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【発明の名称】 製鋼原料
【発明者】 【氏名】高橋 克実

【要約】 【課題】廃車両を利用して製造でき、しかも残るゴミの量を少なくできるようにした高品質の製鋼原料を提供する。

【解決手段】廃車両の車体(11)、及び廃車両を構成する樹脂部品のうちの塩化ビニル系樹脂部品を除く樹脂部品を電気炉への投入に適した寸法の直方体形状に成形し、樹脂部品を製鋼時における燃焼の補助燃料となする。必要に応じて廃車両を構成する鉄系金属部品を含ませることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃車両の車体と、上記廃車両を構成する樹脂部品のうちの塩化ビニル系樹脂部品を除く樹脂部品とが電気炉への投入に適した寸法の直方体形状に成形されてなり、上記樹脂部品を製鋼時における燃焼の補助燃料となしたことを特徴とする製鋼原料。
【請求項2】 上記廃車両を構成する鉄系金属部品が更に含まれている請求項1記載の製鋼原料。
【請求項3】 廃車両から車体外装部品、塩化ビニル系部品を含む樹脂部品、駆動系部品、電気系部品及び非鉄部品を取外すとともに燃料やオイル類を含む液体類を抜き取り、残った廃車両の車体と、上記廃車両から取外された樹脂部品のうちの塩化ビニル系部品を除く樹脂部品、及び/又は車体に残した樹脂部品とを屑鉄プレス機内に投入してプレスし、電気炉への投入に適した寸法の直方体形状に成形するようにしたことを特徴とする製鋼原料の製造方法。
【請求項4】 上記廃車両から取外された車体外装部品及び/又は駆動系部品のうち、鉄系金属部品を残った廃車両の車体及び樹脂部品とともに屑鉄プレス機内に投入してプレスするようにした請求項3記載の製鋼原料の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は製鋼原料に関し、特に廃車スクラップを主原料とする製鋼原料に関する。
【0002】
【従来の技術】電気炉で製鋼を行う場合、鉄源として鉄屑がよく利用されるが、鉄屑内の不純物は製品不良の原因となるので、極力少なくする必要がある。
【0003】従来、かかる製鋼原料には廃車両、例えば廃自動車のスクラップが利用されていた。廃自動車から製鋼原料を製造する場合、車体からドア、フェンダ、ウインドガラス、ランプ、ボンネット等の外装部品を取外し、燃料、オイル類、フロン等の液体類を抜き取って回収処理し、又シート、カーペット、コンソール、タイヤ、バッテリ等の樹脂部品を取外し、更にエンジン、ミッション、燃料タンク、排気系部品、足廻り系部品,ガラス等の駆動系部品を取外し、最後にヒータコア、エバポレータ、コンデンサ、モータ類、ハーネス類、内装品、バンパー等の非鉄部品を取外し、取外した部品をシュレッダで破砕して鉄系材料を回収し、回収した鉄系材料と残った車体とをプレス機によって直方体形状にプレスすることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法では取外した部品を破砕して鉄系金属材料を回収するようにしているので、回収した材料中に銅系の破砕片が含まれ、得られた製品の品質が悪いという問題があった。
【0005】また、破砕片の塊から、有用な破砕片と廃棄すべき破砕片とを選別するするのが難しく、結果的には非鉄金属材料、重金属材料、ガラス、木、プラスチックがゴミとして大量に残り、これらは産業廃棄物として処理する必要があって製鋼原料のコスト高の原因になる。特に、最近では環境汚染や環境破壊との関係もあって、残ったゴミを廃棄処理できないこともあり、これが廃自動車を製鋼原料に利用する際のネックとなっていた。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑み、廃車両を利用して製造でき、しかも残るゴミの量を少なくできるようにした製鋼原料を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明に係る製鋼原料は、廃車両の車体と、上記廃車両を構成する樹脂部品のうちの塩化ビニル系樹脂部品を除く樹脂部品とが電気炉への投入に適した寸法の直方体形状に成形されてなり、上記樹脂部品を製鋼時における燃焼の補助燃料となしたことを特徴とする。
【0008】本発明の特徴の1つは廃車両のうち、樹脂部品を破砕せずにそのまま車体と一緒にプレスするようにした点にある。合成樹脂部品の廃棄物を焼却炉で焼却すると、炉内が非常に高温となって焼却炉を劣化させて炉の寿命を大幅に短くさせるか、電気炉内の雰囲気温度は焼却炉のそれに比して非常に高く、合成樹脂部品を投入しても電気炉の寿命に悪影響を与えることはなく、合成樹脂部品を燃焼の補助燃料として利用でき、電気炉への燃料投入コストを大幅に低減できる。
【0009】また、廃車両から取外した部品をシュレッダで破砕していないので、銅系部品を鉄系部品から選別しやすく、銅系不純物に起因する製鋼製品の品質劣化を防止できる。さらに、有用な部品材料を容易に回収してリサイクルすることができ、廃棄すべきゴミの量も大幅に低減できる。また、塩化ビニル系樹脂を他の部品から容易に選別することができ、ダイオキシン等が発生して環境を汚染し破壊するおそれを解消できる。
【0010】通常、駆動系部品については車体から取外して回収することが多いが、駆動系部品がリサイクルできないような場合にはそのまま、あるいは適当な大きなに切断して車体や樹脂部品とともに成形するのがよい。即ち、製鋼原料には廃車両を構成する鉄系金属部品を更に含ませることもできる。
【0011】また、本発明に係る製鋼原料の製造方法は、廃車両から車体外装部品、塩化ビニル系部品を含む樹脂部品、駆動系部品、電気系部品及び非鉄部品を取外すとともに燃料やオイル類を含む液体類を抜き取り、残った廃車両の車体と、上記廃車両から取外された樹脂部品のうちの塩化ビニル系部品を除く樹脂部品、及び/又は車体に残した樹脂部品とを屑鉄プレス機内に投入してプレスし、電気炉への投入に適した寸法の直方体形状に成形するようにしたことを特徴とする。
【0012】樹脂部品のうち、補助燃料に利用しえるものは車体に残しておいてもよく、他の部品の取外し作業上、車体から取外し、車体とともにプレス機に投入するようにしてもよい。
【0013】また、廃車両から取外された車体外装部品及び/又は駆動系部品のうち、鉄系金属部品を残った廃車両の車体及び樹脂部品とともに屑鉄プレス機内に投入してプレスするようにしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る製鋼原料の製造方法の好ましい実施形態を示す。本例の製鋼原料を製造する場合、フォークリフト、リフター等の必要な設備を利用し、廃自動車(廃車両)10から車体外装部品を取り外す。
【0015】車体外装部品にはドア、フエンダー、ウインドガラス、ランプ、ボンネット等が含まれる。取外した車体外装部品は鉄系部品とその他の部品とに選別し、その他の部品についてはリサイクル可能な部品は回収する。ドアについてはウインドガラス昇降用のモータが内蔵されている場合にはモータを取外す必要がある。他方、リサイクルできない部品はゴミとして廃棄するが、有用な部品は回収されているので、ゴミとして残る量は非常に少ない。
【0016】次に、リフターや燃料・オイル回収装置、フロン回収装置等の設備を用い、車体外装部品を外した車体11から、液類を抜き取る。液類には燃料、オイル、フロン等が含まれる。抜き取った液類のうち、リサイクルできるものは回収し、リサイクルできないものは廃棄する。
【0017】また、車体外装部品を外した車体11からは樹脂部品を取外す。樹脂部品にはシート、カーペット、コンソール、タイヤ、バッテリ、工具類が含まれる。取外した樹脂部品のうち、塩化ビニル系樹脂部品を選別し、塩化ビニル系樹脂部品はダイオキシンの原因物質となるので、廃棄し、その他の樹脂部品は回収する。なお、車体11には必要に応じて塩化ビニル系部品以外の樹脂部品を残しておいてもよい。
【0018】さらに、車体反転機、切断機等の設備を用い、車体11からは駆動系部品を取外す。駆動系部品にはエンジン、ミッション、燃料タンク、排気系部品、足廻り系部品等が含まれる。取外した駆動系部品のうち、鉄系部品は回収し、その他の部品のうち、リサイクルできる部品、例えば非鉄金属系部品については回収し、リサイクルできない部品についてはゴミとして廃棄するが、有用な部品については選別して回収されているので、ゴミの量は少ない。また、燃料タンクについてはプラスチック製のものもあるので、そのような燃料タンクについては樹脂部品として回収する。
【0019】最後に、車体に残っている非鉄部品を取外す。この非鉄部品にはヒータコア、エバポレータ、コンデンサ、モータ、ハーネス、内装樹脂部品、バンパー等が含まれる。特に、ハーネスは銅線を含み、製鋼の品質低下の大きな要因となるので、慎重に取外す必要がある。取外した部品のうち、リサイクルできる部品については回収し、リサイクルできない部品についてはゴミとして廃棄するが、大部分の部品はリサイクル可能であり、ゴミの量としては非常に少ない。
【0020】こうして、廃車両の解体が済むと、残った車体、回収した鉄系部品、塩化ビニルを除く樹脂部品を屑鉄プレス機20に投入し、電気炉に投入可能な寸法、例えば縦50cm、横100cm、高さ60cm程度の直方体形状に成形すると、製品の製鋼原料30が得られる。この製鋼原料30は車体及び鉄系車体部品に由来する鉄系材料31の間に、樹脂系車体部品に由来する樹脂材料32が点在した形態をなしている。
【0021】本件発明者らの試作によれば、銅含有量が従来のシュレッダ法による製鋼原料の場合には0.4〜0.5%であったのに対し、本件発明に係る製鋼原料では0.2%以下の銅含有量にできることが確認された。
【0022】また、価格的には従来のシュレッダ法の場合のそれに比して3/5程度の価格になることが分かった。
【出願人】 【識別番号】500156379
【氏名又は名称】揖保川金属株式会社
【出願日】 平成12年4月4日(2000.4.4)
【代理人】 【識別番号】100071434
【弁理士】
【氏名又は名称】手島 孝美
【公開番号】 特開2001−288514(P2001−288514A)
【公開日】 平成13年10月19日(2001.10.19)
【出願番号】 特願2000−101875(P2000−101875)