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【発明の名称】 遮光性薄膜形成用樹脂、カラー液晶表示器、カラーフィルターおよびTFT基板
【発明者】 【氏名】木下 暢

【氏名】堀口 尚郎

【要約】 【課題】光硬化性樹脂中に特殊な黒色顔料を単独または混合して分散させることによって、低コストで、耐熱性、耐光性に優れているブラックマトリックスを形成させることができるようになる遮光性薄膜形成用樹脂、この遮光性薄膜形成用樹脂によるブラックマトリックスを有するカラー液晶表示器、カラーフィルターおよびTFT基板を提供することを課題とする。

【解決手段】体積固有抵抗値が10Ωcm以上の鉄系複合酸化物もしくはクロム系複合酸化物のうち1種以上を主成分とする黒色顔料を光硬化性樹脂に含有させるように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】体積固有抵抗値が10Ω・cm以上の鉄系複合酸化物もしくはクロム系複合酸化物のうち1種以上を主成分とする黒色顔料を光硬化性樹脂に含有させたことを特徴とする遮光性薄膜形成用樹脂。
【請求項2】前記黒色顔料の主成分としては、鉄系複合酸化物もしくはクロム系複合酸化物の単独または混合物を60〜100重量%含むことを特徴とする請求項1記載の遮光性薄膜形成用樹脂。
【請求項3】前記光硬化性樹脂80〜30重量部に対して前記黒色顔料20〜70重量部を配合したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の遮光性薄膜形成用樹脂。
【請求項4】請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遮光性薄膜形成用樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスを備えたことを特徴とするカラー液晶表示器。
【請求項5】請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遮光性薄膜形成用樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスを備えたことを特徴とするカラーフィルター。
【請求項6】請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遮光性薄膜形成用樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスを備えたことを特徴とするTFT基板。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基板や液晶表示器用基板に微細な遮光性薄膜パターンを形成する遮光性薄膜形成用樹脂、この遮光性薄膜形成用樹脂による遮光性薄膜パターンを有するカラー液晶表示器、カラーフィルターおよびTFT基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカラー液晶表示器、特に、TFT(Thin Film Transistor)駆動方式のカラー液晶表示器では、カラーフィルターにブラックマトリックスを設けることにより、表示画像のコントラストの向上を計るとともに、駆動部であるTFTの遮光を行い、光が当たることにより発現する暗電流の発生を防止していた。
【0003】最近では、カラー液晶表示器のより高精細・高輝度化に対応するために、カラーフィルターの開口部を大きくすることが検討されてきている。そのための一方法として、カラーフィルターのブラックマトリックスをなくし、TFT基板上にブラックマトリックスを形成したカラー液晶表示器の構造が提案されている。
【0004】このような構造の液晶表示器においては、TFT基板上にブラックマトリックスを形成する方法として、カラーフィルターにおけるブラックマトリックスの形成方法と同様に、金属クロム膜をスパッタ法により形成したのちフォトリソグラフィー法によりパターニングする方法が一般的であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術において、液晶表示器のTFT基板上に形成させるブラックマトリックスとして、金属クロム膜を形成させた場合は、その金属的導電性のため、金属クロム膜の上下に絶縁層を形成する必要があり、また、蒸着やスパッタ法による成膜後には、エッチングによりパターニングを行わなければならず、遮光膜パターンを形成する工程が煩雑となって、製造コストが極めて高くなる。そして、形成させた金属クロム膜は、遮光性は良好であるものの、金属特有の反射が大きいために、外光の映り込みが生じ、画面が見ずらくなる。
【0006】また、ブラックマトリックスとして黒色顔料を混入させた樹脂を使用する場合、黒色顔料として一般的なカーボンブラックやチタンブラックでは、金属クロムと同様に導電性があるために、ITO(Indium Tin Oxide)画素電極間の短絡を防止するために、遮光膜の上下に絶縁膜を設ける必要が生じ、その結果、製造コストが極めて高くなる。
【0007】また、有機顔料混入樹脂を使用した場合では、遮光性が十分でなくディスプレイのコントラストの低下を招き、さらには、耐光性に劣るために、長時間の使用に当たっては信頼性が不足する。このように液晶表示器のTFT基板上に形成させるブラックマトリックスに対しては、種々の問題点があった。
【0008】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもので、その解決を目的として設定された技術的課題は、光硬化性樹脂中に特殊な黒色顔料を単独または混合して分散させることによって、低コストで、耐熱性、耐光性に優れているブラックマトリックスを形成させることができるようになる遮光性薄膜形成用樹脂、この遮光性薄膜形成用樹脂によるブラックマトリックスを有するカラー液晶表示器、カラーフィルターおよびTFT基板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記課題を解決するための具体的手段として、請求項1に係る遮光性薄膜形成用樹脂は、体積固有抵抗値が10Ω・cm以上の鉄系複合酸化物もしくはクロム系複合酸化物のうち1種以上を主成分とする黒色顔料を光硬化性樹脂に含有させたことを特徴とする。そして、請求項2に係る遮光性薄膜形成用樹脂においては、前記黒色顔料の主成分としては、鉄系複合酸化物もしくはクロム系複合酸化物の単独または混合物を、60〜100重量%含むことを特徴とする。さらに、請求項3に係る遮光性薄膜形成用樹脂においては、前記光硬化性樹脂80〜30重量部に対して前記黒色顔料20〜70重量部を配合したことを特徴とする。
【0010】また、請求項4に係るカラー液晶表示器は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遮光性薄膜形成用樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスを備えたことを特徴とする。また、請求項5に係るカラーフィルターは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遮光性薄膜形成用樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスを備えたことを特徴とする。また、請求項6に係るTFT基板は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遮光性薄膜形成用樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスを備えたことを特徴とする。
【0011】
【作用】このように構成した遮光性薄膜形成用樹脂は、光硬化性樹脂に体積固有抵抗値が10Ω・cm以上の鉄系複合酸化物もしくはクロム系複合酸化物のうち1種以上を主成分とする黒色顔料を含有させたことによって、電気絶縁性皮膜を設ける必要がなくなり、印刷法または塗布法等の低コストな製造法を適用することができるようになり、低コストで、遮光性、耐熱性、耐光性に優れた遮光性薄膜形成用樹脂となる。そして、前記黒色顔料の主成分としては、鉄系複合酸化物もしくはクロム系複合酸化物の単独または混合物を60〜100重量%含むことにしたことによって、塗布性、遮光膜の色目等を改善し、あるいは遮光性を向上させる。さらに、遮光性薄膜形成用樹脂は、光硬化性樹脂80〜30重量部に対して黒色顔料20〜70重量部を配合したことにより、光硬化性樹脂の光硬化性を損なわない範囲で効果的に遮光性を発揮させる。
【0012】また、請求項4に係るカラー液晶表示器は、前記遮光性薄膜形成用樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスを備えたことにより、低コストで、遮光性、耐熱性、耐光性に優れ、極めて視認性に優れたカラー表示器が得られる。また、請求項5に係るカラーフィルターは、前記遮光性薄膜形成用樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスを備えたことにより、表示画像のコントラストを向上させるとともに駆動部の遮光を効果的に行い、暗電流の発生を防止する。また、請求項6に係るTFT基板は、前記遮光性薄膜形成用樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスを備えたことにより、画素電極間の短絡を防止する電気絶縁膜を設ける必要がなくなり、また、画面表示をより高精細・高輝度化させる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
〔薄膜形成用樹脂〕本発明の遮光性薄膜形成用樹脂は、低コストの製造に適している印刷法、塗布法によって成膜できる光硬化性樹脂を選択し、その樹脂に少なくとも黒色顔料を混入、分散させるものとする。遮光性薄膜形成用樹脂の配合割合としては、光硬化性樹脂30〜80重量部に対し、黒色顔料を70〜20重量部配合させる。黒色顔料のうち、鉄系複合酸化物およびクロム系酸化物が、特に、耐熱性、耐光性に優れているため、これらの酸化物を単独または混合したものを主成分とした顔料を光硬化性樹脂中に分散させることにする。
【0014】光硬化性樹脂に対する顔料の配合量は、光硬化性樹脂30〜80重量部に対して無機顔料70〜20重量部とされるが、これは配合比が70:30よりも大きくなると光硬化性が著しく低下して、遮光性薄膜パターンの形成が不良になってしまい、一方、配合比が20:80よりも小さくなると遮光性が不十分となり、いずれも実用的ではないからである。
【0015】光硬化性樹脂としては、UV領域あるいは可視光領域で感光硬化する樹脂を使用する。特に、400〜500nmの波長領域において感光硬化する樹脂が好適である。また、光硬化性樹脂中に光開始剤や光増感剤を適量加えて、遮光膜のパターン精度を向上させたり、露光時間を短縮させるようにしても良い。
【0016】このような樹脂としては、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリエーテル系、合成ゴム系等のUV硬化樹脂やネガ型レジストがあり、これらを単独あるいは混合して配合されたものを用いる。黒色顔料としての鉄系複合酸化物およびクロム系酸化物は、可視光吸収特性(遮光性)、耐熱性、耐光性において優れ、導電性においても104 Ω・cm以上の値を有しており、他の黒色顔料であるカーボンブラック、チタンブラックや前記金属クロム膜に比べて6桁以上も電気絶縁性に優れているため、カラー液晶表示器におけるTFT遮光膜用顔料として最適である。
【0017】鉄系複合酸化物またはクロム系複合酸化物は、粒径が1.0μm程度以下のものが望ましい。そして、このような鉄系複合酸化物またはクロム系複合酸化物は、黒色で300℃の高温でも安定であり、かつ電気抵抗も高いという特徴を有する。特に、鉄系複合酸化物またはクロム系複合酸化物は、青みを帯びた黒色であるために400〜500nmの波長領域における遮光性はそれ以外の波長領域に比較して低い。そのため、鉄系複合酸化物またはクロム系複合酸化物を配合した光硬化性樹脂は、基板上に薄膜状に成膜した後、UV光や可視光を照射することによって、硬化させることができるようになる。
【0018】鉄系複合酸化物としては、マンガン−銅−鉄系化合物(Mn−CuO−Fe)、コバルト−クロム−鉄系化合物(CoO−Cr−Fe)が、また、クロム系複合酸化物としては銅−マンガン−クロム系化合物(CuO−Mn−Cr)、銅−クロム系化合物(CuO−Cr)が代表的な物質であり、これらは一般に市販されており、容易に入手することができる物質である。
【0019】鉄系複合酸化物またはクロム系複合酸化物と併用できる顔料成分としては、従来から用いられているカーボンブラック、チタンブラック、硫化ビスマスなどの黒色顔料や黒色染料はもちろん、これら以外にも、チタンホワイト、赤色酸化鉄、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料等の無機あるいは有機の着色顔料、シリカ粉、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等の体質顔料があり、それぞれ単独でまたは、混合して鉄系複合酸化物やクロム系複合酸化物とともに使用することができる。
【0020】これらの顔料は、塗布性の改善や遮光膜の色目(反射色)の改善等を目的にして加えられるが、鉄系複合酸化物またはクロム系複合酸化物の優れた顔料特性を失わないためには、なるべく少量であることが望ましい。また、カーボンブラックのようにきわめて電気抵抗の低い顔料を鉄系複合酸化物またはクロム系複合酸化物と併用する場合には、得られる遮光性薄膜の電気抵抗に特に注意する必要がある。
【0021】ただし、硫化ビスマスは少量の添加で遮光性が著しく向上する効果があるばかりでなく、電気絶縁性に優れているため、顔料成分としては、鉄系複合酸化物もしくはクロム系複合酸化物の単独または混合物と硫化ビスマスとの配合比を80:20〜60:40程度まで配合させてもよい。
【0022】光硬化性樹脂と鉄系複合酸化物またはクロム系複合酸化物を含む全顔料との重量比は、前述した光硬化性樹脂と無機顔料との配合比の場合と同様の理由によって、光硬化性樹脂:全顔料=80:20〜30:70の範囲が望ましい。すなわち、30:70よりも顔料の重量比が大きい場合には光硬化性が著しく低下してしまい、一方80:20よりも顔料比が小さい場合には得られる遮光性薄膜の遮光性が悪くなってしまうために、いずれも実用的でないからである。
【0023】〔薄膜形成用樹脂生成方法〕遮光性薄膜形成用樹脂は、光硬化性樹脂と鉄系複合酸化物またはクロム系複合酸化物と必要に応じ併用される顔料とを所定比で配合して混合し、その後、光重合開始剤や光増感剤を適量加えることによって得られる。この顔料混合時には、鉄系複合酸化物またはクロム系複合酸化物や併用する顔料の分散性を向上させる目的で、高分子系分散剤を適量添加するのが望ましい。
【0024】このようにして得られた遮光性薄膜形成用樹脂を使用するに際しては、その塗布作業性を良くするために、アルコール系、エステル系、ケトン系、セロソルブ系、炭化水素系等の適当な有機溶剤を加えて、適当な粘度に希釈して使用しても良い。
【0025】〔薄膜形成方法〕次に、このような遮光性薄膜形成用樹脂を用いて、基板に遮光性薄膜を形成する方法について説明する。まず、ガラス、プラスチック板、プラスチックフィルム等の基板表面にロールコート、スピンコート、スクリーン印刷、オフセット印刷等の方法で前記遮光性薄膜形成用樹脂を塗布し、さらに必要に応じてプリベークを行い、厚さ0.5〜5μmの未硬化の塗膜を形成する。
【0026】次に、所望パターンのマスクを被せて、超高圧水銀灯やメタルハライドランプ等を使用した紫外線照射装置を用い、前記未硬化塗膜上に照射して1〜120秒程度露光させる。前述したように、本塗膜は400〜500nmの波長領域において若干の光透過性を有するために、鉄系複合酸化物やクロム系複合酸化物を配合しない光硬化性樹脂単独の場合よりも露光時間は長く必要となるものの実用の露光時間範囲内で硬化した遮光性薄膜が得られる。
【0027】樹脂硬化後、この薄膜付き基板を現像液に5〜120秒程度浸漬または現像液をシャワーがけして、未硬化の部分を徐去する。現像液としては、用いられた光硬化性樹脂の種類により種々選択されるが、通常は水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の無機または有機のアルカリ水溶液やエステル、ケトン、アルコール、芳香族および脂肪族の炭化水素等の有機溶剤が使用される。現像後、この基板を純水で十分に洗浄をおこなった後、90〜200℃の温度でポストベークを行い、所定の遮光性薄膜パターンを基板上に形成する。
【0028】〔従来例との比較〕比較用実施例として透明基板上へ形成した遮光性薄膜を説明する。
〔比較用実施例の調整〕以下の物質をサンドミルにて混合し、分散させて、遮光性薄膜形成用樹脂を作成した。
【0029】
光硬化性樹脂(東京応化工業製 ネガ型レジストPMER−N−HC40) 43重量部 鉄系複合酸化物粉末(大日精化工業製 ダイピロキサイドブラック#9510) 10.5重量部 光重合開始剤(チバガイギ−社製 イルガキュア−369) 1重量部 酢酸セロソルブ(酢酸セロソルブ) 45重量部 高分子分散剤 微量【0030】〔遮光性薄膜パターンの形成〕比較用実施例の透明ガラス基板上に、前記遮光性薄膜形成用樹脂をスピナーを用いて1000rpmにて塗布し、さらに90℃で5分間プリベークした。次いで、その上にポリビニルアルコールの5%水溶液を同様にしてスピナーにより塗布し、90℃で10分間プリベークした。次いで、塗布基板に5〜20μmのパターンの入ったマスクを被せて、露光装置(ミカサ製 マスクアライナ−M−2L)により100mw/cm2 のUV光を20秒間照射し、露光させた。この時のUV光の主波長は365nm、405nm、および436nmである。
【0031】その後、露光させた基板を純水シャワーにて洗浄し、ポリビニルアルコール膜を取り除いた後、現像液(東京応化製 PMER 現像液 N−A5)に45秒間浸漬して未硬化部分の遮光性薄膜を除去し、さらに純水で洗浄を行った後、200℃で30分間ポストベークした。このようにして得られた基板を観察したところ、図1(写真)に示すように、精度よく遮光性薄膜が形成されているのが確認された。このような遮光性薄膜の膜厚、遮光率、表面抵抗、耐熱性を調べ、その結果を表1に示す。
【0032】〔比較用従来例〕比較用従来例として、表2に示す従来の樹脂を、実施例と同様に遮光性薄膜を形成し、その特性を調べて表1に併記する。
〔比較の結果〕表1に示すように、本発明による薄膜は、700nm以下の波長領域で高い遮光性を維持しつつ、電気絶縁性にも優れ、かつ、良好なパターニング性を有しているなど、比較例のものに比べ優れた特性を有していることが確認された。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】〔実施例の効果〕本発明の遮光性薄膜形成用樹脂は、鉄系複合酸化物またはクロム系複合酸化物が青みを帯びた黒色で、300℃の高温でも安定であり、かつ電気抵抗も高いので、これによって例えば、TFT基板上に微細な遮光性薄膜を形成すれば、得られる薄膜は遮光性、電気絶縁性、耐熱性、およびパターニング性等の優れた特性を有する遮光膜となる。したがって、この遮光性薄膜形成用樹脂をTFT駆動方式のカラー液晶表示製造に用いて、TFT上に遮光性の保護膜を形成すれば、従来になく簡単な工程で安価に液晶表示器が製造可能となり、かつ、金属クロムを使用した場合のような金属反射がないため、極めて視認性に優れた液晶表示器を作成することができる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明による請求項1に係る遮光性薄膜形成用樹脂は、光硬化性樹脂に体積固有抵抗値が10Ω・cm以上の鉄系複合酸化物もしくはクロム系複合酸化物のうち1種以上を主成分とする黒色顔料を含有させたことによって、電気絶縁性皮膜を設ける必要がなく、低コストな製造法を適用することができ、低コストで、遮光性、耐熱性、耐光性に優れた遮光性薄膜形成用樹脂の提供を実現できる。
【0037】そして、請求項2に係る遮光性薄膜形成用樹脂では、前記黒色顔料の主成分として、鉄系複合酸化物もしくはクロム系複合酸化物の単独または混合物を60〜100重量%含むことにしたことによって、遮光性薄膜形成用樹脂に絶縁性を持たせることができ、可視光吸収特性、耐熱性、耐光性を向上させることができるとともに、塗布性、遮光膜の色目等を改善し、あるいは遮光性を向上させることができる。さらに、請求項3に係る遮光性薄膜形成用樹脂は、光硬化性樹脂80〜30重量部に対して黒色顔料20〜70重量部を配合したことにより、光硬化性樹脂の光硬化性を損なわない範囲で効果的に遮光性を発揮させることができる。
【0038】また、請求項4に係るカラー液晶表示器は、前記遮光性薄膜形成用樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスを備えたことにより、低コストで、遮光性、耐熱性、耐光性に優れ、極めて視認性に優れたカラー表示器を得ることができる。また、請求項5に係るカラーフィルターは、前記遮光性薄膜形成用樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスを備えたことにより、表示画像のコントラストを向上させることができるとともに駆動部の遮光を効果的に行うことができ、しかも暗電流の発生を防止することができる。また、請求項6に係るTFT基板は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遮光性薄膜形成用樹脂を用いて形成されたブラックマトリックスを備えたことにより、画素電極間の短絡を防止する電気絶縁膜を設ける必要がなくなり、また、画面表示をより高精細・高輝度化させることができる。
【出願人】 【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
【出願日】 平成5年7月9日(1993.7.9)
【代理人】 【識別番号】100075199
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 皓
【公開番号】 特開2001−311013(P2001−311013A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2001−76358(P2001−76358)