| 【発明の名称】 |
プラズマ処理装置用アルミニウム合金およびヒータブロック |
| 【発明者】 |
【氏名】澤田 洋樹
【氏名】松浦 比朗志
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| 【要約】 |
【課題】耐食性、耐汚染性、ロウ付け性に優れたプラズマ処理装置用アルミニウム合金およびヒータブロックを提供することを課題とする。
【解決手段】真空チャンバ内でプラズマあるいはプラズマ化することで得られる活性種によって被処理物に所定の処理を施すプラズマ処理装置内に設けられる部品の1種以上に用いられるアルミニウム合金であって、銅(Cu)を0.02〜0.4質量%と、シリコン(Si)を0.2〜0.6質量%と、マグネシウム(Mg)を0.45〜0.9質量%と、その他不純物元素と、残部がアルミニウム(Al)とを含むプラズマ処理装置用アルミニウム合金の構成とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 真空チャンバ内でプラズマあるいはプラズマ化することで得られる活性種によって被処理物に所定の処理を施すプラズマ処理装置内に設けられる部品の1種以上に用いられるアルミニウム合金であって、銅(Cu)を0.02〜0.4質量%と、シリコン(Si)を0.2〜0.6質量%と、マグネシウム(Mg)を0.45〜0.9質量%と、その他不可避元素と、残部がアルミニウム(Al)とを含むことを特徴とするプラズマ処理装置用アルミニウム合金。 【請求項2】 前記プラズマ処理装置用アルミニウム合金の基材の表面に陽極酸化被膜を有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置用アルミニウム合金。 【請求項3】 プラズマ処理装置内に設けられるヒータブロックであり、被処理物を載置する位置を加熱するための加熱手段を内設するブロック本体を備え、前記ブロック本体が、銅(Cu)を0.02〜0.4質量%と、シリコン(Si)を0.2〜0.6質量%と、マグネシウム(Mg)を0.45〜0.9質量%と、その他不可避元素と、残部がアルミニウム(Al)とを含む前記プラズマ処理装置用アルミニウム合金から形成されることを特徴とするヒータブロック。 【請求項4】 前記ブロック本体の表面で前記プラズマ処理装置によりプラズマ中に曝される位置に陽極酸化被膜を設けることを特徴とする請求項3に記載のヒータブロック。 【請求項5】 前記ブロック本体の被処理物を載置する位置に、係合手段を介して載置板が着脱自在に設けられ、前記載置板が銅(Cu)を0.02〜0.4質量%と、シリコン(Si)を0.2〜0.6質量%と、マグネシウム(Mg)を0.45〜0.9質量%と、その他不可避元素と、残部がアルミニウム(Al)とを含む前記プラズマ処理装置用アルミニウム合金から成形されることを特徴とする請求項3に記載のヒータブロック。 【請求項6】 前記載置板は、前記プラズマ処理装置によりプラズマ中に曝される位置に陽極酸化被膜が設けられたことを特徴とする請求項5に記載のヒータブロック。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、真空チャンバ内でプラズマあるいはプラズマ化することで得られる活性種によって被処理物に所定の処理を施すプラズマ処理装置内に設置されるプラズマ処理装置用アルミニウム合金およびヒータブロックに関するものである。 【従来の技術】 【0002】一般に、真空チャンバ内で、プラズマCVD処理や、プラズマエッチング処理などのプラズマ処理を行う場合には、被処理物を加熱して載置するためのヒータブロックが使用されている。例えば、特開平5−152425号公報のヒータブロックは、ヒータが鋳ぐるみされたブロック本体と、このブロック本体の上面側にロウ付けして接合された表面板とから構成されている。 【0003】そして、ヒータブロックの表面板およびブロック本体は、鋳造性や耐食性の観点から一般的にAl−Mg系合金(JISA5000系)が採用されている。なお、近年の技術の進展によりデバイスデザインルールの微細化や、プラズマの高密度化に対応するため、高純度アルミニウム(Alが99.9質量%以上)の基材などが使用されていることも知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、プラズマ処理を行う場合、従来のアルミニウム合金(Al合金)を使用してヒータブロックなどを形成すると、以下に示すような問題点が存在した。 【0005】すなわち、Al−Mg系合金は、ロウ付け性に劣るため、表面板とブロック本体のロウ付け接合に際して特殊な低温ロウ材が使用されることになった。この低温ロウ材は、コストアップにつながり不都合であった。また、Al−Mg系合金は、熱伝導率が小さいことから、ヒータブロックの表面温度分布が不均一になりやすかった。さらに、プラズマ処理を行っている場合、蒸気圧の高い合金含有成分であるMgが蒸発して被処理物(ウエハなど)を汚染する原因になっていた。 【0006】そして、Al−Mg系合金は、耐食性を向上させるため、アルマイト処理などの陽極酸化被膜を施す場合、基材と被膜の熱膨張率の違いにより、その被膜に熱割れが発生してしまい、被膜により耐食性を向上させることが困難であった。 【0007】本発明は、前記の問題点に鑑み創案されたものであり、耐食性、耐汚染性、ロウ付け性に優れ、また、陽極酸化被膜の耐熱割れ性に優れたプラズマ処理装置用アルミニウム合金およびそのアルミニウム合金から形成されるヒータブロックを提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するため、つぎのように構成した。すなわち、真空チャンバ内でプラズマあるいはプラズマ化することで得られる活性種によって被処理物に所定の処理を施すプラズマ処理装置内に設けられる部品の1種以上に用いられるアルミニウム合金であって、Cuを0.02〜0.4質量%と、Siを0.2〜0.6質量%と、Mgを0.45〜0.9質量%と、その他不可避元素と、残部がアルミニウム(Al)とを含むプラズマ処理装置用アルミニウム合金の構成とした。 【0009】このように、Cu、Si、Mgの含有量を調整することで、析出物(Mg2Si)が時効により析出し、この析出物の周りにCuが濃化した状態となり、プラズマ処理を行う場合に使用するアルミニウム合金として都合が良い。 【0010】また、前記プラズマ処理装置用アルミニウム合金の基材の表面に陽極酸化被膜を有する構成とした。このように構成することで、陽極酸化被膜中のセル三重点に熱膨張の差異を緩和するのに充分な空隙が形成される。 【0011】さらに、プラズマ処理装置内に設けられるヒータブロックであり、被処理物を載置する位置を加熱するための加熱手段を内設するブロック本体を備え、前記ブロック本体が、Cuを0.02〜0.4質量%と、Siを0.2〜0.6質量%と、Mgを0.45〜0.9質量%と、その他不可避元素と、残部がアルミニウム(Al)とを含む前記プラズマ処理装置用アルミニウム合金から成形されるヒータブロックとして構成した。 【0012】このように構成することにより、ブロック本体の加熱板に表面板をロウ付けしたり、加熱体が鋳ぐるみされたブロック本体の上面に表面板をロウ付けしたりする場合に、安価な汎用性の有るロウ材を使用でき、汚染源となる蒸気圧の高いMgの蒸発も防止することが可能となる。 【0013】また、前記ヒータブロックは、その被処理物を載置する位置に、係合手段を介して載置板が着脱自在に設けられる構成とし、前記載置板が、Cuを0.02〜0.4質量%と、Siを0.2〜0.6質量%と、Mgを0.45〜0.9質量%と、その他不可避元素と、残部がアルミニウム(Al)とを含む前記プラズマ処理装置用アルミニウム合金から構成されるようにした。このように構成することで、ダメージを受け易い被処理物の載置面を常に適正な状態とすることが可能となる。 【0014】そして、前記ヒータブロックは、前記プラズマ処理装置のプラズマ中に曝される位置に陽極酸化被膜を設ける構成にすると都合が良い。このように構成することで、耐食性および低汚染化に優れる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1はヒータブロックを模式的に示す断面図である。プラズマCVD処理や、プラズマエッチングなどのプラズマ処理に使用されるプラズマ処理装置用アルミニウム合金は、銅(Cu)を0.02〜0.4質量%と、シリコン(Si)を0.2〜0.6質量%と、マグネシウム(Mg)を0.45〜0.9質量%と、その他不可避元素と、残部がアルミニウム(Al)とを少なくとも含んで構成されている。 【0016】プラズマ処理装置用アルミニウム合金は、含有するCuの含有率を0.02〜0.4質量%の範囲としている。これは、Cuが固溶体硬化およびMg,Alと化合物相を形成して析出し、強度を向上させる他、他の合金元素の析出に対する核の作用を生じ、析出硬化を促進する作用がある。なお、Cuは、所定の範囲内であるとMg2Siの周りにCuが濃縮することから、アルマイト被膜(陽極酸化被膜)の耐熱割れ性を向上させる作用がある。そして、Cuの含有量が、0.02質量%未満であると、アルマイト被膜(陽極酸化被膜)を形成した場合に熱割れが発生する。また、Cuの含有量が0.4質量%を超える場合は、固相線温度が低下し、ロウ材の液相線温度との差が小さくなり前記アルミニウム合金も溶融するのでロウ付けが困難になる。 【0017】そして、プラズマ処理装置用アルミニウム合金は、Siの含有量を0.2〜0.6質量%の範囲としている。Siは、高温の人工時効により、Mgと共にMg2Siとして析出して、強度を向上させる。Siの含有量が0.2質量%未満であると必要な強度が得られない。また、Siの含有量が0.6質量%を超えると固相線温度が低下し、ロウ材の液相線温度との差が小さくなり前記アルミニウム合金も溶融するのでロウ付けが困難になる。 【0018】また、プラズマ処理装置用アルミニウム合金は、Mgの含有量を0.45〜0.9質量%としている。Mgは、高温の人工時効により、Siと共にMg2Siとして析出して、強度を向上させる。Mgの含有量が0.45質量%未満であると必要な強度が得られない。また、Mgの含有量が0.9質量%を超えると、固相線温度が低下し、ロウ材の液相線温度との差が小さくなり前記アルミニウム合金も溶融するのでロウ付けが困難になると共に、Mgが蒸発することによりプラズマ処理装置内で処理される被処理物(ウエハなど)を汚染してしまう。特に、Mgは金属元素であるため、Siウエハ上に形成された集積回路の誤動作の要因となるので、合金成分中の含有量を0.45〜0.9質量%としたことにより、放出ガス中に占めるMgガス量を低減できた。 【0019】なお、本発明において使用されるプラズマ処理装置用アルミニウム合金は、前記した通りに各々所定量の銅、シリコン、マグネシウムを含むことが必須であるが、本発明の目的・効果を損なわない範囲で他の元素、例えば鉄(Fe)を含んでもよい。すなわち、本発明において使用されるプラズマ処理装置用アルミニウム合金を製造は、アルミニウムの合金番号6000系であり、不可避元素として鉄がある程度(例えば0.2質量%以下)混入される。したがって、本発明における「不可避元素」とは、量の多少にかかわらず、本発明の目的、効果を損なわない元素を含むものとして解釈される。 【0020】前記プラズマ処理装置用アルミニウム合金は、その鋳塊を圧延、鍛造、押出し等の適宜の塑性加工によって得られたアルミニウム合金材を溶体化処理、時効処理を施した後に、適宜の形状に機械加工することによって製作しても良い。また、前記アルミニウム合金材を所定の形状に成形加工した後、溶体化処理、時効処理を施しても良い。 【0021】なお、溶体化処理、時効処理の条件としては、例えば、通常のT6処理である溶体化処理515〜550℃、水冷、時効処理170℃×8h(時間)、155〜165℃×18hを行う。 【0022】そして、プラズマ処理装置用アルミニウム合金は、その表面にアルマイト被膜などの陽極酸化被膜が形成されて使用されると都合が良い。そして、陽極酸化被膜を形成する方法としては、電解溶液の組成、濃度、電解条件(電圧、電流密度、電流−電圧波形)などを適宜選択して行えば良い。陽極酸化処理液については、C,S,N,P,Bから選択される1種以上の元素を含有する溶液で電解処理を行っている。 【0023】陽極酸化処理液としては、例えば、シュウ酸、ギ酸、スルファミン酸、亜リン酸、ホウ酸、硝酸あるいはその化合物、フタル酸あるいはその化合物から選ばれる一種以上を含む水溶液を用いることが有効である。陽極酸化被膜の膜厚は、特に制限されないが、0.1〜200μm程度、好ましくは、0.5〜70μm程度、より好ましくは1〜50μm程度が適当である。 【0024】陽極酸化被膜が形成されたプラズマ処理装置用アルミニウム合金は、高温の腐食性雰囲気下で使用される各種用途に適し、特に、高温環境下で腐食性ガス、プラズマ、あるいはプラズマ化することによって得られる活性種に曝され、その一方で被処理物に低温汚染化が求められる半導体製造設備に用いられるプラズマ処理装置の真空チャンバおよびその内部に設けられる部品である例えばヒータブロックなどとして好適に使用される。 【0025】つぎに、前記プラズマ処理装置用アルミニウム合金を使用してヒータブロックに用いた例を、図1を参照して説明する。図1は、ヒータブロック1の断面を示す模式図である。図1に示すように、プラズマ処理装置A内に設置されたヒータブロック1は、被処理物であるウエハなどのワークWを載置する載置板2と、この載置板2を係合手段としての留付ネジ8を使用して着脱自在に支持する表面板3と、この表面板3の下面で周縁位置を支持するブロック本体4を有している。 【0026】そして、ブロック本体4は、表面板3の下面で周縁側を支持するように取り付けられたカバー本体5と、表面板3の下面に当接して設けられた加熱板6と、この加熱板6の内部に設けられ、ワークWを加熱するための加熱体(加熱手段(ヒータ))7とを有している。そして、前記表面板3とカバー体5とは、電子ビーム、TIG,MIGなどの溶接により接合され、表面板3と加熱板6とは、ロウ付けにより接合されている。 【0027】ヒータブロック1に使用されるロウ材は、プラズマ処理を行う環境下であっても蒸発し難く、かつ、処理するワークに悪影響を及ぼさない部材であることが好ましく、例えば、JIS,Z3263の合金番号4045などで行われている。 【0028】このように、ヒータブロック1は、前記したプラズマ処理装置用アルミニウム合金に陽極酸化被膜を形成し、ワークWに対して汚染の影響の少ない汎用性のあるロウ材を使用することができるため、プラズマ処理を行うような状態で使用してもワークWを均一に加熱することができ、かつ、ワークに対しての汚染の影響を最小限に抑えることができるものである。 【0029】なお、ここではヒータブロック1の構成を載置板2と表面板3とカバー本体5および加熱板6とから構成しているが、つぎのような構成としても良い。すなわち、ヒータブロックを、カバー本体と加熱板とを一体に形成したブロック本体と、表面板と、載置板とで構成すること。また、カバー本体と加熱板と表面板とを一体に形成したブロック本体と、載置板とで構成すること。さらに、被処理物を載置する位置を加熱するための加熱手段を内設するブロック本体をヒータブロックとすること(表面板、載置板を使用せず、ブロック本体の上面位置が、表面板、載置板を兼ね加熱板が内設される構成)など、ヒータブロックの構成は、特に限定されるものではない。 【0030】そして、係合手段は、表面板に載置板が螺合することで着脱自在に設けられる構成としてもよく、特にその構成は限定されるものではない。さらに、各部材の厚さ形状は、本発明の目的・効果を達成するものであれば、特に限定されるものではない。また、ヒータブロックは、その構成が前記したように異なっても、プラズマ処理装置内で使用される際に、各構成部分(表面板、ブロック本体等)のプラズマに曝される位置に陽極酸化被膜を設ける構成となる。 【0031】 【実施例】つぎに、表1に記載した組成を有するアルミニウム合金を使用して実施例を説明する。なお、ここで示す実施例は、その一例であり、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。 【0032】アルミニウム合金は、溶製して金型鋳造によりφ260×50mm厚さの円盤形状のブロック本体部分に鋳造し、その鋳造したアルミニウム合金から40×25×5mmの板形状の試験片を切り出した。そして、切り出した試験片は、540℃×4時間のソーキング熱処理を施した後に、表2に示すように、ロウ付け状態、表面温度差測定、放出ガス量、加熱後のアルマイト被膜の状態および素材の耐力について試験をして評価を行った。 【0033】 【表1】
【0034】 【表2】
【0035】ロウ付け状態の評価方法としては、ロウ材をJIS,Z3263の合金番号4045を使用して、ロウ付け温度を各材質の固相線温度−15℃として行った。そして、ロウ付け後の接合面を超音波探傷し、エコー強度が、同一肉厚の板の強度に対し、80%以上となった部分を非接合部とした。さらに、接合面積全体に対する未接合部の面積率が20%以下の場合を○とし、また、20%より大きい場合を×として表示した。表1でロウ付け状態が×の場合は、ブロック本体から表面板への熱伝導が不均一となり、Siウエハ(ワークW、図1参照)の温度分布が不均一となり、Siウエハに均一な処理を施すことができない。 【0036】表面温度差測定方法としては、厚さ25mmの鋳ぐるみのブロック本体(図1参照)を使用し、23℃の静止大気中でブロック本体の表面から5mm深さの位置に設けた熱電対の温度が450℃となるように内部のヒータに通電し、そのときのブロック本体の表面温度を接触式の温度計で測定した。 【0037】そして、ブロック本体の表面での最高温度と最低温度の差を表面温度差とする。温度差が大きくなると、Siウエハ(ワークW、図1参照)の温度分布が不均一となり、Siウエハに施される処理(被膜)を均一に得ることができない。そのためここでは、均一なSiウエハの処理を得る目安として温度差を5℃以下とした。 【0038】放出ガス量は、ヒータブロックより切り出した試料を真空中で加熱し、放出されるガス量を測定した。放出ガス量の測定は、JISZ8752に規定する電離真空計によって行った。ガス成分には、Mg、水蒸気などが含まれ、放出ガス量が多いとSiウエハ(ワークW、図1参照)を汚染することになる。Siウエハを汚染しないためには、放出ガス量を目安として6.5×10-5Pa・m・s-1以下とした。なお、放出ガス中のMg成分は、質量分析器により求めた。 【0039】加熱後のアルマイト被膜は、ブロック本体から切り出した試験片にアルマイト処理を施し、大気中で500℃×1時間加熱した後、試験片表面を光学顕微鏡を用いて倍率100で観察し、割れの見られないものを○、割の見られたものを×とした。試験片に割れがある場合は、実際にヒータブロックを加熱して使用中に、アルマイト被膜に割れが発生し、割れを起点に腐食が発生する恐れがある。 【0040】耐力については、ロウ付け後のブロック本体より、引張り試験用の試験片を切り出し、その試験片について引張り試験を行った。耐力が100MPa以下の場合は、加熱して使用中に強度が不足して、自重で変形してしまう恐れがある。 【0041】表1に示すように、実施例の素材記号ABCDは、Cu(0.02〜0.4質量%)と、Si(0.2〜0.6質量%)と、Mg(0.45〜0.9質量%)を特定した範囲中にある含有量とし、比較例の素材記号E〜Kでは、Cu,Si,Mgの含有率を特定の値からその少なくとも一つのものが外れるように設定している。 【0042】表2の実施例から分かるように、Cu,Si,Mgが本発明の範囲内である場合は、すべての評価項目において設定値を上回る値を示した。 【0043】これに対し、比較例からも分かるように、Cuの含有量が少なかったり(E)、多かったり(F)した場合は、加熱後のアルマイト被膜の評価やロウ付け性の評価が不十分となる。また、Si,Mgの含有量が多すぎたり(G)、少なすぎたり(H)すると、ロウ付け性の評価や耐力の評価が不十分となる。さらに、Mgの含有量が多い場合(I)は、ロウ付け性と耐力の評価が不十分となり、少ない場合(J)は、耐力が不十分と成る。そして、Al−Mg系合金の場合(K)は、ロウ付け性、表面温度差、放出ガス量および加熱後のアルマイト皮膜についての評価のいずれもが不十分となる。このようにCu,Si,Mgが特定した範囲外であると、評価項目の必ず1項目以上に不都合の評価が見受けられる。 【0044】 【発明の効果】本発明は、以上のように構成しているため以下の優れた効果を奏する。 (1)プラズマ処理装置用アルミニウム合金は、プラズマ処理を行う環境下において使用される場合、陽極酸化被膜を形成する際に都合が良く、また、ロウ付け作業を行う場合であってもその環境に合った汎用品を使用することができる。そのため、プラズマ処理などの環境下であっても被処理物に対して悪影響を及ぼすことがないアルミニウム合金の使用を可能とする。 【0045】(2)プラズマ処理装置用アルミニウム合金は、陽極酸化被膜を有する構成としても、均一な加熱状態とし、その陽極酸化被膜に耐熱割れ性、耐ガス腐食性に優れ、また、プラズマ環境下においても好適に使用することのできるものである。 【0046】(3)ヒータブロックは、必要箇所をロウ付けする場合であっても、プラズマ処理環境下において適合する汎用性のロウ材を使用することができ、かつ、プラズマ環境下においても、構成するアルミニウム合金が被処理物に対して悪影響を最小限に抑えることが可能となる。 【0047】(4)そして、ヒータブロックに使用されるアルミニウム合金の表面に陽極酸化被膜を形成する場合、耐熱割れ性、耐ガス腐食性に優れ、また、プラズマ環境下においても好適にヒータブロックを使用することができる。 【0048】(5)ヒータブロックの表面板に係合手段を介して載置板を着脱自在に設ける構成とすることで、ダメージを受ける載置板を取り替えて使用することができるため、ヒータブロックのメンテナンス性に優れ、かつ、ヒータブロック全体として使用寿命を延ばすことができる。さらに、ヒータブロックは、載置板を設けた場合であっても、陽極酸化被膜を形成することで、耐熱割れ性、耐ガス腐食性に優れ、また、プラズマ環境下においても好適に使用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001199 【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
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| 【出願日】 |
平成13年1月30日(2001.1.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064414 【弁理士】 【氏名又は名称】磯野 道造
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| 【公開番号】 |
特開2001−288527(P2001−288527A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月19日(2001.10.19) |
| 【出願番号】 |
特願2001−21350(P2001−21350) |
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