トップ :: C 化学 冶金 :: C10 石油,ガスまたはコ−クス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭




【発明の名称】 電気および通常液体の炭化水素少なくとも一つを含有する生成物流を共発生させる方法
【発明者】 【氏名】バルドゥア エリアソン

【氏名】ウルリヒ コーゲルシャッツ

【氏名】チャン−ジュン リー

【要約】 【課題】電気および通常液体の炭化水素少なくとも一つを含有する生成物流を共に発生させる方法を提供する。

【解決手段】標準条件下で気体であり、かつメタンを含有する組成物の第1部分を燃焼させ、電力を生じる発電系を運転し;少なくとも電力の一部分を用いて、第1電極装置、第2電極装置および第1電極装置と第2電極装置の間に配置された通常固体の誘電材料の層少なくとも一つを含む誘電障壁放電反応器を運転し;組成物の第2部分を反応器に供給し;通常固体の触媒の存在下で、反応器内部の組成物の第2部分を誘電障壁放電させ;かつ組成物の第2部分を通常液体の炭化水素少なくとも一つを含有する生成物流に変換させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気および通常液体の炭化水素少なくとも一つを含有する生成物流を共発生させる方法において、次の工程:標準条件下で実際に気体であり、かつメタンを含有する組成物の第1部分を燃焼させ、電力を生じる発電系を運転し;この電力の少なくとも一部分を使用して、第1電極装置、第2電極装置およびこの第1電極装置と第2電極装置の間に位置する、通常固体の誘電材料の層少なくとも一つを有する誘電障壁放電反応器を運転し;この反応器中に前記組成物の第2部分を供給し;通常固体の触媒の存在下で、反応器中の前記組成物の第2部分を誘電障壁放電させ;かつこの誘電障壁放電を制御して、前記組成物の第2部分を通常液体の炭化水素少なくとも一つを含有する生成物流に変換することを特徴とする、電気および通常液体の炭化水素少なくとも一つを含有する生成物流を共発生させる方法。
【請求項2】 組成物の少なくとも第2部分がさらに二酸化炭素を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】 二酸化炭素およびメタンが組成物の第2部分に、二酸化炭素:メタンのモル比1:1〜1:4で含まれている程度に前記組成物の第2部分を調整する付加的な工程を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】 組成物の第1部分を燃焼させた煙道ガスから、少なくとも二酸化炭素の一部分を抽出する付加的な工程を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】 組成物の少なくとも第2部分が実質的にメタンから成る、請求項1に記載の方法。
【請求項6】 組成物の第2部分を清浄化し、実際に純粋なメタンを製造する付加的な工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】 組成物の第2部分が実質的に気体酸素を含まない、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】 通常液体の炭化水素少なくとも一つが生成物流から分離され、かつ生成物流の通常気体の生成物が反応器中に再循環される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】 通常固体の触媒が、ゼオライト、アルミノホスフェート、シリコアルミノホスフェート、メタロアルミノホスフェートおよびOH基を有する金属酸化物から選択される、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】 ゼオライトがゼオライトX、ゼオライトY、ゼオライトA、ゼオライトZSM−5およびゼオライト13Xから選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】 通常固体の触媒が、アルカリ金属、アルカリ土類金属および周期表のIB族、IIb族およびVIII族の元素から選択される金属イオンを有する、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】 方法がメタン含有気体源で、その場で実施される、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、請求項1に記載の電気および通常液体の炭化水素少なくとも一つを含有する生成物流を共発生(co-generating)させる方法に関する。
【0002】人類が直面している重大な問題の一つは、温室ガスの放出による大気の世界的な温暖化であり、この場合、このガスは大部分がメタンおよび二酸化炭素によるものである。メタンおよび/または二酸化炭素の実現可能な利用の開発は、大気中の温室ガスの増加を減退させ、かつ良好な炭素源の利用の達成を示す。
【0003】天然ガスおよび他のメタン含有源の著しい蓄積によって、液体炭化水素へのメタンおよびメタン含有気体組成物それぞれの直接変換は、重要性の増した研究テーマである。温室効果上の肯定的な影響力に加えて、前記のような実現可能な変換は、液体炭化水素の確実な供給を保証し、この場合、これは世界、特に工業先進国にとって極めて重要である。
【0004】
【従来の技術】メタンは天然ガスの主要構成成分であるので、主要な研究活動はメタンの変換を対象にしている。特に、高い研究の努力は、世界中で、メタンを通常液体の高級炭化水素に直接変換する方法の開発をおこなっている。しかしながら、望ましい生成物の収量は、I.Pasquon in Bull.Soc.Chim.Fr.131(1994)第452頁〜第462頁(この文献は本明細書中に引用の目的でのみ織り込まれている)によって示されたように、工業的適用ためには極めて低く、かつ、新規技術の開発を含むさらなる改善が必要とされる。
【0005】プラズマは新規の工業的プロセスおよび工業製品の開発のための万能ツールとして見出されている。プラズマの性質は改変されてもよく、かつ、熱プラズマ(thermal plasma)と非熱プラズマ(nonthermal plasma)とは区別され、これらは放電の性質および放電の適用の双方の点で著しく異なる。
【0006】熱プラズマ中のガス分子、イオンおよび電子のエネルギー分布は、系が熱平衡状態にあり、したがって、ほとんど熱力学的平衡状態であることを示す。放電領域の温度は、すべての粒子に関して均一に極めて高い。さらに、プラズマ体積(plasma volume)中ならびに存在する場合には電極で高いエネルギー流が生じる。したがって、熱プラズマはしばしば“ホットプラズマ”と呼称される。
【0007】これとは異なり、非熱プラズマは、熱力学的平衡とはほど遠い。非熱プラズマは、相対的に低いガス温度およびエネルギー変換率を有する。したがって、このプラズマの電子は、重イオンおよび中性子よりも典型的に極めて高い温度を有し、例えば、このような非平衡プラズマの電子は、ガス温度が室温と同程度にとどまるにもかかわらず、10000〜100000Kの温度に達することができる。したがって、非熱プラズマは“コールドプラズマ”と呼称され、典型的に無音放電を含む。無音放電の特徴が誘電体の存在にあることに注目すべきである。したがって、また無音ガス放電は誘電障壁放電として適用される。
【0008】メタンのプラズマ熱分解は、長時間に亘って、副産物として水素を含むアセチレンおよびカーボンブラックを製造するために実施されている。通常このようなプラズマクラッキング(plasma cracking)は、熱プラズマを必要とする。指摘されたように、熱プラズマを介しての変換は、典型的に高い温度工程であり、さらに、望ましい生成物の十分な選択率を達成するためにしばしば特別な即時急冷(クエンチング)工程を必要とする。この工程は、複雑な系を必要とする。これによってエネルギーの多くは、エネルギー効率を減少させる反応ガスの加熱および急冷によってそれぞれ消費および廃棄されるが、それにもかかわらず生産コストの著しい増加をまねく。
【0009】近年、非熱プラズマは、低い温度および大気圧下でのメタン活性における効果が見出されている。ドイツ特許第19605547号明細書ならびにL.M.ゾー(L.M. Zhou)、B.キュウ(B. Xue)、U.コーゲルシュアッツ(U. Kogelschatzs)およびB.エリーソン(B. Eliasson)によって報告されたプラズマ・ケミストリー・アンド・プラズマ・プロセッシング、第18巻(1998)、No.3、第375〜第393頁(Plasma Chemistry and Plasma Processing, Vol. 18 (1998), No.3, 375〜393)(この文献は参考のために本明細書中に記載されている)では、メタンおよび酸素および/または窒素を含有するガス混合物を誘電障壁放電(dielectric barrier discharge)させることによるメタノール製造方法が開示されている。このような無音ガス放電反応器中でのメタノール合成のためにメタンおよび二酸化炭素混合物を利用することもまた記載されている。しかしながら、メタノールの報告された最大収率は、約1%にすぎない。この分野における発展のあらましは、A.ビルら(A. Bill et al.)によって、エネルギー コンバージョン マネージメント 第38巻(1997)補足 第S415〜S422頁( Energy Conversion Manegement Vol. 38 (1997) Supplement pp S415-S422)に要約されている(この文献は参考のために本明細書中に記載されている)。
【0010】通常液体の高級炭化水素の形成の方向に選択率をシフトさせる試みにおいて、ドイツ特許第19605547号明細書の発明者は、純粋なメタンが誘電障壁放電される一連の試験をおこなった(B. Eliasson, U. Kogelschatz, E. Killer and A. Bill in Proceedings of the 11th World Hydrogen Energy Conference,Stuttgart, Germany, June 23〜28, 1996, Vol. 3, 2449〜2459; この文献は参考のために本明細書中に記載されている)。主要生成物は水素および少量の高級炭化水素を有するエタンであった。しかしながら、微粒子のカーボンブラックが、著量の望ましくない固体の炭素質の種および幾つかのプラズマポリマーと同様に、特に誘電材料の表面上に形成された。特に、カーボンブラックの形成は極めて望ましくないが、それというのも、カーボンブラックが、誘電障壁放電プラズマの性質を変化させ、かつ長時間の操作において不確定な現象を引き起こすからである。
【0011】しかしながら、メタンおよびメタン含有気体組成物それぞれの直接変換法の実現性および適用性は、さらに天然メタン源のほとんどが遠隔地に位置しており、すなわち、大規模で消費されるかまたは化学的に使用されるはずの場所から離れていることを考慮することによって評価されなければならない。この遠隔地において前記天然メタン源を使用することは、捕集および運搬の高いコストの理由から多くの場合、経済的に奨励されない。したがって、毎年、約65メガトンの炭素が気体炭化水素、主にメタンの形で、燃焼を通して廃棄されることは驚くことではない。燃焼は、必然性のない付加的な二酸化炭素の排出を生じ、かつ近い将来に禁止されるであろう。気体のエネルギー担体よりも液体炭化水素が優れていることは、特に、結果として簡単な運搬および簡単な貯蔵が得られる相対的に低い質量および容量での液体の高いエネルギー密度に帰因する。
【0012】したがって、メタンおよびメタン含有気体組成物それぞれを、通常液体の高級炭化水素へ直接変換する従来の方法は、実施適用に適さない乏しい経済性、低い変換率および/または低い収率を示す。さらに、かなり発展させた方法は、遠隔地でメタン含有気体組成物をそれぞれ利用および開発するために適さず、および/または経済的ではない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の目的は、メタン含有気体生成物から液体炭化水素を発生させる方法を提供することであり、この場合、この方法は経済的な手段で遠隔地のメタン源で実施することができる。
【0014】本発明の他の目的は、メタン含有気体組成物から液体炭化水素を発生させる方法を提供することであり、この場合、この方法は少なくとも実際にそれ自体の電力供給のために提供される。
【0015】本発明の他の目的は、化学製品または液体燃料生成物、例えば、通常液体の炭化水素および電力を共に生産する方法を提供することである。
【0016】また、本発明の他の目的は、メタン含有気体組成物を通常液体の炭化水素少なくとも一つを含有する生成物流に変換する方法を提供することであり、この場合、この方法は経済的に、かつ好ましくは低い圧力および低い温度、すなわち、ほとんど周囲条件で実施され、さらに、この場合、この方法はこのような組成物源、特に天然源で、その場で(in-situ)実施可能である。
【0017】本発明の他の目的は、直接的方法、すなわち、中間生成物の高価な形成の必要性を回避する方法で、メタン含有気体組成物から液体炭化水素を製造する方法に関し、さらに、この場合、この方法はこのような組成物源で、その場で運転可能である。
【0018】さらに、本発明の他の目的は、発電方法およびメタン含有気体組成物を通常液体の炭化水素少なくとも一つの生成物流に変換させる方法を提供することであり、この場合、この方法は炭素源の良好な利用に貢献し、かつ温室ガスの放出を減少させる。
【0019】さらに本発明の目的および利点は、本明細書の処理手続きが進むとさらに理解することができるようになるであろう。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明の最初の一般的な実施態様にしたがって、請求項1に記載の方法によって達成できることが見出された。したがって、本発明は、電気および通常液体の炭化水素少なくとも一つを含有する生成物流を共に発生させる方法を提供し、この場合、この方法は、標準条件下で気体であり、かつメタンを含有する組成物の第1部分を燃焼させ、電力を生じる発電系を運転し;少なくとも電力の一部分を用いて、第1電極装置、第2電極装置および第1電極装置と第2電極装置の間に位置する通常固体の誘電材料の層少なくとも一つを含む誘電障壁放電反応器を運転し;組成物の第2部分を反応器に供給し;通常固体の触媒の存在下で、反応器内部の組成物の第2部分を誘電障壁放電させ;かつ組成物の第2部分を通常液体の炭化水素少なくとも一つを含有する生成物流に変換させるために、誘電障壁放電を制御する工程を含む。
【0021】前記の任意の数字で使用された“約”の用語は、典型的に±10%の変動を含む。
【0022】沸点、沸騰範囲および類似の物に関する“標準”の用語は、その値が“標準条件”、すなわち温度25℃および大気圧1013ミリバールに該当するものであると理解されることを示す。同様に、物質および類似物の物理的状態に関する“通常”の用語は、前記標準条件に関連するものであることを示す。
【0023】“層”の用語は、実際に厚さの寸法よりも大きい幅の寸法を有する、任意の任意の平面状の層または湾曲した層に関して本明細書中で使用され;典型的には幅:厚さの比は少なくとも10:1であり、かつ一般にその値を十分に上廻る。
【0024】本発明の内容において、“炭化水素”の用語は、水素原子および炭素原子から成り、かつ本質的に飽和脂肪族炭化水素、例えばアルカン、および/または不飽和脂肪族炭化水素、例えばアルケンおよび/またはアルキンから成る生成物を意味する。しかしながら、脂環式炭化水素および/または芳香族炭化水素は、少量存在していてもよい。本発明の方法によって得られた炭化水素は、一般に、汚染物質、例えば硫黄および/または重金属元素を含まない。これは、特に炭化水素がその後に燃料として使用される場合には、石油から生じた炭化水素と比較して重要な利点を表す。天然ガスの貯留は、石油の一種と比較して非常に大きいので、すでに指摘されているように、したがって本発明は経済的観点ばかりでなく、考慮される環境的視点に関しても極めて価値あるものである。
【0025】標準条件下で実際に気体であり、かつ本発明に使用されるメタンを含有する好ましい組成物の例は、特に、天然ガス組成物である。天然ガスの組成が、地理的要因に極めて依存していることは公知である。したがって、メタンそれ自体の濃度ならびにメタンとは別に存在する副生成物の性質および濃度は、種々の地理的要因に依存してかなり異なっているはずである。しかしながら、メタンを含有する任意の天然ガス組成物は、本発明によれば使用することができ、特に、それというのも前記天然ガス組成物は適当な方法で処理、調整、精製または清浄化されてもよいからである。特に、このような組成物の処理、調整、精製または清浄化の付加的な工程は、このましくは前記化合物の第1部分の燃焼および/または前記組成物の第2部分の誘電障壁放電反応器への供給前におこなわれる。例えば、硫化水素の燃焼は、極めて有毒性または腐食性の化合物を生じることがあり、それゆえに、重大な環境問題および安全性の問題を生じさせる。したがって、一般に天然ガス組成物中に存在する硫化水素の含量は、特に、前記組成物の燃焼前に、許容可能なレベルに減少されなければならない。しかしながら、このような前清浄化工程の見込みは、サワー天然ガスまたは超サワー天然ガス、すなわち硫化水素を90%までの含量で含む天然ガス組成物が、本発明中で使用されてもよいことを含む。本発明によるメタン含有組成物、特に天然ガス組成物の調整、処理、精製または清浄化の好ましい付加的な他の工程は、従属請求項ならびに他に説明された好ましい実施態様中に記載されている。
【0026】一般に、本発明中で使用される誘電障壁放電反応器中へ供給されるメタン含有組成物の一部分は、メタンの量が約35容量%、好ましくは約45容量%よりも高い組成物の一部分に該当する。
【0027】本発明に使用された、メタンを含有する実際に気体の他の好ましい組成物は、発酵ガス、炭層ガス、原油からの付随ガス、ランドフィルガスまたは工業プロセスから導かれかつメタンを含有する任意の廃棄ガスおよび排出ガスである。
【0028】本発明の内容の範囲内で、標準条件下での“実際に気体のもの”である組成物は、一般に、少なくとも約90容量%、好ましくは少なくとも約95容量%およびより好ましくは少なくとも98容量%の含量で通常気体の生成物を含む組成物として認識される。本発明に使用される前記組成物の例は、特に、例えば通常液体の高級炭化水素および/または水蒸気を少量含む“湿った(wet)”または“濃厚な(rich)”天然ガス組成物である。
【0029】本発明の方法は、電力を生じる発電系を運転するために標準条件下で実際に気体であり、かつメタンを含有する組成物の第1部分を燃焼させる工程を有する。この点に関しては、特に、このような組成物の第1部分を清浄化または処理すること、例えば、その燃焼を最適化するか、あるいは燃焼を使用された発電系に対して調整することは、当業者に公知の範囲内である。したがって、燃焼の前に、気体組成物の第1部分は、すでに前記に示されたような有毒化合物の増加を制限するために硫化水素または他の硫黄化合物から清浄化されてもよい。さらに、適切な発電系を選択し、かつ好ましくは、選択された発電系に対して組成物の第1部分を調整することは当業者に公知の範囲内である。本発明において使用される電力を生じる発電系の典型的な例は、燃焼タービン系によって駆動される発電器である。
【0030】さらに、誘電障壁放電反応器の運転にその電力を使用する前に、前記の燃焼によって生じた電力を変換するのに必要または有用であってもよい任意の手段および方法を選択し、かつ適用させることは、当業者の公知の範囲内である。
【0031】本発明の好ましい実施態様によれば、組成物の少なくとも第2部分はさらに二酸化炭素を含有する。典型的には、本発明の方法は、二酸化炭素:メタンのモル比約1:1〜約1:4、好ましくは約1:2〜約1:3で含まれている程度に組成物の第2部分中の二酸化炭素およびメタンを調整する付加的な工程を有する。メタン含有組成物に関して前記に示された同様の資源は、メタンおよび二酸化炭素含有組成物源として使用されてもよく、それというのも、たとえ前記の好ましい値に対してメタンおよび二酸化炭素のモル比を好ましくは調整するために付加的な工程が必要である場合でも、二酸化炭素は多くの場合において前記組成物、例えば、発酵ガスまたは天然ガス組成物の他の成分であるからである。
【0032】しかしながら、本発明により、かつ本発明の範囲内で、工業的プロセスから導かれ、かつメタンおよび/または二酸化炭素またはメタンおよび二酸化炭素の任意の他の源を含有する任意の廃棄ガスおよび排出ガスは使用することができる。
【0033】したがって、本発明の他の好ましい実施態様において、本方法は、前記組成物の第1部分を燃焼させた煙道ガスから二酸化炭素の少なくとも一部分を抽出する付加的な工程を含む。これはさらに、炭素源の良好な利用に貢献し、かつさらには温室ガスの放出を減少させる。
【0034】本発明の他の好ましい実施態様において、組成物の少なくとも第2部分は、実際にメタンから成る。一般に、本発明で使用された“実質的にメタンから成る組成物の一部分”は、メタン量が約75容量%より高い組成物の一部分に該当する。本発明の他の好ましい実施態様によれば、組成物の少なくとも第2部分は実際に純粋なメタンから成る。本発明において使用された“実際に純粋なもの”は少なくとも約95容量%、好ましくは少なくとも約98容量%であり、かつ最も好ましくは少なくとも約99容量%の純度に該当する。好ましくは、本発明の方法は、実際に純粋なメタンを生じるための、組成物の第2部分を清浄化する付加的な工程を含む。
【0035】本発明の他の好ましい実施態様において、組成物の第2部分は実質的に気体の酸素を含まない。これに関連して、“実質的に含まない”とは組成物の第2部分に存在する酸素量が、約0.5容量%、好ましくは0.1容量%、かつ最も好ましくは0.01容量%よりも低いことを示す。しかしながら、気体の酸素または空気を明白に遮断する必要性に留意しなくてもよいことは注目すべきであり、したがって、極微量の酸素または空気は本発明の範囲から逸脱することなく存在していてもよい。供給物中に、前記に示された範囲内で酸素または酸素含有共反応体が含まれていないことは、高級炭化水素の方向への選択性の増加を導く。したがって、高級炭化水素形成の方向に選択性をさらにシフトするために、供給物中で前記に示された範囲内で、任意の酸素または酸素含有共反応体を不要とすることは好ましい。
【0036】本発明の他の好ましい実施態様において、通常液体の炭化水素少なくとも一つは、生成物流から分離され、かつ前記生成物流の通常気体の生成物は誘電障壁放電反応器中に再循環される。
【0037】好ましい通常固体の触媒は、ゼオライト、アルミノホスフェート、シリコアルミノホスフェート、メタロアルミノホスフェートおよびOH基を含有する金属酸化物から選択される。典型的に、固体触媒はゼオライトX、ゼオライトY、ゼオライトA、ゼオライトZSM−5およびゼオライト13Xの群から選択されたゼオライトである。
【0038】本発明の他の好ましい実施態様において、通常固体の触媒は、金属イオンおよび周期表のIA族、IIa族、IB族、IIb族およびVIII族の元素から選択された物質少なくとも一つを有する。周期表IA族、IIa族、IB族、IIb族およびVIII族の挙げられる元素、すなわちアルカリ金属、アルカリ土類金属元素ならびに周期表の亜鉛および銅の群の元素および鉄の群の元素は、イオンまたは原子の形で存在していてもよい。前記の通常固体の触媒は、一般に当業者に公知の方法、例えばゼオライトの場合には任意の型のイオン交換反応によって合成される。前記固体触媒の例は、ゼオライトNaY、NaX、NaAまたはFe−ZSM−5である。
【0039】特に、通常固体の触媒としてのゼオライトの使用は、カーボンブラックの形成、特に誘電材料の表面上でのカーボンブラックの沈殿を抑制し、したがって、誘電障壁放電反応器の長時間に亘る運転を可能にする。さらに、ゼオライトの使用は炭化水素鎖の成長を制限する。したがって、通常気体の炭化水素および/または液体炭化水素、特に約50℃〜約210℃の通常の沸点範囲を有する通常液体の炭化水素の増加された収率が得られる。さらに、“形状選択性触媒”、例えばゼオライトの適用は、分枝状の炭化水素、特に高品質の燃料である通常液体の分枝状の炭化水素の形成を増加させる傾向に導く。付加的に、触媒、特にゼオライトの作用は、メタンの化学吸着およびメタンから炭素および水素への全分解の制限を含む。
【0040】“形状選択性触媒”の用語はそのフレーム構造を通して、反応分子および形成された生成物分子の拡散を制限する特別な構造を有する触媒に帰因することを意図するものである。形状選択性触媒の開口部(openings)または孔よりもより小さい直径を有する分子のみが触媒を通過できる。さらに、付加的な制約は、反応の起こりうる遷移(transition)状態に関連して、孔の大きさおよび孔の形によって組み込まれる。
【0041】さらに、通常固体の触媒としてのゼオライトの使用は、ゼオライト表面上、特に、ゼオライトの外表面ならびにゼオライトキャビティー内部に高い濃度のOH基を有するといった利点を与える。ゼオライト表面上の高いOH基濃度の他に、ゼオライトの重要な性質は、ゼオライトのフレーム構造内部に形成された中性のクーロン場(natural coulombic field)である。これに関連して、OH基の濃度および中性のクーロン場の強さの双方は制御および調整が可能であることに注目すべきである。一般に、前記2つの特徴点は、ゼオライトを外部電場に簡単に応答させ、特に、ゼオライトはより簡単に帯電される。本発明による誘電障壁放電の制御は、前記電荷および静電場を制御することができるけれども、したがって、実際に気体の組成物から例えば燃料として使用可能な通常液体の炭化水素を含有する生成物流への変換におけるゼオライトの活性および選択性を制御することができる。
【0042】本発明は、特に、現に存在する基幹施設、特にその運転のための電気および/またはエネルギー供給の目的で存在する基幹施設を別個に運転することが可能な方法を提供するといった利点を有する。さらに、本発明の方法は、短時間に、メタン含有気体源の現場(on-site)およびその場で容易に確立され、それというのも、本発明の方法は、特に本発明にしたがって、変換のために誘電障壁放電反応器を使用するからであり、この場合、この反応器は、一般に非常に小さい規模であり、かつ通常のメタン変換のための反応器よりも極めて低い圧力および極めて低い温度で運転される。したがって、本発明による方法およびその運転に相当する装置は配置し直してもよく、かつ他の現場に簡単に運搬することができる。さらに、本発明の方法は準備のための高い投資または高い操業コストのどちらも必要としない。
【0043】したがって、本発明の特に好ましい実施態様において、本発明の方法はメタン含有気体源、好ましくは天然ガス源でその場で実施される。前記の利点とは別に、天然ガスの主成分であり、かつ第2に最も重要な温室ガスであるメタンを、気体源、好ましくは天然ガス源でその場および現場で、液体炭化水素に変換することは、ガスの貯蔵性および運搬性を増加させ、したがって、前記資源を使用するための経済的誘因を増加させる有用な方法である。
【0044】本発明を制限することなく、本発明の性質および範囲が良好に理解されるために、好ましい実施態様および本発明の方法の詳細は、図面を参照することによって詳細に記載されている。
【0045】図1のフローチャート図は、メタンを含有する天然ガス組成物源1で、その場で運転される本発明の方法の一つの好ましい実施態様を示す。この組成物の第1部分2を、電力を生ずる発電系3、例えば燃焼タービンによって駆動される発電器を運転するために燃焼させる。示された好ましい実施態様において、組成物の第1部分2は、例えば硫化水素の含量を許容可能なレベルに減少させるために、第1反応器4中で燃焼前に精製される。生じた電力の少なくとも一部分5は、誘電障壁放電反応器6(DBD反応器として略記された)を運転するために使用される。この目的のために、高電圧発生器7は、適当な方法で、生じた電力の一部分5を変換させるために使用される。電力の他の部分8は、さらに説明されるような他の反応器によって消費されるか、あるいは他の消費者に役立つ領域内電気回路9に供給されてもよい。
【0046】天然ガス組成物の第2部分10は、第2反応器11中で調整した後にDBD反応器6中に供給される。典型的にこのような調整は、天然ガス組成物を清浄化し、特に前記に示された硫化水素の含量を減少させ、かつ天然ガス組成物の第2部分10中のメタンの含量を調整することである。前記第1反応器4と同様に反応器11の前記の型は当業者に公知であり、ここでさらに説明はしない。
【0047】示された好ましい実施態様において、DBD反応器6中に供給された組成物の第2部分10は、また二酸化炭素、前記燃焼による煙道ガス13から抽出され、かつ常用の装置14によって分離および清浄化された少なくとも一部分12を含む。二酸化炭素のこのような分離およびその利用、本発明の好ましい実施態様中で示されたような少なくともその一部分は、炭素源の良好な利用および温室ガス放出の減少のためのさらなる貢献を提供する。煙道ガス13から導かれた分離および清浄化された二酸化炭素の量が、DBD反応器6に供給された二酸化炭素の量を超える場合には、清浄化された二酸化炭素の過剰量は装置15によって隔離(sequestrate)されてもよく、および/または他の目的のために使用されてもよいことが明かである。
【0048】図1のフローチャート図において、さらに二酸化炭素を含有する組成物の第2部分10をDBD反応器6に供給するための装置は、明瞭性の目的のために省略される。しかしながら、この装置は当業者に公知であり、かつ二酸化炭素の第2部分10への混入を含むこの装置の適切な選択は明かであり、さらに説明する必要はない。
【0049】誘電障壁放電は、交流電圧が、非伝導媒体によって分離された2つの電極間の気体領域に適用される場合に生じる高圧の非平衡放電である。交流の高電圧の振幅は、気体領域において電気的分解を生じるのに十分に高くなければならない。図1において、DBD反応器6は象徴的にのみ示される。しかしながら、本発明による誘電障壁放電反応器は第1電極および第2電極を有し、その一つは高電圧交流発生器7に接続されるが、その一方で他の電極は接地されている。典型的に双方の電極は、実質的に円筒状である。電極は一般に腐食耐性金属または合金または電導性物質の被膜少なくとも一つによって覆われている材料から作られている。このようなDBD反応器の形状において、誘電材料の層少なくとも一つは、供給物の経路中に存在し、すなわち電極間に位置する。典型的に、このような誘電性層は、約0.1mm〜約5mmの厚さを有するガラス管、石英管またはセラミック管であり、好ましくは電極の少なくとも一つの有効表面積を覆っている。反応器中に存在する形状選択性触媒は、実際に気体の組成物の第2部分が誘電性放電された場合には、典型的には実質的に円筒状に形成され、かつ好ましくは誘電性層を覆うために提供される。典型的には、誘電管は固体触媒の担持体として役立ち、この場合、この触媒は好ましくは粉末状であり、かつガス透過性石英フリースの一片中に封入され、かつ誘電管の外表面の周囲を包む。好ましくは本発明の誘電障壁放電反応器に使用される他の触媒担持体の配置は、ドイツ特許第19735785号明細書中に記載されている(この開示は参考のために本明細書中に記載されている)。
【0050】固体触媒の形状および大きさ、すなわち粉末状でかまたは異なる大きさの顆粒として適用されるか否か、および触媒が担持される方法、すなわち誘電材料および付加的な担持体による方法が本発明の範囲内で変更されてもよいことは明かである。さらに、当業者には他の誘電障壁放電反応器の形状は公知であり、かつ適切な形状を選択することが可能である。したがって、また、電極および誘電材料は、実質的に平面的な形で並べられてよい。誘電材料の他の例は、記載されているようにガラスならびに石英、セラミック、ZrOまたはAlである。
【0051】付加的に二酸化炭素を含有する組成物の第2部分10は、放電ギャップを通過させ、この場合、これは誘電障壁放電にさらされる。誘電障壁放電は、第1電極装置と第2電極装置の間に印加された交流電位差によって生じる。好ましい交流電位差は、約6kV〜約100kVの範囲であり、かつ交流電位差の周波数は好ましくは約50Hz〜約1MHzの範囲である。一般に、電極領域の約1〜25kw/mまでの比電力は、適用された電圧の振幅および周波数を自動的に調整することによって、放電反応器に供給される。前記のように、約400℃までの操作温度で約0.01バール〜約30バール、好ましくは約0.1バール〜約10バールの範囲の操作圧が、反応器中で維持される、流量は典型的には電極領域1m当たり1時間当たり約0.1m〜10mである。
【0052】印加された交流電場の振幅が臨界値に達する場合には、分解は気体中で開始され、かつ電流は一つの電極から他の電極へ流れる。分解が放電ギャップ内部の任意の位置で開始されるや否や、電荷は誘電体上に蓄積され、反対の電場の形成を導く。この反対の電場は、ギャップ内の外的な電場を減少させ、かつ電流の流れをこの位置で2、3ナノ秒中に中断し、ミクロ放電(microdischarge)を形成させる。電流パルスの継続時間は、圧力および含まれた気体の性質および適用された誘電体に関連する。このようなミクロ放電の多くは、十分に高い交流電圧が適用される場合に生じるはずである。誘電障壁放電の主な利点は、非平衡プラズマ状態がおおよそ大気圧下で確立され、かつ完全な電極領域が放電反応に効果的であることである。
【0053】一般に、実質的にメタンから成る組成物または実際に純粋なメタンから成る組成物の変換は、ほとんど完全に、すなわちほとんど100%の、高級炭化水素、すなわち少なくとも2個の炭素原子を有する炭化水素に対する選択性を導く。一方で、二酸化炭素の存在は、図1に図示されたように特に合成ガス(COおよびH)を含有する複合生成混合物(complex product mixture)を導く。未反応の供給物16の他に、DBD反応は、合成ガス17、気体炭化水素18、すなわち炭素原子2個〜4個を有する炭化水素および通常液体の炭化水素を導き、この場合、これは常法によって、例えばガソリン成分19、すなわち炭素原子5個〜11個を有する炭化水素および油成分20、すなわち分子中に典型的に炭素原子12個以上を含む炭化水素に分離されてもよい。例えば通常の蒸留装置による、形成された通常液体の炭化水素の他の分別および/またはさらなる分別は勿論可能であり、かつ典型的には実施されるが、しかしながら、明瞭性の理由から図1中では省略された。すでに示されているように、通常液体の炭化水素生成物は、良好な燃料の製造が表されている分枝の炭化水素を多量に含有する。
【0054】未変換の供給物16は、典型的にDBD反応器6中に再循環される。気体炭化水素18は通常の触媒反応器21によってエチレン22に変換されるか、あるいは発電のために発電器3中に再循環される。合成ガス17は、好ましくはコンプレッサー23によって最初に圧縮され、次いで通常のフィッシャー・トロプシュ反応器によって変換され、再び気体炭化水素18、ガソリン成分19および/またはガス油成分20を導くか、あるいはメタノール触媒反応器25によって変換され、特にメタノールおよびジメチルエーテル(DME)を含有する生成物26を形成する。好ましくは誘電障壁放電反応器によって得られたすべての気体の生成物、すなわち特に未変換の供給物16、合成ガス17および通常気体の炭化水素は、DBD反応器6中に再循環される。しかしながら、本発明の他の好ましい実施態様においては、未変換の供給物16および気体の炭化水素17のみがDBD反応器6中に再循環されるが、その一方で合成ガス16は、発電器3中に供給される。本発明の他の好ましい実施態様において、すべての気体生成物16、17、18は発電器3に供給される。
【0055】したがって、本発明は、図1に示されたような集積されたプラズマ メタン変換系を確立する方法、特に遠隔メタン源の利用に関する方法を提供する。すでに示されたように、このような集積プラズマ メタン変換系は、通常の接触的メタン変換系に比較して寸法が小さく、かつ簡単に運搬することができる。さらに、当業者の認識の範囲内で、本発明から利益を得て、かつこのような集積系に他の反応器、例えば触媒不含下で酸素および/または窒素を共に供給することによってメタン含有気体組成物をメタノールに変換する第2誘電障壁放電反応器を付加することができる。さらに、本発明によって前記燃焼の燃料ガスから導かれた二酸化炭素または少なくともその一部分を精製された化学製品の製造のために使用する他の工程は、このような集積系の内部に組み込まれてもよく、かつ十分に当業者に公知の範囲内である。これらの付加的な工程は、本発明によって生じた電力によって操作される。
【0056】
【実施例】本発明による異なる組成物の誘電障壁放電は、次の実施例中に記載されている。相当する結果、すなわちメタンおよび/または二酸化炭素の変換ならびに形成された生成物の選択性は、次の数式によって算定される:変換率[CH]={([CHin-[CHout)/[CHin}×100%変換率[CO]={([COin-[COout)/[COin}×100%選択率[生成物]={(生成物の炭素原子の数×[生成物]out)/変換された全炭素量}×100%例1供給ガス、すなわちメタン50%および二酸化炭素50%を含有する混合物を、反応器を通して流れる下降流で系に装入した。流量は200ml/分である。使用された触媒は13Xゼオライトである。約30kHzの周波数を有する約10kVの交流電圧を電極に印加する。このようにして誘電障壁放電を開始する。運転温度を約200℃に維持し、かつ運転圧は約11kPaである。反応器出口の背圧弁を圧力調整のために使用した。ポラプロットQカラム(poraplot Q co)およびモレキュラーシーブ5Aプロットカラム(plot column)ならびにTCD検出器を含むMTI(Microsensor Technology Inc., M20011)デユアル−モジュールミクロガスクロマトグラフィーを気体生成物を検出するために使用した。気体試料は、GCに装入する前に起こりうる凝縮を回避するために加熱された管路によって加熱された。また、液体試料は、ガスクロマトグラフィーで分析された。合成の結果は第1表に報告されている。
【0057】気体試料の分析は、一酸化炭素CO、炭素原子2個〜5個を有するアルカン(C〜C)、例えばイソブタンおよびイソペンタン、不飽和炭化水素、例えばエチレンおよびアセチレン、少量の酸化された生成物、例えばCHOCH、メタノールおよびエタノールならびに水および水素の形成を示す。液体試料の分析は、分枝状の炭化水素中に富むガソリン成分(C〜C11)の高い収量を示す。分枝状の炭化水素:直鎖状の炭化水素の比は約9:1である。
【0058】第1表において、近年報告された接触的フィッシャー・トロプシュ合成(Fischer-Tropsch)(M.J.Keyser, R.C. Everson and R.L. Espinoza in Applied Catalysis A, Vol. 171 (1998) 99; この文献は参考のために本明細書中に記載されている)からの結果は、付加的に比較の目的で挙げられている。明らかに、双方の方法、すなわち、本発明の誘電障壁放電合成(DBD合成)およびフィッシャー・トロプシュ合成(F−T合成)によって得られる生成物の分布は極めて類似している。しかしながら、本発明の方法は、低い圧力または大気圧で実施されるのに対し、その一方でフィッシャー・トロプシュ合成は、極めて高い圧力で実施される。さらに、本発明の方法は、直接的に、メタン含有組成物を通常液体の炭化水素を含有する生成物流に変換し、したがって合成ガス生成の必要性をないものにする。
【0059】
【表1】

【0060】例2メタン80%および二酸化炭素20%を含有する気体混合物を、触媒相を有する電極の間のギャップに通過させる。流量は0.5Nl/分である。使用された触媒は13Xゼオライトである。約30kHzの周波数を有する約10kVの交流電圧を電極に印加する。このようにして誘電障壁放電を開始する。運転温度は約150℃に維持され、かつ運転温度は約1バールである。生成物は実質的に液体燃料(C〜C11)、合成ガス(CO/H)および低級気体炭化水素(CおよびC)から成る。分枝状の炭化水素中に富む液体燃料生成物は、コンデンサー中に捕集される。例1に報告されたような類似の変換率および選択率が見出される。
【0061】例3供給ガス、すなわちメタン66.7%および二酸化炭素33.3%を含有する混合物を、反応器を通して流れる下降流で系に装入した。流量は150ml/分である。使用された触媒は13Xゼオライトである。約30kHzの周波数を有する約10kVの交流電圧を電極に印加する。このようにして誘電障壁放電を開始する。運転温度は約150℃に維持され、かつ運転圧は約25kPaである。このような条件下で、メタン変換率は39.5%であり、かつ二酸化炭素変換率は33.8%である。生成物の選択率は次の通りである:CO 32.6%C 17.5%C 12.9%C 6.6%C 29.3%例4供給ガス、すなわちメタンを反応器を通して流れる下降流で系に装入した。運転条件は次の通りである:流量150ml/分、温度150℃、圧力1バールおよび印加された電力500W。このようにして誘電障壁放電を開始する。使用された触媒はNaXゼオライトである。反応器出口で背圧弁を圧力調整のために使用した。ポラプロットQカラムおよびモレキュラーシーブ5AプロットカラムならびにTCD検出器を有するデユアル−モジュールミクロガスクロマトグラフィーを、気体生成物を検出するために使用した。気体試料を、GCに装入する前に起こりうる凝縮を回避するために加熱された管路によって加熱した。また、液体試料をガスクロマトグラフィーによって分析した。部分圧および例4で形成された生成物の選択率を第2表に報告した。メタンの変換は26.8%であった。
【0062】
【表2】

【0063】第2表に挙げられているように、炭素原子1個以上を有する炭化水素の全選択率は約100%である。生成物の多くは通常気体の炭化水素、すなわち炭素原子4個までを有する炭化水素である。特に、炭素原子2個または3個を有する炭化水素が形成される。第2表の「他」として示された生成物は実際に炭素原子6個〜11個を有する炭化水素であることに注意する。したがって、ガソリン成分、すなわち炭素原子5個〜11個を有する炭化水素の全収率は、22.7%であり、この場合、その多くが分枝状の炭化水素である。これは、エンジンノック現象の理由から、分枝状の炭化水素が良好な燃料であるために重要である。
【0064】研究での成功および温室ガス、特にメタンおよび二酸化炭素の実現可能な利用の開発は、本発明が二つの重要な目的の達成をするように導いた:第1には、大気中の温室ガスの増加を減退させることであり、第2には良好な炭素源を利用することである。本発明による主な温室ガスのこのような利用の特別な利点は、燃料として適した、このように合成された液体炭化水素が、通常石炭および石油中に存在する硫黄のような汚染物質を含有しないという事実である。さらに、本発明は存在する基幹施設、特にその運転のための電気および/またはエネルギー供給を有する存在する基幹施設を、別個に運転することが可能な方法を提供する。さらに、本発明の方法は、メタン含有源で、特には天然ガス現場のその場での運転のための経済的な、実現可能かつ適した方法を提供し、それというのも、準備のための高い投資または高い操業コストを必要としないからである。
【0065】本発明の確実な好ましい実施態様は本明細書中に記載されているが、当業者にとって、記載された実施態様を本発明の精神および範囲から逸脱することがなく修正することができ、かつ変更することができることは明かであろう。
【出願人】 【識別番号】593122664
【氏名又は名称】エー ビー ビー リサーチ リミテッド
【出願日】 平成12年12月8日(2000.12.8)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外3名)
【公開番号】 特開2001−214174(P2001−214174A)
【公開日】 平成13年8月7日(2001.8.7)
【出願番号】 特願2000−374913(P2000−374913)