| 【発明の名称】 |
ホットメルト接着剤組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】若槻 築
【氏名】松田 英治
【氏名】長濱 吉生
【氏名】山本 洋明
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| 【要約】 |
【課題】広範囲の各種プラスチック、金属の接着に好ましいエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物とダイマー酸ポリアミドからなり常温における耐水及びフィルム成形性の改良されたホットメルト接着剤を提供する。
【解決手段】(a)ケン化率が30〜100%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物;10〜50重量%、(b)ダイマー酸ポリアミド;10〜50重量%、(c)エチレン・メタクリル酸共重合体;10〜80重量%からなることを特徴とするホットメルト接着剤組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】(a)ケン化率が30〜100%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物;10〜50重量%、(b)ダイマー酸ポリアミド;10〜50重量%、(c)エチレン・メタクリル酸共重合体;10〜80重量%からなることを特徴とするホットメルト接着剤組成物。 【請求項2】エチレン・メタクリル酸共重合体のメタクリル酸含有量が5〜25重量%である請求項1に記載のホットメルト接着剤組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、各種プラスチック、木材、金属の接着に好適な、耐水性が良好で、且つ、フィルム成形性の容易なホットメルト接着剤組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】ホットメルト接着剤は、加熱する事で溶融し、被着材表面に塗布され、その後冷却される事で被着材同士の接着機能を発現する熱可塑性樹脂からなる接着剤であり、作業性、 経済性に優れている。一般的なホットメルト接着剤の塗布方法には、溶融した接着剤をポンプで加圧してノズルより溶出させ塗布する方法、ロール・コーターで溶融接着剤を塗布する方法、フィルム状に成形された接着剤を被着材の接着面間に挟み込み加熱する方法等が用いられている。 【0003】接着される被着体は、金属、プラスチック、ゴム、紙、木材等多岐に渡っている。また接着された製品が使用される環境も、屋内の温和な環境から、屋外での高温多湿な環境等広範囲におよんできている。ホットメルト接着剤の適用範囲の拡大とともに、近年、耐水性の改良が殊に望まれている。 【0004】各種プラスチック、金属を広範囲に接着可能なホットメルト接着剤として、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物とポリアミドからなるホットメルト接着剤組成物(特公昭62−9274)が知られているが耐水性に劣っている。また温水に対する耐水性が良い物としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物とポリアミド及び酢酸ビニル含有量が15〜55重量%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体の3成分からなるホットメルト接着剤組成物(特公平6−49855)が知られているが、常温水に対しては耐水性が低い。更に特公昭62−9274記載のホットメルト組成物の接着強度を改良したものとして、特開平7−157734、10−298529等が知られているが、フィルム成形性に劣っている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、広範囲の各種プラスチック、金属の接着に好ましいエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物とダイマー酸ポリアミドからなるホットメルト接着剤の常温における耐水性及びフィルム成形性を改良することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、ケン化率が30〜100%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物及びダイマー酸ポリアミドに、特定量のエチレン・メタクリル酸共重合体を配合することにより、常温における耐水性及びフィルム成形性の改良を達成できる事を見出した。すなわち本発明は、(a)ケン化率が30〜100%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物;10〜50重量%、(b)ダイマー酸ポリアミド;10〜50重量%、(c)エチレン・メタクリル酸共重合体;10〜80重量%からなることを特徴とするホットメルト接着剤組成物である。 【0007】以下、本発明について更に詳細に説明する。本発明に用いられる(a)エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物は、一般に市販されているものが用いられ、好ましくは酢酸ビニル含有量が20〜70重量%のエチレン・酢酸ビニル共重合体を公知の方法でケン化したものが用いられる。当該エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物のケン化率は30〜100%のものが用いられ、50〜100%のものが好ましく用いられる。ケン化率が低すぎると接着強度が低下する。ケン化物のMFR(溶融流動性)に特に制限はないが、0.01〜500g/10分(190℃、2160g荷重)が好ましい範囲である。MFRが低すぎると組成物の溶融粘度が高くなり過ぎ、接着剤の塗布及びフィルム状接着剤の成形に支障を来たし、反対にMFRが高すぎると接着強度の低下を生じる。 【0008】本発明に用いられる(a)エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物の具体例としては、田岡化学社製のテクノリンクDR−55、DR−150、R−100、K−400、東ソー社製のメルセンH−6051、H−6820、H−6822X、武田薬品社製のデュミランD−219、C―2280、C−1550、E−222等があげられる。 【0009】本発明に用いられる(b)ダイマー酸ポリアミドは、一般に市販されているいわゆるダイマー酸とジアミンとの縮合体であって、アミン価が3〜30、軟化点(環球法)が190℃以下、溶融粘度が300mPa・s(200℃)以上の物が好適に使用される。 【0010】本発明に用いられる(b)ダイマー酸ポリアミドの具体例としては、富士化成工業社製のトーマイド390、500、535、560、1310、1396、TXC232C、三和化学工業社製のサンマイド15−K5、HT−140、PK−200、ハリマ化成社製のニューマイド945、2152、3008、ヘンケル社製のマクロメルト6030、6212、6239、6858、JP196等が挙げられる。 【0011】本発明に用いられる(c)エチレン・メタクリル酸共重合体は、一般に市販されている物が好適に使用される。(c)エチレン・メタクリル酸共重合体中のメタクリル酸の含有量は5〜25重量%のものが特に好ましく、メタクリル酸の含有量が多すぎると耐水性が低下し、また少なすぎると接着強度の低下を生じる。(c)エチレン・メタクリル酸共重合体のMFR(溶融流動性)に特に制限は無いが、0.01〜500g/10分(190℃、2160g荷重、JIS K6730)が好ましい範囲である。MFRが低すぎると組成物の溶融粘度が高くなり過ぎ、接着剤の塗布及びフィルムへの成形に支障を来たし、反対にMFRが高すぎると接着強度の低下を生じる。 【0012】本発明に用いられる(c)エチレン・メタクリル酸共重合体の具体例としては、三井・デュポン ポリケミカル社製のニュクレルAN4214C、N1035、N1214、N1525等が挙げられる。 【0013】(c)エチレン・メタクリル酸共重合体は単独で用いても良く、複数の物を併用してもかまはない。 【0014】本発明のホットメルト接着剤組成物の配合割合は、(a)エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物が10〜50重量%、(b)ダイマー酸ポリアミドが10〜50重量%、(c)エチレン・メタクリル酸共重合体が10〜80重量%であり、(c)成分が少なすぎると耐水性が低下し、多すぎると接着強度が低下する。更に上記配合割合で得られた組成物のMFR(190℃、2160g荷重測定、JIS K6730)は、0.01〜100g/10分が好ましい範囲であり、0.1〜70g/10分が更に好ましい範囲である。MFRが小さすぎても大きすぎても、単独でのフィルム化、及び被着材表面への押し出しラミネートが困難である。 【0015】また、本発明のホットメルト接着剤組成物中には、必要により他の熱可塑性樹脂、 ゴム、粘着剤、可塑剤、フィラー、滑剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤等の安定剤などを適宜配合する事が出来る。 【0016】具体的には、熱可塑性樹脂としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリビニルクロライド、ポリアミド(ナイロン6等)、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリビニルエーテル、ポリウレタン等が挙げられる。ゴムとしては、SBR、NR、IR、IIR、SBS、SIS等が挙げられる。粘着剤としては、ロジン酸エステル、ロジン、水素添加ロジン、テルペン重合体、α−及びβ−ピネン重合体、トールロジン、テルペンフェノール、エステルガム等が挙げられる。 【0017】本発明のホットメルト接着剤組成物の製造方法は、ロール、バンバリー混練機、一軸混練機、二軸混練機、ニーダー等を用いた公知の溶融混練法が適用できる。溶融混練は、配合物のゲル化が生じない条件下に行う事が好ましく、混練機によって異なるが、通常、温度60〜300℃、時間30秒〜30分間の混練が好ましい。 【0018】本発明のホットメルト接着剤組成物のフィルム成形及びラミネート成形は通常の成形機を用いて行う事が出来る。 【0019】 【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。 実施例1、2(a)エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物として実施例1では田岡化学工業株式会社製のR−400(MFR:40g/10分)を、実施例2では東ソー株式会社製のメルセンH6051(MFR:5.5g/10分)を各々30重量%、(b)ダイマー酸ポリアミドとしてヘンケル株式会社製のマクロメルト6239(M6239と略記)を実施例1及び2共に45重量%、(c)エチレン・メタクリル酸共重合体として三井デュポン株式会社製のニュークレルN−1525(メタクリル酸含有量:15重量%、MFR:25g/10分)を実施例1及び2共に25重量%の割合で配合し、更にこの樹脂配合物100重量部に対して酸化防止剤としてチバガイギー社製のIrg.1010を実施例1及び2共に1重量部配合した物を二軸混練機を用いて溶融混練してホットメルト接着剤組成物を得た。これら接着剤組成物を、プレス成形機を用いて温度150℃で厚さ約300μmのフィルムに成形した。得られたフィルムを用いて幅25mm、 長さ150mm、厚さ0.3mmのアルミ試験片(日本テストパネル大阪社製)と幅25mm、長さ100mm、厚さ3mmの硬質塩化ビニル試験片(日本テストパネル大阪社製)を、圧締圧約0.03MPa 、温度150℃、時間15分の条件下に接着した。接着試験片の初期の180度剥離強度(引張り速度50mm/分、測定温度25℃)[表1に初期強度と略記]、25℃水中7日浸漬後の湿潤状態での180度剥離強度[表1に25℃水中浸漬7日後と略記]を測定し、各々表1に記載した。また190℃、2160荷重におけるMFRを測定して表1に記載した。 【0020】実施例3〜5実施例1における(a)成分を田岡化学工業株式会社製のK−431(MFR:4g/10分)に、(b)成分を富士化成工業社製のト−マイドTXC232Cに変えて、また配合割合は表1記載の配合割合に従って実施例1と同様にしてシート状のホットメルト接着剤を作成し、初期剥離強度及び25℃水中7日浸漬後の剥離強度を測定して表1に示した。 【0021】 【表1】
【0022】実施例6成分(a)としてK−431を30重量%、成分(b)としてM6239を45重量%、成分(c)としてN−1525を25重量%からなる組成物100重量部と住友化学工業株式会社製のエチレン・酢酸ビニル共重合体D3021(酢酸ビニル含有量:6重量%、MFR 7g/10分)100重量部とからなる樹脂組成物からなるホットメルト接着剤フィルムを実施例1と同様にして作成した。この接着剤フィルムによる硬質塩化ビニルとアルミニュウムの初期接着強度、25及び60℃水中浸漬後の接着強度を実施例1と同様にして測定したところ、それぞれ98N/25mm、100N/25mm、90N/25mmであった。またMFRは10g/10分であった。 【0023】比較例1(c)成分を、三井デュポン株式会社製のエチレン・酢酸ビニル共重合体エバフレックス40LX(酢酸ビニル含有量41重量%、MFR:2g/10分)に変える以外は実施例4と全く同様にして作成したホットメルト接着剤フィルムを用いて、硬質塩化ビニルとアルミニュウムの接着を行い、その接着強度の測定を実施例1と同様に行った。その結果を表2に記載した。 【0024】比較例2(a)成分としてR−400を70重量%、(b)成分としてM6239を30重量%をもちいて、(c)成分を配合しないホットメルト接着剤組成物を実施例1と同様にして作成し、実施例1と同様に硬質塩化ビニルとアルミニュウムの接着強度を測定し、その結果を表2に記載した。 【0025】比較例3(a)成分としてH6051を25重量%、(b)成分としてM6239を35重量%をもちいて、(c)成分の代りにエチレン・酢酸ビニル共重合体D3021を40重量%配合したホットメルト接着剤組成物を実施例1と同様にして作成し、実施例1と同様に硬質塩化ビニルとアルミニュウムの接着強度を測定し、その結果を表2に記載した。 【0026】 【表2】
【0027】実施例7軸径50mmΦ、ダイ巾2000mmのTダイ押し出し機を用いて、軸温度190℃で実施例4で得た接着剤組成物の製膜加工を行った。連続7時間安定した加工ができ、フィッシュアイの少ない厚み40μのフィルムが得られた。 【0028】比較例4実施例4の配合組成に新日本理化株式会社製リカシッドTMEG(カルボン酸無水物)を樹脂成分100重量部に対して0.7重量部追加配合した接着剤組成物を実施例4と同様にして作成した。MFRは8g/10分であった。この接着剤組成物を用いて、実施例7と全く同じ条件下に製膜した。加工開始後、4時間目よりフィッシュアイ、ストリークが多発し始め、安定した加工が出来なかった。 【0029】 【発明の効果】本発明によれば常温水の耐水性に優れ、かつフィルム成形性に優れたホットメルト接着剤組成物を得ることが出来る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000216243 【氏名又は名称】田岡化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月16日(2000.5.16) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−323232(P2001−323232A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月22日(2001.11.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−142590(P2000−142590) |
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