| 【発明の名称】 |
湿式摩擦材用液状フェノール樹脂及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】相庭 博
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、湿式摩擦材の小径化、枚数低減に対応するため、湿式摩擦材の耐熱性及び耐久性の向上の図ることを目的とするものであり、更に具体的には、油中、特にATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)中で使用される湿式摩擦材の結合材として使用される湿式摩擦材用液状フェノール樹脂を提供するものである。
【解決手段】フェノールと式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体とを反応モル比が式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体/フェノール=0.1−0.5で反応後、アルカリ触媒存在下でアルデヒド類と反応させて得られた樹脂の重量平均分子量が500−1200であることを特徴とする湿式摩擦材用液状フェノール樹脂である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フェノールと式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体とを反応モル比が式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体/フェノール=0.1−0.5で反応後、アルカリ触媒存在下でアルデヒド類と反応させて得られた樹脂の重量平均分子量が500−1200であることを特徴とする湿式摩擦材用液状フェノール樹脂。 R1CH2−C6H4−CH2R1 式(1) (式中、R1はハロゲン原子、炭素数3以下の低級アルコキシ基を示す) 【請求項2】 フェノールと式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体とを反応後、未反応フェノールを減圧蒸留により5重量%以下まで除去し、その後アルカリ触媒存在下でアルデヒド類と反応させることを特徴とする請求項1記載の湿式摩擦材用液状フェノール樹脂。 【請求項3】 請求項1記載の湿式摩擦材用液状フェノール樹脂の製造方法において、フェノールと式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体とを反応後、アルカリ触媒存在下でアルデヒド類と反応させて得られた樹脂を、当該樹脂の良溶媒で溶解させることを特徴とする湿式摩擦材用液状フェノール樹脂の製造方法。 【請求項4】 請求項2記載の湿式摩擦材用液状フェノール樹脂の製造方法において、フェノールと式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体とを反応後、未反応のフェノールを減圧蒸留で除去した後、得られた反応生成物の良溶媒を加え溶解し、アルカリ触媒存在下でアルデヒド類と反応させて得られた樹脂を、当該樹脂の良溶媒で溶解させることを特徴とする湿式摩擦材用液状フェノール樹脂の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、油中、特にATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)中で使用される湿式摩擦材の結合材として使用される湿式摩擦材用液状フェノール樹脂に関するものである。 【0002】 【従来の技術】オートマチック車等の自動変速機に用いられる湿式摩擦材は油中で使用される為、摩擦材中に油が十分に含浸される必要があり、多孔質体として形成されている。一般的には、繊維基材の抄紙体を有機溶剤で希釈したフェノール樹脂に含浸させ、乾燥・加熱硬化工程を経たものが用いられている。フェノール樹脂としては、アルコールやケトン系有機溶剤を溶媒としたレゾール型フェノール樹脂が一般的に用いられており、耐熱性や繊維基材密着性に優れるという特長を有している。繊維基材としては、一般的に木材パルプやコットンリンター、アラミド繊維等があり、抄紙体には摩擦調整剤、固体潤滑剤等の充填材が適宜添加される。 【0003】近年、エネルギー・環境問題による低燃費指向から自動変速機の小型軽量化等が進んでおり、湿式摩擦材の小径化、枚数低減が求められている。これにより、従来の湿式摩擦材ではトルク容量が不足するため、これを補う為に押しつけ荷重を大きくすると、摩擦熱が増大して熱劣化による湿式摩擦材の寿命(摩擦材が剥離するまでの耐久サイクル数)低下が生じてしまう。従って、高面圧下における湿式摩擦材の耐久サイクル数の向上が強く求められており、その解決のため湿式摩擦材の耐熱性向上が必須である。これに対応し、湿式摩擦材に使用される繊維基材については耐熱性が良好なアラミド繊維使用比率を上げて耐熱性を向上させるなどの検討もなされているが、同時に結合材であるフェノール樹脂の耐熱性向上も強く求められている。結合材の耐熱性向上の為、ビスマレイミドなどの高耐熱樹脂の適用も検討されているが、硬化速度が遅く安定した摩擦係数が得られなかったり、樹脂の粘度が高い為繊維基材への含浸性が低下し、繊維基材との密着性が低下して、最終的に湿式摩擦材としての耐久サイクルが数が低下したり、安定した摩擦係数が得られないなどの問題がある。また、樹脂を溶解できる溶媒がコスト、沸点、人体への有害性の点で問題のあるDMFなどの溶媒に限定されるなどの問題があり、満足のいく高耐熱結合材が得られていない。また、特開平7―48426号公報において、フェノールとp―キシリレンハライド又はp―キシリレンアルコール誘導体から得られるフェノールアラルキル樹脂とアルデヒド類とを、塩基性触媒下において反応させることを特徴とする固形熱硬化性レゾール樹脂の製造方法等について開示され、更に用途についても摩擦材用について開示されている。しかし、これらの方法で得られる樹脂は固形レゾール樹脂であり、摩擦材もディスクパッドなどの乾式摩擦材用のものである。なお、上記の固形熱硬化性レゾール樹脂を溶媒に溶解して湿式摩擦材用フェノール樹脂に適用した場合でも、耐久サイクル数や安定した摩擦係数を有する湿式摩擦材を得ることができなかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記の問題点を解決した湿式摩擦材の結合材である液状フェノール樹脂を提供することであり、特に、湿式摩擦材において要求されるSAE#2摩擦試験機評価での摩擦材が剥離するまでの耐久サイクル数の向上を達成可能とする湿式摩擦材用液状フェノール樹脂及びその製造方法を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、フェノールと式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体とを反応モル比が式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体/フェノール=0.1−0.5で反応後、アルカリ触媒存在下でアルデヒド類と反応させて得られた樹脂の重量平均分子量が500−1200であることを特徴とする湿式摩擦材用液状フェノール樹脂である。また、より耐熱性を重視する場合は、フェノールと式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体とを反応後、未反応フェノールを減圧蒸留により5重量%以下まで除去することを特徴とする。 【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、フェノールとはフェノール、クレゾール、キシレノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、レゾルシン、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールAなどであり、特に限定されない。また、これらを単独または2種以上組み合わせて使用しても良い。 【0007】本発明において、式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体はフェノールとの反応させることで、湿式摩擦材用液状フェノール樹脂の耐熱性を改良するための重要な成分である。従来のフェノール樹脂硬化物には高温時に酸化を受けやすい水酸基が多く含まれるのに対し、本発明では、式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体を用いることにより水酸基の濃度を低下させ、樹脂硬化物の耐熱性向上に寄与している。 【0008】本発明の湿式摩擦材用液状フェノール樹脂の合成において、フェノールと式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体と反応では、式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体/フェノールの反応モル比が0.1―0.5であり、好ましくは0.15―0.45である。反応モル比が0.1より小さい場合は、最終的に得られる樹脂中の水酸基濃度が高い為、樹脂硬化物の加熱減量で評価される耐熱性が低下してしまい、これを使用した湿式摩擦材の高面圧下における耐久サイクル数が改良されず、0.5より大きい場合は最終的に得られる樹脂の分子量が大きすぎて繊維基材への含浸性が低下してしまい、樹脂と繊維基材の密着性低下により最終的に目的とする高面圧下における湿式摩擦材の耐久サイクル数が改良されず好ましくない。 【0009】より高い耐熱性・耐久性を必要とする場合は、アルカリ触媒存在下でアルデヒド類と反応する前に、未反応フェノールを減圧蒸留により5重量%以下まで除去することが望ましい。未反応フェノールが5重量%を越えると、最終的に得られる樹脂中にフェノール・アルデヒド重縮合物が多く存在し、その分耐熱性・耐久性が低下してしまう傾向がある。また、最終的に得られた樹脂の重量平均分子量は、500―1200であり、好ましくは600−1100である。ここで、重量平均分子量とは、高速液体クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算により求めた分子量である。重量平均分子量が500より小さい場合は樹脂の硬化速度が遅く、また未反応のアルデヒド類量が多く作業環境状好ましくなく、また分子量が小さすぎて樹脂硬化物の耐熱性(加熱減量)が低下してしまい、これを使用した湿式摩擦材の高面圧下における耐久サイクル数が改良されず好ましくない。重量平均分子量が1200より大きい場合は、繊維基材への含浸性が低下し、繊維基材との密着性が低下して、最終的に複合材である湿式摩擦材としての高面圧下における耐久サイクルが数が改良されず好ましくない。 【0010】本発明におけるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が単独または2種類以上併用で使用できる。但し、ホルマリンのように水を多量に含むアルデヒド類の場合は、アルデヒド類との反応中に常圧下で水分の除去を行うか、またはアルデヒドとの反応終了後の良溶媒添加前に減圧下で水分除去を行うことが必要である。最終的に樹脂中の水分量は、湿式摩擦材製造時の繊維基材への含浸性向上の為、5%以下にすることが望ましい。また、アルデヒド類の使用量は、フェノールと式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体との反応終了後に未反応フェノールを除去するか否かで異なる。未反応フェノールを5%以下まで除去した場合のアルデヒド類の使用量は、仕込み時のフェノール類1モルに対し、0.1−0.5モルの範囲が好ましい。また、未反応フェノールを除去しない場合は、仕込み時のフェノール類1モルに対し、0.3−0.8モルの範囲が好ましい。アルデヒド類使用量が、上記範囲より低い場合は樹脂の硬化性が劣り、範囲より大きい場合は樹脂中の未反応アルデヒド類量が多くなりその有害性が問題となり好ましくない。 【0011】次に、本発明の湿式摩擦材用液状フェノール樹脂組成物を製造するために通常使用する触媒について説明する。フェノールと式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体との反応時に使用する触媒としてはジエチル硫酸、p−トルエンスルホン酸、アルカンスルホン酸、パーフルオロアルカンスルホン酸の酸性触媒を単独または2種以上併用で使用できる。また、p−キシリレンハライドを用いる時は、酸性触媒を必ずしも必要としない。アルカリ触媒存在下でアルデヒド類との反応に使用する触媒は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ類、アンモニア、トリエチルアミン等のアミン類が単独または2種類以上併用で使用できる。また、必要に応じて、アルカリ触媒存在下での反応終了後に 硫酸、p−トルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸、塩酸、酢酸、ギ酸などの酸で中和しても良い。 【0012】次に、本発明で使用される良溶媒について説明する。フェノールと式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体とを反応後アルデヒドと反応させる際、予め未反応のフェノールを除去する場合、この反応生成物の良溶媒を配合して低粘度の液状とすることが好ましい。かかる良溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール等のアルコール類やアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類が挙げられる。但し、当該反応生成物の反応時の溶融粘度が低く容易に混合可能な場合は無溶媒でも構わない。また、最終的に得られる湿式湿式摩擦材用液状フェノール樹脂の良溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等各種のものを単独または2種類以上併用で使用できる。すなわち、本発明によれば溶媒は、従来のコスト、沸点、人体への有害性の点で問題のあるDMF等に限られないことになる。 【0013】以上説明した本発明の湿式摩擦材用液状フェノール樹脂は、樹脂中の水酸基の濃度を低下させた為、樹脂単独硬化物として加熱減量において優れた耐熱性を示す。本樹脂を湿式摩擦材の結合材として用いた場合、含浸工程における含浸性が良好であり、複合材として良好な基材密着性が得られる。すなわち、樹脂の最適な分子量設計を行うことにより、湿式摩擦材において樹脂の良好な耐熱性の特徴を充分に発揮させることを可能としたものである。これにより、高面圧下における湿式摩擦材の耐久サイクル数を大幅に向上させることを可能とする。 【0014】 【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。ここに記載されている「部」及び「%」は全て「重量部」及び「重量%」を示す。 (実施例1)攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコにフェノール800部とp−キシレングリコールジメチルエーテル424部を仕込み(反応モル比=0.30)、さらにジエチル硫酸1部を加え、160℃にて90分反応させた。その後60℃以下まで冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液6部、92%パラホルムアルデヒド180部を加え80度で1時間反応し、メタノールを800部添加え、重量平均分子量640、不揮発分約48%、165℃におけるゲル化時間が約90秒の液状フェノール樹脂を得た。 (実施例2)攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコにフェノール800部とp−キシレングリコールジメチルエーテル424部を仕込み(反応モル比=0.30)、さらにジエチル硫酸1部を加え、160℃にて90分反応させた。その後110mmHgの真空下で温度が200℃に到達するまで未反応フェノールの除去を行った。冷却後、メチルエチルケトン150部を加え溶解し、50%水酸化ナトリウム水溶液6部、92%パラホルムアルデヒド90部を加え80度で1時間反応し、メタノールを800部添加え、重量平均分子量781、不揮発分約42%、165℃におけるゲル化時間が約110秒の液状フェノール樹脂を得た。 (実施例3)攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコにフェノール800部とp−キシレングリコールジメチルエーテル523部を仕込み(反応モル比=0.37)、さらにジエチル硫酸1部を加え、160℃にて90分反応させた。その後110mmHgの真空下で温度が200℃に到達するまで未反応フェノールの除去を行った。冷却後、メチルエチルケトン200部を加え溶解し、50%水酸化ナトリウム水溶液6部、92%パラホルムアルデヒド90部を加え60度で1時間反応し、メタノールを800部添加え、重量平均分子量1100、不揮発分約47%、165℃におけるゲル化時間が約100秒の液状フェノール樹脂を得た。 【0015】(比較例1)攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコにフェノール1000部、37%ホルマリン1050部及び20%水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、100℃にて1時間反応させた。その後110mmHgの真空下で脱水を行い、温度が70℃に達したらメタノール750部を加え、重量平均分子量685、不揮発分約50.0%の液状フェノール樹脂を得た。 (比較例2)攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコにフェノール1000部、37%ホルマリン950部及び20%水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、100℃にて1時間反応させた。その後110mmHgの真空下で脱水を行い、温度が70℃に達したら低分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂を150部加える。温度が80℃に達したら90分間熟成反応を行い、冷却後メタノール800部を加え、重量平均分子量658、不揮発分約50%の液状フェノール樹脂を得た。 (比較例3)攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコにフェノール800部とp−キシレングリコールジメチルエーテル848部を仕込み(反応モル比=0.60)、さらにジエチル硫酸1部を加え、160℃にて90分反応させた。その後110mmHgの真空下で温度が200℃に到達するまで未反応フェノールの除去を行った。冷却後、メチルエチルケトン250部を加え溶解し、50%水酸化ナトリウム水溶液6部、92%パラホルムアルデヒド95部を加え80度で1時間反応し、メタノールを1000部添加え、重量平均分子量1420、不揮発分約53%、165℃におけるゲル化時間が約95秒の液状フェノール樹脂を得た。 【0016】以上の実施例、比較例により得られたフェノール樹脂の耐熱性を評価するため、熱重量測定測定を行った。表1に各温度での重量減少の値を示す。なお、熱重量測定は以下の条件で行った。 <熱重量測定>・フェノール樹脂の前処理条件:135℃で1時間、その後210℃で30分間熱処理後、硬化物を粉砕してサンプルを調整した。 ・昇温速度:10℃/分(空気気流下) ・測定温度:50−600℃【0017】 【表1】
【0018】表1から明らかなように、比較例と比較して、実施例で得られた樹脂硬化物の加熱減量は大幅に低下し、樹脂硬化物の耐熱性が向上していることがわかる。但し、比較例3の結果も実施例同様に良好である。 【0019】次に、湿式摩擦材としての性能を、SAE#2摩擦試験機により評価した。表2にその結果を示す。なお、 SAE#2摩擦試験機の評価は以下の条件で行った。 <SAE#2摩擦試験機による評価>(湿式摩擦材の製造)天然パルプ繊維、充てん剤、摩擦調整剤等を配合し、抄紙することによって得られた紙を製品形状に打ち抜き、各実施例及び比較例で得られた樹脂を含浸して乾燥・硬化させる。一方、鋼板を同じく製品形状に打ち抜き接着剤を塗布した芯金に、樹脂含浸紙を接着して摩擦材を得た。 (試験条件) 回転数:3600rpm慣性モーメント:3.5Kgf・cm・sec2押付け面圧:16Kgf/cm2油温:100℃ATF:トヨタキャッスル【0020】 【表2】
【0021】表2の結果から明らかなように、実施例で得られた樹脂は加熱減量からみた耐熱性が優れている。そしてこの樹脂を結合材として用いた摩擦材の剥離までの耐久サイクル数は比較例で得られた樹脂を結合材として用いた摩擦材のそれよりも多く、高面圧下での耐久サイクル数の向上が見られた。また、ここで樹脂の加熱減量が良好だった比較例3の耐久サイクル数は実施例2、3より劣る結果となった。実施例2、3と比較例3の大きな違いが樹脂の重量平均分子量であることより、比較例3の耐久サイクル数低下原因は、重量平均分子量の増大に伴う含浸性の低下が樹脂と繊維基材との密着性低下に影響した為と思われる。 【0022】 【発明の効果】本発明の湿式摩擦材用液状フェノール樹脂は耐熱性が向上しており、この樹脂を湿式摩擦材の結合材として用いた場合、高耐久性の湿式摩擦材を製造することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000183277 【氏名又は名称】住友デュレズ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月9日(2000.5.9) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−316660(P2001−316660A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月16日(2001.11.16) |
| 【出願番号】 |
特願2000−135539(P2000−135539) |
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