| 【発明の名称】 |
転写シート用ベースコート組成物、それを用いた転写シートおよびその製造方法と化粧板の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】松本 光顕
【氏名】岩田 顕範
【氏名】石橋 秀夫
【氏名】木村 皓一
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| 【要約】 |
【課題】乾燥に要する時間が短く、ポットライフに優れた転写シート用ベースコート組成物、それを用いた転写シートおよび化粧板の製造方法を提供する。
【解決手段】高脆性樹脂を含んでいる熱可塑性高分子樹脂組成物からなることを特徴とする転写シート用ベースコート樹脂組成物。また、ベースフィルム上に、放射線硬化樹脂を含んだ転写層、さらに最上層として先の転写用ベースコート組成物からなるベースコート層が設けられている転写シート。さらに、その最上層にベースコート層が形成されている先の転写シートにおける上記ベースコート層の面を、接着剤を用いて基材上に貼り合わせる工程(1)、上記ベースフィルム側から放射線を照射する工程(2)、上記ベースフィルムを剥離する工程(3)を含んでいる化粧板の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】高脆性樹脂を含んでいる熱可塑性高分子樹脂組成物からなることを特徴とする転写シート用ベースコート樹脂組成物。 【請求項2】前記高脆性樹脂が、繊維素誘導体類および/または石油樹脂である請求項1に記載の転写シート用ベースコート組成物。 【請求項3】前記熱可塑性高分子樹脂組成物が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂のうちの少なくとも1つを含んでいる請求項1または2に記載の転写シート用ベースコート組成物。 【請求項4】前記熱可塑性高分子樹脂組成物の樹脂固形分100重量部に対する前記高脆性樹脂の樹脂固形分重量が、2.5〜400重量部である請求項1ないし3のいずれか1つに記載の転写シート用ベースコート組成物。 【請求項5】粒子成分および/またはワックスを含んでいる請求項1ないし4のいずれか1つに記載の転写シート用ベースコート組成物。 【請求項6】さらに、着色成分を含んでいる、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の転写シート用ベースコート組成物。 【請求項7】ベースフィルム上に、放射線硬化樹脂を含んだ転写層、さらに最上層としてベースコート層が設けられている転写シートであって、前記ベースコート層が、請求項1ないし6のいずれか1つの転写用ベースコート組成物からなることを特徴とする転写シート。 【請求項8】前記転写層と前記ベースコート層との間に、図柄層が設けられている請求項7に記載の転写シート。 【請求項9】ベースフィルム上に、放射線硬化樹脂組成物を塗布した後、乾燥させて転写層を形成する工程(1)、前記工程(1)で得られた転写層上に、ベースコート組成物を塗布した後、乾燥させてベースコート層を形成する工程(2)を含んでいる転写シートの製造方法であって、前記ベースコート組成物が請求項1ないし6のいずれか1つに記載の転写シート用ベースコート組成物であることを特徴とする転写シートの製造方法。 【請求項10】前記工程(1)と前記工程(2)との間に、図柄層を形成する工程を含んでいる請求項9に記載の転写シートの製造方法。 【請求項11】ベースフィルム上に転写層が形成され、かつ、その最上層にベースコート層が形成されている転写シートにおける前記ベースコート層の面を、接着剤を用いて基材上に貼り合わせる工程(1)、前記工程(1)の後、前記ベースフィルム側から放射線を照射する工程(2)、前記工程(2)の後、前記ベースフィルムを剥離する工程(3)を含んでいる化粧板の製造方法であって、前記転写シートが請求項7または8に記載の転写シートであることを特徴とする化粧板の製造方法。 【請求項12】請求項11に記載の化粧板の製造方法によって得られた化粧板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、転写シート用ベースコート組成物、それを用いた転写シートおよびその製造方法、化粧板の製造方法に関し、特に、ベースコート組成物のポットライフと耐ブロッキング性とに優れた転写シート用ベースコート組成物、それを用いた転写シートおよびその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、住宅やビルディングなどの建築物の内装材および外壁材として、タイルやパネルなどの化粧板を用いたものが数多く使用されてきている。 【0003】このような化粧板として、スレート板等の基材上に、意匠性のある転写シートを貼り付けたものが実用化されている。この転写シートは、剥離性のあるベースフィルム上に転写層、図柄層およびベースコート層を設けたものであり、基材には接着剤によってベースコート層の面を貼り付け、ベースフィルムを剥離除去することによって化粧板を得るものである。このような意匠性のある転写シートを用いることによって、基材表面の凹凸に関係なく鮮明かつ微細な意匠パターンを形成することができるようになっている。 【0004】転写シートは、作業性や製造効率等から、実際は300〜1000mの長さのものである場合が多く、運搬の容易さや占有するスペースの低減等の観点から、製造された転写シートは、紙管等の芯の周囲に、ロール状に巻き取られた状態で製品となって保管・運搬され、その後、化粧板に貼り付けられる時に、このロール状に巻き取られたものから引き出されて使用されることが大半である。 【0005】ところで、この転写シートのベースコート層は、ベースコート組成物を、転写シートの転写層面および/または図柄層面に対してロールコータ等の塗布装置を用いて塗布し乾燥させることによって形成されるものである。そのため、転写シートを巻き取って保管するためには、転写層からの粘着成分の浸透を防ぐ、いわゆる耐ブロッキング性の確保のために、ベースコート層を充分に乾燥しておく必要があった。 【0006】このようなベースコート組成物としては、一般的な熱硬化性樹脂からなるものが広く用いられてきたが、このようなベースコート組成物は、乾燥に要する時間が長く、生産効率が低下する恐れがあった。また、乾燥時間を短くするために、硬化性の高い熱硬化性樹脂からなるものも用いられてきたが、このようなベースコート組成物は、常温でも反応を起こし、塗布装置のなかで硬化してしまう恐れがあった。そのため、製造終了後、残ったベースコート組成物は回収して再使用することが困難であった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、乾燥に要する時間が短く、ポットライフに優れた転写シート用ベースコート組成物、それを用いた転写シートおよび化粧板の製造方法を提供することを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、高脆性樹脂を含んでいる熱可塑性高分子樹脂組成物からなることを特徴とする転写シート用ベースコート樹脂組成物である。ここで、例えば、高脆性樹脂が、繊維素誘導体類および/または石油樹脂であることが好ましい。また、ここで、例えば、熱可塑性高分子樹脂組成物が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂のうちの少なくとも1つを含んでいることが好ましい。また、熱可塑性高分子樹脂組成物の樹脂固形分100重量部に対する高脆性樹脂の重量が、2.5〜400重量部であることが好ましい。また、粒子成分および/またはワックスを含んでいてもよい。さらに、着色成分を含んでいてもよい。 【0009】また、本発明は、ベースフィルム上に、放射線硬化樹脂を含んだ転写層、さらに最上層としてベースコート層が設けられている転写シートであって、上記ベースコート層が、先の転写用ベースコート組成物からなることを特徴とする転写シートである。ここで、転写層とベースコート層との間に、図柄層が設けられていてもよい。 【0010】さらに、本発明は、ベースフィルム上に、放射線硬化樹脂組成物を塗布した後、乾燥させて転写層を形成する工程(1)、上記工程(1)で得られた転写層上に、ベースコート組成物を塗布した後、乾燥させてベースコート層を形成する工程(2)を含んでいる転写シートの製造方法であって、上記ベースコート組成物が先の転写シート用ベースコート組成物であることを特徴とする転写シートの製造方法である。ここで、記工程(1)と工程(2)との間に、図柄層を形成する工程を含んでいてもよい。 【0011】また、本発明は、ベースフィルム上に転写層が形成され、かつ、その最上層にベースコート層が形成されている転写シートにおける上記ベースコート層の面を、接着剤を用いて基材上に貼り合わせる工程(1)、上記工程(1)の後、上記ベースフィルム側から放射線を照射する工程(2)、上記工程(2)の後、上記ベースフィルムを剥離する工程(3)を含んでいる化粧板の製造方法であって、上記転写シートが先の転写シートであることを特徴とする化粧板の製造方法である。 【0012】さらに、本発明は、先の化粧板の製造方法によって得られた化粧板である。 【0013】 【発明の実施の態様】転写シート用ベースコート組成物本発明の転写シート用ベースコート組成物は、高脆性樹脂を含んでいる熱可塑性高分子樹脂組成物からなることを特徴とするものである。 【0014】本発明の転写シート用ベースコート組成物に含まれる高脆性樹脂は、主に、得られる転写シートの耐ブロッキング性を確保する目的で含まれるものである。上記高脆性樹脂は、例えば、繊維素誘導体類および/または石油樹脂である。上記繊維素誘導体類としては、繊維素誘導体やカルボン酸変性繊維素誘導体等を挙げることができるが、他の熱可塑性高分子樹脂との相溶性の観点から、カルボン酸変性繊維素誘導体であることが好ましい。このようなカルボン酸繊維素誘導体としては、具体的には、酢酸変性セルロースやセルロースアセテートブチレートを挙げることができ、市販されているものとしては、CAB−551−0.2、CAB−551−0.01(いずれもイーストマンケミカル社製)等を例示することができる。また、上記石油樹脂としては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂等を挙げることができるが、脆性の観点から、芳香族系石油樹脂であることが好ましい。このような芳香族系石油樹脂としては、具体的には、アルキルベンゼン/ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができ、例えば、キシレン/ホルムアルデヒド樹脂、メシチリン/ホルムアルデヒド樹脂およびそれらのフェノール変性物等を例示することができるが、フェノール変性アルキルベンゼン/ホルムアルデヒド樹脂であることが好ましい。上記フェノール変性アルキルベンゼン/ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、フェノール変性キシレン/ホルムアルデヒド樹脂を挙げることができ、市販されているものとしては、ニカノールHP−120、ニカノールHP−150(いずれも三菱ガス化学社製)等を例示することができる。 【0015】本発明の転写シート用ベースコート組成物に含まれる高脆性樹脂以外の熱可塑性高分子樹脂組成物に含まれる成分としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂を挙げることができる。なお、ここで上記の各樹脂は、熱硬化性官能基を有していてもよいが、ポットライフおよび得られる転写シートの可撓性の観点から、熱硬化しない熱可塑性高分子樹脂である。上記各樹脂の数平均分子量としては特に限定されないが、アクリル樹脂の場合、15000〜700000であることが好ましく、20000〜500000であることがさらに好ましい。また、ポリエステル樹脂の場合、8000〜30000であることが好ましく、10000〜25000であることがさらに好ましい。また、エポキシ樹脂の場合、1000〜300000であることが好ましく、2000〜200000であることがさらに好ましい。上記各樹脂の数平均分子量が、それぞれの下限値未満である場合、得られる転写シートおよび化粧板の耐沸水性が低下する恐れがあり、上限値を超える場合、塗装作業性が低下する恐れがある。 【0016】本発明において、上記熱可塑性高分子樹脂組成物の樹脂固形分100重量部中の高脆性樹脂の樹脂固形分としては、2.5〜400重量部であることが好ましく、10〜350重量部であることがさらに好ましい。上記樹脂固形分が2.5重量部未満である場合、得られる転写シートの耐ブロッキング性が低下する恐れがあり、400重量部を超える場合、得られる転写シートの可撓性が低下し、シートにひびが入りやすくなる恐れがある。 【0017】また、本発明の転写シート用ベースコート組成物には、ポットライフに支障のない範囲で、メラミンやイソシアネート等の熱硬化性樹脂成分を、硬化補助剤として含むことができる。 【0018】本発明の転写シート用ベースコート組成物は、得られる転写シートの耐ブロッキング性を向上するために、上記以外に必要に応じて、粒子成分および/またはワックスを含むことができる。上記粒子成分としては特に限定されず、例えば、有機樹脂粒子、無機粒子および繊維等を例示することができる。 【0019】上記有機樹脂粒子として、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂等を挙げることができ、また、上記無機粒子として、具体的には、シリカ、沈降性硫酸バリウム、タルク、天然または合成雲母、炭酸石灰粉、石膏、クレー、珪藻土、アルミホワイト、炭酸マグネシウム、ガラス、長石、石英等を挙げることができる。これらの平均粒子径は特に限定されないが、0.01〜50μmであることが好ましい。また、上記繊維として、具体的には、チタン酸カリウム、炭素、ガラス、塩基性硫酸マグネシウム等を挙げることができ、その長さは、例えば、20〜300μm、直径は30μm以下であることが好ましい。 【0020】なお、本発明の転写シート用ベースコート組成物に含むことができる粒子成分としては、分散性やコスト等の観点から、有機樹脂粒子であるアクリル樹脂粒子および/または無機粒子であるシリカ粒子であることが好ましい。上記アクリル樹脂粒子およびシリカ粒子は特に限定されず、当業者によってよく知られているものを挙げることができる。 【0021】本発明の転写シート用ベースコート組成物が上記粒子成分を含んでいる場合、ベースコート組成物の固形分100重量部に対する含有量としては特に限定されないが、例えば、0.1〜300重量部である。上記粒子成分は2種類以上であってもよい。 【0022】また、上記ワックスとしては特に限定されず、例えば、融点が50〜150℃のポリエチレン、ポリプロピレン等の合成ワックス、パラフィン、マイクロクリスタリン等の石油系ワックス、オゾケライト等の鉱物系ワックス、鯨ロウ等の動物系ワックス、カルナバロウ等の植物系ワックスおよびこれらの酸化物や、その中和塩等の変性物を例示することができる。 【0023】本発明の転写シート用ベースコート組成物が上記ワックスを含んでいる場合、ベースコート組成物の固形分100重量部に対するその含有量は特に限定されないが、例えば、固形分で0.01〜5重量部とすることができる。上記ワックスは2種類以上であってもよい。 【0024】本発明の転写シート用ベースコート組成物は、得られる転写シートの意匠性を向上するために、着色成分を含むことができる。上記着色成分としては、具体的には着色顔料、染料を挙げることができるが、得られる転写シートおよび化粧板の耐候性の観点から、着色顔料であることが好ましい。上記着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、弁柄、黄色酸化鉄、カーボンブラック等の無機着色顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系顔料、アゾ系顔料等の無機着色顔料を例示することができる。 【0025】また、本発明の転写シート用ベースコート組成物は、その他の成分として、各種添加剤や各種溶剤等、当業者によってよく知られているものを含むことができる。 【0026】転写シート本発明の転写シートは、ベースフィルム上に、放射線硬化樹脂を含む転写層、さらにその上部にベースコート層が設けられている転写シートであって、上記ベースコート層が、先の転写用ベースコート組成物であることを特徴とするものである。上記ベースフィルムとしては、転写層に対して剥離性を有するベースフィルムからなるものであり、放射線を透過するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの各種合成樹脂から形成されたフィルム、および合成紙などの表面処理を施された紙類等からなるものを挙げることができる。透明性および強度の観点から、このような剥離性を有するベースフィルムとしては、PET樹脂フィルムが好ましい。 【0027】上記ベースフィルムの膜厚は特に限定されるものではないが、一般的に10〜200μmが好ましく、25〜100μm程度がさらに好ましい。上記剥離性を有するフィルムの膜厚が10μm未満の場合、フィルムの強度が不充分になり、得られる転写シートを用いて化粧板を製造した後、使用時においてベースフィルムを剥離する際に破断する恐れがあり、また、200μmを超える場合、それに比例した効果が得られないため経済的でなく、また、転写層に放射線を照射し硬化させる際、転写層に到達する放射線の量が減少し、硬化が不充分になる恐れがある。 【0028】また、転写層の表面に凹凸を形成し、艶消し調の転写シートを形成する場合には、転写層と接する面にエンボス加工等を施し凹凸面を形成した上述のベースフィルムを、剥離性を有するベースフィルムとして用いることができる。 【0029】本発明の転写シートにおける転写層は、上記ベースコート層上に設けられるものであり、放射線硬化樹脂を含んでいるものである。上記放射線硬化樹脂は、紫外線や電子線等によって硬化する樹脂であり、具体的には、エチレン性不飽和二重結合を分子内に1個以上有する化合物の単体または混合物等を挙げることができる。このようなものとしては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルポリアクリレート樹脂、ポリエステルポリメタクリレート樹脂、エポキシポリメタクリレート樹脂、エポキシポリアクリレート樹脂、ポリエステルポリメタクリレート樹脂、ウレタンポリアクリレート樹脂、ウレタンポリメタクリレート樹脂、アクリルポリアクリレート樹脂、アクリルポリメタクリレート樹脂などを例示することができる。 【0030】上記放射線硬化樹脂を、紫外線の照射によって硬化させる樹脂として用いる場合には、上記放射線硬化樹脂には、さらに、光重合開始剤を含むことができる。光重合開始剤としては、紫外線硬化用として通常用いられる公知の光重合開始剤を用いることができる。また、上記光重合開始剤を含まない場合には、上記放射線硬化樹脂は、一般に電子線の照射によって硬化させることができる。上記転写層には上記放射線硬化樹脂の他に、熱硬化性樹脂、芳香族系石油樹脂、粒子等を含んでいてもよい。 【0031】上記転写層の膜厚は特に限定されるものではないが、一般的に10〜200μmが好ましく、25〜100μm程度がさらに好ましい。上記転写層の膜厚が10μm未満の場合、転写層の強度が不充分になり、得られる転写シートを用いて化粧板を製造した後、使用時においてベースフィルムを剥離する際に破断する恐れがあり、また、200μmを超える場合、それに比例した効果が得られないため経済的でない。また、乾燥に要する時間も長くなる恐れがあり、さらに、転写層に放射線を照射し硬化させる際、照射時間が長くなり生産性が低下する恐れがある。なお、上記転写層の表層は、その上にさらに、ベースコート層を設ける観点から、指触乾燥していることが好ましい。 【0032】本発明の転写シートにおけるベースコート層は、転写シートに対する意匠性の付与および下地隠蔽性を目的として、上記転写層上に設けられるものである。上記ベースコート層は、ベースコート組成物からなるものである。ここで、上記ベースコート組成物は、先の転写シート用ベースコート組成物である。 【0033】上記ベースコート層の膜厚は特に限定されるものではないが、一般には、乾燥膜厚として、5〜50μmに設定される。上記ベースコート層の膜厚が5μm未満である場合、下地隠蔽性が不充分になる恐れがあり、また、50μmを超える場合、それに比例した効果が得られないため経済的でなく、また、ベースコート層の乾燥に時間がかかる恐れがある。なお、上記ベースコート層の表層は、得られる転写シートを基材に貼り合わせる際の付着性や得られる転写シートをロール状に巻き取ってあるいは重ねて保管するという観点から、指触乾燥していることが好ましい。 【0034】本発明の転写シートは、上記転写層と上記ベースコート層との間に、意匠性の付与を目的として、図柄層を設けてもよい。 【0035】上記図柄層としては、具体的には、転写箔層から得られるものやインキからなるもの等を挙げることができる。上記転写箔層は、例えば、フィルムや剥離性樹脂をコーティングした紙などの台紙層上に、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などの印刷方法を用いて図柄層を印刷することによって得られるものである。従って、上記転写層上に転写箔層を設けた後、転写箔層表層の台紙層を取り除いた後、上記ベースコート層を設ける必要がある。また、上記インキからなる図柄層は、例えば、転写層上にインキを直接印刷することによって得られるものである。ここで、上記図柄層は、不連続な層であっても、全面を覆うような連続した層であってもよい。 【0036】上記図柄層の膜厚は特に限定されるものではないが、一般には、0.1〜5μmに設定される。上記図柄層の膜厚が0.1μm未満の場合、図柄自体が不鮮明になり意匠性が低下する恐れがあり、また、5μmを超える場合、図柄層による凹凸が目立つようになり、最終的に得られる化粧板の平滑性が低下する恐れがある。 【0037】転写シートの製造方法本発明の転写シートの製造方法は、ベースフィルム上に、放射線硬化樹脂組成物からなる塗料を塗布した後、乾燥させて転写層を形成する工程(1)、上記工程(1)で得られた転写層上に、ベースコート塗料を塗布した後、乾燥させてベースコート層を形成する工程(2)を含んでいる転写シートの製造方法であって、上記ベースコート塗料が、上述の転写シート用ベースコート組成物であることを特徴とするものである。 【0038】本発明の転写シートの製造方法における第1の工程としては、ベースフィルム上に放射線硬化樹脂組成物からなる塗料を塗布するものである。上記ベースフィルム、上記放射線硬化樹脂組成物としては、具体的には、上述したそれぞれを挙げることができる。上記放射線硬化樹脂組成物からなる塗料としては、具体的には、上記放射線硬化樹脂組成物を含んでいて、その形態としては、一般に塗装により塗膜として形成することができる塗料であれば、特に限定されないが、塗布の容易さの観点から、水または有機溶媒等の溶剤成分を含んだ有機溶剤型、水性、エマルジョン型等の塗料形態であってもよい。上記ベースフィルムに対する塗料の塗布方法としては、例えば、刷毛塗り、浸漬コーティング、スプレーコーティング、ダイコーティング、ロールコーティング、カーテンフローコーティングなどの方法が挙げられるが、経済性や得られる転写層外観の量産安定性の観点から、ダイコーティングが好ましい。 【0039】さらに、塗布後、50〜150℃で2〜3分間乾燥して塗布された放射線硬化樹脂組成物内に残留している溶剤成分を除去することによって転写層を得ることができる。上記転写層内の溶剤成分の除去は、転写層上に他の層を形成する際の付着性の観点から、充分に行うことが好ましい。 【0040】本発明の転写シートの製造方法における第2の工程は、上記転写層上に、ベースコート塗料を塗布した後、乾燥させてベースコート層を形成するものである。上記ベースコート塗料は、先のベースコート組成物である。 【0041】上記ベースコート塗料の塗布方法としては、具体的には、上記放射線硬化樹脂組成物で述べた方法が挙げられる。また、本発明の転写シートの製造方法によって得られた転写シートを基材に貼り合わせる際の付着性や、得られる転写シートをロール状に巻き取ってあるいは重ねて保管するという観点から、ベースコート層内に残留している溶剤成分が除去されるように乾燥されることが好ましい。この乾燥は、硬化させるものではなく、乾燥温度および乾燥時間は、ベースコート層の種類および膜厚によって適宜決定される。 【0042】また、本発明の転写シートの製造方法においては、得られる転写シートに対する意匠性の付与の観点から、転写層上に図柄層を設けてもよい。上記図柄層としては、具体的には、上述の転写シートの項で述べたものを挙げることができる。上記図柄層の形成方法としては、例えば、上記転写層上に転写シートの項で述べた転写箔を貼り合わせる方法や、上記転写層上に直接印刷する方法を例示することができる。転写箔を貼り合わせる方法としては、具体的には、上記転写箔の図柄が下になり、台紙が上になるように転写層上に重ね合わせ、加熱や加圧する方法等を挙げることができる。また、直接印刷する方法としては、具体的には、上記転写層上にスクリーン印刷やインクジェット法等の印刷方法によって、所望の図柄を直接印刷すること方法等を挙げることができる。 【0043】さらに、本発明の転写シートの製造方法においては、上記転写層上または上記図柄層上に、ベースコート層を形成してもよい。ここで、上記図柄層が転写箔からなる場合、上記転写箔から台紙を剥離した後、ベースコート層を形成する必要がある。上記ベースコート層は、ベースコート組成物からなるものである。上記ベースコート組成物としては、具体的には、上述の転写シートの項で述べたものを挙げることができる。 【0044】上記ベースコート層は、上記転写層上または上記図柄層上に上記ベースコート組成物を塗布することによって形成される。なお、上記図柄層が転写箔層からなる場合は、台紙層を剥離した後、上記ベースコート組成物を塗布する。上記ベースコート組成物の塗布方法としては、具体的には、上記放射線硬化樹脂組成物で述べたものを挙げることができる。また、本発明の転写シートの製造方法によって得られた転写シートを基材に貼り合わせる際の付着性や、得られる転写シートをロール状に巻き取ってあるいは重ねて保管するという観点から、ベースコート層内に残留している溶剤成分が除去されるように乾燥されることが好ましい。この乾燥は、硬化させるものではなく、乾燥温度および乾燥時間は、ベースコート層の種類および膜厚によって適宜決定される。 【0045】化粧板の製造方法本発明の化粧板の製造方法は、ベースフィルム上に転写層が形成され、かつ、最上層にベースコート層が形成されている転写シートにおいて、上記ベースコート層の面を、接着剤を用いて基材上に貼り合わせる工程(1)、上記工程(1)の後、上記ベースフィルム側から放射線を照射する工程(2)、上記工程(2)の後、上記ベースフィルムを剥離する工程(3)を含んでいる化粧板の製造方法であって、上記転写シートが、先の転写シートであることを特徴とするものである。 【0046】上記基材としては、例えば、住宅やビルディングなどの建築物における内装材や外壁材などに用いられる基材が挙げられ、具体的には、石膏ボードなどの石膏系基材類、パルプセメント板や木片セメント板などの繊維セメント板類、コンクリート類、鉄やアルミニウムなどの金属板類、板紙や石膏ボード紙などの紙類、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等の各種樹脂フィルム類、木や合板などの木質基材類等が挙げられる。これらの基材は板状であってもよいし、任意の形状に成形されたものであってもよい。また、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、スレート板などの基材などの場合、一般に施されるシーラー材の塗布やサンディングシーラー材の塗布および表面平滑化などの下地処理が行われたものであってもよい。 【0047】上記工程(1)としては、具体的には、上記ベースコート層の層の面に接着剤を塗布し、接着剤内に残留している溶剤成分が除去されるように乾燥させた後、基材に貼り合わせ、所定の温度で加熱硬化させる工程である。ここで、上記乾燥は、硬化させるものではなく、付着性の観点から行われるものであり、乾燥温度および乾燥時間は、接着剤の種類および接着剤層の膜厚によって適宜決定される。また、上記所定の温度は、上記の接着剤の種類によって決定されるが、省エネルギー、省資源の観点および転写層や図柄層の耐熱性の観点から、60〜150℃であることが好ましい。 【0048】上記接着剤の塗布方法としては、具体的には、上記放射線硬化樹脂組成物で述べた方法が挙げられる。また、上記接着剤の塗布膜厚としては、特に限定されるものではないが、一般には、乾燥膜厚として、5〜100μmに設定される。上記乾燥膜厚が5μmより薄膜になると、接着剤としての効果が充分に得られない。また、上記乾燥膜厚が100μmより厚膜になると、それに比例した効果が得られないため経済的でなく、また、形成された接着剤層の乾燥に時間がかかる場合がある。 【0049】上記接着剤としては、特に限定されないが、接着性の観点から、具体的には、熱硬化性樹脂成分を含んでいることが好ましい。上記熱硬化性成分としては、熱硬化性樹脂および硬化剤からなる。ただし、熱硬化性樹脂が単独で硬化性を有する場合、熱硬化性樹脂成分として硬化剤は必要でない場合がある。 【0050】上記熱硬化性樹脂の種類としては、特に限定されないが、具体的には、熱硬化性官能基を有するアクリル樹脂、飽和または不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂等を挙げることができる。また、上記硬化剤としては、上記熱硬化性樹脂が有する硬化性官能基に応じて、当業者によってよく知られている種々のものを選択することができる。 【0051】本発明における接着剤層を形成する接着剤は、バインダーとして上記熱硬化性樹脂成分の他に、熱可塑性樹脂組成物を含んでいてもよい。上記熱可塑性樹脂組成物は、例えば、ウレタン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、エチレン−ビニルアルコール重合体等のビニル重合体が挙げることができる。 【0052】また、上記熱硬化性樹脂成分としては、カルボジイミド化合物を含むことができる。特に、上記熱硬化性樹脂成分がカルボジイミド基と反応しうる基、例えば、カルボン酸基、アミノ基、イソシアネート基および水酸基等を含有している場合、さらに、カルボジイミド化合物を含有することで、最終的に得られる化粧板の耐水性が高くなる。特に、上記熱硬化性樹脂成分としてイソシアネートが含有されている場合は、その効果が高い。 【0053】上記接着剤の種類は、化粧板としての要求性能に応じて選定することができる。例えば、化粧板を浴室用壁材に用いる場合には、耐水性を有する接着剤が好ましく、台所の壁材に用いられる場合には、耐熱性を有する接着剤が好ましい。 【0054】このように、上記接着剤は、通常の接着剤としての性能だけでなく、得られた転写シートを基材上に貼り付ける際に基材の凹凸や色などの下地に対する隠蔽効果を併せ持たせたり、さらに顔料を含むことによって意匠性を付与させることもできる。 【0055】本発明の化粧板の製造方法は、上記工程(1)の後、さらに、上記工程(2)および(3)を行うが、これらは、具体的には、上述の接着剤を用いない場合と同様のものを挙げることができる。 【0056】本発明の化粧板は、上記工程(1)、(2)および(3)によって得ることができるものである。 【0057】 【実施例】製造例1〜6 アクリル樹脂溶液1および2、ポリエステル樹脂溶液、エポキシ樹脂溶液、繊維素誘導体溶液および石油樹脂溶液の調製表1の配合に従い、原料を60℃に加温しながらホモミキサーにて撹拌し、均一に溶解させて、各樹脂溶液を得た。 【0058】 製造例7 顔料分散ペーストP1の調製 製造例1で得られたアクリル樹脂溶液1 50重量部 CR−97(石原産業社製二酸化チタン) 40重量部 キシレン 5重量部 イソプロピルアルコール 5重量部上記原料を混合し、φ1.3mmガラスビーズを用いてサンドグラインドミルにて、分散粒子径が10μm未満になるまで分散し、顔料分散ペーストP1を得た。 【0059】製造例8〜11 顔料分散ペーストP2〜P5の調製表2の配合に従い、製造例7と同様にして、顔料分散ペーストP2ないしP5を得た。 【0060】 製造例12 転写シート用放射線硬化樹脂組成物の調製 熱可塑性アクリル樹脂 67重量部 (商品名「コーポニール1335」、日本合成化学社製、樹脂固形分100重量%) ウレタンアクリレート 60重量部 (商品名「NKエステルA−6HA」、新中村化学社製、樹脂固形分100重量%) 光重合開始剤 5重量部 (商品名「イルガキュア184」、チバスペシャリティー・ケミカルズ社製、固形分100重量%) 製造例5で得られた繊維素誘導体溶液 5重量部 無機粒子 2重量部 (商品名「ニップシールE−200A」、日本シリカ工業社製シリカ粒子、コールターカウンタ法によって測定された平均粒子径2.5μm) 水酸基含有アクリル樹脂 3.6重量部 (商品名「アクリット6AN−400」、大成化工社製、固形分重量45%) 脂肪族ポリイソシアネート 0.4重量部 (商品名「スミジュールN−3300」、住友バイエルウレタン社製、樹脂固形分100重量%) 上記原料を混合し、ホモミキサーにて撹拌して均一に溶解した後、酢酸エチルを用いて希釈し、25℃での粘度が500cpsになるように調整し、転写シート用放射線硬化樹脂組成物を得た。 【0061】 製造例13 無色接着剤の調製 水酸基含有ポリウレタン樹脂 100重量部 (商品名「ハイボン7662」、日立化成ポリマー社製、固形分重量30%) イソシアネート硬化剤 5重量部 (商品名「スミジュールN−3300」、住友バイエルウレタン社製、固形分重量100%) 上記原料を混合し、ディスパーにて均一に溶解した後、さらに、酢酸エチルを用いて希釈し、25℃での粘度が300cpsになるように調整し、無色接着剤を得た。 【0062】 実施例1 ベースコート組成物1 製造例1で得られたアクリル樹脂溶液1 70重量部 製造例7で得られた顔料分散ペーストP1 100重量部 製造例5で得られた繊維素誘導体溶液 13.4重量部上記原料を混合し、ホモミキサーを用いて10分間撹拌して均一にした。さらに、キシレン/イソプロピルアルコール=75/25(重量比)混合溶媒で希釈し、20℃での粘度が300cpsであるベースコート組成物1を得た。 【0063】実施例2〜19 ベースコート組成物2〜19表3および4の配合に従い、実施例1と同様にして、20℃での粘度が300cpsであるベースコート組成物2〜19を得た。 【0064】比較例1〜3 ベースコート組成物20〜22表3の配合に従い、実施例1と同様にして、20℃での粘度が300cpsであるベースコート組成物20〜22を得た。 【0065】実施例20 転写シート1ポリエチレンテレフタレートフィルムロールから供給された厚さ50μm、長さ500m、幅100cmの透明なPETフィルム上に、製造例12で得られた転写シート用放射線硬化樹脂組成物を乾燥膜厚50μmとなるようにコンマコータにて塗布した後、熱風乾燥炉にて110℃で2分間乾燥し、PETフィルム層上に転写層を設けた。さらに、図柄層を下にして転写箔を重ね合わせ、転写箔の台紙を剥離しながら転写ロールにて4Kg/cm2かつ80℃で貼り合わせることで、転写層上に図柄層を設けた。その後、図柄層上に、実施例1で得られたベースコート組成物1を乾燥膜厚20μmとなるようにコンマコータにて塗布した後、熱風乾燥炉にて110℃で2分間乾燥し、図柄層上にベースコート層を設けた転写シート1を得た。その後、得られた転写シート500mを10m/分の速度でロール状に巻き取った。 【0066】実施例21〜38 転写シート2〜19実施例1で得られたベースコート組成物1の代わりに、それぞれ実施例2〜19によって得られたベースコート組成物2〜19を用いたこと以外は、実施例20と同様にして転写シート2〜19を得た。その後、得られた転写シート500mを各々10m/分の速度でロール状に巻き取った。 【0067】比較例4〜6 転写シート20〜22実施例1で得られたベースコート組成物1の代わりに、それぞれ比較例1〜3で得られたベースコート組成物20〜22を用いたこと以外は、実施例20と同様にして転写シート20〜22を得た後、ロール状に巻き取った。 【0068】実施例39 化粧板1実施例20で得られた転写シート1のベースコート層上に、製造例13で得られた無色接着剤を乾燥膜厚20μmとなるようにコンマコータにて塗布した後、熱風乾燥炉にて100℃で2分間乾燥させた。続いて、この接着剤面をスレート板上に重ね合わせ、4Kg/cm2かつ80℃でラミネートした。その後、転写シート1のPETフィルム側の面を、集光型反射板を使用した120W/cmの高圧水銀灯の下を10m/分の速度で通過させることにより転写層を硬化させ、さらに、スレート板が貼り付けられていない転写シートのみの部分をカッターナイフ等で切り離し、さらに表面のPETフィルムを剥離して化粧板1を得た。 【0069】実施例40〜57 化粧板2〜19実施例20で得られた転写シート1の代わりに、それぞれ実施例21〜38で得られた転写シート2〜19を用いたこと以外は、実施例39と同様にして、化粧板2〜19を得た。 【0070】比較例7〜9 化粧板20〜22実施例20で得られた転写シート1の代わりに、それぞれ比較例4〜6で得られた転写シート20〜22を用いたこと以外は、実施例39と同様にして化粧板20〜22を得た。 【0071】評価試験<ポットライフ>実施例1〜19および比較例1〜3で得られたベースコート組成物1〜22について、室温にて5時間および30日間放置した時の塗料状態の変化を評価した。評価基準は以下の通りである。なお、評価結果は表5に示した。 ○:粘度変化が見られない△:粘度上昇が著しい×:ゲル化している【0072】<耐ブロッキング性>実施例20〜38および比較例4〜6で得られた転写シート1〜22について、それぞれ10×10cmの大きさに切断した転写シート2枚を準備し、そのPETフィルム層の面とベースコート層の面とを重ね合わせて1000Kgの荷重の下、40℃にで24時間放置した時の、重ね合わせた転写シートの剥離性を評価した。評価基準は以下の通りである。なお、評価結果は表6に示した。 ◎:剥離が容易であり、剥離時の発音もなく剥離後の転写シートに不具合がない○:剥離が容易であり、剥離後の転写シートに不具合がないが、剥離時に発音がある×:剥離が困難であり、剥離時の発音が大きく、PETフィルム層/転写層間で剥離がある【0073】<耐沸水性>実施例39〜57および比較例7〜9で得られた化粧板1〜22について、90〜100℃の沸水に4時間浸漬した後、60℃で2時間乾燥する試験を1サイクルとして、10サイクル繰り返した後の化粧板を目視にて評価したところ、いずれの化粧板も、その外観においてフクレ、クラック等の変化は見られなかった。また、カッターナイフで4mm角のマス目を16個入れ、セロハンテープによる剥離試験を行ったが、マス目の剥離は全く見られなかった。 【0074】<耐温水試験>実施例39〜57および比較例7〜9で得られた化粧板1〜22について、60℃の温水に240時間浸漬した後、60℃で24時間乾燥した化粧板を、上記耐沸水試験と同様にして目視にて評価したところ、いずれの化粧板も、その外観の変化、マス目の剥離ともに全く見られなかった。 【0075】 【表1】
【0076】 【表2】
【0077】 【表3】
【0078】 【表4】
【0079】 【表5】
【0080】 【表6】
【0081】表5および6から明らかなように、本発明の高脆性樹脂を含んでいる熱可塑性高分子樹脂組成物からなる転写シート用ベースコート組成物は、ポットライフが長かった。また、本発明の転写シート用ベースコート組成物を用いた転写シートは、耐ブロッキング性に優れていた。さらに、本発明の転写シート用ベースコート組成物を用いた化粧板は、耐沸水性、耐温水性にも優れていた。また、転写シート用ベースコート組成物に粒子成分および/またはワックスを含めることによって、得られた転写シートの耐ブロッキング性がさらに向上した。 【0082】 【発明の効果】本発明の転写シート用ベースコート組成物は、高脆性樹脂を含んでいる熱可塑性高分子樹脂組成物からなることを特徴とするので、ポットライフが長い。これは、本発明のベースコート組成物が、熱硬化性でなく、熱可塑性であることによる。従って、転写シートの製造終了後、製造機器内に残留しているベースコート組成物を回収し、再度使用することができる。 【0083】また、本発明の転写シート用ベースコート組成物を用いた転写シートは、ブロッキング性が良好である。これは、ベースコート組成物に含まれる高脆性樹脂によって、粘着性を制御していることによると考えられる。さらに、本発明の転写シート用ベースコート組成物に粒子成分および/またはワックスを含めることによって、得られる転写シートの耐ブロッキング性が向上する。これは、粒子成分を含むことによってベースコート層表面が凹凸になり、ベースフィルムとの接触面積が低下することや、ワックスを含むことによってベースコート層とベースフィルムとの親和性が低下することによると考えられる。 【0084】さらに、本発明の転写シート用ベースコート組成物を用いた化粧板は、耐沸水性および耐温水性が良好である。これは、得られるベースコート層が、高分子膜であり、水の浸透を防いでいることによると考えられる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000230054 【氏名又は名称】日本ペイント株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月8日(2000.3.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−247824(P2001−247824A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月14日(2001.9.14) |
| 【出願番号】 |
特願2000−63732(P2000−63732) |
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