トップ :: C 化学 冶金 :: C08 有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物




【発明の名称】 難燃性ポリプロピレン組成物及び車両用の絶縁電線
【発明者】 【氏名】杉山 雄二

【氏名】坂口 隆哉

【要約】 【課題】安価で、機械的特性、耐摩耗性、耐熱性及び柔軟性に優れ、押出成形加工性に優れた難燃性ポリプロピレン組成物であって、チューブ、パイプ、被覆物等の押出成形に好適な非ハロゲン系で、架橋性の官能基を含まないリサイクル可能な難燃性ポリプロピレン組成物を提供すること。通信用ケーブル、低電圧用電線ケーブル、自動車などの車両用の低圧等の絶縁電線などに用いることの出来る難燃性ポリプロピレン組成物を提供すること。

【解決手段】冷キシレン可溶分20%以上の非晶性ポリプロピレン30重量%〜100重量%及びエラストマー70重量%〜0重量%とのオレフィン系樹脂組成物100重量部と、金属水和物及び/又は硫酸アンモニウム系難燃剤50〜200重量部を含む難燃性ポリプロピレン組成物を提供すること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】冷キシレン可溶分20%以上の非晶性ポリプロピレン30重量%〜100重量%及びエラストマー70重量%〜0重量%とのオレフィン系樹脂組成物100重量部と、金属水和物及び/又は硫酸アンモニウム系難燃剤10〜200重量部を含む難燃性ポリプロピレン組成物。
【請求項2】難燃性ポリプロピレン組成物が、被覆用であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリプロピレン組成物。
【請求項3】難燃性ポリプロピレン組成物が、車両用の絶縁電線に使用される被覆用であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリプロピレン組成物。
【請求項4】請求項1に記載の難燃性ポリプロピレン組成物を車両用の導電芯線に被覆した車両用の絶縁電線。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的特性、耐摩耗性、耐熱性、かつ柔軟性を併せ持つ押出成形加工性に優れた難燃性ポリプロピレン組成物であって、チューブ、パイプ、被覆物等の押出成形に好適な非ハロゲン系で、リサイクル可能な難燃性ポリプロピレン組成物に関するものである。この難燃性ポリプロピレン組成物は、自動車などの車両用の絶縁電線に使用される被覆などの線材の被覆用に用いることが可能である。この難燃性ポリプロピレン組成物は、自動車などの車両用の導電芯線に被覆して自動車などの車両用の絶縁電線として製造し、用いることが出来る。
【0002】
【従来の技術】特開平6−176631号公報には、エチレン系樹脂に金属水和物を混合した組成物を導体に被覆した電線・ケーブルが開示されています。ポリプロピレン及び金属水和物の難燃性樹脂組成物が、特開平7−252388号に開示されています。エチレン−α−オレフィン共重合体と金属水酸化物とからなる樹脂組成物を導線芯線に被覆した絶縁電線が特開平10−340635号に開示されています。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】安価で、機械的特性、耐摩耗性、耐熱性及び柔軟性に優れ、押出成形加工性に優れた難燃性ポリプロピレン組成物であって、チューブ、パイプ、被覆物等の押出成形に好適な非ハロゲン系で、架橋性の官能基を含まないリサイクル可能な難燃性ポリプロピレン組成物を提供すること。通信用ケーブル、低電圧用電線ケーブル、自動車などの車両用の低圧等の絶縁電線などに用いることの出来る難燃性ポリプロピレン組成物を提供すること。この難燃性ポリプロピレン組成物を用い、自動車などの車両用の導電芯線に押出被覆して自動車などの車両用の絶縁電線を提供すること。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、冷キシレン可溶分20%以上の非晶性ポリプロピレン30重量%〜100重量%及びエラストマー70重量%〜0重量%とのオレフィン系樹脂組成物100重量部と、金属水和物及び/又は硫酸アンモニウム系難燃剤10〜200重量部を含む難燃性ポリプロピレン組成物に関する。
【0005】さらに本発明は、難燃性ポリプロピレン組成物が、被覆用であることを特徴とする上記の難燃性ポリプロピレン組成物に関する。
【0006】本発明は、上記の難燃性ポリプロピレン組成物が、車両用の絶縁電線に使用される被覆用であることを特徴とする難燃性ポリプロピレン組成物に関する。
【0007】本発明は、本発明の難燃性ポリプロピレン組成物を車両用の導電芯線に被覆した車両用の絶縁電線に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、冷キシレン可溶分20%以上の非晶性ポリプロピレン30重量%〜100重量%及びエラストマー70重量%〜0重量%とのオレフィン系樹脂組成物100重量部と、金属水和物及び/又は硫酸アンモニウム系難燃剤10〜200重量部含む又はからなる難燃性ポリプロピレン組成物である。
【0009】本発明の難燃性ポリプロピレン組成物において、オレフィン系樹脂組成物は、非晶性ポリプロピレン30重量%〜100重量%、好ましくは40重量%〜100重量%、さらに好ましくは45重量%〜100重量%、より好ましくは50重量%〜100重量%、特に好ましくは51重量%〜100重量%及びエラストマー70重量%〜0重量%、好ましくは60重量%〜0重量%、さらに好ましくは55重量%〜0重量%、より好ましくは50重量%〜0重量%、特に好ましくは49重量%〜0重量%であり、非晶性ポリプロピレンとエラストマーとの合計が100重量%となる。オレフィン系樹脂組成物において、エラストマーが上記範囲内では、柔軟性及び耐熱性に優れているため好ましい。特に、エラストマーが上記範囲より大きい場合、生産コストが上昇するため好ましくない。
【0010】本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、オレフィン系樹脂組成物100重量部と、金属水和物及び/又は硫酸アンモニウム系難燃剤は、下限値として10重量部、好ましくは20重量部、さらに好ましくは30重量部、特に好ましくは60重量部から上限値として200重量部、好ましくは180重量部、さらに好ましくは170重量部、特に好ましくは160重量部の範囲を含む又はからなる組成物である。本発明の難燃性ポリプロピレン組成物において、金属水和物及び/又は硫酸アンモニウム系難燃剤が上記範囲内では、難燃性に優れ、成形性に優れ、耐屈曲性に優れている。
【0011】本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、オレフィン系樹脂組成物100重量部と、金属水和物が下限値として10重量部、さらに50重量部、さらに80重量部、特に120重量部から上限値として200重量部、さらに190重量部、さらに180重量部の範囲を含む又はからなる組成物が好ましい。難燃性ポリプロピレン組成物では、オレフィン系樹脂組成物100重量部に対して、金属水和物が上記範囲内の場合では、難燃性、柔軟性及び耐屈曲性に優れているため好ましい。特に、難燃性ポリプロピレン組成物にオレフィン系樹脂組成物100重量部に対して、金属水和物が上記の下限値より低い場合、難燃性に問題があり、上記の上限値より大きい場合、柔軟性に問題があるため好ましくない。
【0012】本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、オレフィン系樹脂組成物100重量部と、硫酸アンモニウム系難燃剤が下限値として10重量部、さらに20重量部、さらに30重量部、特に60重量部から上限値として140重量部、さらに130重量部、さらに120重量部、特に110重量部の範囲を含む又はからなる組成物が好ましい。難燃性ポリプロピレン組成物では、オレフィン系樹脂組成物100重量部に対して、硫酸アンモニウム系難燃剤が上記範囲内の場合、難燃性及び柔軟性に優れているため好ましい。特に、難燃性ポリプロピレン組成物にオレフィン系樹脂組成物100重量部に対して、硫酸アンモニウム系難燃剤が上記の下限値より低い場合、難燃性に問題があり、上記の上限値より大きい場合、柔軟性に問題があるため好ましくない。
【0013】本発明の難燃性ポリプロピレン組成物において、非晶性ポリプロピレンの冷キシレン可溶分は、20%以上、好ましくは25%以上、さらに好ましくは30%以上、特に好ましくは35%以上の非晶性ポリプロピレンである。さらに本発明の難燃性ポリプロピレン組成物において、非晶性ポリプロピレンの冷キシレン可溶分は、下限値として20%以上、さらに25%以上、よりさらに30%以上、特に35%以上から上限値として90%以下、さらに85%以下、特に80%以下の範囲の非晶性ポリプロピレンが好ましい。非晶性ポリプロピレンの冷キシレン可溶分が上記範囲内では、柔軟性に優れている。特に、本発明に用いるポリプロピレンの冷キシレン可溶分が上記範囲より小さい場合、耐屈曲性及び柔軟性に問題があるため好ましくない。
【0014】非晶性ポリプロピレンは、カルボン酸基、酸無水基、エポキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルケニル環状イミノエーテル基、シラン基、シラノール基、チタネート基などの架橋性の官能基を含まない非晶性ポリプロピレンである。
【0015】非晶性ポリプロピレンは、冷キシレン可溶分が20%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上の非晶性のプロピレン樹脂と冷キシレン可溶分が20%未満の結晶性ポリプロピレンとからなる冷キシレン可溶分が20%以上の組成物を用いることが出来る。例えば、冷キシレン可溶分が90%の非晶性のプロピレン樹脂と冷キシレン可溶分が15%の結晶性ポリプロピレンとを混合した冷キシレン可溶分が20%以上の組成物であれば、本発明の非晶性ポリプロピレンとして用いることができる。
【0016】非晶性ポリプロピレンとしては、所定の触媒を用いて、プロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンとをプロピレン含量が30重量%以上、さらに35重量%以上、さらに40重量%以上、さらに45重量%以上、さらに50重量%以上、特に60重量%以上(100%はPPホモポリマー)の組成比で各モノマー単位がランダムに配列するように重合させた結晶性の低いポリマーが好ましく用いることが出来る。プロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンとして、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1など鎖状α−オレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテンなどの環状α−オレフィンなどを挙げることが出来る。これらのα−オレフィンは一種類又は二種類以上を適宜組合せて用いることができる。特に、α−オレフィンとしては、エチレン及び/またはブテン−1が好ましく用いることが出来る。
【0017】冷キシレン可溶分が20%以上の非晶性ポリプロピレンとして、米国ハンツマン(Huntsman)社の商品名「レクスタック(REXTAC)」や「フレキシブルポリオレフィン(FPO)」、宇部興産(株)社の商品名「ウベタック」、トクヤマ(株)社製の商品名「トクヤマPER」、モンテル・JPO(株)社製の商品名「キャタロイ」、などを挙げることが出来る。
【0018】結晶性ポリプロピレンとしては、冷キシレン可溶分が20%未満、好ましくは19%以下、さらに好ましくは18%以下、より好ましくは17%以下、特に好ましくは16%以下のプロピレン単独又は、プロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンとからなる、通常、密度が好ましくは0.890g/cm3以上、さらに好ましくは0.895g/cm3以上のポリマーを用いることが出来る。結晶性ポリプロピレンとして、ランダム共重合ポリプロピレンが柔軟性に優れるため好適に用いることが出来る。ランダム共重合ポリプロピレンとしては、プロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンを用いることができ、その具体例としては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1など鎖状α−オレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテンなどの環状α−オレフィンなどを用いることが出来る。これらのα−オレフィンは一種類又は二種類以上を適宜組合せて用いることができる。これらα−オレフィンの中では、エチレン及び/又はブテン−1が好ましい。密度は、水とイソプロピルアルコールからJIS・K−7112に基づき作成した密度勾配管を用いて測定した。密度測定に使用される試料は、樹脂組成物をテフロン(登録商標)コートした金属板の間に挟み、230℃で加熱圧縮して、シート化した後、23℃の冷却板で挟み急冷して作成する。この試料を用いて測定することができる。
【0019】ランダム共重合ポリプロピレンは、JISK7210にしたがって230℃、21.18Nの荷重で測定したメルト・フロー・レイト(MFR)が下限値として0.05(g/10分)、さらに0.1(g/10分)、特に0.3(g/10分)から上限値として30(g/10分)、さらに20(g/10分)、特に15(g/10分)の範囲にある、エチレン及び/又はブテン−1含有量が下限値として0.1重量%、さらに0.5重量%、特に1重量%から上限値として40重量%、さらに30重量%、さらに20重量%、特に8重量%のプロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1ランダム共重合体を用いることできる。
【0020】結晶性ポリプロピレンの製造は、特に制限されるものでなく、公知の結晶性ポリプロピレンの製造方法で製造することができる。例えば、マグネシウム、チタン、ハロゲン原子及び電子供与体からなる固体触媒成分、有機アルミニウム化合物、アルコキシ基含有芳香族化合物と、必要に応じて電子供与性化合物を加えた触媒系を用い、気相一段重合法、スラリー一段重合法、気相多段重合法、スラリー多段重合法などの方法で製造することができる。
【0021】エラストマーとしては、明確な降伏点を有しない熱可塑性の低結晶性エラストマー叉は明確な融点及び降伏点を有しない熱可塑性の非晶性エラストマーであり、常温でゴム弾性を有するエラストマーを用いることが出来る。エラストマーとしては、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを用いることが出来る。
【0022】スチレン系エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBSなど)、水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBSなど)、水添スチレン−ブタジエン共重合体(HSBRなど)、水添スチレン−ブタジエン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBCなど)等などのブタジエン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等の全てを含む)及びその水添物や、水添スチレン−イソプレン共重合体(SEPなど)、水添スチレン−ビニルイソプレン共重合体(V−SEPSなど)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SISなど)、水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SEPSなど)などのイソプレン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等の全てを含む)及びその水添物などを用いることが出来る。ポリオレフィン系エラストマーとしては、上記の非晶性ポリプロピレンを除く非晶性叉は低結晶性のオレフィン−α−オレフィン共重合体、ポリオレフィンとオレフィン系ゴムとの混合物等を用いることが出来る。ポリエステル系エラストマーとしては、ポリエステル−ポリエーテル共重合体、ポリエステル−ポリエステル共重合体等からなるエラストマーを用いることが出来る。 ポリアミド系エラストマーとしては、ポリアミド−ポリエステル共重合体、ポリアミド−ポリエーテル共重合体等からなるエラストマー等を用いることが出来る。上記のエラストマーを二種以上、混合して用いてもよい。
【0023】特に、エラストマーとしては、タフマーP0680(三井化学製の商品名)などのエチレン−プロピレン系エラストマー(EPR)、タフマーA4070(三井化学製の商品名)などのエチレン−ブテン−1系エラストマー(EBM)などを好ましく用いることが出来る。
【0024】金属水和物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水化珪酸アルミニウム、オルト珪酸アルミニウム、水化珪酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の水酸基あるいは結晶水を有する無機化合物が挙げられる。 これらの金属水和物は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよいが、最も好ましいものは水酸化マグネシウムである。これらの金属水和物においては、粒子径が100μm以下、さらに75μm以下、さらに50μm以下、さらに30μm以下、さらに20μm以下、特に10μm以下が好ましい。特に、これらの金属水和物においては、0.3〜1.0μmの範囲の結晶粒子径を有しているもので、凝集が殆ど無いものが好ましい。このようなものとしては、例えば協和化学工業株式会社製水酸化マグネシウム系難燃剤キスマ5(登録商標)がある。中でもキスマ5A、5B、5E、5Jなど表面処理を施したグレードが好ましい。
【0025】硫酸アンモニウム系難燃剤としては、特開平5−98260号に記載される難燃剤を硫酸アンモニウムと、この硫酸アンモニウムの重量に対して、下限値として0.1重量%、好ましくは0.3重量%、特に好ましくは0.5重量%から上限値として10重量%、好ましくは5重量%、特に好ましくは3重量%の脂肪酸アルミニウム塩の単独もしくは2種以上の混合物とを含む微粉末からなる難燃剤を用いることが出来る。硫酸アンモニウム系難燃剤としては、粒子径が100μm以下、さらに75μm以下、さらに50μm以下、さらに30μm以下、さらに20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0026】脂肪酸アルミニウム塩として、脂肪酸基の炭素数が6〜22の飽和もしくは不飽和の脂肪酸塩であるのが好ましい。また、この脂肪酸塩は、モノ脂肪酸アルミニウム塩、ジ脂肪酸アルミニウム塩もしくはトリ脂肪酸アルミニウム塩であるのがよい。
【0027】脂肪酸アルミニウム塩として、具体的には、アルミニウムモノカプロエート、アルミニウムジカプロエート、アルミニウムトリカプロエート、アルミニウムモノカプリレート、アルミニウムジカプリレート、アルミニウムトリカプリレート、アルミニウムモノカプレート、アルミニウムジカプレート、アルミニウムトリカプレート、アルミニウムモノラウレート、アルミニウムジラウレート、アルミニウムトリラウレート、アルミニウムモノミリステート、アルミニウムジミリステート、アルミニウムトリミリステート、アルミニウムモノパルミテート、アルミニウムジパルミテート、アルミニウムトリパルミテート、アルミニウムモノステアレート、アルミニウムジステアレート、アルミニウムトリステアレート、アルミニウムモノオレート、アルミニウムジオレート、アルミニウムトリオレート、アルミニウムモノアルキデート、アルミニウムジアルキデート、アルミニウムトリアルキデート、アルミニウムモノベヘネート、アルミニウムジベヘネート、アルミニウムトリベヘネート等を挙げることができる。
【0028】本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、銅害防止剤、抗菌剤、抗酸化剤、スリップ剤等の粘着防止剤、カーボン顔料、酸化チタン等の着色剤等の従来公知の一般的な添加剤を必要に応じて適宜配合することができる。本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、上記の非晶性ポリプロピレン及びエラストマーを除く他のオリゴマー、ポリマーを本発明の特性を損なわない範囲で添加することができる。
【0029】本発明の難燃性ポリプロピレン組成物において、各成分の混合方法、混合装置、混合設備に特に制限はなく、公知の単軸押出機(混練機)、2軸押出機(混練機)、2軸押出機と単軸押出機(混練機)を直列に接続したタンデム型混練装置、カレンダー、バンバリーミキサーなどを用いることが出来る。
【0030】本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、チューブ、パイプ、線材などの被覆用として用いることが出来る。本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、押出成形によりチューブ、パイプ、線材などに被覆して用いることが出来る。本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、自動車などの車両用の絶縁電線に使用される被覆用として用いることが出来る。
【0031】本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、通信用ケーブル、低電圧用電線ケーブル、自動車などの車両用の絶縁電線などの絶縁被覆物として用いることができる。本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、自動車などの車両の導電芯線に押出被覆し、自動車などの車両用の絶縁電線を製造することができる。
【0032】図1は、自動車などの車両の導電芯線等電線やケーブル12の外周に内層13と外層14とからなる絶縁層を被覆した自動車などの車両用の等の絶縁電線や絶縁ケーブル11の一例を示している。本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、図1に示す内層13に用いることが出来る。外層14は、本発明の難燃性ポリプロピレン組成物を除く耐摩耗性の良い結晶性ポリプロピレンなどを主体とするポリマーや難燃性ポリマーを用い、内層は柔軟性、耐屈曲性の良い本発明の難燃性ポリプロピレン組成物を用いることが出来る。本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、図1に示す自動車などの車両の導電芯線等電線やケーブル12の外周に内層13と外層14とからなる絶縁層を被覆した自動車などの車両用の等の絶縁電線や絶縁ケーブル11を製造することができ、本発明の難燃性ポリプロピレン組成物は、内層13に用いる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
【0034】冷キシレン可溶分は以下の方法で求められる。試料5gを500mlの混合キシレン(特級)に加熱溶解させ、これを20℃のウォーターバス中で1時間冷却後、保留粒子径5μmの濾紙を用いて濾過する。濾液を50ml採取して濃縮し、真空乾燥機でキシレンを除去、乾燥し重量を測定して、冷キシレン可溶分を得る。式1に従い、冷キシレン可溶分(%)を算出する。
【数1】

【0035】曲げ弾性率は、ASTM D790に準拠して測定した。
【0036】メルトフローレイト(MFR)(g/10min)の測定は、JIS・K7210に準拠して、メルトインデクサを用いて、230℃における21.18N荷重で測定した値である。
【0037】[電線の評価方法]
1.難燃性:自動車規格、JASO D・611に準拠して、難燃試験を行った。炎を静かに取り去った後、電線の消火時間を測定し、評価した。
○:10秒以内で消火した、×:10秒を超えて消火した。
2.耐摩耗性:JASO・6722に準拠して、ブレード往復法により摩耗試験を行った。摩耗回数を測定し、評価した。
○:摩耗回数100回以上、×:摩耗回数100回未満。
3.耐熱性:150℃オーブン中で、120時間加熱し、被覆表面の亀裂を目視で観察した。
○:亀裂なし、×:亀裂あり。
4.白化性:試料を180°の折り曲げを行い、折り曲げ部での白化を目視で観察した。
○:白化しない、×:白化する。
【0038】(実施例1〜6、比較例1〜2)表1及び表2に示す成分を用い、表3および表4に示す組成割合で、1.2mmφの軟銅撚線の外周に内層樹脂、外層樹脂をそれぞれ押出して被覆を行い、図1に示す薄肉の電線を作成した。得られた電線を用い、難燃性、耐摩耗性、耐熱性及び白化性の評価を行い、結果を表3及び表4に示す。内層の厚みは約0.25mm、外層の厚みは約0.05mmであった。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】
【表4】

【0043】
【表5】

【0044】
【発明の効果】本発明は、安価で、機械的特性、耐摩耗性、耐熱性及び柔軟性に優れ、押出成形加工性に優れた難燃性ポリプロピレン組成物であって、チューブ、パイプ、被覆物等の押出成形に好適な非ハロゲン系で、架橋性の官能基を含まないリサイクル可能な、通信用ケーブル、低電圧用電線ケーブル、車両用の低圧等の絶縁電線などに用いることの出来る難燃性ポリプロピレン組成物を提供することができる。本発明は、ポリプロピレンを主体とする耐熱性を有する難燃性ポリプロピレン組成物を提供することができる。
【0045】本発明の難燃性ポリプロピレン組成物を用い、車両用の導電芯線に押出被覆して車両用の絶縁電線を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000000206
【氏名又は名称】宇部興産株式会社
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−342309(P2001−342309A)
【公開日】 平成13年12月14日(2001.12.14)
【出願番号】 特願2000−161651(P2000−161651)