| 【発明の名称】 |
親水化処理用組成物及び親水化処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】平戸 伸治
【氏名】新田 慎一郎
【氏名】田幸 昇
【氏名】大坪 昭雄
【氏名】田中 正一
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| 【要約】 |
【課題】親水性の持続性、耐水溶解性、密着性及び耐食性に優れた被膜を形成できる親水化処理用組成物及びこの組成物を用いた熱交換器フィン材の親水化処理方法を提供する。
【解決手段】(A)水分散性シリカ、(B)水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂、及び(C)架橋剤を含有する親水化処理用組成物であって、水分散性シリカ(A)/水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂(B)の固形分重量比が60/40〜90/10の範囲内にあり、かつ平滑なガラス板に塗装した乾燥膜厚が1.0μmの塗膜表面の中心線平均粗さRaが0.3μm以下であることを特徴とする親水化処理用組成物及び該親水化処理用組成物からの塗膜が表面層として形成されてなるアルミニウム製熱交換器フィン材。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)水分散性シリカ、(B)水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂、及び(C)架橋剤を含有する親水化処理用組成物であって、水分散性シリカ(A)/水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂(B)の固形分重量比が60/40〜90/10の範囲内にあり、かつ平滑なガラス板に塗装した乾燥膜厚が1.0μmの塗膜表面の中心線平均粗さRaが0.3μm以下であることを特徴とする親水化処理用組成物。 【請求項2】 水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂(B)がポリビニルアルコールである請求項1記載の親水化処理用組成物。 【請求項3】 架橋剤(C)が金属アルコキシドである請求項1又は2記載の親水化処理用組成物。 【請求項4】 さらに(D)湿潤作用を有する界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の親水化処理用組成物。 【請求項5】 さらに(E)防菌剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の親水化処理用組成物。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の親水化処理用組成物をアルミニウム製熱交換器フィン材に塗布することを特徴とするフィン材の親水化処理方法。 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の親水化処理用組成物からの塗膜が表面層として形成されてなるアルミニウム製熱交換器フィン材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、親水持続性に優れた被膜を形成しうる親水化処理用組成物、それを用いた熱交換器フィン材親水化処理方法及び該組成物を塗布した熱交換器フィン材に関する。 【0002】 【従来の技術及びその課題】空調機の熱交換器は冷房時に発生する凝縮水が水滴となってフィン間に水のブリッジを形成し、空気の通風路を狭めるため通風抵抗が大きくなって電力の損失、騒音の発生、水滴の飛散などの不具合が発生する。かかる現象を防止する方策として、例えば、アルミニウム製フィン材(以下、「フィン材」という)の表面を親水化処理して水滴及び水滴によるブリッジの形成を防止することが行われている。 【0003】親水化処理方法としては、例えば、(1)アルミニウムの表面処理法として知られているベーマイト処理方法;(2)一般式 mSiO2/nNa2O で示される水ガラスを塗布する方法(例えば、特公昭55−1347号公報、特開昭58−126989号公報など参照);(3)有機樹脂にシリカ、水ガラス、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、チタニアなどを混合した塗料又はこれらの塗料に界面活性剤を併用した塗料を塗布する方法(例えば、特公昭57−46000号公報、特公昭59−8372号公報、特公昭62−61078号公報、特開昭59−229197号公報、特開昭61−225044号公報など参照);(4)有機−無機(シリカ)複合体樹脂と界面活性剤よりなる塗料を塗布する方法(特開昭59−170170号公報参照)などが挙げられ、これら方法の中の一部は既に実用化されている。 【0004】以上に例示したごとく熱交換器の親水化処理技術は実用化されているものの、処理板の親水性の持続性(水滴接触角、全面水濡性)、耐食性などの点で未だ改良すべき問題点がある。 【0005】特に、近年、熱交換器の一層の小型化、軽量化等のためにフィン材の間隔が狭くなっており、そのためより高度の親水性が必要となってきているが、前記(3)及び(4)の処理方法では十分な親水持続性を発揮させることはできない。 【0006】また、前記(1)のベーマイト処理方法においては耐食性に問題があり、しかも得られる被膜が硬いためプレス加工性に問題がある。さらに前記(2)の水ガラスを塗布する方法は、処理されたフィン材の水滴接触角が20度以下という良好な親水持続性を示すが、水ガラスで処理したフィン材は経時で処理皮膜面が粉状を呈するようになり、通風時に飛散しセメント臭又は薬品臭が発生する。しかも熱交換器の運転時に発生する凝縮水によって水ガラスが加水分解し、フィン材表面がアルカリ性となるため孔食が起こり易く、また、腐食生成物である水酸化アルミニウム粉末(白粉)が飛散することが知られており、環境保全上の問題もある。 【0007】また、熱交換器の表面処理方法として、■アルミニウム板を成型加工してフィンを作成し、このものを組立てた後、表面処理剤を浸漬、スプレー、シャワーなどの手段により塗布する、いわゆるアフターコート法と、■あらかじめロールコータなどの手段によりアルミニウム板に表面処理膜を形成した後、この板にプレス成型加工を施してフィン材を作成する、いわゆるプレコート法の二方法がある。後者の■の方法において、親水化被膜層に無機質成分、例えばシリカ、水ガラス、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、チタニアなどが混在していると、プレス成型を行った際に、フィン材の成型不良、親水化被膜の破壊による耐食性の劣化、さらに金型寿命の短縮による経済的損失などの問題が危惧されるため、例えば、以下の方法が提案されている。 (1) ポリビニルアルコールと特定の水溶性ポリマーと水溶性架橋剤とを組合せて用いる方法(特開平3−26381号公報、特開平1−299877号公報参照)、(2) 特定の親水性モノマーからなる親水性重合体部分と疎水性重合体部分とからなるブロック共重合体と、金属キレート型架橋剤とを組合せて用いる方法(特開平2−107678号公報、特開平2−202967号公報参照)、(3) ポリアクリルアミド系樹脂を用いる方法(特開平1−104667号公報、特開平1−270977号公報参照)、(4) ポリアクリル酸ポリマーなどの高分子と、この高分子と水素結合によるポリマーコンプレックスを形成し得るポリエチレンオキサイドやポリビニルピロリドンなどの高分子とを組合せて用いる方法(特開平6−322292号公報参照)。 【0008】しかしながら、これらの方法で得られる親水化処理被膜は、プレス成型時における成型不良の問題はかなり改善されるものの、親水性の持続性や処理被膜の耐水溶解性に問題がある。また、プレス成型性については、成型加工用のアイアニングポンチなどの金型を超硬度にしたり、揮発プレス油の使用量の調整などにより親水化皮膜層にシリカなどの無機質成分が混在していても成型不良、金型摩耗などの問題が回避できるようになった。 【0009】本発明の目的は、かかる背景から、親水性の持続性、耐水溶解性、密着性及び耐食性に優れた親水化処理被膜を形成できる親水化処理用組成物を提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】しかして、本発明は、(A)水分散性シリカ、(B)水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂、及び(C)架橋剤を含有する親水化処理用組成物であって、水分散性シリカ(A)/水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂(B)の固形分重量比が60/40〜90/10の範囲内にあり、かつ平滑なガラス板に塗装した乾燥膜厚が1.0μmの塗膜表面の中心線平均粗さRaが0.3μm以下であることを特徴とする親水化処理用組成物を提供するものである。 【0011】また本発明は、上記親水化処理用組成物をアルミニウム製熱交換器フィン材に塗布することを特徴とするフィン材の親水化処理方法を提供するものである。 【0012】さらに本発明は、上記親水化処理用組成物からの塗膜が表面層として形成されてなるアルミニウム製熱交換器フィン材を提供するものである。本発明について以下に詳細に説明する。 【0013】 【発明の実施の形態】まず、本発明の親水化処理用組成物について説明する。本発明の親水化処理用組成物は、下記水分散性シリカ(A)、水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂(B)、及び架橋剤(C)を含有する。 【0014】水分散性シリカ(A)本発明組成物における(A)成分である水分散性シリカは、いわゆるシリカゾル又はシリカ微粉末であって、粒子径が7nm〜10μm、好ましくは7nm〜1μmで、通常、水分散液として供給されているものをそのまま使用するか、又はシリカ微粉末を水に分散させて使用することができる。 【0015】水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂(B)本発明組成物における(B)成分である水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂は、分子内に水酸基、カルボキシル基又はアミノ基を含有し、そのままで、又は官能基に応じ酸もしくは塩基で中和することにより、水溶化ないしは水分散化可能な樹脂を挙げることができる。親水性有機樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール(例えば、アクリルアミド、不飽和カルボン酸、スルホン酸モノマー、カチオン性モノマー、不飽和シランモノマーなどとの共重合物)、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、カルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂とアミンとの付加物、親水性ポリアミド、エチレンとアクリル酸との共重合体アイオノマーなどの合成親水性樹脂;デンプン、セルロース、アルギンなどの天然多糖類;酸化デンプン、デキストリン、アルギン酸プロピレングリコール、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの天然多糖類の誘導体を挙げることができる。有機重合体樹脂は、その官能基に応じて、中和せずそのままで又は中和して、水溶化ないしは水分散化を行うことができる。有機重合体樹脂が酸性樹脂の場合(例えば、カルボキシル基を有する場合)には、アミン化合物、アンモニア水、アルカリ金属水酸化物で中和し、塩基性樹脂の場合(例えば、アミノ基を有する場合)には、蟻酸、酢酸、乳酸などの脂肪酸、リン酸などの鉱酸で中和することができる。 【0016】水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂(B)としては、なかでもポリビニルアルコール、特に完全ケン化型ポリビニルアルコールが好適である。 【0017】架橋剤(C)本発明組成物における(C)成分である架橋剤としては、上記有機重合体樹脂(B)と反応して硬化塗膜を形成できるそれ自体既知の架橋剤を使用することができ、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ポリエポキシ化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、金属キレート化合物などを挙げることができる。該架橋剤は一般に水溶性又は水分散性を有していることが好ましい。 【0018】架橋剤の具体例としては、例えば、メチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルエーテル化メラミン樹脂、メチル・ブチル混合エーテル化メラミン樹脂、メチルエーテル化尿素樹脂、メチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、ポリフェノール類もしくは脂肪族多価アルコールのジ−又はポリグリシジルエーテル、アミン変性エポキシ樹脂、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリイソシアヌレート体のブロック化物;チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)などの金属元素の金属キレート化合物などを挙げることができる。上記金属キレート化合物は、一分子中に少なくとも2個以上の金属アルコキシド結合を有するものが好適である。 【0019】親水化処理用組成物本発明組成物において、水分散性シリカ(A)と水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂(B)との配合割合は、(A)/(B)の固形分重量比が60/40〜90/10、好ましくは60/40〜80/20の範囲内であることが得られる塗膜の親水性、造膜性などの面から適当である。 【0020】また、架橋剤(C)の配合割合は、得られる組成物に望まれる性能などに応じて適宜選定できるものであり特に限定されるものではないが、通常、水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂(B)100重量部に基いて、0.5〜15重量部の範囲内にあることが適当である。 【0021】本発明の組成物は、水分散性シリカ(A)、水溶性ないし水分散性の有機重合体樹脂(B)及び架橋剤(C)を必須成分として含有し、必要に応じて界面活性剤(D)、防菌剤(E)、着色顔料、それ自体既知の防錆顔料(たとえばクロム酸塩系、鉛系、モリブデン酸系など)、防錆剤(たとえばタンニン酸、没食子酸などのフェノール性カルボン酸およびその塩類、フイチン酸、ホスフィン酸などの有機リン酸、重リン酸の金属塩類、亜硝酸塩など)などを含有することもできるものであり、これらの成分を、水性媒体中に溶解ないしは分散することにより調製することができる。水性媒体は、水を主成分とするものであり、さらに有機溶剤や中和剤などを含有していてもよい。 【0022】本発明の組成物は、該組成物を平滑なガラス板に塗装して形成した乾燥塗膜が塗膜厚さ1.0μmのときに、乾燥塗膜表面の中心線平均粗さ Ra が0.3μm以下、好ましくは0.28μm以下であることが必要である。上記中心線平均粗さ Ra が0.3μmを超える場合には、塗膜表面の平滑性が劣り、プレス成形性が悪くなる傾向にある。 【0023】本発明の組成物で処理された熱交換器フィン材において、例えば、熱交換器のフィンピッチが1.2mm以下の場合には、フィンと水との接触角が5度以下のいわゆる拡張濡れになることが望ましい。本発明組成物に必要に応じて配合される前記界面活性剤(D)は、塗膜の親水性を向上させる目的で配合されるものであり、表面湿潤作用を有するものであれば、陰イオン系、陽イオン系、両性イオン系、非イオン系のいずれの界面活性剤であってもよい。使用しうる界面活性剤(D)の代表例としては、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩およびアルキレンオキシドシラン化合物を挙げることができる。 【0024】これらの界面活性剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組合わせて使用することができる。界面活性剤(D)の配合量は、前記水分散性シリカ(A)と有機重合体樹脂(B)と架橋剤(C)との合計100重量部に対して、通常、20重量部以下とすることができ、好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部の範囲内である。 【0025】本発明の組成物に必要に応じて配合される防菌剤(E)は、微生物の発生や繁殖を阻止するために配合されるものである。防菌剤(E)としては特に以下の(1)〜(5)の条件を備えているものが好適である。 (1) 低毒性で安全性が高いこと; (2) 熱、光、酸、アルカリなどに対して安定であり、水に対して離溶性であり、かつ持続性にすぐれていること; (3) 低濃度で殺菌性を有するか、または菌の発育を阻止する能力を有すること; (4) 塗料に配合しても効力が低下しないこと、また、塗料の安定性を阻害しないこと; (5) 形成した被膜の親水性および耐食性を阻害しないこと。 【0026】かかる条件に適合する防菌剤はそれ自体既知の防菌・殺菌作用をもつ脂肪族系、芳香族系の有機化合物の中から選ぶことができ、例えば、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンツチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、フェノール系、第4級アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロムインダノン系等の防菌剤が挙げられる。 【0027】上記防菌剤の具体例としては、2−(4−チアゾリル)−ベンツイミダゾール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、N−ジメチル−N´−フェノール−N´−(フルオロジクロロメチルチオ)−スルファミド、O−フェニルフェノール、10,10´−オキシビスフェノキシアルシン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、ジヨードメチル−p−トルイルスルホン、2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジサルファイド、N−(トリクロロメチルチオ)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシイミドなどを挙げることができる。また、無機塩系の防菌剤も使用でき、例えばメタホウ酸バリウム、ホウ酸銅、ホウ酸亜鉛、ゼオライト(アルミノシリケート)などが代表的なものである。 【0028】これらの防菌剤はそれぞれ単独で用いてもよく或いは併用することができ、その配合量は防菌剤の種類等に応じて変えることができるが、一般には、組成物の安定性、造膜性、被膜の親水性、塗板の耐食性を阻害しない等の点を考慮して、前記水分散性シリカ(A)と有機重合体樹脂(B)と架橋剤(C)との合計100重量部に対して20重量部以下とすることが好ましく、3〜15重量部の範囲とすることがより好ましい。本発明の組成物は、金属、ガラス、木材、プラスチックス、布などの基材の上に塗布することができ、この塗膜を焼付けることによって親水性の硬化塗膜を形成せしめることができる。塗膜は硬化塗膜厚が0.3〜5μm、さらには0.5〜3μmの範囲内であることが好ましい。焼付けは一般に、素材到達最高温度が約80℃〜約250℃で焼付時間が約15秒〜30分間の条件下で行なわれる。 【0029】本発明の組成物は、特にアルミニウム製熱交換フィン材の親水化処理に有用である。アルミニウム製熱交換器フィン材の親水化処理は、該フィン材に本発明の組成物を塗布することにより行なうことができる。例えば、本発明の組成物を、十分に脱脂され、必要に応じて化成処理されたアルミニウム板(熱交換器に組立てられたものであってもよい)に、それ自体既知の方法、例えば浸漬塗装、シャワー塗装、スプレー塗装、ロール塗装、電気泳動塗装などによって塗装し、焼付けることにより行なうことができる。 【0030】 【実施例】以下、実施例及び比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。これらの例は本発明をより詳細に説明するためのものであって、本発明の範囲になんら制限を加えるものではない。「部」および「%」はそれぞれ「重量部」および「重量%」を示す。 【0031】有機重合体樹脂の製造製造例1温度計、撹拌機、冷却器、滴下ロートを具備した四つ口フラスコに、イソプロピルアルコール180部を配合し、窒素置換した後、温度約85℃に調整し、エチルアクリレート140部、メチルアクリレート68部、スチレン15部、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド15部、2−ヒドロキシエチルアクリレート38部及びアクリル酸24部よりなる単量体混合物を、2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6部とともに2時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに5時間反応を続け、重合率約100%、固形分約63%、樹脂酸価約67mgKOH/gの無色透明な樹脂溶液を得た。この樹脂溶液500部に対して、N,N−ジメチルアミノエタノール108部を混合し、水を加えた後、十分に攪拌することによって固形分約20%、pH約10のアクリル樹脂水分散液(1)を得た。 【0032】親水化処理用組成物の製造実施例1上記製造例1で得たアクリル樹脂水分散液(1)100部に、「スノーテックスN」(日産化学工業(株)製、コロイダルシリカ水分散液、固形分20%、pH9〜10)400部、「サイメル370」(三井サイテック(株)製、メチルエーテル化メラミン樹脂溶液、固形分88%)11.4部及び水を加えて固形分約20%の親水化処理用組成物を得た。 【0033】実施例2「ユニチカポバールUF−050G」(商品名、ユニチカ社製、完全ケン化型ポリビニルアルコール)の20%水溶液100部に、「スノーテックスN」400部、「チタボンド50」(日本曹達(株)製、ジイソプロポキシビス(アセトアセトナト)チタンを有効成分とするチタンキレート溶液、固形分量50%)10部(固形分量で5部)及び水を加えて固形分約20%の親水化処理用組成物を得た。 【0034】実施例3及び比較例1実施例1において、配合組成を後記表1に示すとおりとする以外は実施例1と同様に行い固形分約20%の親水化処理用組成物を得た。 【0035】実施例4〜6及び比較例2〜3実施例2において、配合組成を下記表1に示すとおりとする以外は実施例2と同様に行い固形分約20%の親水化処理用組成物を得た。 【0036】表1における配合量は固形分重量による表示とする。表1における(註)はそれぞれ下記の意味を有する。 (*1)界面活性剤A:商品名「ニューコール290M」、日本乳化剤(株)製、ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩である、添加に際しては、予め水に溶解して固形分20%の水溶液として添加した。 (*2)防菌化合物I:2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール。 【0037】 【表1】
【0038】比較例4前記製造例1で得たアクリル樹脂水分散液(1)375部をフラスコ中に仕込み、攪拌しながら125部の「スノーテックスN」を10分かけて滴下し、ついでγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン1.5部を滴下混合した後、80℃に加熱して同温度に2時間保持して反応させ、固形分約20%で乳白色のシリカ複合体組成物(a)を得た。また、別に「ニューコール290M」に水を加えて溶解させて固形分20%の界面活性剤水溶液を作成しておき、この界面活性剤水溶液25部を上記シリカ複合体組成物(a)501.5部に添加、混合して固形分約20%の親水化処理用組成物を得た。 【0039】比較例5フラスコ中に「ユニチカポバールUF−050G」の20%水溶液450部を配合し、この中に「スノーテックスN」50部を徐々に滴下、配合した後、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン1部を滴下混合し、80℃で2時間反応させ、固形分約20%のシリカ複合体組成物(b)を得た。この組成物(b)を親水化処理用組成物とした。 【0040】上記実施例1〜6および比較例1〜5で得た親水化処理用組成物を、アルカリ脱脂剤(日本シービーケミカル(株)製、商品名「ケミクリーナー561B」)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して脱脂した後、クロメート処理剤(日本パーカライジング(株)製、商品名「アルクロム712」)でクロメート処理(金属クロム換算塗着量30mg/m2 )を行ったアルミニウム板(A1050、板厚0.1mm)に、乾燥膜厚で1ミクロンとなるように塗布し、240℃の熱風で素材到達最高温度が230℃になるように30秒間焼付けし塗装板を得た。 【0041】この塗装板に揮発性プレス油を塗布し、150℃にて5分間乾燥させたものを試験塗板とし、塗膜外観、親水性、耐食性について試験を行つた。その試験結果を後記表2に示す。また、親水化処理用組成物をガラス板に塗装した塗膜の平均粗さRaも測定した。 【0042】なお、表2における試験は下記試験方法に従って行なった。 【0043】塗膜外観:試験塗板を目視にて評価した。塗膜に異常の認められないものを○とした。 【0044】水ラビング性:脱イオン水をしみ込ませたガーゼで、塗面に約4kg/cm2の圧力をかけて約5cmの距離を往復させてこすった。塗膜がとれてアルミニウム板表面が露出するまでの回数を測定し、下記基準により評価した。 ◎…10回往復してもアルミニウム板表面が露出しない○…6回以上、10回未満の往復でアルミニウム板表面が露出する△…3回以上、6回未満の往復でアルミニウム板表面が露出する×…3回未満の往復でアルミニウム板表面が露出する。 【0045】親水性:■試験塗板、■この試験塗板を水道水流水(流水量は塗板1m2 当り15kg/時)中に7時間浸漬し、引き上げて17時間塗内で乾燥させる乾湿工程を1サイクルとし、5サイクル行なった塗板の各々につき水ヌレ性および水滴の接触角を下記方法で測定した。 水ヌレ性:水道水の入ったビーカーに塗板を10秒間浸漬し、引き上げた時の塗板表面の水ヌレ状態を目視で判定する。 ○…塗板表面全面が水に濡れ、引上げ10秒後においても水の偏りがない状態△…引上げ直後は塗板表面全面が濡れているが、引上げ10秒後には塗板の端部から中央に水が寄っている状態×…引上げ直後に水玉ができ、塗板全体に水が濡れない状態。 接触角:塗板と水との接触角の測定は、塗板を80℃で5分間乾燥したのち、協和化学(株)製コンタクタングルメーターDCAA型で測定する。 【0046】耐食性:JIS−Z−2371塩水噴霧試験法に準ずる。試験時間は500時間とし、下記基準により評価した。 ○…塗面に白サビ、フクレの発生が認められない△…白サビ又はフクレが少し発生した×…白サビ又はフクレが著しく発生した。 【0047】中心線平均粗さRa:平滑なガラス板に乾燥膜厚が1μmとなるように親水化処理用組成物をバーコータにて塗装し250℃で30秒間焼付けた。この塗装板の塗膜の中心線平均粗さRaを表面粗さ計「サーフコム550A」((株)東京精密社製)で測定した。 【0048】比較例3の塗板は水ラビング性が著しく劣っていたので他の試験は行わなかった。また実施例6の試験塗板について防黴性の試験を下記の条件で行い、所定時間後の塗膜面における黴の発生状態を目視判定したところ、塗面に黴の発生は全く認められなかった。 【0049】防黴性:殺菌シャーレの中にペプトングルコース培地を作り、この上に試験塗板を置き、使用菌としてCladosporium(グラドスポリウム)sp,Penicillum(ペニシリウム)sp,Altarnaria(アルタナリア)sp,Aspergillus(アスペルギルス)spおよびTrichoderma(トリコデルマ)spの混合胞子のペプトングルコース懸濁液を噴霧し、26±2℃の温度下で28日間培養した。 【0050】 【表2】
【0051】 【発明の効果】本発明の親水化処理用組成物は、親水持続性(全面水ヌレ性及び水との接触角)、耐水溶解性、密着性及び耐食性にも優れた親水性被膜を基材上に形成することができる。さらに本発明組成物中に防菌剤を含有させることによってカビによる臭気発生を大巾に改善できる等の効果がある。 【0052】かくして、本発明の組成物で処理されたアルミニウム製熱交換器フィン材を用いることにより、熱交換器の省エネルギー化及び省資源化を達成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001409 【氏名又は名称】関西ペイント株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月6日(2000.3.6) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−247822(P2001−247822A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月14日(2001.9.14) |
| 【出願番号】 |
特願2000−60599(P2000−60599) |
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