| 【発明の名称】 |
一体構造のフランジを備えたインペラーシャフト及び溶融金属攪拌装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】岩谷 麗司
【氏名】大木 幹夫
【氏名】和田 利男
|
| 【要約】 |
【課題】フランジを一体成形した主軸とインペラーとからなるインペラーシャフト及びそのインペラーシャフトを用いた溶融金属攪拌装置に関する。
【解決手段】本発明の一体構造のフランジを備えたインペラーシャフトは、溶融金属を攪拌するインペラーシャフト(2)おいて、主軸(3)が、インペラー(4)を締結する側の主軸端部(3−1)に一体構造の主軸側フランジ(3−2)を備え、インペラー(4)が、回転羽根(4−3)側と反対側のインペラー端部(4−1)に、一体構造のインペラー側フランジ(4−2)を備え、且つ前記主軸側フランジと前記インペラー側フランジとを互いに締結したことを特徴とする。さらに本発明のインペラーシャフトを備えた溶融金属攪拌装置(1)は、複数に分割した分割型軸受け(5)で主軸(3)を軸承することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 溶融金属を攪拌するインペラーシャフト(2)おいて、主軸(3)が、インペラー(4)を締結する側の主軸端部(3−1)に一体構造の主軸側フランジ(3−2)を備え、インペラー(4)が、回転羽根(4−3)側と反対側のインペラー端部(4−1)に、一体構造のインペラー側フランジ(4−2)を備え、且つ前記主軸側フランジと前記インペラー側フランジとを互いに締結した、ことを特徴とする一体構造のフランジを備えたインペラーシャフト。 【請求項2】 インペラーシャフトにより溶融金属を攪拌する溶融金属攪拌装置(1)において、複数に分割した分割型軸受け(5)で主軸(3)を軸承する、ことを特徴とする溶融金属攪拌装置。 【請求項3】 前記主軸(3)が、インペラー(4)を締結する側の主軸端部(3−1)に一体構造の主軸側フランジ(3−2)を備え、且つインペラー(4)が、回転羽根(4−3)側と反対側のインペラー端部(4−1)に、一体構造のインペラー側フランジ(4−2)を備え、前記主軸側フランジと前記インペラー側フランジとを互いに締結し、且つ前記複数に分割した分割型軸受け(5)で、前記主軸を軸承する、ことを特徴とする請求項2記載の溶融金属攪拌装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、一体構造または一体成形のフランジを備えたインペラーシャフト及びこのインペラーシャフトを備えた溶融金属攪拌装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の溶融金属攪拌装置においては、インペラーシャフトの主軸の軸端部に主軸側フランジを焼き嵌めして、そして主軸側フランジとインペラー側フランジとを互いに締結することによって、インペラーシャフトが形成されている。さらに、この主軸側フランジの焼き嵌め結合部は、溶融金属を攪拌する時インペラーに加わる抵抗力により回転方向にずれることを防止するために、主軸と主軸側フランジにはキー溝加工という高精度の複雑な機械加工を必要とし、さらに熟練度が要求される組み立て作業をする必要がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記の溶融金属攪拌装置において使用するインペラーシャフトは、主軸側フランジを主軸に焼き嵌め固定しているために、操業中に溶融金属からの輻射熱により焼き嵌め部分が加熱され、その結果焼き嵌め部分が緩んでインペラーを溶融金属中に脱落して、溶融金属を周囲に飛散させるという問題がある。したがって、本発明は、溶融金属の攪拌作業の際に、溶融金属中に脱落することを防止したインペラーシャフトを提供することを目的とする。 【0004】さらに、上記の溶融金属攪拌装置を保守点検のために分解する際には、インペラーシャフトの主軸から焼き嵌めした主軸側フランジを再度取り外す必要があり、これらの作業に非常に時間がかかり、高度な技術作業を現場で実施しなければならないという問題がある。したがって、さらに本発明は、溶融金属攪拌装置を保守点検する際に、短時間で簡単に分解作業が可能なインペラーシャフトを備えた溶融金属攪拌装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題は、以下に記載する本発明のインペラーシャフト及び溶融金属攪拌装置によって解決される。本発明は、溶融金属を攪拌するインペラーシャフト2おいて、主軸3が、インペラー4を締結する側の主軸端部3−1に一体構造の主軸側フランジ3−2を備え、インペラー4が、回転羽根4−3側と反対側のインペラー端部4−1に、一体構造のインペラー側フランジ4−2を備え、且つ前記主軸側フランジと前記インペラー側フランジとを互いに締結した、ことを特徴とする一体構造のフランジを備えたインペラーシャフトによって達成される。 【0006】また、本発明は、インペラーシャフトにより溶融金属を攪拌する溶融金属攪拌装置1において、複数に分割した分割型軸受け5で主軸3を軸承する、ことを特徴とする溶融金属攪拌装置によって達成される。さらに、本発明は、前記主軸3が、インペラー4を締結する側の主軸端部3−1に一体構造の主軸側フランジ3−2を備え、且つインペラー4が、回転羽根4−3側と反対側のインペラー端部4−1に、一体構造のインペラー側フランジ4−2を備え、前記主軸側フランジと前記インペラー側フランジとを互いに締結し、且つ前記複数に分割した分割型軸受け5で、前記主軸を軸承する、ことを特徴とする溶融金属攪拌装置によって達成される。 【0007】 【発明の実施の形態】従来の溶融金属攪拌装置のインペラーシャフトは、インペラーシャフトの主軸の端部に主軸側フランジを焼き嵌めして装着する。従来のインペラーシャフト22の締結部の部分図を図4に示す。焼き嵌めした主軸側フランジ23−1とインペラー側フランジ24−1とを互いに締結ボルト及びナット26で締結することによって、インペラーシャフト22が組み立てられる。したがって、前述のように操業中に溶融金属からの輻射熱により焼き嵌め部分が加熱され、その結果焼き嵌め部分25が緩んでインペラー24を溶融金属中に脱落して、溶融金属を周囲に飛散させるという危険がある。さらに、上記の溶融金属攪拌装置を保守点検のために分解する際には、インペラーシャフト22の主軸23から焼き嵌めした主軸側フランジ23−1を取り外すとともにキー溝23−3からキー23−2を取り外す必要があり、これらの作業に非常に時間がかかるという問題がある。 【0008】上記課題を解決した本発明のインペラーシャフトは、一体構造或いは一体成形をされたフランジを備えた主軸及びインペラーとの二つのシャフトを、互いのフランジを締結することによって組み立てたシャフトである。この一体化されたフランジにより締結・組み立てされたインペラーシャフトを装着した溶融金属攪拌装置は、取鍋の溶融金属を攪拌して脱硫するため等に使用する。本発明のインペラーシャフト2を装着した溶融金属攪拌装置1を図1に示す。さらに、主軸3とインペラー4との締結部の拡大図を図2に示す。本発明のインペラーシャフト2の主軸3は、インペラー4が取り付けられる側の主軸端部3−1と一体構造あるいは一体成形をした主軸側フランジ3−1を備える。本発明のインペラーシャフト2の主軸3の主軸側フランジ3−2と、インペラー4のインペラー側フランジ4ー2とは、鍛造、鋳造または溶接等によって一体構造あるいは一体成形にすることができる。特に、インペラーシャフトの機械的強度の観点から、それぞれのフランジと軸との一体化は、鍛造による一体成形が好ましい。主軸3とインペラー4との締結は、締付けボルト(またはコッタ−ピン)7で固定する。9−3は、インペラー4を持ち上げ・位置合わせ用の油圧ジャッキ(油圧ピストン)を示す。締付けボルト(またはコッタ−ピン)7で主軸3とインペラー4との締結したのちは、油圧ジャッキ(油圧ピストン)9−3は、取り外して操業する。 【0009】上記課題を解決した本発明のインペラーシャフトを用いた溶融金属攪拌装置1は、複数に分割した分割型軸受けでインペラーシャフトの主軸を軸承することによって、さらに組み立て作業を簡便で迅速に行うことができる。本発明のおいて使用する分割型軸受けは、転がり軸受け及び滑り軸受けのいずれであっても使用可能である。軸受けの分割は、複数で且つ偶数個に分割することが、締結の際の均一締結するために好ましい。転がり軸受けを二分割した場合の分割型軸受けを図3に示す。図3の(a)の平面図に示すように、二分割型軸受け5は、内輪締結輪5−1、5−1をy−y方向に2分割し、内輪5−2、5−2をx−x方向に2分割する。内輪締結輪5−1、5−1の割り口6−4、6−4と、内輪5−2、5−2の割り口6−5、6−5とが、ほぼ90°の角度を成すよう、締結ボルトナット6−3、6−3をボルト穴6−2、6−2に装入して締結する。これによって、内輪締結輪5−1、5−1が、所定の締結トルクで内輪5−2、5−2を均一に固定することができる。それぞれの内輪5−2、5−2には複数のニードルローラー5−3が組み込まれ、主軸を滑らかな回転軸承することを可能とする。 【0010】 【実施例】主軸のフランジ側軸端部の軸直径は340mm、軸全長は5240mmであり、主軸端部に直径700mm、厚さ150mmのフランジを鍛造成形した。上記主軸と同様のフランジを一体成形したインペラーとボルト締結してインペラーシャフトを締結組み立てをした。このインペラーの回転径は1630mmであった。本発明の組み立て時間は、従来の組み立て時間と比較して、大幅に短縮することができた。本発明の一体成形したフランジを備えたインペラーシャフトを使用した溶融金属攪拌装置で取鍋の溶銑溶鋼の脱硫を行った。溶銑溶鋼を脱硫は、容量200〜250トンの取鍋で実施した。脱硫した熔銑溶鋼の温度は1250〜1400℃で行った結果、従来と同等の作業時間で十分脱硫を達成できた。 【0011】 【発明の効果】本発明の溶融金属攪拌装置は、結合部に一体構造または一体成形のフランジを備えた主軸とインペラーとからなるインペラーシャフトを用いることにより、溶融金属の攪拌作業の際に、インペラーが溶融金属中に脱落する危険を回避することが可能となり、溶融金属の攪拌作業を安全に実施することができた。 【0012】さらに本発明の溶融金属攪拌装置は、保守点検する際に短時間で簡単に分解作業が可能となり、経済的に保守点検することが可能になった。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006655 【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社 【識別番号】390022873 【氏名又は名称】日鐵プラント設計株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−288505(P2001−288505A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月19日(2001.10.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−99425(P2000−99425) |
|