| 【発明の名称】 |
糸条引取装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】笠島 昌俊
【氏名】山本 登
【氏名】橋本 浩二
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| 【要約】 |
【課題】随伴気流を除去することにより、ゴデットローラ上の糸揺れを抑制し、糸切れや毛羽、タルミの発生を防止することができる。また、糸揺れを抑制できるので、糸ピッチを狭くすることができ、多糸条化を図ることが容易となる。
【解決手段】複数の糸条を複数回巻きつける、対のゴデットローラの回転軸がなす角度が6゜以上であるゴデットローラを配設してなる糸条引取装置において、対のゴデットローラに巻きつけた糸条の内側の各々のゴデットローラに近接した位置に、少なくとも2箇所に防風板を設け、かつ該防風板のゴデットローラに近接した一辺とゴデットローラの回転軸とのなす角度を5゜以下に配置することを特徴とする糸条引取装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数の糸条を複数回巻きつける、対のゴデットローラの回転軸がなす角度が6゜以上であるゴデットローラを配設してなる糸条引取装置であって、対のゴデットローラに巻きつけた糸条の内側の各々のゴデットローラに近接した位置に、少なくとも2箇所に防風板を設け、かつ該防風板のゴデットローラに近接した一辺とゴデットローラの回転軸とのなす角度を5゜以下に配置することを特徴とする糸条引取装置。 【請求項2】防風板のゴデットローラに近接した一辺とゴデットローラの回転軸とのなす角度が調整可能である可動式防風板であることを特徴とする請求項1記載の糸条引取装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は複数の糸条を複数回巻きつける対のゴデットローラを配設してなる糸条引取装置に関し、ゴデットローラ上での糸揺れや走行糸条の干渉を防止して、糸切れの誘発を阻止するとともに、良好な品位を得ることができる糸条引取装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年合成繊維の生産に関して、直接紡糸延伸法での多糸条化および高速化が進むに伴い、糸条引取装置のゴデットローラ上での糸揺れにより、糸条間の接触が生じ糸切れの原因となったり、ゴデットローラ上で糸条がばらけて毛羽、タルミが生じるなどの問題がある。 【0003】従来、ゴデットローラ上の糸揺れを防止するために、ゴデットローラの回転駆動により生じる随伴気流を防風板によってカットする方法がとられている。 【0004】特開昭58−26767号公報に記載されているように、対のゴデットローラに巻きつけた糸条の内側の各々のゴデットローラに近接した位置に防風板を配設しゴデットローラ上での糸条の糸揺れを防止するという方法が提案されている。しかし、この方法では防風板が機台に対し鉛直となるように設置されているため、より多糸条化されたときにゴデットローラが長尺となることと対のゴデットローラの回転軸がなす角度が大きくなることにより、ゴデットローラの先端付近において防風板とゴデットローラの距離が大きくなり、ゴデットローラ先端付近でのゴデットローラの回転駆動による随伴気流を充分にカットすることができず、ゴデットローラ上の糸揺れ抑制効果は十分ではなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来技術の前記欠点を踏まえ、より多糸条化された直接紡糸延伸方法においても、ゴデットローラ上での糸揺れを防止することができる糸条引取装置を提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、複数の糸条を複数回巻きつける、対のゴデットローラの回転軸がなす角度が6゜以上であるゴデットローラを配設してなる糸条引取装置であって、対のゴデットローラに巻きつけた糸条の内側の各々のゴデットローラに近接した位置に、少なくとも2箇所に防風板を設け、かつ該防風板のゴデットローラに近接した一辺とゴデットローラの回転軸とのなす角度を5゜以下に配置することを特徴とする糸条引取装置である。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明における糸条引取装置の実施態様の一例を図1、2に示す。図1の糸条引取装置はセパレートローラ1と加熱ローラ3Aからなり、各々のローラの回転軸のなす角度βは複数の糸条を巻きつけるため、6゜以上としている。防風板は巻きつけた糸条の内側の、セパレートローラ1に近接した位置と加熱ローラ3Aに近接した位置におのおの2箇所ずつ(2A〜2D)設置される。 【0008】図1に示すように防風板のローラに近接する一辺がなす直線(c1〜c4)とローラの回転軸(aまたはb)とのなす角度(α1〜α4)は5゜以下となることが必須で、3゜以下であることがより好ましい。 【0009】防風板の長さはローラに巻きつけた全糸条がなす幅よりも長いことが好ましい。 【0010】また、防風板の一辺はローラの回転駆動による随伴気流を効率よくカットするためにローラと近接させることが好ましく、更に好ましくは糸条に吹き付ける随伴気流を効率よくカットして糸条の走行方向に随伴気流が流れることにより糸条を安定させるため、糸条にもできるだけ近接させることが好ましい。 【0011】更には、防風板は可動式で防風板のゴデットローラと近接する一辺とローラの回転軸とのなす角が調整可能となっていることが望ましく、例えば、巻き取る糸条数に応じて対のローラの回転軸がなす角度を変更した場合でも、防風板のローラに近接した一辺とローラの回転軸とのなす角度を5゜以下に保つことができる。また、防風板の取付台は機台上で可動であることがより好ましい。 【0012】ローラに巻きつける糸条数は規定されるものではないが、特に6糸条以上のときに本発明の糸条引取装置の効果が発揮される。 【0013】ローラに糸条を巻きつける数は、巻きつけ数が多くなるほど糸条の揺れは大きくなるため6回以上のときに本発明の糸条引取装置の効果が発揮される。 【0014】糸条を引き取る速度は、2000m/min以上のときに本発明の糸条引取装置の効果が発揮される。 【0015】また、本発明における糸条引取装置は図3に示すような加熱ローラの対であっても構わない。 【0016】 【作用】前記した本発明の糸条引取装置は具体的には次のように適用できる。図3において、紡糸口金4から吐出され冷却風を受けて固化した糸条は、オイリングノズル5にて油分の付与を受けた後に本発明に係る糸条引取装置により引き取られる。該糸条引取装置の斜め上方には、同様に本発明に係る糸条引取装置が設けられ、両糸条引取装置の間で糸条を延伸する。延伸後の糸条はトラバース機構6により左右に綾振りされ、フリクションローラ7により駆動回転されるボビン上に糸条パッケージ8として巻き取られる。ここで、糸条引取装置のセパレートローラ1に近接となるように防風板2A,2B、加熱ローラ3Aに近接となるように防風板2C,2Dを取りつけ、糸条の走行やセパレートローラ、加熱ローラの回転駆動により発生する随伴気流の糸条への干渉を防いでいる。 【0017】 【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例中におけるローラ上の糸揺れ、糸切れ、パッケージの欠点率の評価は次のように行った。 [ローラ上の糸揺れ]ローラに近接して取り付けられた防風板にスケールを貼り付け、目視にてローラ上での糸揺れ幅を判定し、以下に示すような基準で4段階評価した。 3mm未満 :○○3〜5mm未満:○5〜7mm未満:△7mm以上 :×[糸切れ]製糸量1t当たりの糸切れ回数により、以下に示すような基準で4段階評価した。 0.1回未満 :○○0.1〜0.5回未満:○0.5〜1.0回未満:△1.0回以上 :×[パッケージの欠点率]目視にて毛羽やタルミをカウントし、合計で3個以上あるものを不良パッケージとし、次式で算出した。 パッケージの欠点率(%)=(不良パッケージ数/総パッケージ数)×1001%未満 :○○1〜2%未満:○2〜3%未満:△3%以上 :×実施例1極限粘度[η]=0.65の酸化チタンを含むポリエチレンテレフタレートを用い、図4に示す工程に従って、ポリマー吐出孔が36孔である紡糸口金4から吐出量40.0g/分で吐出され冷却風を受けて固化した糸条を、給油装置5にて油分を付与した後に2組の糸条引取装置により延伸倍率2.5倍で引き伸ばして延伸糸とし、ボビン上に糸条パッケージ8として巻き取った。糸条数は8糸条(図示せず)で、糸条引取装置のゴデットローラへの糸条巻数は6回巻で行った。また、糸条引取装置の対のゴデットローラがなす角度は9゜であり、2組の糸条引取装置の速度はそれぞれ2000m/min、5000m/minであった。 【0018】ここで、糸条引取装置のセパレートローラ1には防風板2A,2B、加熱ローラ3Aには防風板2C,2Dを取りつけ、防風板のローラに近接した一辺とローラの回転軸とのなす角度が0゜となるように調整した。その結果、表1に示すように、ローラ上での糸揺れ幅は3mm未満と安定し、糸切れ0.1回/t未満、パッケージの欠点率1%未満と良好であった。 実施例2防風板のローラに近接した一辺とローラの回転軸とのなす角度が3゜となるように調整した以外は実施例1と同様に行った。その結果、表1に示すように、ローラ上での糸揺れ幅は3mm未満と安定し、糸切れ0.1回/t未満、パッケージの欠点率1%未満と良好であった。 実施例3防風板のローラに近接した一辺とローラの回転軸とのなす角度が5゜となるように調整した以外は実施例1と同様に行った。その結果、表1に示すように、ローラ上での糸揺れ幅は3〜5mm未満、糸切れ0.1〜0.5回/t未満、パッケージの欠点率1%未満と良好であった。 比較例1防風板のローラに近接した一辺とローラの回転軸とのなす角度が10゜となるように調整した以外は実施例1と同様に行った。その結果、表1に示すように、ローラ上での糸揺れ幅は7mm以上と大きく、糸切れ1.0回/t以上、パッケージの欠点率5%以上となり、操業性は不良で、製品の品位が損なわれるという結果となった。 【0019】 【表1】
【0020】 【発明の効果】本発明の糸条引取装置により、随伴気流を効率よくカットできるのでゴデットローラ上の糸揺れを抑制し、ゴデットローラ上の糸条間の接触および糸条のばらけが起こることを防止できる。このため糸切れが防止でき、また、毛羽、タルミの発生が防止でき、生産性および品位が向上する。更に、ゴデットローラ上での糸揺れが防止できるので、糸ピッチを狭くすることができるため、より多くの糸条を延伸することができ直接紡糸延伸法の多糸条化が容易となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003159 【氏名又は名称】東レ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月13日(2000.1.13) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−200421(P2001−200421A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月27日(2001.7.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−4219(P2000−4219) |
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