| 【発明の名称】 |
光沢性粉体塗料組成物およびその塗装物品 |
| 【発明者】 |
【氏名】松葉 輝夫
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| 【要約】 |
【課題】奥行き感があり強い光輝性を呈し、異物感のない著しく美粧性に優れた光沢性塗膜を形成する。
【解決手段】光沢顔料を含む光沢性粉体塗料において、前記光沢顔料が、フレーク状ガラスの表面を前記フレーク状ガラスよりも高い屈折率を有する金属酸化物で被覆してなる鱗片状粒子であることを特徴とする光沢性粉体塗料組成物。その光沢性粉体塗料組成物を基材表面に塗装し、加熱硬化させた塗装物品。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光沢顔料を含む光沢性粉体塗料組成物において、前記光沢顔料が、フレーク状ガラスの表面を前記フレーク状ガラスよりも高い屈折率を有する金属酸化物で被覆してなる鱗片状粒子であることを特徴とする光沢性粉体塗料組成物。 【請求項2】 前記フレーク状ガラスは0.1〜7μmの平均厚みおよび5〜250μmの平均粒径を有するものであり、前記金属酸化物の被覆はルチル型二酸化チタンよりなり0.03〜0.8μmの厚みを有するものである請求項1に記載の光沢性粉体塗料組成物。 【請求項3】 前記光沢顔料が、前記金属酸化物の被覆の上に保護膜を有する請求項1または2に記載の光沢性粉体塗料組成物。 【請求項4】 前記保護膜は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン・アルキッド樹脂、酸化珪素、ならびに酸化珪素を主成分とし酸化アルミニウムおよび/または酸化セリウムを含む金属酸化物組成物からなる群より選ばれた少なくとも1種からなり、0.0〜0.1μmの厚みを有する請求項3に記載の光沢性粉体塗料組成物。 【請求項5】 前記光沢顔料を0.1〜25重量%、結着樹脂を20〜80重量%、硬化剤を10〜70重量%、充填剤を0〜30重量%、前記光沢顔料以外の着色剤を0〜10重量%、流展剤を0〜20重量%、発泡防止剤を0〜5重量%、それぞれ含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の光沢性粉体塗料組成物。 【請求項6】 請求項1〜5に記載の光沢性粉体塗料組成物を基材表面に塗装し、加熱硬化させて、5〜500μmの厚みの光沢性塗膜を被覆した塗装物品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、新規な光沢性粉体塗料組成物、およびそれを用いて得られる光沢性塗膜を有する塗装物品に関する。 【0002】 【従来の技術】光沢性粉体塗料で形成された塗膜は、前記光沢性粉体塗料中に含有されている光沢顔料の鱗片状粒子によって外部からの入射光が反射してキラキラと輝き、前記塗料本来の各種色相と相俟って、変化に富み、美粧性に優れた独特の外観を呈することから、例えば鋼、金属鉄、アルミニウムなどの金属製の机および椅子、あるいはガラス、セラミック、プラスチック、無機建材もしくは他の材料に装飾および/または保護の目的で塗布することが知られている。(特開昭53―75231号公報、特開平8―231892号公報) 【0003】従来、このような光沢性粉体塗料に配合される光沢顔料としては、鱗片状銅、鱗片状黄銅、鱗片状青銅、鱗片状のアルミ二ウム粉、酸化チタンや酸化鉄などの金属酸化物によって被覆された雲母片粒子、酸化鉄顔料などがある。上記の光沢顔料を用いて形成される粉体メタリック塗装物品の塗膜の輝きは、ある程度の光輝性を有するものの、十分とは言える状態では無い。また、従来の光沢顔料の内、光輝性に優れた酸化鉄粒子は、密度が大きいために重量当たりの粒子数が少なく総合的に光輝感に乏しいと言う問題がある。光沢不足の問題を改善したものとして金属被覆フレーク状ガラスを使用した粉体塗料組成物が、特開平11―286626号公報に記載されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来の粉体メタリック塗装においては、上述のように光輝性の点で不十分であり満足した意匠性が得られなかった。また、上記特開平11―286626号公報に記載された金属被覆フレーク状ガラスを用いた粉体塗料で塗装した塗面は、光輝感は良いものの、前記金属被覆フレーク状ガラスの反射光が、視野から外れた時、反射光が目に届かないために前記金属被覆フレーク状ガラスが黒班点状に見え、あたかも異物が混入しているように認められ、塗面の品質を低下させる結果となる。 【0005】本発明は、上記の従来の問題点を解決し、奥行きがあり、かつ異物感を認めない強い光輝性を有する光沢性粉体塗料と、この光沢性粉体塗料を基材表面に被覆した塗装物品を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、光沢顔料を含む光沢性粉体塗料において、前記光沢顔料が、フレーク状ガラスの表面を前記フレーク状ガラスよりも高い屈折率を有する金属酸化物で被覆してなる鱗片状粒子であることを特徴とする光沢性粉体塗料組成物である。 【0007】本発明の光沢性粉体塗料組成物の基本構成成分は、本発明に使用される光沢顔料を除き、従来公知のもので良い。 【0008】前記光沢顔料は、フレーク状ガラスの表面を前記フレーク状ガラスより高い屈折率を有する金属酸化物で被覆してなる鱗片状粒子である。上記金属酸化物としては、前記フレーク状ガラスのガラスより高い屈折率のもの、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、および酸化タンタルなどが用いられる。これらの中で酸化チタンおよび酸化鉄(Fe2O3)が好ましく用いられる。さらにこれらの中で、二酸化チタンが好ましく、二酸化チタンとして、アナターゼ型、ルチル型およびブルッカイト型の結晶形態を有するが、特に、化学的耐久性やコスト面などから工業的に利用されているアナターゼ型二酸化チタンおよびルチル型二酸化チタンが特に好ましい。とりわけ、光触媒作用が小さくて塗料のマトリックス樹脂を劣化させることが少なく、また後述のように屈折率が大きいのでルチル型二酸化チタンが好ましい。金属酸化物の被覆膜は、金属酸化物の種類や要求される光輝感の程度、所望の干渉色などによって適宜調整されるが、被覆膜が過度に薄い場合は、十分な光沢が得られず、一方過度に厚いと経済性が損なわれるので、その厚みは、0.01〜1μm、特に0.03〜0.8μmが好ましい。 【0009】光沢顔料の形状は鱗片状であり、より高い光輝感を得るためには、表面積が大きい方が好ましい。金属酸化物を被覆する前のフレーク状ガラスは平均厚み0.1〜7μm、平均粒径5〜250μmを有することが好ましい。そしてアスペクト比(平均粒径/平均厚みの値)は好ましくは少なくとも10、さらに好ましくは少なくとも15である。平均粒径が、250μmを超える場合には、塗料調製工程中に粒子の割れが生じ易くなり、一方5μm未満になると、光輝感の低下が著しくなる。又、平均厚みが、0.1μm未満のものは破砕されやすく、一方7μmを超えると塗膜の単位面積当たりにおける光沢顔料粒子の数が少なく、光輝感が乏しくなり、外観不良を生じ易い。前記フレーク状ガラスのさらに好ましい寸法は平均厚み0.5〜3.0μm、平均粒径15〜70μmである。 【0010】この金属酸化物の屈折率は、基材のガラスの屈折率に比べ高いものであることが必要であり、両者の屈折率の差は0.6以上であることが好ましく0.8以上であることが更に好ましい。金属酸化物の屈折率が高いことによって、顔料粒子面からの全反射が生じ易く、より強い光輝感が得られるからである。例えば、フレーク状ガラスのガラス材料の屈折率は、通常1.5〜1.6程度であり、屈折率が約2.5のアナターゼ型二酸化チタン、約2.7のルチル型二酸化チタンなどを金属酸化物の被覆膜として用いれば、前記の全反射による強い光輝感が得られる。また、二酸化チタンの被覆膜は、干渉フィルターとして機能するので、その厚みが変わることによって、様々な色の光輝感が得られる。すなわち、金属酸化物の被覆膜の厚みを調整することにより、塗装膜の外観に微妙な有彩色の光輝感を付与し、その高級感をさらに高めることができる。二酸化チタンの被覆膜は、0.05μm付近では、シルバー色、約0.14μmでは赤紫色、0.2μm程度では、黄緑色の反射色を示す。この被覆膜の干渉フィルター機能は、被覆膜の表面での反射光と、被覆膜と母材(フレーク状ガラス)の接触面での反射光の間で起こる光干渉によって生ずるものである。そのため、被覆膜の表面および接触面の平滑性が大きく影響する。すなわち、これらの面がより平滑であるほど、反射光の散乱が抑えられることにより干渉フィルターが有効に機能し、一方向に極めて強い反射光が生じる。このように母材であるフレーク状ガラスの表面が極めて平滑であるが故に、強い光輝感が得られると言える。 【0011】フレーク状ガラスを母材として、その表面を高屈折率の金属酸化物で被覆した光沢顔料を用いることにより、塗装面は、光の散乱が防止され、鮮明で強い光輝性を得ることができる。その光輝感は、従来の着色材を用いた塗板の光輝感に比べ著しく優れており、奥行き感のあり、しかも異物感のない、光沢豊かな外観が形成される。 【0012】金属酸化物被覆フレーク状ガラスは、所定のフレーク状ガラスの表面にゾルゲル法、または液相法により金属水酸化物を被覆した後、加熱処理を施すことによって金属水酸化物を脱水させて金属酸化物とすることにより製造される。例えば、ゾルゲル法による方法では、フレーク状ガラスをアルコール溶剤に分散させ、ここにチタン(IV)テトラブトキシテトラマーおよび水を順次加え、これを加熱することによりフレーク基体表面に所定厚みのチタニア水和物を被覆させる。これを450℃で加熱することによりアナターゼ型二酸化チタンを主成分とする層が形成され、真珠光沢の反射干渉色を示す。また液層法による方法では、例えば、Cガラスの組成を有するフレーク上ガラスを酸性水溶液中に分散させた後、pHを調整しながらTiCl4水溶液を注加し、所定の干渉色に達したら反応を終了し、濾過水洗してから所定の温度、例えば600℃で加熱焼成し、ルチル型二酸化チタン被覆フレーク状ガラスを得ることができる。 【0013】光沢顔料の芯部であるフレーク状ガラスの化学組成は、通常は、二酸化珪素を主成分とし、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウムなどの金属酸化物から構成される。本発明の光沢顔料に使用されるフレーク状ガラスのガラスの種類としては、例えば現在多用されているEガラス、Cガラスの他に、耐アルカリガラス、高強度ガラス、石英ガラス、Aガラスなどが挙げられる。これらの中の代表的なガラスであるCガラス、Eガラス、高強度ガラス、Aガラスの組成を表1に示す。 【0014】 【表1】 ─────────────────────────────────── Cカ゛ラス Eカ゛ラス 高強度カ゛ラス Aカ゛ラス (重量%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−SiO2 65 〜 72 52 〜 56 60 〜 67 70〜73Al2O3 1 〜 7 12 〜 16 18 〜 26 1.0〜1.8CaO 4 〜 11 16 〜 25 0 〜 10 7〜12MgO 0 〜 5 0 〜 6 7 〜 18 1.0〜4.5TiO2 0 0 0 〜 0.1 0B2O3 0 〜 8 5 〜 13 0 0Na2O+K2O 9 〜 17 0 〜 0.8 0 〜 1.2 13〜15ZnO 0 〜 6 0 0 0───────────────────────────────────【0015】本発明の光沢顔料は、塗膜中における前記光沢顔料粒子の均一分散性および/または耐久性の向上を図るために、その表面に透明な保護膜をコーティングしても良い。この保護膜の材質は、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン・アルキッド樹脂などのような透明な有機材料を用いたり、酸化珪素、または、酸化珪素を主成分とし、酸化アルミニウム、酸化セリウムなどの無機系材料を加えて使用しても良い。この保護膜は、光沢顔料の光輝性を損なわない範囲で、被覆使用されることが求められるが、その膜厚は、具体的に示すと0.05μm以下が好ましく、5nm以上であることが好ましい。 【0016】更に、光沢顔料と塗膜樹脂成分との接着性を増加させるために、必要に応じて光沢顔料の高屈折率金属酸化物被覆の表面または上記保護膜表面をカップリング剤などの表面処理剤で処理しても良い。このような耐久性向上を図るためなどの手段として、例えば、特開昭62―91567号公報、特開平7―268241号公報および米国特許5436077号公報に記載の保護膜やカップリング剤などの表面処理剤を利用することができる。 【0017】本発明の光沢性粉体塗料の結着樹脂は、従来使用されている樹脂で良く、主に熱硬化性樹脂が使用されている。例えば、熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル−ウレタン硬化系樹脂、エポキシ−ポリエステル硬化系樹脂、アクリル−ポリエステル系樹脂、アクリル−ウレタン硬化系樹脂、アクリル−メラミン硬化系樹脂、ポリエステル−メラミン硬化系樹脂などがあり、また硬化剤としては、ポリイソシアネート、アミン、ポリアミド、多塩基酸、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化硼素酸、酸ジヒドラジド、イミダゾール等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂では、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性フッ素樹脂が挙げられる。 【0018】本発明において、光沢性粉体塗料中の光沢顔料の配合量は、光沢性粉体塗料組成物中に0.1〜25重量%とすることが好ましい。より好ましい配合量は0.5〜5重量%である。光沢顔料の配合量が0.1重量%よりも少ないと十分な光沢性が得られず、25重量%よりも多いと、光沢顔料の配合量の割には、光沢性の向上が得られず、経済性に欠ける。 【0019】また、前記粉体塗料には、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム等の充填剤、アクリルオリゴマーシリコーン等の流展剤、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、各種有機顔料等の着色剤、ベンゾイン等の発泡防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗酸化剤等が発明の光沢顔料の光輝感に悪い影響を与えない範囲において添加混合できる。前記充填剤の含有量は0〜30重量%であり、前記流展剤の含有量は0〜30重量%であり、前記着色剤の含有量は0〜10重量%であり、前記発泡防止剤の含有量は0〜5重量%であることがそれぞれ好ましい。 【0020】本発明の光沢性粉体塗料組成物の製造方法は、既知の方法で良く、例えば、上記の結着樹脂のほかに必要な添加剤(着色顔料、染料、硬化剤、充填剤、硬化促進剤、流動促進剤、など)と共に所定割合の光沢顔料を配合し、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの混合機で乾式混合し、次いでエクストルーダー、ホットニーダー、ホットロール、ブスコニーダーなどの混練機により加熱下にて混練りし、そこで得られた混合物を冷却後、クラッシャー、ハンマーミルなどの粉砕機で機械的に粉砕し、篩い機で書房の粒度分布(通常において、100メッシュ以下)に調整する方法を挙げることができる。この他の方法としては、予め光沢顔料を含有させない処方で粉体塗料を調製しておき、ここで得られた粉体塗料と光沢顔料を所望の割合に加え、例えば、ブレンドミキサーやドラムミキサーなどにより均一に混合することにより光沢性粉体塗料を調製する方法を採ることもできる。なお、後者の方法を採る場合には、所望の塗膜仕上がりを良くし、調製作業を容易にするために、光沢顔料粒子の表面を保護膜で被覆され、かつ体積抵抗値の高い、例えば1010〜1017Ω・cmの光沢顔料を使用することが好ましい。 【0021】本発明の光沢性粉体塗料は、例えば、金属鉄、鋼、アルミニウム、亜鉛などの金属製基材、あるいは加熱によって変質または変形しないガラス、セラミック、コンクリートのような無機質基材の塗装に適用される。光沢性粉体塗料が被覆される基材は着色剤を含有する各種の樹脂塗料で予め塗装されていてもよい。 【0022】光源からの光が塗膜面で正反射して目に入る場合には、どのような光沢性顔料であっても、この異物感を感じることはない。しかし、塗膜面が正反射しない条件で位置している場合、塗膜の奥の方または被塗膜基材から反射した光は光沢性顔料の裏面(基材に面する光沢性顔料表面)に当たる。もし、従来の光沢性顔料であれば、光を遮蔽するか、または光を透過させたとしても光沢性顔料の表面の凹凸および光沢性顔料の両表面の非平行性のために光は直進しないで屈曲して進み、他方光沢性顔料の周りの光は直進するので、光の陰になる光沢性顔料は黒い斑点となって見え異物感を感じることになる。本発明において、光沢性顔料に使用するフレーク状ガラスは透明であり、フレーク状ガラスの表面は雲母のような微小凹凸がなくしかもその両表面は平行である。したがってそのフレーク状ガラス表面に金属酸化物を被覆した光沢性顔料も透明性が高くて光を遮蔽せず、しかもその表面は微小な凹凸がなく光沢性顔料の両表面は平行であるため、塗膜の奥の方または被塗膜基材から反射して光沢性顔料の裏面に入射した光は遮蔽されることもなく、しかも光沢性顔料の内部を直進透過して進むので、その黒い斑点は見えず異物感を感じないのである。 【0023】本発明の光沢性粉体塗料は、既知の静電塗装法、また流動浸漬法を用いて、上記被塗物素材または前記素材の下地塗膜の表面に前記光沢性塗料を塗装し、ついで、例えば120〜200℃の温度で加熱することにより、5〜500μmの最終厚み、好ましくは10〜200μmの最終厚みで、塗装することができる。さらに、必要に応じて前記の光沢性粉体塗料からなる塗膜上に、例えば熱硬化型クリア粉体塗料によりクリア塗膜を形成させても良い。このような本発明の光沢性粉体塗料組成物および光沢性塗膜の成形方法によって得られる塗装製品としては、例えば、自動車、家電製品のボディ、機械部品、オフィス用を含めた什器類、建築材料などを掲げることができるが、何らこれらに限定されるものではない。 【0024】 【発明の実施の形態】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。尚、以下に置いて「部」は、「重量部」を示す。 【0025】[実施例1]下記の配合物をスーパーミキサーでドライブレンドしてから、次いでブスコニーダー(PR―46型、ブス社製)で混練りし、粉砕後、120メッシュで分級して平均粒径が60μmの粉体塗料を得た。 配合割合大日本インキ化学工業(株)製「ファインディックM―8520」 100部、大日本インキ化学工業(株)製、「エピクロン3050」 100部、BASF社製、「アクロナール4F」 2部、四国化成社製、「キュアゾールC17Z」 0.3部、ベンゾイン(和光純薬工業(株)製) 0.6部、光沢顔料;ルチル型二酸化チタン被覆フレーク状ガラス(日本板硝子(株)製、「メタシャインRCFSX-1040RC(9549)」、フレーク状ガラス;組成Cガラス、平均厚み1.5μm、平均粒径35.0μm、ルチル型二酸化チタン被覆厚み0.2μm)3部。 【0026】上記ルチル型二酸化チタン被覆フレーク状ガラスは次のようにして作ることができる。Cガラス(ソーダ石灰珪酸塩ガラス)組成を有するガラスを溶融した炉の底に設けたリング状のノズルから溶融したガラスを引き出して風船のように膨らませ、急冷後、粉砕分級することにより平均厚さ1.1μm、平均粒径35.0μmのCガラス組成を有するフレーク状ガラスが得られた。ここで得られたフレーク状ガラスの表面平滑性を走査型プローブ顕微鏡(SII社製、SPI3700/SPA300型)を用いて測定した結果、平均面粗さ(Ra値)は、0.7nmで、極めて平滑な表面を形成していることが確認された。このフレーク状ガラス100gを予め1000mlの水に塩化第一錫・二水和物0.2gを溶解し、希塩酸を加えpH2.0〜2.5に調整した溶液に分散させ、10分間攪拌させてから濾過した。次に、水1000mlにヘキサクロロ白金酸・六水和物0.02gを溶解し、この水溶液に前記濾過したフレーク状ガラスを攪拌しながら加えてからその後10分間攪拌し、濾過した。 続いて、水1000mlに塩酸を加えpH約0.7に調整した水溶液に上記の前処理を施したフレーク状ガラス100gを攪拌しながら加え、直ちに溶液温度を75℃まで昇温した。これへ四塩化チタン(TiCl4)溶液をTi換算で0.02g/minの割合で反応液中に添加し、pHが変わらないように水酸化ナトリウムを同時に加え、中和反応により二酸化チタン(TiO2)またはその水和物をフレーク状ガラス上に析出させた。 【0027】このフレーク状ガラス上の二酸化チタン析出層厚が所望の干渉色を示すところで四塩化チタン溶液と水酸化ナトリウムの添加を同時に止め、濾過した。その後、水により洗浄し、そこで得られた被覆されたフレーク状ガラスを自然乾燥後600℃にて焼成した。焼成された被覆処理フレーク状ガラスの外観は黄緑色真珠光沢を呈し、その寸法は平均厚さ1.5μm、平均粒径35.0μmであった。被覆層の結晶構造をX線回折装置(島津製作所社製、XD―D1型)を用いて測定した結果、フレーク状ガラス表面に存在する二酸化チタンはルチル型のみからなることを確認した。また電子顕微鏡(日立製作所社製、S―4500型)で観察したところ、均一かつ緻密にルチル型二酸化チタン層を形成していることが確認された。 【0028】ここで得られた粉体塗料の体積抵抗をアドバンテスト社の「Ultrahigh Resistance Meter」により測定した結果、1×1014Ω・cmであった。なお、光沢顔料についての、被覆層および保護膜の厚みは電子顕微鏡法により、平均厚みは光学顕微鏡−画像解析法により、そして平均粒径はレーザー散乱法により、それぞれ測定した。そのあと、この粉体塗料を静電塗装法によりアルミニウム板表面に塗装し、180℃で20分加熱硬化した。 【0029】アルミニウム板上の塗膜厚みを測定した処、30〜80μmであった。塗膜外観について、光輝感、奥行き感および異物感を以下に示す方法で評価した。 光輝感 : ○印:強い光輝性、△印:中程度の光輝性、×印:弱い光輝性奥行き感 : ○印:光輝性粒子が立体的に観察された。 △印:光輝性粒子が弱く立体的に観察された。 ×印:光輝性粒子が平面的に観察された。 異物感 : 〇印:黒斑点を認めず。 △印:黒斑点を僅かに認めた。 ×印:黒斑点を塗面全面に認めた。 【0030】この評価結果は表3に示す通りであり、塗膜外観は良好で、平滑性に優れピンホールやクレーターが認められず、奥行き感があり、かつ異物感を認めない強い光輝感を有する塗装板が得られた。 【0031】[実施例2、比較例1〜3]実施例1において用いた光沢顔料の代わりに、表2に示すように、実施例2、比較例1〜3に応じて次の光沢顔料、実施例2:ルチル型二酸化チタン被覆フレーク状ガラス(平均厚み1.4μm、平均粒径35.4μm、フレーク状ガラスの組成 Cガラス、ルチル型二酸化チタン被覆厚み0.05μm、シルバー色真珠光沢、日本板硝子(株)製、「メタシャインRCFSX-1040RS(9543)」) 比較例1:フレーク状アルミニウム(平均厚み1μm未満、平均粒径33.4μm、東洋アルミニウム(株)製、「アルペースト1230M」)、比較例2:ルチル型二酸化チタン被覆雲母(パールマイカ)(平均厚み1μm未満、平均粒径33.4μm、ルチル型二酸化チタン被覆厚み0.05μm、メルク社製「イリオシ゛ン103」) 比較例3:銀被覆フレーク状ガラス(平均厚み1.4μm、平均粒径34.2μm、銀被覆厚み0.07μm、フレーク状ガラス組成 Eガラス、日本板硝子(株)製、「メタシャインREFSX-2040PS(8021)」、)、を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粉体塗料および塗装板(塗膜厚み30〜80μm)を得た。得られた塗装板を実施例1と同様に観察し、塗膜外観の結果および粉体塗料の体積抵抗値を表3に示した。 【0032】実施例2および比較例3について、塗膜面を観察し、下記の条件で撮影した写真を図1〜図4に示す。 写真撮影条件(1)装置:実体顕微鏡(SZ-ET型,オリンパス社製、倍率50倍に設定) (2)操作条件 下記の2種類の条件で行った。 ■ 光源(ハロゲンランプ(100V―500W、LPL(株)、「ブロムシネライトデラックス」)を1/5に絞って使用。)を被撮影塗膜面から18cm離れた位置から、塗膜面に対して垂直な面から60度傾斜させた角度から塗膜面に照射し(入射角60度)、塗膜面の垂直方向から撮影した。光源からの正反射の角度から60度ずらしているので、塗膜面が輝かない状態の写真が撮影される。 ■ 予め,塗膜面を水平面より約10度傾けておき,その状態で,光源(実体顕微鏡付属の高輝度冷光照明装置(日本ピー・アイ(株)、PICL―NEX型)、定格電力150W)を被撮影塗膜面から10cm離れた状態とし、グランド面(水平面)に対し垂直な位置に設定し、被撮影塗面をグランド面より10度傾けた状態で写真を撮影した。その結果、塗膜面が輝いた状態の写真が撮影された。 【0033】図1は実施例2について操作条件■により撮影した写真であり、図2は比較例3について操作条件■により撮影した写真である。そして、図3は実施例2について操作条件■により撮影した写真であり、図4は比較例3について操作条件■により撮影した写真である。いずれの写真も縦約2.3mmで横約3.0mmの大きさの塗膜面が撮影されている。 【0034】同じ操作条件■(塗膜面が輝かない状態の写真)により撮影した実施例2(図1)と比較例3(図2)とを比較すると、実施例2では黒い斑点はほとんど見えず異物感はないが、それに対して比較例3では多数の黒い斑点が非常にはっきりと見え異物感が大きいことがわかる。また、操作条件■(塗膜面が輝いた状態の写真)により撮影した実施例2(図3)と比較例3(図4)とを比較すると、実施例2では黒い斑点は全く見えず異物感はないが、それに対して比較例3では、上記操作条件■の図2に比べる個数は減少するものの、かなり多数の黒い斑点がはっきりと見え異物感が大きいことがわかる。 【0035】[実施例3]実施例1において使用した光沢顔料(「メタシャインRCFSX-1040RC(9549)」)を除いた他は、実施例1と同様にして粉体塗料を得、その粉体塗料へシリカ保護膜付ルチル型二酸化チタン被覆フレーク状ガラス(平均厚み1.5μm、平均粒径34.0μm、ルチル型二酸化チタン被覆厚み0.2μm、シリカ保護膜厚み50nm未満、フレーク状ガラスの組成 Cガラス、日本板硝子(株)製、「メタシャインRCFSX-1040RC(0509)」)3部を加え、ドライブレンダーにより均一混合させて、最終の粉体塗料を得た。この粉体塗料の体積抵抗を測定した結果、体積抵抗値は1×1014Ω・cmであった。その後、静電塗装法によりアルミニウムパネルに塗装し、180℃で20分間加熱硬化させた。アルミニウム基材上の塗膜厚みを測定した処、30〜80μmであった。塗膜外観は、良好で、平滑性に優れピンホールやクレーターが認められなず、奥行き感があり、かつ異物感を認めない強い光輝性を有する塗装板が得られた。 【0036】光沢顔料であるシリカ保護膜付ルチル型二酸化チタン被覆フレーク状ガラスは、次のようにして製造することができる。すなわち、水1000mlに実施例1で得られたルチル型二酸化チタン被覆フレーク状ガラス80gを加え懸濁し攪拌しながら75℃まで昇温した。このスラリー液に水酸化ナトリウム水溶液を加えpH値を9.3に調整せてから珪酸ナトリウム液6.6gを10重量%濃度水溶液にして約1時間を要し注加した。この間において、スラリー液のpH値は、3重量%濃度塩酸水溶液を用いて9.3に維持した。この珪酸ナトリウム水溶液の全量を注加後、75℃にて30分間攪拌を続けた。反応終了後、スラリー液を濾過し、得られた固体生成物を水で洗浄してから130℃にて12時間乾燥して、シリカ保護膜付ルチル型二酸化チタン被覆フレーク状ガラスを得た。 【0037】[実施例4、比較例4]実施例3において用いた光沢顔料に代えて、表2に示すように、実施例4、比較例4に応じて次の光沢顔料、実施例4:シリカ保護膜付ルチル型二酸化チタン被覆フレーク状ガラス(平均厚み1.4μm、平均粒径34.2μm、ルチル型二酸化チタン被覆厚み0.05μm、シリカ保護膜厚み50nm未満、フレーク状ガラスの組成 Cガラス、日本板硝子(株)製、「メタシャインRCFSX-1040RS(0503)」)、または比較例4:上記ルチル型二酸化チタン被覆雲母(パールマイカ)(メルク社製「イリオシ゛ン103」)、を用いたこと以外は、実施例3と同様にして粉体塗料および塗装板(塗膜厚み30〜80μm)を得た。得られた塗装板を実施例1と同様に観察し、結果を実施例3の結果と共に表3に示した。 【0038】[実施例5]実施例1で使用したCガラスの代わりにAガラスを用いたこと以外は、実施例1と同様に行って、ルチル型二酸化チタン被覆フレーク状ガラスからなる光沢顔料を得た。その結果を表2に示した。次に、実施例1で使用した光沢顔料の代わりに上記光沢顔料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして行い粉体塗料および塗装板を得た。得られた粉体塗料および塗装板を実施例1と同様に観察し、その結果を表3に示した。 【0039】 【表2】 ─────────────────────────────────── 基材 カ゛ラスの種類 被覆層 保護膜 平均厚み 平均粒径 (厚みμm) (厚みμm) (μm) (μm)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−実施例1 フレーク状カ゛ラス Cカ゛ラス ルチル型二酸化チタン − 1.5 35.0 (0.2μm)2 フレーク状カ゛ラス Cカ゛ラス ルチル型二酸化チタン − 1.4 35.4 (0.05μm)3 フレーク状カ゛ラス Cカ゛ラス ルチル型二酸化チタン シリカ 1.5 34.0 (0.2μm) (0.05μm未満)4 フレーク状カ゛ラス Cカ゛ラス ルチル型二酸化チタン シリカ 1.4 34.2 (0.05μm) (0.05μm未満)5 フレーク状カ゛ラス Aカ゛ラス ルチル型二酸化チタン − 1.5 35.0 (0.2μm)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−比較例1 フレーク状アルミニウム − − − 1.0未満 11.02 雲母 − ルチル型二酸化チタン − 1.0未満 20.5 (0.05μm)3 フレーク状カ゛ラス Eカ゛ラス 銀 − 1.5 33.4 (0.07μm)4 雲母 − ルチル型二酸化チタン − 1.0未満 20.5 (0.05μm)────────────────────────────────────【0040】 【表3】 ──────────────────────────── 粉体塗料 塗膜外観 体積抵抗 ───────────────── (Ω・cm) 光輝感 奥行き感 異物感−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−実施例1 1×1014 ○ ○ ○実施例2 1×1014 ○ ○ ○実施例3 1×1014 ○ ○ ○実施例4 1×1014 ○ ○ ○実施例5 1×1014 ○ ○ ○比較例1 6×1013 × × ×比較例2 1×1014 △〜× × ○〜△比較例3 6×1013 ○ ○ ×比較例4 1×1014 △〜× × ○〜△────────────────────────────【0041】 【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の光沢性粉体塗料および光沢性塗膜の成形方法によれば、奥行き感があり、強い光輝性を呈し、異物感のない著しく美粧性に優れた光沢性塗膜を形成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004008 【氏名又は名称】日本板硝子株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月17日(2000.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100069084 【弁理士】 【氏名又は名称】大野 精市
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| 【公開番号】 |
特開2001−323217(P2001−323217A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月22日(2001.11.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−144442(P2000−144442) |
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