| 【発明の名称】 |
カチオン染料防染性セルロースアセテート繊維 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤原 昭則
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| 【要約】 |
【課題】染色後にソーピングなどの工程を必要とせず、カチオン染料可染性ポリエステル繊維などと複合化してカチオン染料で染色しても汚染がなく、また、分散染料とカチオン染料とで一浴染色しても染め分けが可能なセルロースアセテート繊維を提供する。
【解決手段】セルロースアセテート繊維に、下記式で表わされる化合物にアルキレンオキサイドを2〜25モル%付加したアミン化合物を、繊維重量に対して1〜10重量%含有させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記式で表わされる化合物にアルキレンオキサイドを2〜25モル付加したアミン化合物を、繊維重量に対して1〜10重量%含有していることを特徴とするカチオン染料防染性セルロースアセテート繊維。 【化1】
(式中、nは0〜2である。)
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アミン化合物を含有するカチオン染料防染性セルロースアセテート繊維に関する。 【0002】 【従来の技術】セルロースアセテート(以下、「アセテート」ということがある)繊維は、優れた発色性と、ドライな風合いを有し、ファッション用素材などとして、その優れた特性を発揮している。 【0003】近年、テキスタイルに対する消費者ニーズの高級化および多様化が進み、アセテート繊維と他素材とを複合化した繊維が多く用いられている。さらにアセテート繊維が分散染料に染まり易いことを利用し、これとは染着性の異なる他の繊維を複合化して2種類以上の染料で染色することによって異染効果をねらったものが多く提案されている。特に、鮮明性、杢効果の点からカチオン染料可染性ポリエステル繊維との複合化が多く試みられており、例えば特開平10―8384号公報、特開平10−77535号公報などに提案されている。 【0004】しかしながら、アセテート繊維をカチオン染料可染性ポリエステル繊維と複合化した繊維からなる布帛をカチオン染料で染色すると、アセテート繊維がカチオン染料によって汚染され、該ポリエステル繊維のみを染色しアセテート繊維を白色のまま残すといったことができないため、十分な異染効果のある布帛が得られない。また、上記の布帛を分散染料とカチオン染料で一浴染色すると、アセテート繊維は分散染料で染色され、かつカチオン染料によって汚染されるため、カチオン染料可染性ポリエステル繊維との十分な染め分けができず所望する色が得られないという問題がある。そのため、染色後ソーピングなどによりアセテート繊維のカチオン染料を落とす工程が必要とされ、染色工程が複雑なものとなっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、染色後にソーピングなどの工程を必要とせず、カチオン染料可染性ポリエステル繊維などと複合化して、カチオン染料で染色しても汚染がなく、また、分散染料とカチオン染料とで一浴染色しても染め分けが可能なセルロースアセテート繊維を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を達成するため、カチオン染料に対して優れた防汚性に示し、かつ分散染料には良好な染色性を示すセルロースアセテート繊維を得るべく検討を行なった。その結果、特定のアミン化合物がアセテートとの相溶性に優れ、この化合物をアセテート中に添加した繊維はカチオン染料に対する防染性が著しく改善されているだけでなく、分散染料に対しては該化合物を含まないアセテート繊維と同等の良好な染色性を示すことを見い出し、本発明に到達した。 【0007】すなわち、本発明によれば、下記式で表わされる化合物にアルキレンオキサイドを2〜25モル付加したアミン化合物を、繊維重量に対して1〜10重量%含有していることを特徴とするカチオン染料防染性セルロースアセテート繊維が提案される。 【0008】 【化2】
(式中、nは0〜2である。) 【0009】 【発明の実施の形態】本発明のセルロースアセテート繊維は、セルロースの繰返し単位中に存在する3個の水酸基のうち平均1〜3個、特に好ましくは平均1.9〜2.8個の水酸基が酢酸エステルであるセルロースアセテート(それぞれ、酢化度29〜62%、酢化度47〜60%)からなる繊維である。 【0010】本発明においては、かかるセルロースアセテート繊維に、下記式で表わされる化合物にアルキレンオキサイドを付加したアミン化合物を含有していることが肝要である。 【0011】 【化3】
【0012】上記式中nは0〜2である。nが2より大きいとアセテートとの相溶性が低下するので好ましくない。また、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどをあげることができる。本発明のアミン化合物は、これらのアルキレンオキサイドが、上記式に示される化合物に単独、あるいは、2種類以上付加されたものである。アルキレンオキサイドの付加量は、アミン化合物を基準として2〜25モル、好ましくは2〜15モルとする必要がある。上記付加量が2モル未満では、アミン化合物がアセテート繊維から溶出し易く、その結果十分なカチオン染料に対する防汚性を発揮できない。一方、付加量が25モルを越えると、アセテートとの相溶性が低下する。 【0013】さらに、上記アミン化合物には、本発明の目的を阻害しない範囲内、具体的には好ましくは10モル以下、より好ましくは5モル以下で、他の成分が付加されていてもよく、かかる成分としてはε−カプロラクトンが好ましくあげられる。 【0014】上記アミン化合物の含有量は、繊維重量に対して1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、より好ましくは2〜5重量%であることが必要である。含有量が1重量%未満では、アミン化合物による防染効果が十分に得られない。一方、含有量が10重量%を超えると、紡糸調子が著しく悪化し、十分な糸の物性が得られない。 【0015】本発明のアセテート繊維の単繊維繊度は、発色性や紡糸性などから0.5〜8.0デシテックスが好ましく、特に好ましくは1.0〜6.0デシテックスである。 【0016】上記アミン化合物をアセテート繊維に含有させる方法としては、例えばセルロースアセテートをアセトンや塩化メチレンなどの溶剤に溶解する際、すなわちアセテート紡糸原液を調整する際にこの紡糸原液に該化合物を添加し、これを乾式紡糸する方法、あるいは、アミン化合物を含有する高濃度の紡糸原液を調整し、これを最終的に所望の含有量となる割合でアセテート紡糸原液と混合しながら紡糸機に送り、これを乾式紡糸する方法などが挙げられる。 【0017】 【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお実施例中の、カチオン染料防染性および分散染料染色性の評価は下記に示す方法により行った。 【0018】1)カチオン染料防染性アセテート繊維を用いて丸編物を作製した。この丸編物を、カチオン染料Aizen Cathilon Pure Blue 5GH[保土ヶ谷化学工業(株)]2%owf、浴比1:200の染浴中で、90℃で30分の条件で染色した。これをよく乾燥し、色差計Z―300A[日本電色(株)]にてLab値をそれぞれ測定した。L値が大きく、a値およびb値の絶対値が小さいものほど、カチオン染料に対する防染性が高いとした。 【0019】2)分散染料染色性上記と同様にして作成した丸編物を、分散染料Diacelliton Fast Blliant Blue B M/D[三菱化成工業(株)]2%owf、浴比1:200の染浴中で、90℃で30分の条件で染色した。これらをよく乾燥し、上記と同じ色差計にてLab値をそれぞれ測定した。 【0020】[実施例1〜5、比較例1〜3]平均酢化度54.7%のセルロースアセテートフレークスと表1に示すアミン化合物を合わせて26重量部、アセトン73重量部、水1重量部を混合し、脱泡して均一な紡糸原液を調整した。セルロースアセテートフレークスとアミン化合物の割合は、これらを合わせたものに対し、表1に示した割合となるようにアミン化合物を加えた。 【0021】この紡糸原液を乾式紡糸して167デシテックス/40フィラメントのアセテート繊維を得た。得られたアセテート繊維について、防染性および染色性を評価した。結果を表1に示す。 【0022】 【表1】
【0023】また、実施例1のアセテート繊維と、5−ソジウムスルフォイソフタル酸を全酸成分に対して3モル%共重合したポリエチレンテレフタレートからなるカチオン染料可染性ポリエステル繊維(220デシテックス/100フィラメント)とを合撚し、さらにこれを製織して織物とした。この織物を、防染性の評価に用いたカチオン染料により、カチオン染料2%owf、浴比1:200の染浴中で、90℃で30分の条件で染色を行った。その結果、カチオン染料可染性ポリエステル繊維だけが染色され、全体として先染め調の織物が得られた。実施例2〜5のアセテート繊維からも同様にして、先染め調織物が得られた。 【0024】 【発明の効果】本発明のカチオン染料防染性アセテート繊維は、カチオン染料による汚染がほとんどないため、例えば、上記アセテート繊維をカチオン染料可染性繊維と混繊した繊維からなる布帛、あるいは上記アセテート繊維とカチオン染料可染性繊維を交織した布帛からは、カチオン染料による染色、あるいは分散染料とカチオン染料の一浴染色で、極めて意匠性の高い布帛が得られる。このため、高いファッション性が要求される衣料用途などに極めて有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003001 【氏名又は名称】帝人株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月7日(2000.3.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077263 【弁理士】 【氏名又は名称】前田 純博
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| 【公開番号】 |
特開2001−254222(P2001−254222A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月21日(2001.9.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−61671(P2000−61671) |
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