| 【発明の名称】 |
フッ素ゴム組成物、定着部材、定着方法、及び定着装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】清村 圭博
【氏名】釜 博文
【氏名】野田 宏之
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| 【要約】 |
【課題】定着ロール表面へのトナーの付着を防止することで、長期間安定してオフセットの発生を押さえ、定着ローラの耐久性を向上した定着装置を提供することを目的とする。
【解決手段】定着部表層材料に、フッ素含有量が60wt%〜70wt%であるフッ素ゴム組成物を主成分とするフッ素ゴム組成物を用い、内添する補強剤、制酸剤、加硫剤、球状充填剤等を所定の配合量とし、組成中での内添粒子の平均粒径を5μm以下とすることにより、表層材103の表面に微小な凸部を所定の数量有する皮膜を形成する。このような定着装置を用い、記録材P上に転写されたトナーTを定着することによって、定着されたトナーTは表層材103に付着することが無く、従ってオフセットを防止することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】記録材上に転写されたトナーを定着する定着部材の表層材料に用いるフッ素ゴム組成物であって、前記表層材料がフッ化ビニリデンに基づく重合単位を有するフッ素ゴム(A)を主成分とし、補強剤(B)、制酸剤(C)、加硫剤(D)、加硫促進剤(E)、球状充填剤(F)、有機溶剤(G)を含むことを特徴とするフッ素ゴム組成物。 【請求項2】前記A成分が、テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン及びテトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/プロピレン及びフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンのいずれかからなり、且つ、フッ素含有量が60wt%〜70wt%であることを特徴とする請求項1記載のフッ素ゴム組成物。 【請求項3】前記B成分が、ミディアム・サーマルカーボンであることを特徴とし、前記フッ素ゴム組成物中に分散された状態における平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1記載のフッ素ゴム組成物。 【請求項4】前記B成分が、前記A成分100重量部に対して20重量部から40重量部含まれることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物。 【請求項5】前記C成分が、2価の金属酸化物、又は水酸化物よりなり、前記フッ素ゴム組成物中に分散された状態における平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物。 【請求項6】前記C成分が、前記A成分100重量部に対して5重量部から20重量部含まれることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物。 【請求項7】前記D成分が、ポリオール系、またはアミン系の加硫剤であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物。 【請求項8】前記D成分が、前記A成分100重量部に対して0.5重量部から5重量部含まれることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物。 【請求項9】前記E成分が、有機4級ホスホニウム塩または有機4級アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物。 【請求項10】前記E成分が、前記A成分100重量部に対して0.5重量部から5重量部含まれることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物。 【請求項11】前記F成分が、真球度80%以上、平均粒径0.5μmから10μmの範囲にあることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物。 【請求項12】前記F成分が、前記A成分100重量部に対して5重量部から30重量部含まれることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物。 【請求項13】前記G成分が、前記AからF成分からなるゴムコンパウンドを溶解させ得るか、または分散させ得る有機溶剤であることを特徴とする請求項1記載のフッ素ゴム組成物。 【請求項14】記録材上に転写されたトナーを定着する定着部材であって、前記定着部材表面に請求項1から13のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物を塗布、乾燥させた被膜を設けたことを特徴とする定着部材。 【請求項15】前記定着部材表面に多数の微小な凸部を有することを特徴とすることを特徴とする請求項14記載の定着部材。 【請求項16】前記定着部材表面の凸部の先端が球面状であることを特徴とする請求項14または15記載の定着部材。 【請求項17】前記定着部材の表面粗さRzが5μm以下であることを特徴とする請求項14から16のいずれか1項に記載の定着部材。 【請求項18】前記定着部材表面の凸部の数が1平方ミリメートル当たり5千個から100万個であることを特徴とする請求項14から17のいずれか1項に記載の定着部材。 【請求項19】記録材上に転写されたトナーを定着する定着方法であって、前記定着部材表面に請求項1から13のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物を塗布、乾燥させた被膜を設けた定着部材を用いて定着することを特徴とする定着方法。 【請求項20】記録材上に転写されたトナーを定着する定着装置であって、前記定着部材が請求項14から18のいずれか1項に記載の定着部材であることを特徴とする定着装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置に用いるフッ素ゴム組成物、定着部材、定着方法、及び定着装置に関し、より詳しくは、画像形成装置において記録材上に転写されたトナーを定着する定着装置の定着部材表面にトナーを付着しにくくしたフッ素ゴム組成物及び定着部材に関し、また、このような定着部材を用いた定着方法並びに定着装置に関する。 【0002】 【従来の技術】画像形成装置において用紙等の記録材上に転写した未定着のトナーは、同装置内に設置された定着装置によって定着される。 【0003】図1は、本発明の一実施の形態による定着装置の断面図である。従来の技術による定着装置も同等の構成のものが使われている。即ち、図1に示すように、記録材P上に転写されたトナーTを定着する定着装置の構成は、定着部材である定着ローラ101と、これと相対する加圧ローラ102と、定着ローラ101の表層材103へのトナーTの付着を防止する離型剤としてのシリコーンオイルを含浸させたウェブ104とを備えている。定着ローラ101および加圧ローラ102は、芯金105上にゴム弾性体106を被覆して形成され、また、定着ローラ101の芯金105内には加熱源としてヒータ107が設けられている。 【0004】トナーTを転写して画像を形成した用紙等の記録材Pを矢印の方向から定着ローラ101と加圧ローラ102の間に挟み込み、加熱および加圧することによりトナーTを記録材P上に定着する。 【0005】しかしながら、トナーTは熱によって粘着化するので、図3の従来の定着装置における画像定着の様子を示す部分拡大図に示すように、記録材P上のトナーTの一部が定着ローラ101の表面に粘着するようになり、そのため、次の記録材Pがその加熱した定着ローラ101の方に進んだときに、粘着化して定着ローラ101に付着したトナーTが次の記録材Pに部分的に転写されてしまう。この過程は一般にオフセットといわれ、オフセットが頻繁に発生するようになると定着装置は寿命となる。 【0006】そこで、このオフセットを防止するために、従来の技術では、定着ローラ101にシリコーンオイルなどの離型剤を塗布しながら、定着ローラ101および加圧ローラ102により加熱および加圧して定着を行っている。定着ローラ101への離型剤の塗布の仕方はいくつかの方法があるが、例えば図1に示したように、ウェブ104を定着ローラ101へ接触させることによって行い、ウェブ104はウェブ押圧ローラ108により定着ローラ101へ押圧され、ウェブ供給ローラ109からウェブ巻取ローラ110に所定の速度で巻き取られる方法もある。 【0007】しかしながら、従来の定着装置において、定着ローラ101の表層材103はシリコーンゴムやフッ素ゴム等によって形成されているが、定着ローラ101は加熱されているため、定着ローラ101の表層材103が熱によって劣化したり、長時間使用すると、表層材103が通紙およびゴミの付着などにより摩耗して、傷ついていく。表層材103が摩耗したり傷がついたりすると、表層材103に離型剤を塗布しているにもかかわらず、トナーTが定着ローラ101の表層材103に付着してしまう。すなわち、離型剤を塗布しても少なからずオフセットが発生する。 【0008】このようなオフセットを防止するものとして、特開平4−319980号公報に記載の定着装置は、定着ローラをメチル系またはメチルビニル系のシリコーンゴムよりなる単層ローラとし、シリコーンオイルをメチルフェニル系のシリコーンオイルとすると共に、前記定着ローラの表面を研磨するローラ研磨手段を備えたものである。 【0009】この定着装置においては、ローラ研磨手段により定着ローラ表面を研磨することにより、定着ローラ表面が常にリフレッシュされ、オフセットが防止される。また、シリコーンゴムの単層ローラとしているので、研磨しても下層の材質が露出しないので、耐久性が向上する。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の定着装置において、ローラ研磨量は、研磨材の粒径、粒形、シリコーンオイルへの含有量、ローラ研磨手段としてのクリーニングウェブの定着ローラへの当接圧力、当接面積、ウェブの繊維密度およびローラゴムの材質等のファクターにより適正条件が異なり、これらの多くのファクターから相互の適正値を求め、それを維持するのは容易ではない。そして、定着ローラ表面を研磨すれば、長時間の使用によってローラ径は小さくなるため、これらのファクターに影響を及ぼし、適正値から少しずつ外れていくことになる。 【0011】本発明は上記従来の問題点を解決するものであり、ローラ等の定着部材表面を研磨することなく、定着部材表面へのトナーの付着を少なくすることで、長期間安定してオフセットを防止し、定着部材の耐久性を向上させることを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明は、記録材上に転写されたトナーを定着する定着部材において、定着部材表面に所定のフッ素ゴム組成物を塗布、成膜させた定着部材に関するものであり、定着部材表面に所定のフッ素ゴム組成物を設けることにより、定着部材表面に多数の微小な凸部を設けたものである。 【0013】定着部材表層に設けた微小な凸部の先端はなめらかな形状であることが好ましく、本発明では表層材料中に球状の充填材を充填する事によりなめらかな凸部を形成することを提案している。 【0014】定着部材表層に微少でなめらかな凸部を設けたことにより、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーは離型剤を介し定着部材表層の凸部で接触することになる。記録材上のトナーが定着部材を通過した後は、定着部材表層よりも接触面積の大きい記録材上に付着するため、着部材表面へのトナーの付着を少なくすることができ、長期間安定してオフセットを防止し、定着部材の耐久性を向上させることができる。 【0015】フッ素ゴム組成物中に分散する固形分には、フッ素ゴム組成物を強固にする補強剤及びフッ素ゴム組成物を成膜させる際にフッ化水素の発生を防止する制酸剤等がある。 【0016】補強剤としては一般的にカーボンブラックが用いられるが、本発明ではミディアムサーマルカーボンを用いることを提案している。ミディアムサーマルカーボンは、天然ガスを高温に熱した固体上に接触させることにより生成される。フッ素ゴム組成物中に分散された状態におけるミディアムサーマルカーボンの平均粒径を5μm以下とすることによりフッ素ゴム組成物を成膜した際にフッ素ゴム組成物の表面粗さをなめらかにすることができる。 【0017】制酸剤としては一般的に酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、水酸化カルシウム等の2価の金属酸化物や水酸化物が用いられる。フッ素ゴム組成物中に分散された状態における制酸剤の平均粒径を5μm以下とすることによりフッ素ゴム組成物を成膜した際にフッ素ゴム組成物の表面粗さをなめらかにすることができる。 【0018】充填材粒子の平均粒径測定法としてはレーザー回折式粒度分布測定法が適している。充填材粒子の粒径は、粒子にレーザー光を照射して得られる回折光パターンについて、Fraunhofer回折理論により求められる。充填材粒子の平均粒径については、溶媒希釈し充填材粒子の濃度を調整したフッ素ゴム組成物サンプルを測定セルに通し、通過する粒子の粒径を求め、得られた粒子径に対応する粒子の頻度が最も多いところの粒子径を平均粒子径とした。 【0019】フッ素ゴム組成物中のフッ素含有量は、フッ素ゴム組成物を高温で燃焼させ、発生するガスの成分分析を行うことにより求められる。 【0020】 【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、記録材上に転写されたトナーを定着する定着部材の表層材料に用いるフッ素ゴム組成物であって、前記表層材料がフッ化ビニリデンに基づく重合単位を有するフッ素ゴム(A)を主成分とし、補強剤(B)、制酸剤(C)、加硫剤(D)、加硫促進剤(E)、球状充填剤(F)、有機溶剤(G)を含むことを特徴とするフッ素ゴム組成物としたものであり、このようなフッ素ゴム組成物を定着部材表層に用いることにより、定着時に定着部材表面へのトナーの付着力を低下させることができ、オフセットの発生を防止することができる。 【0021】請求項2に記載の発明は、前記A成分が、テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン及びテトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/プロピレン及びフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンのいずれかからなり、且つ、フッ素含有量が60wt%〜70wt%であることを特徴とする請求項1記載のフッ素ゴム組成物としたものであり、このようなフッ素ゴム成分及びフッ素含有量を選ぶことにより、フッ素ゴム組成物を定着部材表層に用いた際に、定着時に定着部材表面へのトナーの付着力を低下させることができ、オフセットの発生を防止することができる。 【0022】フッ素含有量が60%未満の塗料組成物では、定着部材表層に用いた際に、定着時に定着部材表面へトナーが付着し易くなり、オフセットの発生を引き起こす。また、フッ素含有量が70%を越える塗料組成物では、定着部材表層に用いた際に、定着部材表面に離型剤がぬれにくくなるために定着時に定着部材表面へトナーが付着し易くなり、オフセットの発生を引き起こす。 【0023】請求項3に記載の発明は、前記B成分が、ミディアム・サーマルカーボンより選ばれることを特徴とし、前記フッ素ゴム組成物中に分散された状態における平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1記載のフッ素ゴム組成物としたものであり、このようなカーボンを選び、フッ素ゴム組成物中の平均粒径を5μm以下にとすることにより、フッ素ゴム組成物を定着部材表層に用いた際に、定着部材表面の粗さをなめらかにすることができ、定着時に定着部材表面へのトナーの付着力を低下させることができ、オフセットの発生を防止することができる。 【0024】ミディアム・サーマルカーボンは、その他のカーボンブラック、例えばチャンネルブラックやファーネスブラック等に比較して、比表面積が小さいために、カーボンブラック粒子の表面をぬらすフッ素ゴム組成物の量が少なくて済み、フッ素ゴム組成物中に分散する際に、比較的多くの量を充填することが可能となる。このため、ミディアム・サーマルカーボンを用いることで、フッ素ゴム組成物を定着部材表面に用いた際に、定着部材表層材料の強度を上げる補強剤としての機能を果たすことができる。 【0025】カーボンブラック粒子の比表面積は、吸着法によって求められる。分子の断面積が判っている気体、例えば二酸化炭素等をカーボンブラックの表面に吸着させカーボンブラックの表面を気体の単分子膜で覆う。吸着された気体の量からカーボンブラックの比表面積を求めることができる。 【0026】フッ素ゴム組成物中のミディアム・カーボンブラックの平均粒子径が5μmを越える場合は、フッ素ゴム組成物を定着部材表層に用いた際に、定着部材表面の粗さが荒くなり、定着時に、アンカー効果により定着部材表面へトナーが付着し易くなり、オフセットの発生を引き起こす。 【0027】請求項4に記載の発明は、前記B成分が、前記A成分100重量部に対して20重量部から40重量部含まれることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物としたものであり、B成分であるミディアム・サーマルカーボンをこのような範囲充填することにより、フッ素ゴム組成物を定着部材表層に用いた際に、好適な塗膜強度を有することができ、長期にわたる定着を行った際にも、定着部材表面の摩耗が少なく、オフセットを防止することができる。 【0028】ミディアム・サーマルカーボンの量がA成分であるフッ素ゴム組成物100重量部に対して20重量部に満たない場合は、フッ素ゴム組成物を定着部材表層に用いた際に、塗膜が柔らかくなり、長期にわたる定着を行った際に、定着部材表面が摩耗し、オフセットを発生する。 【0029】また、ミディアム・サーマルカーボンの量がA成分であるフッ素ゴム組成物100重量部に対して40重量部を越える場合は、フッ素ゴム組成物を定着部材表層に用いた際に、塗膜がもろくなり、長期にわたる定着を行った際に、定着部材表面が摩耗し、オフセットを発生する。 【0030】請求項5に記載の発明は、前記C成分が、2価の金属酸化物、又は水酸化物よりなり、前記フッ素ゴム組成物中に分散された状態における平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物としたものであり、このような化合物を用いることにより、フッ素ゴム組成物を硬化する際にフッ化水素の発生を防止し、フッ素ゴム組成物の硬化を促すことができ、フッ素ゴム組成物を十分硬化するために、耐久性に優れた定着部材表層を得ることができる。 【0031】また、このような化合物を選び、フッ素ゴム組成物中の平均粒径を5μm以下にとすることにより、フッ素ゴム組成物を定着部材表層に用いた際に、定着部材表面の粗さをなめらかにすることができ、定着時に定着部材表面へのトナーの付着力を低下させることができ、オフセットの発生を防止することができる。 【0032】請求項6に記載の発明は、前記C成分が、前記A成分100重量部に対して5重量部から20重量部含まれることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物としたものであり、制酸剤であるC成分の量がA成分であるフッ素ゴム組成物100重量部に対して5重量部に満たない場合は、フッ素ゴム組成物を定着部材表層に用いた際に、フッ素ゴム組成物の硬化が十分に行われず、塗膜が柔らかくなり、長期にわたる定着を行った際に、定着部材表面が摩耗し、オフセットを発生する。 【0033】また、制酸剤であるC成分の量がA成分であるフッ素ゴム組成物100重量部に対して20重量部を越える場合は、フッ素ゴム組成物を定着部材表層に用いた際に、塗膜がもろくなり、長期にわたる定着を行った際に、定着部材表面が摩耗し、オフセットを発生する。 【0034】請求項7に記載の発明は、前記D成分が、ポリオール系、またはアミン系の加硫剤であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物としたものであり、加硫剤であるD成分を用いることにより、フッ素ゴム組成物を十分硬化することができ、耐久性に優れた定着部材表層を得ることができる。 【0035】ポリオール系加硫剤としては、共重合体のポリオール加硫に用いられる公知の化合物はすべて使用でき、なかでも、ビスフェノールAF、ビスフェノールA、ヒドロキノン等の芳香族ヒドロキシ化合物が好ましい。 【0036】アミン系加硫剤としては、フッ化ビニリデン系共重合体のアミン加硫に用いられる公知の化合物はすべて使用でき、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンジカルバメート、ジシンナミリデンヘキサメチレンジアミン等が好ましい。 【0037】請求項8に記載の発明は、前記D成分が、前記A成分100重量部に対して0.5重量部から5重量部含まれることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物としたものであり、ポリオール系、またはアミン系の加硫剤であるD成分をこのような範囲で用いることにより、フッ素ゴム組成物を十分硬化することができ、耐久性に優れた定着部材表層を得ることができる。 【0038】加硫剤であるD成分の量がA成分であるフッ素ゴム組成物100重量部に対して0.5重量部に満たない場合は、フッ素ゴム組成物が十分硬化せず、定着部材表層としての機能を果たすことができない。 【0039】また、加硫剤であるD成分の量がA成分であるフッ素ゴム組成物100重量部に対して5重量部を越える場合は、フッ素ゴム組成物を定着部材表層に用いた際に、塗膜がもろくなり、長期にわたる定着を行った際に、定着部材表面が摩耗し、オフセットを発生する。 【0040】請求項9に記載の発明は、前記E成分が、有機4級ホスホニウム塩または有機4級アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物としたものであり、加硫促進剤であるE成分を用いることにより、フッ素ゴム組成物の硬化を促進することができ、耐久性に優れた定着部材表層を得ることができる。 【0041】加硫促進剤として用いる不飽和多官能性化合物としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチローラプロパントリメタクリレート、ポリブタジエン等が好ましい。 【0042】加硫促進剤として用いる有機塩基としては、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムブロミド、8−ベンジル−1,8−ジアザピシクロ[5.4.0.]ウンデカ−7−エニウムクロリド、p−トルエンスルホンサン1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エニウム、テトラブチルホスホニウムクロリド、トリオクチルメチルホスホニウムクロリド、トリフェニルベンジルホスホニウムクロリド、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、トリブチルアミン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスファイト等が好ましい。 【0043】請求項10に記載の発明は、前記E成分が、前記A成分100重量部に対して0.5重量部から5重量部含まれることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物としたものであり、加硫促進剤であるE成分をこのような範囲で用いることにより、フッ素ゴム組成物を十分硬化することができ、耐久性に優れた定着部材表層を得ることができる。 【0044】加硫促進剤であるE成分の量がA成分であるフッ素ゴム組成物100重量部に対して0.5重量部に満たない場合は、フッ素ゴム組成物が十分硬化せず、定着部材表層としての機能を果たすことができない。 【0045】また、加硫促進剤であるE成分の量がA成分であるフッ素ゴム組成物100重量部に対して5重量部を越える場合は、フッ素ゴム組成物を定着部材表層に用いた際に、塗膜がもろくなり、長期にわたる定着を行った際に、定着部材表面が摩耗し、オフセットを発生する。 【0046】請求項11に記載の発明は、前記F成分が、真球度80%以上、平均粒径0.5μmから10μmの範囲にあることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物としたものであり、球状充填剤であるF成分の真球度、平均粒径をこのような範囲とすることにより、フッ素ゴム組成物を定着部材表面に塗布、乾燥した際に、定着部材表面に球面状の凸部を設けることができ、定着時に定着部材表面へ接触するトナーの接触面積を小さくすることでトナーの付着力を低下させ、オフセットの発生を防止することができる。 【0047】球状充填剤の真球度(%)は、対象とする粒子の長径をA、短径をBとするとき、{1−(|A−B|)/(A+B)/2}×100(%)で表されるものであり、その測定は対象とする粒子の光学顕微鏡または電子顕微鏡写真を撮影し、撮影した粒子の径を計ることによって行う。 【0048】球状充填剤であるF成分の真球度が80%に満たない場合は、これをフッ素ゴム組成物として定着部材表面に用いた際に、球面状の凸部を設けることができず、定着時に定着部材表面へ接触するトナーの接触面積を小さくすることができずに、トナーはアンカー効果により定着部材表面に付着し易くなり、オフセットを発生する。 【0049】球状充填剤であるF成分の平均粒径が0.5μmに満たない場合は、これをフッ素ゴム組成物として定着部材表面に用いた際に、球状充填剤の平均粒径が小さいために球面状の凸部を設けることができず、定着時に定着部材表面へ接触するトナーの接触面積を小さくすることができずに、トナーは定着部材表面に付着し易くなり、オフセットを発生する。 【0050】球状充填剤であるF成分の平均粒径が10μmを越える場合は、これをフッ素ゴム組成物として定着部材表面に用いた際に、球状充填剤の平均粒径が大きいために得られる球面状の凸部が大きくなり、定着時に定着部材表面へ接触するトナーは凸部と凸部との間に入り込むため、トナーは定着部材表面に付着し易くなり、オフセットを発生する。 【0051】請求項12に記載の発明は、前記F成分が、前記A成分100重量部に対して5重量部から30重量部含まれることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物としたものであり、球状充填剤であるF成分をこのような範囲で用いることにより、フッ素ゴム組成物を定着部材表面に塗布、乾燥した際に、定着部材表面に球面状の凸部を設けることができ、定着時に定着部材表面へ接触するトナーの接触面積を小さくすることでトナーの付着力を低下させ、オフセットの発生を防止することができる。 【0052】球状充填剤であるF成分の量がA成分であるフッ素ゴム組成物100重量部に対して5重量部に満たない場合は、これをフッ素ゴム組成物として定着部材表面に用いた際に、球状充填剤の量が少ないために得られる球面状の凸部の数が少なくなり、トナーは定着部材表面に付着し易くなり、オフセットを発生する。 【0053】また、球状充填剤であるF成分の量がA成分であるフッ素ゴム組成物100重量部に対して30重量部を越える場合は、フッ素ゴム組成物を定着部材表層に用いた際に、塗膜がもろくなり、長期にわたる定着を行った際に、定着部材表面が摩耗し、オフセットを発生する。 【0054】請求項13に記載の発明は、前記G成分が、前記AからF成分からなるゴムコンパウンドを溶解させ得るか、または分散させ得る有機溶剤であることを特徴とする請求項1記載のフッ素ゴム組成物としたものであり、本発明に用いるG成分の溶剤はフッ素ゴム組成物を塗料化するために使用する。有機溶剤であるG成分の種類や使用量は特に限定されず、塗装方法にあわせて適宜選択される。有機溶剤であるG成分は、A、B,C,D,E,F各成分を溶解させるものが好ましいが、各成分の一部を分散させるものでも良い。 【0055】請求項14に記載の発明は、記録材上に転写されたトナーを定着する定着部材であって、前記定着部材表面に請求項1から13のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物を塗布、乾燥させた被膜を設けたことを特徴とする定着部材としたものであり、このようなフッ素ゴム組成物を定着部材表面に塗布、乾燥させることにより、定着部材表面に球面状の凸部を設けることができ、定着時に定着部材表面へ接触するトナーの接触面積を小さくすることでトナーの付着力を低下させ、オフセットの発生を防止することができる。 【0056】請求項15に記載の発明は、前記定着部材表面に多数の微小な凸部を有することを特徴とすることを特徴とする請求項14記載の定着部材としたものであり、定着部材表面に球面状の凸部を設けることにより、定着時に定着部材表面へ接触するトナーの接触面積を小さくすることでトナーの付着力を低下させ、オフセットの発生を防止することができる。 【0057】請求項16に記載の発明は、前記定着部材表面の凸部の先端が球面状であることを特徴とする請求項14または15記載の定着部材としたものであり、定着部材表面にこのような球面状の凸部を設けることにより、定着時に定着部材表面へ接触するトナーの接触面積を小さくすることでトナーの付着力を低下させ、オフセットの発生を防止することができる。 【0058】請求項17に記載の発明は、前記定着部材の表面粗さRzが5μm以下であることを特徴とする請求項14から16のいずれか1項に記載の定着部材としたものであり、定着部材表面粗さRzをこのような範囲にすることにより、定着時に定着部材表面へ接触するトナーの接触面積を小さくすることでトナーの付着力を低下させ、オフセットの発生を防止することができる。 【0059】表面粗さRzは、JISハンドブック34金属表面処理に記載の表面粗さ評価基準であり、接触式等の表面粗さ計により求められる断面曲線から基準長さだけ抜き取った部分において、平均線に平行、かつ、断面曲線を横切らない直線から縦倍率の方向に測定した最高から5番目までの山頂の標高の平均値と最深から5番目までの谷底の標高の平均値との差の値をマイクロメートルで表したものをいう。 【0060】定着部材の表面粗さRzが5μmを越える場合は、定着部材表面の粗さが荒くなり、定着時に、アンカー効果により定着部材表面へトナーが付着し易くなり、オフセットの発生を引き起こす。 【0061】請求項18記載の発明は、前記定着部材表面の凸部の数が1平方ミリメートル当たり5千個から100万個であることを特徴とする請求項14から17のいずれか1項に記載の定着部材としたものであり、定着部材表面から凸部の数をこの範囲にすることにより、トナーの付着力を低下させることができ、オフセットの発生を防止することができる。 【0062】定着部材表面凸部の数をカウントする際には電子顕微鏡を用いる。定着部材表面から数ミリ角程度の表層材料を切り出し、これを電子顕微鏡で撮影観察する。顕微鏡の倍率は千倍から一万倍程度とし、定着部表面の10μm角から1μm角のエリアに存在する凸部の数をカウントする。 【0063】定着時にトナーは熱により柔らかくなり圧力により押しつぶされる。このため押しつぶされたトナーは、もとの粒子径に比較してより大きな面積で記録材や定着部材表面と接触する。この時定着部材表面の凸部の数が1平方ミリメートル当たり5千個に満たない場合は、凸部の数が少なすぎて定着部材表面の凸部の無い部分にトナーが接触してしまい、定着部材表面にトナーの一部が接触してしまいオフセットを発生しやすくなる。また、凸部の数が1平方ミリメートル当たり500万個を越える場合では、定着部材表面の形状が平面に近くなり、トナーとの接触面積が増加することから定着部材表面とトナーとの付着力が増して、定着部材表面にトナーの一部が付着することによってオフセットを発生しやすくなる。 【0064】請求項19に記載の発明は、記録材上に転写されたトナーを定着する定着方法であって、前記定着部材表面に請求項1から13のいずれか1項に記載のフッ素ゴム組成物を塗布、乾燥させた被膜を設けた定着部材を用いて定着することを特徴とする定着方法としたものであり、このような定着方法を用いることにより、耐久性に優れた定着部材を得ることができる。 【0065】請求項20に記載の発明は、記録材上に転写されたトナーを定着する定着装置であって、前記定着部材が請求項14から18のいずれか1項に記載の定着部材であることを特徴とする定着装置としたものであり、このような定着装置を用いることにより、耐久性に優れた定着部材を得ることができる。 【0066】以下、本発明の実施の形態について説明する。 【0067】図1は本発明の一実施の形態による定着装置の断面図であり、定着部材の表面に所定のフッ素ゴム組成物からなる表層材料を有する定着ローラを備えた定着装置を示している。この定着装置を構成する部材の詳細について以下に述べる。 【0068】図1に示すように、定着装置は、記録材P上に転写されたトナーTを定着する定着ローラ101と、これと相対する加圧ローラ102と、定着ローラ101の表面にトナーが付着するのを防止するのにシリコーンオイルなどの離型剤を塗布するウェブ104とを備えている。 【0069】定着ローラ101は、アルミ製の芯金105a上にシリコーンからなるゴム弾性体106を2mm厚に被覆し、その表面を研磨した後、シリコーンからなるゴム弾性体106上に本発明のフッ素ゴム組成物からなる表層材103を塗布、乾燥し、外径約40mmに成形されており、その表面には微小な凸部が形成されており、表面粗さRzは5μm以下である。微小な凸部の数は1平方ミリメートル当たり5千個から500万個の範囲にある。また、芯金105内には加熱源としてヒータ107が設けられ、定着ローラ101の表面温度を約140〜170℃に維持するように制御している。 【0070】加圧ローラ102は、ステンレス製の芯金105b上にゴム弾性体106を約2mm厚に被覆し、その上にFLC(フッ素樹脂)111を30μm厚に被覆して、定着ローラ101と同じく外径約40mmに成形されている。 【0071】シリコーンオイルなどの離型剤を含浸させたウェブ104は、ポリエステル布織布にPTFE(フッ素樹脂)を貼り合わせた60μm厚×220mm幅×800mm長のものであり、ウェブ供給ローラ109からウェブ巻取ローラ110に所定の速度で巻き取られる。このとき、ウェブ押圧ローラ108により定着ローラ101に押圧して接触させることで、定着ローラ101へウェブ104に含浸させた離型剤を塗布する。このように、離型剤を定着ローラ101へ塗布しながら定着を行うことで、定着ローラ101へのトナーTの付着を防止している。 【0072】定着ローラの表層材103には、その表面にトナーTを付着しにくくする目的で所定のフッ素ゴム組成物を塗布、乾燥させた皮膜を用いている。 【0073】フッ素ゴム組成物は、フッ化ビニリデンに基づく重合単位を有するフッ素ゴム(A)と、補強剤(B)、制酸剤(C)、加硫剤(D)、加硫促進剤(E)、球状充填剤(F)、有機溶剤(G)からなる。 【0074】A成分は、テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン及びテトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/プロピレン及びフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンのいずれかからなり、フッ素含有量を60wt%〜70wt%とすることにより、トナー離型性に優れた定着部材を得ることができる。 【0075】B成分は、ミディアム・サーマルカーボンより選び、フッ素ゴム組成物中に分散された状態における平均粒径を5μm以下とし、また、B成分の充填量をA成分100重量部に対して20重量部から40重量部の範囲にとることにより、表層材103の表面粗さRzが5μm以下のなめらかな表面を得ることができ、また、長時間の定着にも耐える膜強度を有する定着部材を得ることができる。 【0076】C成分は、2価の金属酸化物、又は水酸化物より選び、フッ素ゴム組成物中に分散された状態における平均粒径を5μm以下とし、また、C成分の充填量をA成分100重量部に対して5重量部から20重量部の範囲にとることにより、表層材103の表面粗さRzが5μm以下のなめらかな表面を得ることができ、また、長時間の定着にも耐える膜強度を有する定着部材を得ることができる。 【0077】D成分は、ポリオール系、またはアミン系の加硫剤より選び、また、D成分の添加量をA成分100重量部に対して0.5重量部から5重量の範囲にとることにより、表層材103を十分硬化させることができ、長時間の定着にも耐える膜強度を有する定着部材を得ることができる。 【0078】E成分は、有機4級ホスホニウム塩または有機4級アンモニウム塩より選び、また、E成分の添加量をA成分100重量部に対して0.5重量部から5重量部の範囲にとることにより、表層材103を十分硬化させることができ、長時間の定着にも耐える膜強度を有する定着部材を得ることができる。 【0079】F成分は、真球度が80%以上であり、平均粒径が0.5μmから10μmの範囲にある球状充填剤より選び、また、F成分の充填量をA成分100重量部に対して5重量部から30重量の範囲にとることにより、表層材103の表面に先端が球面状である微少な凸部を設け、その表面粗さRzを5μm以下とすることができる。 【0080】定着ローラの表層材103には、その表面にトナーTを付着しにくくする目的で微小な凸部を多数設けているが、これらの微小な凸部を形成するために予め表層材料中に、平均粒子径0.5〜10μmの球状粒子を充填量5〜50v%の割合で充填したものをゴム弾性体106上に塗布、乾燥している。充填材である球状の粒子としては、樹脂粉(シリコーンゴムパウダー、ナイロンパウダー、アクリルパウダー等)、金属粉(鉄、銅、アルミ等)、およびセラミック粉(アルミナ、シリカ、ジルコニア等)が用いられるが、これらは定着ローラの表層材料の種類によって使い分ける必要がある。表層材料へのぬれ性の悪い充填材であれば、表層材料中に均一に分散されずに微小な凸部を形成できない。表層材料に比較して充填材の比重が大きすぎれば、充填材が表層材料の底に沈降してしまい微小な凸部を形成できない、また、充填材の比重が小さすぎれば、充填材が表層材料の表面に浮いてしまい微小な凸部を形成できない。このように目的の形状である微小な凸部を得るためには、表層材料にあった充填材の選定が必要となる。 【0081】上記のようなフッ素ゴム組成物を定着部材表層に設けたことにより、記録材P上に転写されたトナーTを定着する際に、トナーはT離型剤を介し表層材103の凸部で接触することになり、記録材P上のトナーTが定着部材を通過した後は、定着部材表層よりも接触面積の大きい記録材P上に付着するため、着部材表面へのトナーTの付着を少なくすることができ、長期間安定してオフセットを防止し、定着部材の耐久性を向上させることができる。 【0082】定着部材である定着ローラの表層に所定のフッ素ゴム組成物を設けたことによる効果を図2から図5を用いて説明する。 【0083】ここで、図2は本発明の一実施の形態による定着装置における画像定着の様子を示す部分拡大図、図3、図4及び図5は従来の定着装置における画像定着の様子を示す部分拡大図である。 【0084】図3は、定着ローラの表層がなめらかで、微小な凸部の無い表層材103bを用いて記録材P上のトナーTを定着した様子を示している。トナーTは定着ローラの下を通過する際に、定着ローラの熱と圧力により押しつぶされる。定着ローラをの下を通過した後は、多くのトナーは記録材P上に定着されるが、一部は定着ローラの表層材103bに付着する。定着ローラの表層材103bに付着したトナーTは、次に記録材Pと接触したときに、その一部が記録材P上に付着してオフセットを引き起こす。 【0085】図4は、定着ローラの表層材103cの表面粗さRzが5μmを越える場合に記録材P上のトナーTを定着した様子を示している。トナーTの平均粒径は10μmから15μm程度であり、記録材上のトナーTは離型剤を介して表層材103cの表面と接触する。 【0086】トナーTは定着ローラの下を通過する際に、定着ローラの熱と圧力により押しつぶされるが、表面粗さRzが5μmを越える粗い表層材103c表面と接触するために、トナーTの一部はアンカー効果によって表層材103cに付着する。定着ローラの表層材103cに付着したトナーTは、次に記録材Pと接触したときに、その一部が記録材P上に付着してオフセットを引き起こす。 【0087】図5は、定着ローラの表層材103dの表面に先端が鋭角的な形状をした微小な凸部を設けた場合に記録材P上のトナーTを定着した様子を示している。トナーTの平均粒径は10μmから15μm程度であり、記録材上のトナーTは離型剤を介して表層材103eの表面と接触する。 【0088】トナーTは定着ローラの下を通過する際に、定着ローラの熱と圧力により押しつぶされるが、先端が鋭角的な形状をした微小な凸部を設けた表層材103d表面と接触するために、トナーTの一部はアンカー効果によって表層材103dに付着する。定着ローラの表層材103dに付着したトナーTは、次に記録材Pと接触したときに、その一部が記録材P上に付着してオフセットを引き起こす。 【0089】図2は、定着ローラの表層に先端が球面状である微小な凸部を設けた表層材103aを用いて記録材P上のトナーTを定着した様子を示している。表層材103aに先端が球面状である微小な凸部を設けたことにより、記録材P上に転写されたトナーを定着する際に、トナーTは離型剤を介し表層材103aの凸部で接触することになる。記録材P上のトナーTが定着部材を通過した後は、表層材103aよりも接触面積の大きい記録材P上に付着するため、表層材103aへのトナーの付着を少なくすることができ、長期間安定してオフセットを防止し、定着部材の耐久性を向上させることができる。 【0090】以上に示した本発明の実施の形態から、定着ローラ表層材料の表面に先端が球面状である微小な凸部を設け、凸部の数が1平方ミリメートル当たり5千個から100万個の範囲とし、表層材料表面の表面粗さRzを5μm以下とすることにより、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーは離型剤を介し、離型性に優れ、接触面積の少ない定着部材表層と接触することになる。記録材上のトナーが定着部材を通過した後は、定着部材表層よりも接触面積の大きい記録材上に付着するため、着部材表面へのトナーの付着を少なくすることができ、長期間安定してオフセットを防止し、定着部材の耐久性を向上させることができる。 【0091】 【実施例】次に、本発明の具体例を説明する。 【0092】定着ローラの表層材料として以下に示す組成のフッ素ゴム組成物を作成した。 【0093】 フッ素ゴムA:3元系フッ素ゴム(フッ化ビニリデン、テトラフロロエチ レン、ヘキサフロロプロピレン共重合体)(100重量部 ) 補強剤B :ミディアム・サーマルカーボン (X1重量部) 制酸剤C :酸化マグネシウム (X2重量部) 加硫剤D :ビスフェノールAF (X3重量部) 加硫促進剤E:硫酸水素テトラブチルアンモニウム(X4重量部) 球状充填剤F:球状シリカまたはガラスビーズ (X5重量部) 有機溶剤G :酢酸ブチル (400重量部) 表層材料用塗料の作成方法について以下に述べる。乳化重合法により、フッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレンからなる3元系を構成単位とするフッ素ゴムA1,A2、A3の3種類を作製した。作製したフッ素ゴム組成物のフッ素含有量を測定したところA1では60%、A2では65%A3では70%であった。また、乳化重合法により、フッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン、プロピレンを構成単位とするフッ素ゴムA4を作製した。作製したフッ素ゴム組成物のフッ素含有量を測定したところ55%であった。 【0094】フッ素ゴムA1からA4のいずれか一つを100重量部、補強剤Bとしてミディアム・サーマルカーボン(Huber社製N−907)をX1重量部、制酸剤Cとして酸化マグネシウム(協和化学株式会社製キョーワマグ150)をX2重量部、加硫剤DとしてビスフェノールAFをX3重量部、加硫促進剤Eとして硫酸水素テトラブチルアンモニウムをX4重量部、球状充填剤Fとして真球度99%の球状シリカ(株式会社アドマテック製アドマファイン)または真球度99%のガラスビーズ(株式会社東芝バロティーニ製中空ガラスビーズ)または真球度70%の不定形シリカ(株式会社富士シリシア化学製サイリシア)をX5重量部用い、ローラミル分散機で混合、分散した。 【0095】ローラミル分散を行う際に分散時間を変えて、充填材の粒度が異なる混合物を作製した。次に、得られた混合物を有機溶剤Fである酢酸ブチル400重量部に溶解してフッ素ゴム組成物を得た。 【0096】用いた球状充填剤F1〜F5の特徴を(表1)にまとめた。 【0097】 【表1】
【0098】定着ローラ表層材料の形成方法について以下に述べる。まず、定着ローラの芯金上にシリコーンゴム弾性体を成型し、成型したシリコーンゴム弾性体の表面を研磨、洗浄する。次に、上記フッ素ゴム組成物をシリコーンゴム弾性体の表面にスプレー塗装し、室温で2時間放置することによって有機溶剤である酢酸ブチルを飛散させる。次に、これを80℃オーブンで2時間乾燥し、更に200℃オーブンで1時間乾燥し目的の表層材料を得た。 【0099】このようにして作成した定着ローラを用いて定着試験を行った。試験は実施例、比較例について行い、試験結果の優劣はオフセットを発生するまでの定着枚数で評価した。ただし、定着試験枚数は最大60k枚までとした。 【0100】試験用のプリンタは当社製のカラーレーザープリンタを用いた。定着試験条件は、記録材にA4レターサイズNIP紙(小林記録紙株式会社製)用い、定着温度160℃(定着ローラ表面温度)、定着速度4ppm(毎分4枚)とした。トナーはポリエステル樹脂をベースレジンとした、平均粒径12μmのもの(花王株式会社製)を用い、印刷パターンは5%ランダムパターンとした。また、離型剤として25℃における粘度1000cpsのアミノ変性ジメチルポリシロキサン(信越化学工業株式会社)を用いた。 【0101】以下に、実施例及び比較例についての定着性試験結果を述べる。 【0102】(実施例1)フッ素含有量60%のフッ素ゴム組成物A1を用いフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0103】(実施例2)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用いフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0104】(実施例3)フッ素含有量70%のフッ素ゴム組成物A3を用いフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0105】(実施例4)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、補強剤Bを20重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは3μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0106】(実施例5)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、補強剤Bを40重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0107】(実施例6)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、制酸剤Cを5重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0108】(実施例7)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、制酸剤Cを20重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0109】(実施例8)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、フッ素ゴム組成物を作製した。作製時にローラミル分散機での分散時間を短くした。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は4μmであり、定着ローラの表面粗さRzは5μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0110】(実施例9)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、加硫剤Dを0.5重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0111】(実施例10)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、加硫剤Dを5重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0112】(実施例11)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、加硫促進剤Eを0.5重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0113】(実施例12)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、加硫促進剤Eを5重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0114】(実施例13)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、球状充填剤F1を5重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は5万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0115】(実施例14)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、球状充填剤F1を30重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は100万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0116】(実施例15)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、球状充填剤F3を15重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは5μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は2万個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0117】(実施例16)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、球状充填剤F3を5重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは5μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は5千個であった。定着試験では60k枚の定着でオフセットの発生は見られなかった。 【0118】(比較例1)フッ素含有量55%のフッ素ゴム組成物A4を用いたフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では5k枚の定着でオフセットを発生した。 【0119】(比較例2)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、補強剤Bを15重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では30k枚の定着でオフセットを発生した。 【0120】(比較例3)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、補強剤Bを45重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では15k枚の定着でオフセットを発生した。 【0121】(比較例4)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、フッ素ゴム組成物を作製した。作製時にローラミル分散機での分散時間を短くした。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は8μmであり、定着ローラの表面粗さRzは15μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は1万個であった。定着試験では5k枚の定着でオフセットを発生した。 【0122】(比較例5)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、制酸剤Cを3重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では15k枚の定着でオフセットを発生した。 【0123】(比較例6)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、制酸剤Cを25重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では30k枚の定着でオフセットを発生した。 【0124】(比較例7)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、加硫剤Dを0.2重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では5k枚の定着でオフセットを発生した。 【0125】(比較例8)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、加硫剤Dを7重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では40k枚の定着でオフセットを発生した。 【0126】(比較例9)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、加硫促進剤Eを0.2重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では10k枚の定着でオフセットを発生した。 【0127】(比較例10)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、加硫促進剤Eを7重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は25万個であった。定着試験では45k枚の定着でオフセットを発生した。 【0128】(比較例11)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、球状充填剤F2を15重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は200万個であった。定着試験では10k枚の定着でオフセットを発生した。 【0129】(比較例12)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、球状充填剤F4を15重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は2千個であった。定着試験では5k枚の定着でオフセットを発生した。 【0130】(比較例13)フッ素含有量65%のフッ素ゴム組成物A2を用い、球状充填剤F5を15重量部配合したフッ素ゴム組成物を作製した。作製した塗料中に含まれる充填材の平均粒径は2μmであり、定着ローラの表面粗さRzは4μmであった。電子顕微鏡観察による定着ローラ表面の凸部の数は10万個であった。定着試験では2k枚の定着でオフセットを発生した。 【0131】実施例に用いたフッ素ゴム組成物の組成と性状、及びフッ素ゴム組成物の硬化皮膜の特徴、および試験結果を(表2)から(表4)にまとめた。 【0132】 【表2】
【0133】 【表3】
【0134】 【表4】
【0135】比較例に用いたフッ素ゴム組成物の組成と性状、及びフッ素ゴム組成物の硬化皮膜の特徴、および試験結果を(表5)と(表6)にまとめた。 【0136】 【表5】
【0137】 【表6】
【0138】 【発明の効果】本発明によって、以下の効果を奏することができる。 (1)請求項1記載の発明によって、記録材上に転写されたトナーを定着する際に定着部材表面へのトナーの付着力を低下させることができ、オフセットの発生が防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (2)請求項2記載の発明によって、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、定着部材表面の離型性を良くし、定着部材表面へのトナーの付着力を低下させることができ、オフセットの発生が防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (3)請求項3記載の発明によって、定着部材表層材料に強度を与え、また、充填する補強剤の平均粒径を小さくし、更に球状充填剤を加えることのより定着部材表面に微小な凸部を設けることができ、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーは表面粗さの粗い記録材の方へ選択的に付着するようになり、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (4)請求項4記載の発明によって、定着部材表層材料に適度な強度を与え、また、球状充填剤を加えることにより定着部材表面に微小な凸部を設けることができ、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーは表面粗さの粗い記録材の方へ選択的に付着するようになり、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (5)請求項5記載の発明によって、定着部材表層材料を乾燥する際に、表層材料の硬化を促進させることができ、定着部材表層材料に強度を与え、また、充填する補強剤の平均粒径を小さくし、更に球状充填剤を加えることのより定着部材表面に微小な凸部を設けることができ、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーは表面粗さの粗い記録材の方へ選択的に付着するようになり、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (6)請求項6記載の発明によって、定着部材表層材料を乾燥する際に、表層材料の硬化を促進させることができ、定着部材表層材料に強度を与え、また、充填する補強剤の平均粒径を小さくし、更に球状充填剤を加えることのより定着部材表面に微小な凸部を設けることができ、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーは表面粗さの粗い記録材の方へ選択的に付着するようになり、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (7)請求項7記載の発明によって、定着部材表層材料を乾燥する際に、表層材料を十分硬化させることができ、定着部材表層材料に強度を与え、更に球状充填剤を加えることのより定着部材表面に微小な凸部を設けることができ、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーは表面粗さの粗い記録材の方へ選択的に付着するようになり、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (8)請求項8記載の発明によって、定着部材表層材料を乾燥する際に、表層材料を十分硬化させることができ、定着部材表層材料に強度を与え、更に球状充填剤を加えることのより定着部材表面に微小な凸部を設けることができ、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーは表面粗さの粗い記録材の方へ選択的に付着するようになり、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (9)請求項9記載の発明によって、定着部材表層材料を乾燥する際に、表層材料の硬化を促進させることができ、定着部材表層材料に強度を与え、更に球状充填剤を加えることのより定着部材表面に微小な凸部を設けることができ、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーは表面粗さの粗い記録材の方へ選択的に付着するようになり、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (10)請求項10記載の発明によって、定着部材表層材料を乾燥する際に、表層材料の硬化を促進させることができ、定着部材表層材料に強度を与え、更に球状充填剤を加えることのより定着部材表面に微小な凸部を設けることができ、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーは表面粗さの粗い記録材の方へ選択的に付着するようになり、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (11)請求項11記載の発明によって、定着部材表層材料の表面に、先端が球面状の形状をした微小な凸部を多数設けることができる。これを定着部材として用いたときに、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーとの接触面積を少なくすることができ、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (12)請求項12記載の発明によって、定着部材表層材料の表面に、先端が球面状の形状をした微小な凸部を、定着部材の表面に適切な数量設けることができる。これを定着部材として用いたときに、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーとの接触面積を少なくすることができ、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (13)請求項13記載の発明によって、定着部材表層材料を塗布する際に、塗料組成物に適度な粘性を与え、塗装作業性を向上させ、定着部材表層材料の表面を平坦に仕上げることができ、定着部材として用いたときに、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (14)請求項14記載の発明によって、定着部材表面の離型性を向上させ、且つ、離型オイルのぬれ性を向上させることができ、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーは記録材の方へ選択的に付着するようになり、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (15)請求項15記載の発明によって、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、定着部材表面へのトナーの付着力を低下させることができ、オフセットの発生が防止され、定着ローラの耐久性を向上させる定着方法を提供することができる。 (16)請求項16記載の発明によって、定着部材表層材料の表面に、先端が球面状の形状をした微小な凸部を定着部材の表面に多数設けることができる。これを定着部材として用いたときに、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーとの接触面積を少なくすることができ、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (17)請求項17記載の発明によって、定着部材表層材料の表面に微小な凸部を多数設けることができる。これを定着部材として用いたときに、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーの付着を防止することができ、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (18)請求項18記載の発明によって、定着部材表層材料の表面に、先端が球面状の形状をした微小な凸部を、定着部材の表面に適切な数量設けることができる。これを定着部材として用いたときに、記録材上に転写されたトナーを定着する際に、トナーとの接触面積を少なくすることができ、オフセットの発生が長期間安定して防止され、定着ローラの耐久性を向上させることができる。 (19)請求項19記載の発明によって、記録材上に転写されたトナーを定着する際に定着部材表面へのトナーの付着力を低下させることができ、オフセットの発生が防止され、定着ローラの耐久性を向上させる定着方法を提供することができる。 (20)請求項20記載の発明によって、記録材上に転写されたトナーを定着する際に定着部材表面へのトナーの付着力を低下させることができ、オフセットの発生が防止され、定着ローラの耐久性を向上させる定着装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月1日(2000.6.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−342319(P2001−342319A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月14日(2001.12.14) |
| 【出願番号】 |
特願2000−164293(P2000−164293) |
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