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【発明の名称】 樹脂組成物
【発明者】 【氏名】冨田 斉

【氏名】西川 哲生

【氏名】春田 和夫

【要約】 【課題】赤色、緑色、紫色等の鮮明色に着色された金属含有樹脂組成物を提供する。

【解決手段】熱可塑性樹脂組成物、金属粉及び金属化合物顔料からなる樹脂組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性樹脂、金属粉及び顔料を含有する樹脂組成物であって、顔料が金属化合物であることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】 金属化合物が酸化第2クロム、硼化ランタン、酸化第2鉄を主成分とする顔料のいずれかであることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項3】 酸化第2鉄が弁柄、マルス系顔料のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物。
【請求項4】 熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂,ポリフェニレンスルフィド樹脂,又はアミド系エラストマーから選択されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】 金属粉がタングステン粉、銅粉、真鍮粉、ステンレス粉、鉄粉、ビスマス粉から選ばれる単体及び混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項6】 比重が5.0以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤色、緑色、紫色、オレンジ色等の鮮明色に着色された金属含有樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高比重材料としては、金属そのもののほか、樹脂に金属を含有させて製造したものも用いられてきた。しかし、金属自体の色は、金属光沢は有るものの鮮明ではなく、また表面酸化により黒っぽくなる。従って、金属を含有させた樹脂の色調も、満足の行くものではなかった。また、金属を含有させた樹脂に更に塗装するのは、製造工程が余分にかかるため、コスト的に不利であった。樹脂成形品表面には、金属粉が露出しているため、塗料の仕様を樹脂用に設定した場合、剥離することが多々あり非常に外観が見苦しいものとなる。また、塗料の仕様を金属用に設定した場合も同様である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的とするところは、上記の従来技術の問題点を解消し、外観塗装をしなくても鮮明な色を呈する金属含有樹脂組成物を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は熱可塑性樹脂、金属粉及び顔料を含有する樹脂組成物であって、顔料が、金属化合物であることを特徴とする樹脂組成物, 金属化合物が酸化第2クロム、硼化ランタン、酸化第2鉄を主成分とする顔料のいずれかである該樹脂組成物,酸化第2鉄が弁柄、マルス系顔料の何れかである該樹脂組成物,熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂,ポリフェニレンスルフィド樹脂,又はアミド系エラストマーから選択されるものである該樹脂組成物,金属粉がタングステン粉、銅粉、真鍮粉、ステンレス粉、鉄粉、ビスマス粉から選ばれる単体及び混合物である該樹脂組成物,比重が5.0以上である該樹脂組成物によって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に使用する熱可塑性樹脂の種類は、特に限定されるものではないが、具体例としては、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、液晶性ポリマー、ポリスルホン樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等が挙げられる。また、熱可塑性エラストマー、例えば、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、エステル系、塩化ビニル系、アミド系、フッ素系が挙げられるがこの限りではない。これらは2種以上の混合物として使用しても良い。
【0006】特に、機械的特性の面でポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂及びアミド系エラストマーが好ましい。
【0007】本発明に使用する金属粉は特に限定しないが、重量感を付与するためには比重の大きい物が好ましい。例えば、タングステン粉、銅粉、真鍮粉、ステンレス粉、鉄粉、鉛粉、ビスマス粉等が挙げられるが、環境面からは、タングステン粉、銅粉、真鍮粉、ステンレス粉、鉄粉、ビスマス粉等が好ましい。これらは2種以上の混合物として使用しても良い。更に、コスト面からは、タングステン粉、銅粉、真鍮粉、ステンレス粉、鉄粉等が好ましい。
【0008】本発明に使用する金属粉は熱可塑性樹脂との接着性をあげるためカップリング処理を施しても良い。
【0009】本発明に使用する金属化合物とは、具体的には、酸化第2クロム、硼化ランタン及び酸化第2鉄を主成分とする顔料のいずれか単体である。
【0010】酸化第2クロムを配合した場合、得られる金属含有樹脂組成物は緑色を呈する。
【0011】硼化ランタンの場合は紫色を呈す。
【0012】本発明に使用する酸化第2鉄を主成分とする顔料とは、具体的には、弁柄、マルス系顔料の何れかである。
【0013】弁柄とは酸化第2鉄からなる赤色顔料のことであり、硫酸第2鉄若しくは硫化鉄鉱を焼いて生成する。
【0014】マルス系顔料とは、マルスエロー及びそれから誘導される各種顔料の総称のことである。具体的には、硫酸第2鉄を出発原料として生成されるマルスエロー、マルスエローを焼成して生成されるマルスオレンジ、マルスレッド、マルスブラウン等が挙げられる。また、マルスエローにプルシアンブルーを混合して得られるマルスグリーンや弁柄製造時の焼成温度を1000℃位にしたときに得られるマルスバイオレットも含む。
【0015】本発明に使用する金属化合物は、樹脂との接着性をあげるため金属粉と同様にカップリング処理を施しても良い。
【0016】本発明で得られる樹脂組成物の比重は5以上であることが好ましく、中でも鉄の代替用途ならば7.9以上、鉛の代替用途ならば11.3以上であることが好ましい。
【0017】本発明で用いられる金属粉の配合量は、目的とする樹脂組成物の比重、使用する熱可塑性樹脂及び使用する金属粉の比重によって決めることができる。例えば、比重11.3の緑色の高比重樹脂組成物を得るためには、6ナイロン樹脂が3.9重量%、タングステン粉末が94.5重量%、酸化第2クロムが1.6重量%になる。
【0018】本発明の樹脂組成物には本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の添加剤を加えることができる。具体的には、例えば酸化防止剤及び熱安定剤(例えばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、チオエーテル、ホスファイト類及びこれらの置換体及びその組合せを含む)、紫外線吸収剤(例えばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等)、結晶核剤(例えばカオリン、タルク等)、滑剤及び離型剤(例えばモンタン酸及びその塩、ステアリン酸及びその塩、ステアリルアルコール、ステアリルアミド、シリコン樹脂等)、強化材(ガラス繊維、炭素繊維、ウィスカー等)等を1種以上添加することが出来る。
【0019】本発明の樹脂組成物は、それぞれの成分が十分に分散していることが好ましい。分散が十分な場合には、色斑が発生せず、溶融流動性が十分なため射出成形法によって成形品が容易に得られるからである。
【0020】そのためには、例えば、混練押出機として2軸異方向回転押出機を用いる。具体的には、予め粉末状の熱可塑性樹脂組成物、カップリング処理を施した金属化合物及び金属粉を高剪断攪拌器(例えばヘンシェルミキサやスーパーミキサ)で十分に混合した後、2軸異方向回転押出機に供給する方法が挙げられるがこれに限定されない。
【0021】
【発明の効果】本発明は、赤色、緑色、紫色等の鮮明色に着色された金属含有樹脂組成物に関する物であり、重錘用途等に有用である。
【0022】
【実施例】以下、実施例で本発明を更に詳しく説明する。尚、物性評価は以下の方法に従って実施した。
【0023】比重:ASTM D792(使用する試験片形状:127×13×6.4)
色相:試験片を目視【0024】実施例1〜3、比較例1ポリアミド樹脂(6ナイロン、カネボウ合繊社製 MC100L )の粉末、予めヘンシェルミキサーでカップリング(カップリング剤 東レ・ダウコーニング社製 SH6020)処理したタングステン粉末(東京タングステン社製 D20)及び酸化第2クロム(戸田工業社製)を表1に示す組成で配合し、ヘンシェルミキサーで十分混合後、2軸混練押出機(日本製鋼社製 TEX30α)で溶融混練した。得られたペレットを射出成形機(住友重機械社製 PROMATSG−75)を用い曲げ試験片(127×13×6.4)に成形した。比重及び色相も表1に示した。
【0025】
【表1】

【0026】実施例4、5、比較例2ポリフェニレンスルフィド樹脂(東レ社製 ライトンPPS)、実施例1と同様な方法でカップリング処理した銅粉(福田金属箔粉工業社製 Cu−At−100)または真鍮粉(福田金属箔粉工業社製 Bra−At−100 銅:70%、亜鉛:30%)及びマルスオレンジ(戸田工業社製)を表1に示す組成で配合し、実施例1と同様の方法で曲げ試験片を得、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0027】実施例6、7、比較例3アミド系エラストマー(ダイセル・ヒュルス社製 ダイアミドPAE E47)の粉末、実施例1で使用したカップリング処理済みのタングステン粉、実施例4で使用したカップリング処理済の銅粉及び弁柄(戸田工業社製)を表2に示す組成で配合し、実施例1と同様の方法で曲げ試験片を得、同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0028】
【表2】

【0029】実施例8〜10、比較例4ポリアミド樹脂(66ナイロン、旭化成社製 レオナ1300)の粉末、実施例1と同様にカップリング処理したタングステン粉、ステンレス粉(大同特殊鋼社製)、鉄粉(川崎製鉄社製 KIP300A)、マルスバイオレット(戸田工業社製)及び硼化ランタン(日本新金属社製)を表2に示す組成で配合し、実施例1と同様の方法で曲げ試験片を得、同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0030】以上のように、本発明の金属含有樹脂組成物は鮮明な色を呈しており、鉄や鉛に代わる重量付加用途に好適である。具体的には、重錘、フライホイール、振動吸収材、散弾、釣り用具、ギア等である。
【出願人】 【識別番号】000000952
【氏名又は名称】カネボウ株式会社
【識別番号】596154239
【氏名又は名称】カネボウ合繊株式会社
【出願日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−311006(P2001−311006A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2000−128676(P2000−128676)