| 【発明の名称】 |
溶融金属鉄の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷垣 恭広
【氏名】津下 修
【氏名】小林 勲
【氏名】本多 啓介
【氏名】徳田 耕司
【氏名】菊池 晶一
【氏名】伊東 修三
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| 【要約】 |
【課題】回転炉床炉において、炭素質還元材と酸化鉄含有物質からなる成形原料を高温で加熱して還元、溶融することによりスラグ成分を分離して生成した溶融金属鉄を、冷却、固化することなく溶融状態のまま回転炉床炉外に排出して回収する溶融金属鉄の製造方法を提供する。
【解決手段】炉床(1)に水平に対して3〜30度の下向きの傾斜面(6)を設け、前記溶融金属鉄(13)の排出位置(4)において、前記傾斜面(6)の最も低い部分から前記溶融金属鉄(13)を排出することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも炭素質還元材と酸化鉄含有物質からなる原料を成形し、その成形された原料を回転炉床炉内に装入し、その装入された原料を加熱還元して固体還元鉄とし、その固体還元鉄中の金属鉄に前記炭素質還元材中の炭素成分を浸炭させることによって金属鉄を溶融し、前記溶融することによって、前記原料中に含まれるスラグ成分を分離し、前記溶融金属鉄を溶融状態のまま前記回転炉床炉外に排出して回収する溶融金属鉄の製造方法であって、前記原料が載置される前記回転炉床炉の炉床の上面に水平に対して3〜30度の下向きの傾斜面を設け、前記溶融金属鉄の排出位置において、前記傾斜面の最も低い部分から前記溶融金属鉄を排出することを特徴とする溶融金属鉄の製造方法。 【請求項2】 前記炉床の上面から裏面に貫通する前記溶融金属鉄の排出口を前記炉床に複数配置し、該排出口にはそれぞれ開閉可能なバルブを備え、その各排出口に向けて前記炉床の上面に前記下向きの傾斜面を設け、前記排出口が炉床の回転にともない前記排出位置に達したときに、前記バルブを開くことにより前記排出口から前記溶融金属鉄を排出することを特徴とする請求項1に記載の溶融金属鉄の製造方法。 【請求項3】 前記炉床が、該炉床の炉幅の内周側または外周側に前記下向きの傾斜面を備えた炉床であることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属鉄の製造方法。 【請求項4】 前記炉床の炉幅方向の低い側の周辺に沿わせて、少なくとも1個所以上に切り欠き部を有する固定堰を設け、その切り欠き部から溶融金属鉄を排出することを特徴とする請求項3に記載の溶融金属鉄の製造方法。 【請求項5】 前記炉床が、仕切りで円周方向に複数に分割されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の溶融金属鉄の製造方法。 【請求項6】 前記仕切りが、耐火物の仕切りまたは炉床に粉状炭素物質を積み付けて形成された仕切りであることを特徴とする請求項5に記載の溶融金属鉄の製造方法。 【請求項7】 前記仕切りが、炉床を掘り下げることによって形成されたことを特徴とする請求項5に記載の溶融金属鉄の製造方法。 【請求項8】 少なくとも炭素質還元材と酸化鉄含有物質からなる原料を成形し、その成形された原料を回転炉床炉内に装入し、その装入された原料を加熱還元して固体還元鉄とし、その還元鉄中の金属鉄に前記炭素質還元材中の炭素成分を浸炭させることによって金属鉄を溶融し、前記溶融することによって、前記原料中に含まれるスラグ成分を分離し、前記溶融金属鉄を溶融状態のまま前記回転炉床炉外に排出して回収する溶融金属鉄の製造方法であって、前記回転炉床炉の炉床が、複数の円周方向に分割された炉床部分からなり、その分割された各炉床部分が前記炉床の回転にともない前記溶融金属鉄の排出位置に達したときに、該炉床部分を傾動させて前記溶融金属鉄を排出することを特徴とする溶融金属鉄の製造方法。 【請求項9】 前記溶融金属鉄を排出したあと前記原料を装入する前に、前記炉床上に残留するスラグを前記回転炉床炉外に排出することを特徴とする請求項1ないし8に記載の溶融金属鉄の製造方法。 【請求項10】 前記溶融金属鉄を排出したあと前記原料を装入する前に、前記炉床の表面を平滑にすることを特徴とする請求項1ないし8に記載の溶融金属鉄の製造方法。 【請求項11】 前記スラグを排出したあと前記原料を装入する前に、炉床保護材を前記炉床上に装入することを特徴とする請求項9に記載の溶融金属鉄の製造方法。 【請求項12】 前記平滑にしたあと前記原料を装入する前に、炉床保護材を前記炉床上に装入することを特徴とする請求項10に記載の溶融金属鉄の製造方法。 【請求項13】 前記炉床保護材にかえて、前記粉状炭素質還元材に前記炉床保護材を予め混ぜた混合物を装入することを特徴とする請求項11または12に記載の溶融金属鉄の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、回転炉床炉を用いて酸化鉄含有物質から溶融金属鉄を製造する方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、高炉法に替わる、あるいは高炉法を補完する溶融金属鉄製造方法として、比較的設備の簡単な設備コストの低い回転炉床炉により、安価な石炭などの炭材を還元材として使用し、安価に溶融金属鉄を製造する方法が種々提案され、注目されている。 【0003】例えば、特開平11−29806には、粉状鉄原料と粉状固体還元剤との混合物を回転炉床炉で加熱還元して還元鉄を製造し、それを溶解還元炉に装入し、炭材と酸素を用いて還元、溶解することにより、スラグを除去し、溶融金属鉄を製造する方法が記載されている。しかし、回転炉床炉と溶解還元炉の2つの工程を必要とするため設備コストが高いこと、回転炉床炉から還元鉄を排出する際には、ハンドリングできるよう冷却する必要があり、溶解還元炉において余分なエネルギーが必要となること等の問題がある。 【0004】そこで、特開平9−256017や特開平11−335712には、回転炉床炉上で上記の混合物を加熱還元して還元鉄とし、引き続き炉床上でその還元鉄に炭素質還元材中の炭素成分を浸炭させて溶融し、金属鉄とスラグ成分に分離した後、さらに炉床上で冷却して固化して取出すことにより、固体金属鉄を製造する方法が記載されている。この方法によれば工程が1つで済むので設備コストは低くなるが、固体金属鉄を転炉や電気炉で精錬する際、再溶融させるための余分なエネルギーを必要とすることにより精錬コストが高い問題が残る。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的は、回転炉床炉上でスラグと分離した溶融金属鉄を冷却、固化することなく、溶融状態のまま回転炉床炉から排出し、回収することができる溶融金属鉄の製造装置および製造方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、少なくとも炭素質還元材と酸化鉄含有物質からなる原料を成形し、その成形された原料を回転炉床炉内に装入し、その装入された原料を加熱還元して固体還元鉄とし、その固体還元鉄中の金属鉄に前記炭素質還元材中の炭素成分を浸炭させることによって金属鉄を溶融し、前記溶融することによって、前記原料中に含まれるスラグ成分を分離し、前記溶融金属鉄を溶融状態のまま前記回転炉床炉外に排出して回収する溶融金属鉄の製造方法であって、前記原料が載置される前記回転炉床炉の炉床の上面に水平に対して3〜30度の下向きの傾斜面を設け、前記溶融金属鉄の排出位置において、前記傾斜面の最も低い部分から前記溶融金属鉄を排出することを特徴とする溶融金属鉄の製造方法である。 【0007】例えば、前記炉床の上面が裏面に貫通する前記溶融金属鉄の排出口を複数配置し、該排出口にはそれぞれ開閉可能なバルブを備え、その排出口に向けて炉床の上面に下向きの傾斜面を設け、前記排出口が炉床の回転にともない前記排出位置に達したときに、前記バルブを開くことにより前記排出口から溶融金属鉄を排出する溶融金属鉄の製造方法である。 【0008】あるいは、前記炉床が、該炉床の炉幅の内周側に前記下向きの炉床を備えた炉床であってもよいし、逆に外周側に前記下向きの炉床を備えた炉床であってもよい。 【0009】さらに、前記炉床の炉幅方向の低い側の周辺に沿わせて、少なくとも1個所以上に切り欠き部を有する固定堰を設け、その切り欠き部から溶融金属鉄を排出することが好ましい。 【0010】さらに、前記炉床が、仕切りで円周方向に複数に分割されていることが好ましい。 【0011】前記仕切りは、例えば、耐火物の仕切りであってもよいし、炉床を掘り下げて形成してもよい。あるいは、炉床に粉状炭素物質を積み付けて形成することがさらに好ましい。 【0012】また、前記炉床が、複数の円周方向に分割された炉床部分からなり、その分割された各炉床部分が前記炉床の回転にともない前記溶融金属鉄の排出位置に達したときに、該炉床部分を傾動させて前記溶融金属鉄を排出することを特徴とする溶融金属鉄の製造方法である。 【0013】さらに、前記溶融金属鉄を排出したあと前記原料を装入する前に、前記炉床上に残留するスラグを前記回転炉床炉外に排出することが好ましい。 【0014】あるいは、前記溶融金属鉄を排出したあと前記原料を装入する前に、前記炉床の表面を平滑にすることが好ましい。 【0015】さらに、前記スラグを排出したあと前記原料を装入する前に、炉床保護材を前記炉床上に装入することがより好ましい。 【0016】さらに、前記平滑にしたあと前記原料を装入する前に、炉床保護材を前記炉床上に装入することがより好ましい。 【0017】あるいは、前記炉床保護材にかえて、前記粉状炭素質還元材に前記炉床保護材を予め混ぜた混合物を装入してもよい。 【0018】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に詳細に説明する。 【0019】回転炉床炉に装入する原料は炭素質還元材としては、石炭、コークス、オイルコークスなど、酸化鉄含有物質としては、鉄鉱石、高炉ダスト、製鋼ダスト、電気炉ダスト、ミルスケールなどを用いることができる。炭素質還元材の酸化鉄含有物質に対する配合割合は、原料中の酸化鉄を金属鉄に還元するに必要な炭素量に加え、金属鉄に浸炭させるに必要な炭素量を考慮してやや過剰とする。これらを必要により粉砕して粉状化して混合し、粉体のまま、またはペレットやブリケット状に成形して回転炉床炉に装入する。なお、成形に際し、必要に応じてベントナイト、澱粉、消石灰、有機粘結剤などのバインダーを加えてもよい。さらに、金属鉄と、酸化鉄含有物質中の脈石や炭素質還元材中の灰分から生成するスラグとの分離を容易にするため、石灰石、ドロマイト、蛇紋岩などのフラックスを加えてスラグの融点を調整してもよい。成形時に水分を添加した場合には、炭素質還元材が発火しない約200℃以下の温度で乾燥を行った後、回転炉床炉に装入してもよい。 【0020】炉床の構造は、例えば、図1に示すように、炉床の回転軸は鉛直のままとし、炉床1の炉床幅のほぼ中心線上に一定間隔に溶融金属鉄を排出するための排出口5を設け、その排出口5に向けて水平に対して炉幅方向に下向きの傾斜面6を設ける。排出口5の下面には開閉できるバルブとして例えばスライドバルブ7を設置して開閉できるようにしておく。なお、溶融金属鉄13の排出を容易にするため、原料装入前に排出口5下面のスライドバルブ7を閉じた後、砂、コークス粉、スラグなどを排出口5に充填しておいてもよい。次いで、原料供給装置3により原料11を装入するが、還元した原料11が炉内で再酸化しないよう原料11近傍のガス雰囲気をより還元性の高い雰囲気に維持するため、および溶融した金属鉄やスラグが炉床に付着することを避けるため、図8に示すように、炉床1上に粉状炭素質還元材12を敷き(以下、「床敷」と記す)、その上に原料11を載置してもよい。なお、原料11として形状の大きなペレットまたはブリケットを用いる場合には、炉床1上部からの輻射伝熱を効率よく原料11に伝えるため、1層〜2層とすることが好ましく、また形状の小さなものの場合には3層以上とすることも可能である。 【0021】炉床1の回転とともに原料11が排出位置4に向かって炉内を移動する間に、炉床1上部に設置した複数のバーナーで加熱するとともに、原料中の炭素質還元材から発生する可燃性揮発成分および酸化鉄含有物質中の酸化鉄が還元されて(例えば、FeO+C→Fe+COの反応で)発生するCOガスを二次空気により炉内で燃焼させ、炉内雰囲気温度を約1350〜1540℃、より好ましくは1430〜1500℃として、前記炉床1上に載置した原料11を上部から輻射加熱する。 【0022】なお、バーナー用燃料としては、天然ガス、コークス炉ガス、プロパンガス、ブタンガス等のガス燃料、重油等の液体燃料、または石炭等の固体燃料のいずれであっても差し支えない。 【0023】炉床1上に載置された原料11は、炉内を移動する間に炉床1上部からの輻射加熱で約1300〜1400℃まで急速に加熱され、酸化鉄含有物質中の酸化鉄が炭素質還元材中の炭素により還元されて金属化し、固体還元鉄となる。 【0024】原料中には炭素質還元剤が還元所要量を超えて過剰に配合されているので固体還元鉄中にはまだ炭素が残留しており、固体還元鉄中の金属鉄はこの炭素により浸炭されて金属鉄の融点が低下する一方、還元鉄はさらに昇温して約1400〜1500℃となり融点を上回り金属鉄は溶融する。スラグ成分も、ほぼ同時に溶融する。 【0025】溶融した金属鉄およびスラグは傾斜面6に沿って排出口5に集められる。傾斜面6は水平に対して3〜30度とすることが好ましく、3度より小さいと金属鉄およびスラグは排出されず、一方、30度より大きいと原料装入時に原料11が低い側に移動して層厚が偏り加熱が不均一になり金属化が遅れ生産性が低下する。特に原料としてペレットを用いる場合、ペレットは転がりやすいので傾斜面の角度を大きくしすぎないよう注意すべきである。原料としてブリケットや粉状のまま用いると傾斜面の角度を大きくできるので好ましい。したがって、この角度は、原料の形状と溶融金属鉄の粘性や炉床の平滑度合いを考慮して3〜30度の範囲で適宜決定すればよい。炉床1が回転してちょうど排出位置4に達したときにスライドバルブ7を開いて溶融金属鉄13(およびスラグ)を排出口5の下部から排出する。排出された溶融金属鉄13(およびスラグ)は、排出位置4の排出口5の真下に配置された鍋で直接受けるか、または樋を介して回転炉床炉近くに配置した鍋に集めるなどして回収する。なお、溶融金属鉄(およびスラグ)の排出を容易にするためスライドバルブ7に砂やコークス粉等を充填した場合でも、砂やコークス粉等の量は溶融金属鉄13の量にくらべ小量であるので溶融金属鉄13の温度低下や成分変動は問題とならない。回収した溶融金属鉄13は、必要によりスラグを除去した後、転炉や電気炉など次工程に運ばれ精錬される。 【0026】炉床の構造としては、図2に示すように、炉床の回転軸は鉛直のままとし、炉床面を炉床1の内周側に下向きに傾斜させ、炉床1の内周に沿わせて、溶融金属鉄が溢れ出さない高さの例えば耐火物製の固定堰10を排出位置4近傍の一部の区間のみを切り欠いて全周に設けてもよい。これにより機械操作なしに溶融金属鉄13を排出位置4から連続的に排出できるので機械トラブルによる操業トラブルがなくなる。 【0027】また、図3に示すように、炉床の回転軸は鉛直のままで、図2とは逆に炉床面を炉床1の外周側に傾斜させ、炉床1の外周に沿わせて固定堰10を設けてもよい。これにより、図2に比べ固定堰10の長さは長くなるが、炉の外側から溶融金属鉄13を排出できるので排出中のトラブルの監視やメンテナンスが容易となる。 【0028】さらに、図4に示すように、炉床1を耐火物などの仕切り8で円周方向に複数に分割し、炉床面は炉床の回転軸に対して垂直とし、炉床の回転軸を鉛直ではなく傾けることにより炉床全体を排出位置に向けて下向きに傾斜させて排出位置4を最下端にしてもよい。これにより、まだ溶融分離の不十分な還元鉄をも一緒に排出してしまうことなく、十分にスラグ成分から溶融分離された金属鉄のみが排出できる。なお、溶融金属鉄13の排出をしやすくするため、分割された炉床ごとに、その外周に溶融金属鉄を排出するための溝を有する耐火物などの堰を設けることもよい。 【0029】また、図4と同様に炉床の回転軸を傾けたまま、上記の耐火物等の仕切りや堰のかわりに、図5に示すように、炉床1を掘り下げて仕切り8と溶融金属鉄を排出するための溝を有する堰を形成しても図4と同様の効果が得られる。 【0030】あるいは、図4および5と同様に炉床の回転軸を傾けたまま、図6に示すように、粉状炭素質還元材12を一定間隔ごとに炉床1に積み付けることにより仕切りを形成してもよい。この場合、上記(図4および5)の効果に加え、仕切りを形成する粉状炭素質還元材12は原料近傍のガス雰囲気を還元性雰囲気にする効果がある。また、炉床の構造を簡単にできる利点もある。 【0031】あるいは、図7に示すように、炉床の回転軸を鉛直にしてほぼ水平な炉床1を円周方向に複数に分割し、排出位置4において分割された炉床部分2の内周部を持ち上げることにより、その炉床部分2に溜まっている溶融金属鉄13を炉床1外周部から排出してもよい。持ち上げる高さを変えることにより容易に炉床部分2の傾斜角度を変更できるので、原料の形状、溶融金属鉄の粘性や炉床の平滑度合いによらず溶融金属鉄13の排出が可能となる。排出位置4以外の位置における炉床部分2の上面は、原料装入時に原料が偏らないようほぼ水平(例えば水平に対して5度以下の傾き)に保つことが望ましい。これにより、原料として転がりやすいペレットも容易に使用できる。なお、炉床部分2の内周部を持ち上げるかわりに、外周部を下げても同様の効果が得られる。あるいは、炉床外周部を持ち上げるか、または炉床内周部を下げることにより、炉床内周側から溶融金属鉄を排出してもよい。あるいは、炉床部分2の分割部の片方を下げて炉床の下へ溶融金属鉄を排出してもよい。 【0032】なお、炉床の回転軸が鉛直であるか傾いているか、その回転軸と炉床上面との角度が直角であるか直角でないかは上記実施の形態に限るものではなく、炉床上面に前述の傾斜面を形成するように、適宜選択しうるものである。 【0033】スラグの融点が高い場合、炉床上にスラグが残留することがある。このときは図9および10に示すように、溶融金属鉄の排出位置4から炉床の回転方向に向かって原料供給装置3までの間に、例えばスクリューなどのスラグ排出手段14を設け、溶融金属鉄13を排出後、炉床上に残留したスラグを回転炉床炉外に排出することが望ましい。ここで図10に示すように、固定堰10がある側にスラグを排出する場合は、溶融金属鉄の排出位置4とは別の位置にスラグ排出用の切り欠きを付け、そこから排出すればよい。 【0034】なお、床敷および/または仕切り用に粉状炭素質還元材12を用いる場合には、図11に示すように、溶融金属鉄を排出後、スラグ排出手段14でその残留したスラグとともに粉状炭素質還元材12を排出すればよい。その排出後、原料を供給する前に、粉状炭素質還元材供給手段15により新たな粉状炭素質還元材12を炉床に供給し、床敷および/または仕切りを形成すればよい。なお、排出した粉状炭素質還元材は冷却後必要により解砕・篩い分け等してスラグを除去し、床敷および/または仕切り用として再利用することができる。 【0035】炉床に耐火物の仕切りを設けた場合や炉床を掘り下げて仕切りを形成した場合(図4および5参照)には、図示しない回転ブラシやガスの吹き付けにより炉床上から上記のスラグや粉状炭素質還元材を排出すればよい。 【0036】炉床上面は、溶融した金属鉄やスラグが接触することにより剥離や荒れが発生することが考えられるので、例えば、図12に示すように、溶融金属鉄13を排出後、上記のスラグ排出手段14のスクリューを炉床表面平滑化手段14として兼用するか、または別の専用のスクリューなどを炉床表面平滑化手段14として設置し炉床上面を削るなどして平滑化することも好ましい。この平滑化後、粉状炭素質還元材供給手段15を利用して炉床保護材として上記の排出されたスラグを粉砕したもの、アルミナ、マグネシアなど耐熱性、腐食性の高い酸化物の粉等をそれぞれ単独で、または適宜混ぜ合わせて炉床上に敷いてもよい。さらに、これらの炉床保護材を床敷用の粉状炭素質還元材に混ぜて敷いてもよい。また、これらを敷いたのち必要に応じてレベラーなどの均し手段16で均してもよい。 【0037】なお、これらの敷く厚さを溶融した金属鉄やスラグが炉床上面に直接接触しなくなる程度の厚さとすることが好ましい。 【0038】また、上記の炉床保護材や粉状炭素質還元材に炉床保護材を混ぜ合わせたものは、前述の仕切りとしても使用できる。 【0039】 【発明の効果】以上より、本発明によれば、溶融金属鉄を冷却、固化することなく溶融したまま回転炉床炉から連続的に取出すことができるので、設備コストの低い回転炉床炉のみを用いて長期間連続して、しかも余分なエネルギーを必要とすることなく品質変動の少ない溶融金属鉄を得ることができる。これにより、溶融金属鉄の製造コストを大幅に低減できる。 【0040】さらに、炉床に残留するスラグを除去でき、炉床上面を平滑に維持できることにより原料への伝熱が均一となり、製品溶融金属鉄の品質の変動が少なくなる。 【0041】また、炉床保護材を敷くことにより炉床上面の剥離や荒れを防止でき、炉床の寿命が延長できる。 【0042】さらに、炉床保護材と床敷としての粉状炭素質還元材とを混合装入することにより装入設備が少なくできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】399012952 【氏名又は名称】ミドレックス インターナショナル ビー.ブイ.
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| 【出願日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105692 【弁理士】 【氏名又は名称】明田 莞
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| 【公開番号】 |
特開2001−288504(P2001−288504A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月19日(2001.10.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−98618(P2000−98618) |
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