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【発明の名称】 溶融亜鉛めっきにおけるボトムドロス回収方法
【発明者】 【氏名】西村 康弘

【氏名】西坂 智明

【氏名】大塚 和弘

【氏名】筋田 成子

【要約】 【課題】回収効率が良くしかも作業性の良い、溶融亜鉛めっきにおけるボトムドロスの回収方法を提供する。

【解決手段】10〜30メッシュのフィルターを枠内に着脱可能に嵌入した枠体を溶融亜鉛めっき浴面上に設置するとともに、ポンプを溶融亜鉛めっき浴中に浸漬し、ポンプを用いてボトムドロスを吸い込み口から吸い上げて、フィルター内に移送し、ボトムドロスを回収する。フィルター内のドロスおよび溶融亜鉛の温度は350 〜460 ℃に保持することが好ましい。また、ポンプを、ガスリフトポンプとしてもよい。また、ポンプと吸い込み口間の配管を、曲管とすることが好ましい。また、枠体の少なくとも一部を亜鉛めっき浴中に浸漬し、その後枠体を溶融亜鉛めっき浴面上に引き上げてその場で保持してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボトムドロス吸い上げ用のポンプを溶融亜鉛めっき浴中に浸漬し、前記ポンプを用いて溶融亜鉛めっき浴の底部に堆積したドロスを該ポンプに付設した吸い込み口から吸い上げて、枠体の枠内に着脱可能に嵌入したフィルター内に移送しボトムドロスを回収する溶融亜鉛めっきにおけるボトムドロス回収方法において、前記フィルターを10〜30メッシュのフィルターとし、前記枠体を溶融亜鉛めっき浴面上に設置することを特徴とする溶融亜鉛めっきにおけるボトムドロス回収方法。
【請求項2】 前記フィルター内のドロスおよび溶融亜鉛の温度を350 〜460 ℃に保持することを特徴とする請求項1に記載のボトムドロス回収方法。
【請求項3】 ボトムドロス吸い上げ用のポンプを溶融亜鉛めっき浴中に浸漬し、前記ポンプを用いて溶融亜鉛めっき浴の底部に堆積したドロスを該ポンプに付設した吸い込み口から吸い上げて、枠体の枠内に着脱可能に嵌入したフィルター内に移送しボトムドロスを回収する溶融亜鉛めっきにおけるボトムドロス回収方法において、前記フィルターを10〜30メッシュのフィルターとし、該フィルターを枠内に着脱可能に嵌入した枠体の少なくとも1部を溶融亜鉛めっき浴中に浸漬し、かつ前記フィルター内のドロスおよび溶融亜鉛の温度を350 〜460 ℃に保持し、その後前記枠体を溶融亜鉛めっき浴面上に引き上げてその場で保持することを特徴とする溶融亜鉛めっきにおけるボトムドロス回収方法。
【請求項4】 前記ポンプが、ガスリフトポンプであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のボトムドロス回収方法。
【請求項5】 前記ポンプと前記吸い込み口間の配管を、曲管とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のボトムドロス回収方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融亜鉛めっきにおいて、溶融亜鉛めっき浴の底部に堆積するボトムドロス回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板の溶融亜鉛めっきラインにおける溶融亜鉛めっき浴では、高温の溶融亜鉛と鋼板から溶出したFeとが反応してFeZn7 が生成され、これが10μm以上の粒状に成長してドロスを形成する。このドロスは時間とともに成長し、約100 μm以上になると沈殿し、溶融亜鉛めっき浴の底部(ポット底部)に堆積する。このドロスは、通常ボトムドロスと称されている。
【0003】このボトムドロスは、その堆積量が増すとめっき処理の支障となるため、操業中にこれを定期的に回収・除去する必要がある。このボトムドロスの回収・除去方法については、従来から種々の提案がなされている。例えば、溶融めっき浴槽の底部をテーパ状にしてボトムドロスを一か所に集め、そこに設けたバルブ等を介して排出する方法や、溶融めっき浴槽を2槽備えたラインで、休工側の溶融めっき浴槽の亜鉛を抜き、ボトムドロスを直接ショベル等で回収する方法がある。しかしながら、これらの方法は、溶融めっき浴槽の設備仕様に係り、既存設備の大改造を必要とし、設備投資が過大となるという問題がある。
【0004】また、例えば、特開平3-31460 号公報には、溶融亜鉛めっき浴中に浸漬したエアリフト式の回収筒によりボトムドロスを吸い上げて該回収筒上部に連接したドロス溜(亜鉛浴中にある)に回収するドロス回収装置が開示されている。しかしながら、特開平3-31460 号公報に記載された装置では、溶融亜鉛めっき浴中のドロス除去状況が的確に判断できないうえ、フィルターに溜まったドロスを取り出す際に、ドロス回収装置の停止・移動や、フィルターの取り外し等の作業を必要とし、操業効率が低下するという問題があった。
【0005】また、特開平4-52257 号公報には、亜鉛を含んだままのボトムドロスをすくい取り、それをめっき浴槽上に設けたベルトコンベアでドロス分離槽へ運び、そこでドロスを再加熱して亜鉛と分離して回収する方法が開示されている。しかしながら、特開平4-52257 号公報に記載された方法では、ドロスと亜鉛との分離をめっき浴槽外で行うため、ドロスを再加熱する必要があり、装置が大がかりになるうえ、燃料費が別途必要となる。
【0006】また、特開平7-34209 号公報には、溶融めっき液内に上昇管の下部吸引口を浸漬し、下部吸引口からガスリフトポンプの作用でめっき液を吸引し、吸引されためっき液に含まれるドロスをフィルターで分離し、ドロスを分離しためっき液を上昇管と連通している下降管でめっき浴槽に戻す、ドロス除去を含む連続溶融めっき方法が開示されている。しかしながら、特開平7-34209 号公報に記載された方法では、溶融亜鉛めっき浴中のドロス除去状況が的確に判断できないうえ、フィルターに溜まったドロスを取り出す際に、ドロス除去装置の停止・移動や、フィルターの取り外し等の作業を必要とし、操業効率が低下するという問題があった。
【0007】また、特開平7-268579号公報には、溶融めっき浴槽内に生じるドロスを溶融めっき浴液とともに、溶融めっき浴槽内に配置されたフィルターを有する回収容器内にガスリフトポンプにより吸引し、吸引された溶融めっき浴液からフィルターによりドロスを分離し、ドロスを分離した溶融めっき浴液の一部を溶融めっき浴中の帯状金属材の導入位置近傍に向かって流入させる連続溶融めっき方法が開示されている。しかしながら、特開平7-268579号公報に記載された方法では、設備が大がかりとなるうえ、ボトムドロスの装置外への搬出作業が多大の時間を要する。また、ボトムドロスの除去が、吸引口近傍に限られるという問題もあった。
【0008】また、特開平9-143654号公報には、溶融亜鉛めっき浴槽からドロスを含む溶融めっき液を汲みだし、系外のフィルターで亜鉛とドロスを分離し、フィルターの裏面から高温ガスを吹きつけて、フィルター表面および内部に堆積したドロスを除去するドロス除去方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開平9-143654号公報に記載された方法では、ボトムドロスと亜鉛との分離が系外であり、しかも除去のために高温ガスを吹きつける必要があり、装置が大がかりになるとともに高温ガスの生成費が別途必要となる。本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、大がかりな装置を必要とせず、回収効率が良くしかも作業性の良い、溶融亜鉛めっきにおけるボトムドロスの回収方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ボトムドロス吸い上げ用のポンプを溶融亜鉛めっき浴中に浸漬し、前記ポンプを用いて溶融亜鉛めっき浴の底部に堆積したドロスを該ポンプに付設した吸い込み口から吸い上げて、枠体の枠内に着脱可能に嵌入したフィルター内に移送しボトムドロスを回収する溶融亜鉛めっきにおけるボトムドロス回収方法において、前記フィルターを10〜30メッシュのフィルターとし、前記枠体を溶融亜鉛めっき浴面上に設置することを特徴とする溶融亜鉛めっきにおけるボトムドロス回収方法であり、また、本発明では、前記フィルター内のドロスおよび溶融亜鉛の温度を350 〜460 ℃に保持することが好ましく、また、本発明では、前記ポンプが、ガスリフトポンプであることが好ましく、また、本発明では、前記ポンプと前記吸い込み口間の配管を、曲管とすることが好ましい。
【0011】また、本発明は、ボトムドロス吸い上げ用のポンプを溶融亜鉛めっき浴中に浸漬し、前記ポンプを用いて溶融亜鉛めっき浴の底部に堆積したドロスを該ポンプに付設した吸い込み口から吸い上げて、枠体の枠内に着脱可能に嵌入したフィルター内に移送しボトムドロスを回収する溶融亜鉛めっきにおけるボトムドロス回収方法において、前記フィルターを10〜30メッシュのフィルターとし、該フィルターを枠内に着脱可能に嵌入した枠体の少なくとも1部を溶融亜鉛めっき浴中に浸漬し、かつ前記フィルター内のドロスおよび溶融亜鉛の温度を350 〜460 ℃に保持し、その後前記枠体を溶融亜鉛めっき浴面上に引き上げてその場で保持することを特徴とする溶融亜鉛めっきにおけるボトムドロス回収方法であり、また、本発明は、前記ポンプが、ガスリフトポンプであることが好ましく、また、本発明では、前記ポンプと前記吸い込み口間の配管を、曲管とすることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施に好適なボトムドロス回収装置の一例を図1に示す。図1において、1はポンプであり、2はモータ、3は枠体、4はフィルター、5はバランスウェイト、6は吊りビーム、7はフック、8はチェーンブロック、9は吸い込み口、10は排出管、11はボトムドロス、12は溶融亜鉛めっき浴槽、13は溶融亜鉛めっき液(浴)である。
【0013】本発明では、ボトムドロス吸い上げ用のポンプ1と、フィルター4を枠内に嵌入した枠体3とを、バランスウェイト5を装着した吊りビーム6を介しフック7で吊って、ポンプ1を溶融亜鉛めっき浴13中に浸漬し、枠体3を溶融亜鉛めっき浴13上に設置し保持する。そして、モータ2を作動し、吸い込み口9からボトムドロス11を溶融めっき液12とともに排出管10を介しフィルター4内に移送する。なお、フィルター4はドロスが溜まるにつれて重量が変化するので、枠体3を吊りビーム6の中央に吊り、ポンプ1は吊りビーム6の一端で吊って他端をバランスウェイト5で釣り合わせるのが好ましい。なお、図1では、吸い込み口9とポンプ1ととの間の配管は直管としている。
【0014】フィルター4は、10〜30メッシュのものとする。フィルターが30メッシュより細かいと、すぐに目詰まりが生じ、亜鉛の回収が遅れる。一方、10メッシュより粗いと回収効率が悪くなる。また、本発明では、フィルター4は、枠体3に着脱可能に嵌入されているので、亜鉛分離後のドロスをフィルター4ごと枠体3から抜き出して、容易にドロスを除去することができる。枠体3は、空のフィルターを嵌入したのち、再利用可能である。そして、他の回収地点へ移動して回収を繰り返すことができる。また、枠体とフィルターのセットを複数用意することにより、作業を長時間停止することなく回収を継続することができる。
【0015】なお、図1に示す、本発明の実施に好適なボトムドロス回収装置の例では、枠体3を、クレーン(図示せず)による高さ調節で溶融亜鉛めっき浴12の浴面より上に設置する。溶融亜鉛めっき浴面から枠体3の底面までの距離hは、0超 100cm以下とすることが好ましい。枠体底面の位置をこの範囲内とすることにより、フィルター4からドロスに含浸した溶融亜鉛が効率よく溶融亜鉛めっき浴に滴下することができ、ドロス回収と溶融亜鉛の回収が同時に極めて効率よく達成できる。枠体3の底面位置を、溶融亜鉛めっき浴面より下とし、枠体3を浸漬したままとすると、ドロスに含浸した亜鉛の回収効率が低下するという問題がある。また、枠体底面を、溶融亜鉛めっき浴面から上に100 cmを超える位置とすると、フィルター4から溶融亜鉛が滴下する際に、空気中での亜鉛の酸化量が多くなり多量の酸化亜鉛が発生し、亜鉛の回収率が低下するという問題や、溶融亜鉛が飛散しやすいという安全上の問題がある。より好ましくは、0超50cm以下である。
【0016】本発明の実施に好適なボトムドロス回収装置の別の一例を図2に示す。図2に示す例は、図1の例に加えて、溶融亜鉛めっき浴槽12にスナウト17を図示し、ポンプ1と吸い込み口9との間の配管14を曲管としている。配管14を曲管とすることにより、直管では不可能であったスナウト17下のボトムドロスを含め、溶融亜鉛めっき浴槽12底面の全範囲のボトムドロス11を回収することができる。
【0017】また、本発明では、ボトムドロス吸上げ用のポンプとして、ガスリフトポンプとしてもよい。ガスリフトポンプは、排出される側から排出される先への配管と該配管にガスを供給するのみの設備であり、基本的に設備費と設備保全費が極めて少ないという従来にない利点がある。ボトムドロス吸上げ用のポンプとして、ガスリフトポンプ15を適用した、本発明の実施に好適なボトムドロス回収装置の一例を図3、図4に示す。
【0018】図3は、図1のポンプ1をガスリフトポンプ15にした場合であり、図4は、図2のポンプ1をガスリフトポンプ15にした場合である。また、図1〜図4の例では、溶融亜鉛めっき浴槽上での溶融亜鉛の滴下回収に際し、フィルター4内のドロスおよび溶融亜鉛の温度(亜鉛を含むドロスの温度)を350 〜460 ℃に保持することが好ましい。ドロスおよび溶融亜鉛の温度(亜鉛を含むドロスの温度)が、350 ℃未満では、ドロスが大きくなりすぎてフィルターの目詰まりが生じ、ドロス以外の溶融亜鉛まで除去され、亜鉛の回収効率が低下する。一方、460 ℃を超えると、ボトムドロスが小さいままで、フィルターを通過しドロス回収効率が低下すると同時に亜鉛めっき浴を汚染する。このため、ドロスおよび溶融亜鉛の温度(亜鉛を含むドロスの温度)を350 〜460 ℃に保持することが望ましい。
【0019】フィルター内のドロスおよび溶融亜鉛の温度(亜鉛を含むドロスの温度)を350 〜460 ℃に保持するには、常に溶融亜鉛めっき浴の底部に堆積したドロス(溶融亜鉛を含む)を供給しつづけ、必要に応じガスバーナ加熱等の加熱手段を適用するのが好ましい。なかでも、枠体3の形状に沿ったバーナ加熱(リングバーナ)がフィルター内のドロスおよび溶融亜鉛の温度(亜鉛を含むドロスの温度)を制御するのに好適である。
【0020】つぎに、本発明の実施に好適なボトムドロス回収装置の他の一例を図5に示す。図5において、15はガスリフトポンプであり、16はガス配管、3は枠体、4はフィルター、5はバランスウェイト、6は吊りビーム、7はフック、8はチェーンブロック、9は吸い込み口、10は排出管、11はボトムドロス、12は溶融亜鉛めっき浴槽、13は溶融亜鉛めっき液(浴)である。
【0021】図5に示す例では、まず、フィルター4を枠内に嵌入した枠体6の少なくとも一部と、ガスリフトポンプ15とを、バランスウェイト5を装着した吊りビーム6を介しフック7で吊って溶融亜鉛めっき浴槽12内に浸漬する。ついで、ガス配管16に窒素ガスを吹込みガスリフトポンプ15を作動させ、吸い込み口9からボトムドロス11を溶融亜鉛めっき液13とともに吸込み、排出管10を介してフィルター4内に移送する。なお、フィルター4はドロスが溜まるにつれて重量が変化するので、枠体3を吊りビーム6の中央に吊り、ガスリフトポンプ15は吊りビーム6の一端で吊って他端をバランスウェイト5で釣り合わせるのが好ましい。
【0022】フィルター4は、10〜30メッシュのものとする。フィルターが30メッシュより細かいと、すぐに目詰まりが生じ、亜鉛の回収が遅れる。一方、10メッシュより粗いと回収効率が悪くなる。なお、図5に示す例では、枠体3は、クレーン(図示せず)による高さ調節で溶融亜鉛めっき浴面上にその頂部が見える深さに浸漬してもよいが、枠体の深さの1/10〜1/3 を浸漬し、残りはめっき浴面上にあるのが好ましい。
【0023】これにより、めっき浴面上のフィルターから溶融亜鉛が亜鉛めっき浴に滴下し、ドロス回収と溶融亜鉛めっき浴への回収が同時に達成できる。この状態でガスリフトポンプ15を好ましくは0.5 〜1.5 h作動させる。フィルター4がドロスで満杯となったら、窒素ガスの吹込みを中止し、ガスリフトポンプ15の作動を停止する。その後、吊りビーム6をクレーン(図示せず)で上昇させて枠体3を溶融亜鉛めっき浴槽12から引き上げ、浴面上で好ましくは3〜10min 保持する。このとき、フィルター4内のドロスに含浸した溶融亜鉛は、完全に直下の亜鉛めっき浴に滴下し回収される。ここで、枠体3を溶融亜鉛めっき浴槽12から引き上げ保持する位置は、溶融亜鉛めっき浴面から枠体3の底面までの距離hを、0超 100cm以下とすることが好ましい。枠体底面の位置をこの範囲内とすることにより、フィルター4からドロスに含浸した溶融亜鉛が効率よく溶融亜鉛めっき浴に滴下することができ、ドロス回収と溶融亜鉛の回収が同時に極めて効率よく達成できる。枠体3の底面位置を、溶融亜鉛めっき浴面より下とし、枠体3を浸漬したままとすると、ドロスに含浸した亜鉛の回収効率が低下するという問題がある。また、枠体底面を、溶融亜鉛めっき浴面から上に100 cmを超える位置とすると、フィルター4から溶融亜鉛が滴下する際に、空気中での亜鉛の酸化量が多くなり多量の酸化亜鉛が発生し、亜鉛の回収率が低下するという問題や、溶融亜鉛が飛散しやすいという安全上の問題がある。より好ましくは、0超50cm以下である。
【0024】また、図5の例では、溶融亜鉛めっき浴槽上での溶融亜鉛の滴下回収に際し、フィルター4内のドロスおよび溶融亜鉛の温度(亜鉛を含むドロスの温度)を350 〜460 ℃に保持することが好ましい。ドロスおよび溶融亜鉛の温度(亜鉛を含むドロスの温度)が、350 ℃未満では、ドロスが大きくなりすぎてフィルターの目詰まりが生じ、ドロス以外の溶融亜鉛まで除去され、亜鉛の回収効率が低下する。一方、460 ℃を超えると、ボトムドロスが小さいままで、フィルターを通過しドロス回収効率が低下すると同時に亜鉛めっき浴を汚染する。このため、ドロスおよび溶融亜鉛の温度(亜鉛を含むドロスの温度)を350 〜460 ℃に保持することが望ましい。
【0025】フィルター内のドロスおよび溶融亜鉛の温度(亜鉛を含むドロスの温度)を350 〜460 ℃に保持するには、フィルター4を嵌入した枠体3の少なくとも一部を400 〜500 ℃、好ましくは470 〜500 ℃とした亜鉛めっき浴に浸漬するか、あるいは常に該亜鉛めっき浴の底部に堆積したドロス(溶融亜鉛を含む)を供給しつづけ、必要に応じガスバーナ加熱等の加熱手段を適用するのが好ましい。なかでも、ガスバーナ加熱の枠体の形状に沿ったバーナ加熱(リングバーナ)がフィルター内のドロスおよび溶融亜鉛の温度(亜鉛を含むドロスの温度)を制御するのに好適である。
【0026】
【実施例】(実施例1)図6に示す、ドロス回収装置を利用し、枠体3の全深さ500 mmのうち100 mmを浸漬し、溶融亜鉛めっき浴槽12内のボトムドロス11をガスリフトポンプ15を1h稼働させ、その後、枠体3を溶融亜鉛めっき浴面上50cmに引き上げ、その場で10min 保持しドロスを回収した。本発明実施前と実施後のボトムドロス堆積高さの経時変化を図7に示す。なお、フィルターは#20(20メッシュ)を使用した。また、フィルター内のドロスおよび溶融亜鉛の温度(亜鉛を含むドロスの温度)は、亜鉛めっき浴を480 ℃として、ガスリフトポンプ15稼働中常にフィルター4内に該溶融亜鉛を含むドロスを供給しつづけることにより420 〜440 ℃に保持した。また、図7中の数字(ton 数)は排出されたボトムドロスの量を表している。
【0027】ボトムドロス堆積高さは浴槽内の12箇所に高さ測定用の竿を立てて測定し、それらの測定値を平均して求めた。なお、本発明実施前は、ドロスの除去は、亜鉛めっき浴の温度を400 ℃未満としていたため、フィルター内のドロスおよび溶融亜鉛めっきの温度は350 ℃未満であった。図7から、本発明実施前には 150mmを超えて堆積していたボトムドロスが、本発明実施後にはほぼ50mmの堆積高さで推移するようになることがわかる。これは、亜鉛めっき浴の温度を480 ℃として、フィルター内のドロスおよび溶融亜鉛の温度を350 〜460 ℃に制御したことが大きく寄与しているものと推察される。
(実施例2)図2に示す、ドロス回収装置を使用し、枠体3の底部を溶融亜鉛めっき浴面上50cmに設置し、モータ1を稼働させ、溶融亜鉛めっき浴槽12内のボトムドロス11を吸い込み口9から吸い込み、排出管10を介しフィルター4内に移送し、回収し、本発明例とした。なお、フィルターは#30(30メッシュ)を使用し、溶融亜鉛めっき浴の温度は460 ℃とした。また、フィルター4内のドロスも460 ℃であり、溶融亜鉛は瞬時に亜鉛めっき浴へ滴下した。この本発明例では、溶融亜鉛めっき浴槽内の全ボトムドロスの回収は10min で完了した。
【0028】これに対し、図2に示す、ドロス回収装置を使用し、枠体3を溶融亜鉛めっき浴内に浸漬したままで、モータ1を稼働させ、溶融亜鉛めっき浴槽12内のボトムドロス11を吸い込み口9から吸い込み、排出管10を介しフィルター4内に移送し、回収し、比較例とした。なお、本発明例と同様に、フィルターは#30(30メッシュ)を使用し、溶融亜鉛めっき浴の温度は460 ℃とした。この比較例では、溶融亜鉛めっき浴槽内の全ボトムドロスの回収は25min を必要とし、回収後、約15min の亜鉛ぎりを必要とした。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、大がかりな装置を用いずとも極めて容易に、ボトムドロスを効率よく排出でき、ボトムドロス回収効率が顕著に向上し、産業上格段の効果を奏する。なお、本発明は亜鉛以外の溶融金属めっきにも適用可能である。
【出願人】 【識別番号】000001258
【氏名又は名称】川崎製鉄株式会社
【出願日】 平成12年12月28日(2000.12.28)
【代理人】 【識別番号】100099531
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 英一
【公開番号】 特開2001−335910(P2001−335910A)
【公開日】 平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願番号】 特願2000−399919(P2000−399919)