| 【発明の名称】 |
真空アーク溶解用給電スタブおよびこの給電スタブを備えた真空アーク溶解装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大沢 立弥
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| 【要約】 |
【課題】消耗電極を再溶融して得た鋼塊の汚染を確実に阻止し、そして、消耗電極の再溶解率を向上する真空アーク溶解用給電スタブおよびこの給電スタブを備えた真空アーク溶解装置を提供する。
【解決手段】真空アーク溶解装置は、消耗電極Aの上面に下端部が溶接された給電スタブ14を備え、この給電スタブ14の下端部には空所18が形成されている。空所18は、消耗電極Aの上面に現れる引け巣Bや割れなどに起因し、再溶解の終期に消耗電極Aを通過して走るグローアークから給電スタブ14を逃がし、給電スタブ14の溶解を阻止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 真空雰囲気中にて、前記消耗電極と溶鋼プールとの間にアークを発生すべく給電される給電スタブにおいて、前記給電スタブは前記消耗電極の上面中央部との間に、所定の空隙を確保した形状をなすことを特徴とする真空アーク溶解用給電スタブ。 【請求項2】 請求項1の給電スタブを備えた真空アーク溶解装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、真空アーク溶解法に適用される給電スタブおよびこの給電スタブを備えた真空アーク溶解装置に関する。 【0002】 【従来の技術】真空アーク溶解は、真空雰囲気中にて消耗電極と溶解プールとの間にアークを飛ばし、消耗電極をその下端から順次再溶解する製錬法の1つであり、このような真空アーク溶解によれば、消耗電極内の不純物を除去した鋼塊を得ることができる。 【0003】消耗電極と溶解プールとの間にてアークを飛ばすため、つまり、消耗電極は給電スタブを介して保持されている。より詳しくは、給電スタブは消耗電極の上面に溶接され、消耗電極と電気的に接続された状態にある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、消耗電極は鋳造により得られるため、消耗電極が正立の状態で給電スタブに接続されると、消耗電極の上面中央部に引け巣や割れなどが生じている場合が多い。このような状況では、再溶解作業の終期、消耗電極の引け巣や割れなどが給電スタブと溶鋼プール側とを結ぶ通路となり、消耗電極と溶鋼プールとの間に発生したアークの一部がグローアークとなって、その通路を走り、給電スタブ自体を溶融させてしまうことがある。この場合、給電スタブの材料が溶解プールに混入し、溶解プール、つまり、鋼塊を汚染してしまう。 【0005】このような不具合を避けるためには、消耗電極の再溶解を引け巣や割れの手前で終了すればよいが、引け巣や割れの深さは正確に把握できない。それゆえ、消耗電極の再溶解はその消耗電極の上部を大きく残した状態で行われ、消耗電極の許容消費率が低下する。本発明は、上述の事情にも基づいてなされたもので、その目的とするところは、溶鋼の汚染を防止する一方、消耗電極の許容消費率を高めることができる真空アーク溶解用給電スタブおよびこの給電スタブを備えた真空アーク溶解装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に係る真空アーク溶解用給電スタブはその消耗電極の上面中央部との間に所定空隙を確保した形状をなす。このような給電スタブによれば、再溶解の終期において、前述した引け巣や割れなどにより消耗電極に給電スタブと溶解プールとの間を結ぶ通路が形成され、そして、この通路をグローアークが走るとしても、給電スタブにはそのグローアークから給電スタブを逃がす空隙が確保されているので、グローアークにより給電スタブが溶融されることはない。 【0007】また、本発明は、上述の給電スタブを備えた真空アーク溶解装置(請求項2)を提供する。この真空アーク溶解装置もまた上述の作用を発揮することは言うまでもない。 【0008】 【発明の実施の形態】図1は真空アーク溶解装置(VAR)を概略的に示す。溶解装置は真空炉2を備え、真空炉2の下部は冷却鋳型4として構成されている。冷却鋳型4はその外周が冷却ジャケット6により囲まれ、冷却ジャケット6は冷却水の循環経路(図示しない)に接続されている。 【0009】一方、真空炉2の上部からは排気管8が延び、排気管8は電磁制御弁10を介して真空ポンプ12に接続されている。真空ポンプ12は電磁制御弁10および排気管8を通じて真空炉2内を排気し、真空炉2内に所定の真空雰囲気を作り出す。真空炉2内にはロッド形状の給電スタブ14が配置され、この給電スタブ14の上部はチャックを介して昇降機(図示しない)に支持されている。給電スタブ14がチャックに把持されたとき、これら給電スタブ14およびチャックは電気的に接続された状態にある。チャックは給電スタブ14に負(−)の電位を付与し、一方、冷却鋳型4には正(+)の電位が付与される。 【0010】給電スタブ14はその下端に再溶解される消耗電極Aが正立姿勢で溶接されており、消耗電極Aは真空アーク溶解に好適した材質からなり、鋳造により得られたものである。なお、参照符号16は溶接ビードを示す。より詳しくは、給電スタブ14はその下端部がパイプ形状をなし、その下面に開口した空隙、つまり、空所を有する。この空所18の径は、消耗電極Aの上面中央に現れる引け巣Bや割れ等の存在域よりも十分に大きく、このような存在域を避けて消耗電極Aの上面に溶接されている。また、空所18の奥行きもまた、後述するグローアークに対して十分に大きく長く確保されている。 【0011】なお、給電スタブ14の下端部には空所18に連通する開孔20が必要に応じて形成され、この開孔20は、給電スタブ14と消耗電極Aとの溶接時、空所18内に流入したガスのガス抜き孔となる。上述の給電スタブ14を備えた真空アーク溶解装置によれば、消耗電極Aは給電スタブ14を介して真空炉2内、つまり、その冷却鋳型4内に配置され、その下面と冷却鋳型4との間に所定のギャップが確保される。この後、真空ポンプ12の作動により真空炉2内は所定の真空度に維持された状態で、消耗電極Aと冷却鋳型4との間に所定の電位差が印加されると、この電位差により、消耗電極Aの下面から溶解プール上面に向けてアークCが飛び、このアークCは消耗電極Aの下面を再溶解する。このような溶鋼は消耗電極Aから溶解プールに滴下する。 【0012】消耗電極Aの再溶融が進むに連れ、消耗電極Aは溶融プールDとの間に前記ギャップを一定にして、そのアークを維持すべく給電スタブ14を介して下降される。一方、冷却鋳型4の溶融プールDはその下部から冷却されて鋼塊Eとなる。消耗電極14の再溶解が終期に至り、その引け巣Bや割れにより消耗電極Aを貫通する通路が形成され、この通路を通じてグローアークが走っても、給電スタブ14には空所18が予め形成されているので、このようなグローアークから給電スタブ14は逃げた状態にある。それゆえ、給電スタブ14がグローアークにより溶融されていまい、給電スタブ14の溶鋼により溶融プールD、すなわち、鋼塊Eが汚染されることはない。 【0013】上述の説明から明かなように、消耗電極Aの引け巣Bや割れなどに起因し、消耗電極Aを通過するようなグローアークが発生しても、このグローアークによる給電スタブの溶解を確実に阻止できるので、消耗電極Aの許容消費率を高めることができる。本発明は上述した一実施形態に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。 【0014】たとえば、給電スタブ14はその下端部をパイプ状に形成することで、グローアークから逃げるための空所18を確保しているが、図2に示されるように給電スタブ14の下端部を下向きのU字形に形成しても、グローアークから逃げるための空隙を確保でき、その下端部の形状は色々と変更可能である。 【0015】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の真空アーク溶解用給電スタブ(請求項1)およびこの給電スタブを備えた真空アーク溶解装置(請求項2)によれは、消耗電極の引け巣や割れなどの存在により、その再溶解の終期にて、消耗電極を貫通して走るグローアークが発生しても、給電スタブはその空隙によりグローアークから逃げることができる。したがって、給電スタブの溶解による鋼塊の汚染を確実に防止できるとともに、消耗電極の再溶解率の向上を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003713 【氏名又は名称】大同特殊鋼株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月5日(2000.6.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090022 【弁理士】 【氏名又は名称】長門 侃二
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| 【公開番号】 |
特開2001−342525(P2001−342525A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月14日(2001.12.14) |
| 【出願番号】 |
特願2000−167352(P2000−167352) |
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