリマー、これらの共重合体、あるいはこれらを主成分とした、エチレンカルボン酸や酢酸ビニルなどのエチレン変性体、プロピレン変性体、スチレンやゴムモノマーとの共重合体、そしてこれらの混合物を言い、本発明で使用する難燃効果剤を添加していないオレフィン樹脂もほぼ同様であるが、さらにαオレフィンが少ないエチレン−酢酸ビニル、エチレン−ビニルアルコール、エチレン−アクリル酸、エチレン−アクリル酸エステルなどのオレフィン共重合体も都合良く用いることができる。なお、経済的、繊維性能的には、前記したオレフィン樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン共重合体、エチレン共重合体、およびポリブテン1が特に好ましい。
【0012】本発明の繊維が複合繊維にあっては、本発明の難燃効果剤を添加しているポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂として、前記ポリオレフィン樹脂の他に、融点が100〜300℃の範囲にある、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、スルホン化ポリエステル、脂肪族ポリエステル、共重合ポリエステル、あるいは、ポリエステルエーテルなどのポリエステル類、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12、MXDナイロン、共重合ポリアミド、あるいは脂肪族ポリアミドなどのポリアミド類、あるいはポリカーボネート類などの重縮合体、ポリスチレン、ポリブタジエンあるいはこれらのラジカル共重合体、そしてこれらの変成体や混合物が都合良く使用でき、これらに着色剤や充填剤などの添加物が用途によって添加されているのも好ましい。なお、前記した熱可塑性樹脂の融点は100〜300℃の範囲に限定しているが、無論この範囲外であっても問題が無い。
【0013】本発明の難燃効果剤として用いるヒンダードアミン系安定剤は、イミノ基の窒素の部分が、N−アルコキシ・イミノ基(>NOR)(Rは炭素数1〜20のアルキル基)であり、該基は、主としてアルキルラジカル(R・)を捕集し、アルキル−パーオキシラジカル(RO2・)を捕集する>NH、>NOHや>NCH3より好ましい。なお、従来の安定剤として、>NHタイプなどのヒンダードアミン系安定剤を通常量併用添加することも好ましく、他の安定剤の通常量併用添加も好ましい。また、本発明の難燃効果剤は、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社の商品名チモソルブ944などのように多数のイミノ基が側鎖として存在するタイプの高分子量タイプで、ラジカル捕集によって3次元化するので、揮発物を抑制でき、最も好ましい。なお具体的なN−アルコキシ・イミノ基(>NOR)を持つ本発明のヒンダードアミン系安定剤を例示すると、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社の商品名CGL116がある。
【0014】本発明の難燃効果剤の樹脂への添加率a(重量%)は、0.1〜10重量%で良く、約0.3〜5重量%が最も好ましい。なお、0.1重量%未満では難燃性が十分でなく、10重量%を超えると経済的に好ましくない。また、全ての繊維構成成分の内、ポリオレフィン樹脂に対して、該難燃効果剤が少なくとも0.1重量%の割合で含有されていないと、難燃特性が発揮できず好ましくなく、繊維に対して該難燃効果剤が添加された樹脂が少なくとも30重量%使用されていないと繊維として難燃特性が発揮できず好ましくない。
【0015】本発明の繊維は、1成分または混合ポリマー1種からなる単一繊維、複数種の熱可塑性樹脂からなる鞘芯型、この偏芯型、背腹型、1成分が少なくとも複数に区分され他の成分で区分けされている繊維断面が蜜柑型、風車型または積層型、または、混合紡糸された複合繊維であり、同一樹脂で難燃効果剤が添加された樹脂と添加されていない樹脂の複合繊維も含まれる。また繊維形状は、繊維断面が円、楕円、非円の異型でも良く、芯部が中空であっても都合良く、本発明の難燃効果剤が添加されている樹脂は、例えもう1成分がポリオレフィン樹脂であっても、難燃効果の発揮には繊維表面に露出している必要がなく、繊維に存在さえすれば難燃効果を発揮し得る。
【0016】また、本発明の繊維は、ステープル、短カット、マルチおよびモノフィラメント、スプリットヤーン、スパンボンドやメルトブローやフラッシュ紡糸による繊維、ストランドなど繊維状物等を言う。
【0017】本発明の繊維は、リサイクル性が要求される用途には、大部分がポリオレフィン樹脂で構成されているのが好ましく、ポリプロピレン単一成分繊維、ポリプロピレンを芯成分とし、ポリプロピレン、プロピレン共重合体、ポリエチレン、エチレン共重合体、ポリブテン1、ブテン1共重合体、あるいはこれらの混合物を鞘成分とする鞘芯型複合繊維、ポリメチルペンテンを1成分とし、上記したポリオレフィン樹脂をもう1成分とする、鞘芯型または断面が風車型の複合繊維が特に好ましい。なお、前記した繊維の繊度は、紙、不織布などの形態の製品向けには、0.01〜100dTex、紡績糸やフィラメント向けには0.5〜10dTex、ニードルパンチ製品向けには5〜20dTex、その他土木資材などでは繊維径を0.1〜5mmφとするのが良いが、用途によるので特には限定されない。
【0018】本発明の繊維組成物は、スパンレースやニードルパンチなどの物理的三次元交絡、熱風接着やロール接着などの熱接着、バインダーや接着剤での接着などで一体化された紙や不織布、スパンボンドやメルトブロー手法で樹脂より直接不織布化された不織布、紡績糸、マルチフィラメント、モノフィラメントやスプリットヤーンなどの織編物(ネット、寒冷紗、メッシュを含む)、樹脂のストランドで構成された網状体などを言う。また本発明の繊維以外の他の繊維で都合良く用いることができる維維としては、前記した難燃効果剤を添加していない熱可塑性樹脂の単一または複合繊維、およびレーヨンなどの再生繊維、アクリルやビニロンなどの合成繊維、木綿、カポック繊維、椰子繊維、羊毛などの獣毛や絹などの天然繊維、炭素繊維やガラス繊維などの無機繊維などがある。
【0019】本発明の繊維組成物には、本発明の難燃効果剤を添加された繊維が含まれ、該組成物を構成しているポリオレフィン樹脂に対して、本発明の難燃効果剤が少なくとも0.2重量%の割合で保持されているのが好ましく、これ以下の量であると難燃性に問題を生じる場合があり好ましくない。
【0020】本発明の繊維組成物の内、織物用途で防水機能を必要とするものは、本発明の難燃効果剤を添加されたポリオレフィン樹脂で被覆されていると都合良く、該樹脂は該織物の主体繊維の融点より少なくとも15℃低いものが製造上好ましい。
【0021】次に本発明の効果を実施例と比較例で具体的に説明する。なお、本発明の実施の1形態であるステープル繊維で主に説明するが、他の形態の繊維も実施例を参考にすれば同様に容易に作ることができることはいうまでもない。
【0022】
【実施例】(実施例1〜21、比較例1〜5) 本発明の実施例と比較例の繊維は、表1から表3記載の条件に従って、図1と図2の繊維断面で、複合比を1:1として溶融紡糸し、延伸して、例えばアルキル硫酸エステル塩からなる易水溶性繊維処理剤を付与しながらスターッファボックスで捲縮を付与したものであり、これをネットコンベアー式熱風貫通型乾燥機で乾燥した後、51mmの長さに切断してステープル繊維としたものである。なお、表においてPPはポリプロピレンを、EPはプロピレンを主体としたエチレンとの共重合体を、HPEは高密度ポリエチレンを、MPPは中密度ポリエチレンを、EMAはエチレン−メチルアクリレート共重合体を、PB1はポリブテン1を、PETはポリエチレンテレフタレートを表し、※印を付記したものは、本発明の難燃効果剤、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社の商品名CGL−116を1重量%添加したものを表し、特に第1成分への添加率(重量%)は表に記載する。また、MFRはメルトフローレートを意味し、測定温度が230℃のASTM−1238(L)による値で、単位はg/10分、ポリエステルのIV値は常法の限界粘度を意味し、表1から表3のPETは0.64の値である。これらの難燃性は、スパンレース(SLと表示)、または145℃の熱風加工機で不織布化してJISL1091、A−1法で評価した。
【0023】表中の温度は℃、密度はg/cm3、繊度はdTex、乾強力はcN/dTex、燃焼試験の炭化面積はcm2、残炎および残塵時間は秒であり、燃焼試験の1分とは1分加熱、着炎後とは着炎3秒後を意味する。
【0024】
【表1】

【0025】
【表2】

【0026】
【表3】

【0027】(実施例22〜26、比較例6〜7) 表4に示す様に、表1から表3の繊維あるいは2dTexのPET繊維を混綿してSLで不織布化して、実施例1と同様にして難燃性の評価を行い結果を同表に示す。なお、表中の繊維の種類で実〇は実施例の番号、比〇は比較例の番号を示す。
【0028】
【表4】

【0029】(実施例27)実施例1と同様にして実施例19のEPを用いて、孔径0.7mmのノズルよより繊維径0.7mmのストランドを流下させ、移動している凹凸形状の金型上堆積してストランドの交点を融着接着した網状体を作成した。難燃性は実施例19と同様であった。
【0030】(実施例28)実施例6において、0.4mmの孔径を持つ複合メルトブロー溶融紡糸設備を用いて、繊度が0.3dTexのPP/PB1複合メルトブロー不織布を得た。難燃性は実施例6とほぼ同様で良好な難燃性を示した。
【0031】
【発明の効果】本発明の難燃性の効果を有する繊維および繊維組成物を用いた繊維製品は、良好な難燃性を示すにかかわらず、火災時にも有害ガスを発生させず、たとえ焼却によって廃棄処分を行なっても有毒物質の発生がない。また、リサイクルの容易な商品を適切な組合せを採用すれば容易に作ることができ、難燃化による製品の性能低下もわずかである特徴を備えたものとなる。さらに、近年言われている環境ホルモンも含まないため環境に優しい難燃性の繊維製品として最適である。
【出願人】 【識別番号】000002923
【氏名又は名称】大和紡績株式会社
【出願日】 平成12年3月9日(2000.3.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−254225(P2001−254225A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2000−65599(P2000−65599)