トップ :: C 化学 冶金 :: C08 有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物




【発明の名称】 組成物
【発明者】 【氏名】山崎 誠彦

【氏名】佐藤 清

【氏名】中村 啓二

【要約】 【課題】十分な艶消し効果と良好な手触りを与え、かつ、環境問題を満足させる組成物および十分な艶消し効果と良好な手触りを有し、かつ、環境問題を満足させる組成物を提供すること。

【解決手段】ポリアミノ酸粒子と少なくともその1部の表面が疎水化されている無機系粒子を含有する組成物およびポリアミノ酸粒子と少なくともその1部の表面が疎水化されている無機系粒子を含有し、かつ、該ポリアミノ酸粒子と無機系粒子が、該ポリアミノ酸粒子と無機系粒子を混合したときの、組成物中の主たる溶媒中、23℃において、0.10〜0.35g/mlの見掛け嵩比重を示すポリアミノ酸粒子と無機系粒子である組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリアミノ酸粒子と少なくともその1部の表面が疎水化されている無機系粒子を含有することを特徴とする組成物。
【請求項2】 ポリアミノ酸粒子と少なくともその1部の表面が疎水化されている無機系粒子を含有し、かつ、該ポリアミノ酸粒子と無機系粒子が、該ポリアミノ酸粒子と無機系粒子を混合したときの、組成物中の主たる溶媒中、23℃において、0.10〜0.35g/mlの見掛け嵩比重を示すポリアミノ酸粒子と無機系粒子であることを特徴とする組成物。
【請求項3】 主たる溶媒が、水、炭化水素系、芳香族系、アルコール系、ケトン系、エーテル系、セロソルブ系溶媒から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】 主たる溶媒が、ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルアルコール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項2または3に記載の組成物。
【請求項5】 ポリアミノ酸粒子の見掛け嵩比重が0.3〜2.0g/mlであり、無機系粒子の見掛け嵩比重が0.1〜0.5g/mlであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】 ポリアミノ酸粒子の平均粒径が0.5〜20μm、無機系粒子の平均粒径が0.01〜5μmであり、かつ、前記ポリアミノ酸粒子の平均粒径が前記無機系粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】 ポリアミノ酸粒子と無機系粒子が、予め混合された混合物として添加されていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】 無機系粒子が、モース硬度5以上の無機系粒子であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】 無機系粒子が、酸化物、窒化物、金属塩、雲母、タルクから選ばれた少なくとも一種の粒子であることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】 ポリアミノ酸粒子が、チロシンがアミノ酸1000個当たり4.0個以下であるポリアミノ酸からなる粒子であることを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】 請求項2乃至10のいずれかに記載の組成物からなることを特徴とするコーティング組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高級感のある手触りを出すための組成物に関し、詳しくは、ポリアミノ酸粒子と無機系粒子とを混合した新規なコーティング組成物に用いられる組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塩化ビニル、人工皮革等のシート、繊維や、家具、自動車内装、パーソナルコンピュータ等の部品等に使用されるコーティング組成物には、高級志向を満足することが求められており、染色性等の意匠性や、吸放湿性を上げて良好な手触りをだす等、今までにない性質を付与することが求められている。
【0003】このような要求をみたすための手段として、従来から、例えば、特開平9−157545号公報、同11−49992号公報に開示されているように、シリカ微粒子等の艶消し剤を添加して艶消し塗料や半光沢塗料とすることが、例えば、特開昭62−240400号公報、特開平1−197599号公報に開示されているように、皮革粉を混練して塗膜表面を改善し、良好な手触りをだすことが、また、例えば、特開昭62−252459号公報、特開平6−346009号公報に開示されているように、ゼラチンやコラーゲンを混練して塗膜の吸放湿性を改善することが行われている。しかしながら、良好な手触りを出す目的で、コーティング組成物に皮革粉やコラーゲン粉末等の天然物有機粉末のみを添加した場合、十分な艶消し効果を得るためには、天然物有機粉末を多量に添加する必要があった。
【0004】これを解決するために、例えば、特開平7−70600号公報には、見掛け嵩比重が、0.02〜0.12g/mlで吸油度が1.70〜4.00mlのコラーゲン粉末を使用する方法が記載され、また、特開平8−73752号公報には、見掛け嵩比重が0.02〜0.30g/mlのコラーゲン粉末と、二酸化チタン被覆雲母、シリカ粒子を塗料に含有させる方法が記載されている。しかしながら、この方法をもってしても、十分な艶消し効果と良好な手触りを同時に満足することができなかった。特に、ウレタン系塗料の場合は、十分な艶消し効果と良好な手触りを両立させることは難しかった。
【0005】また、天然物由来のコラーゲン粉末を使用しているため、臭いが発生するという環境的な問題も無視できなかった。臭いに関しては、例えば、特開平7−41733号公報に、発臭を抑えるために、コーティング組成物に尿素−アルデヒド樹脂粉末あるいはメラミン−アルデヒド樹脂粉末を添加することが記載されているが、これでも十分な発臭の抑制はできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の第1の目的は、十分な艶消し効果と良好な手触りを与え、かつ、環境問題を満足させる組成物を提供することである。本発明の第2の目的は、十分な艶消し効果と良好な手触りを有し、かつ、環境問題を満足させる組成物を提供することである。本発明の第3の目的は、十分な艶消し効果と良好な手触りを有し、かつ、環境問題を満足させるコーティング組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために種々検討した結果、本発明者は、組成物に使用する主たる溶媒中での添加剤組成物の見掛け嵩比重が、艶消し効果と手触りの両立に必要な要件であることを見出した。さらに、ウレタン系塗料の場合には、添加する無機系粒子の表面を疎水性とすることで効果のあることを見出した。つまり、本発明では、乾燥した粉体状態で測定した嵩比重ではなく、組成物に使用する主たる溶媒中で測定した添加剤組成物の見掛け嵩比重が、コーティングの仕上がり具合に影響が大きく、さらに、ウレタン系塗料の場合には、添加無機粒子の表面を疎水性とすると艶消し効果と手触りの両立に効果あることを見出したものである。本発明においては、艶消し効果と良好な手触りを付与するために、ポリアミノ酸粒子と無機系粒子を含んでなる組成物を、溶媒を含む組成物に添加する。
【0008】本発明の上記目的は、(1)ポリアミノ酸粒子と少なくともその1部の表面が疎水化されている無機系粒子を含有することを特徴とする組成物。
(2)ポリアミノ酸粒子と少なくともその1部の表面が疎水化されている無機系粒子を含有し、かつ、該ポリアミノ酸粒子と無機系粒子が、該ポリアミノ酸粒子と無機系粒子を混合したときの、組成物中の主たる溶媒中、23℃において、0.10〜0.35g/mlの見掛け嵩比重を示すポリアミノ酸粒子と無機系粒子であることを特徴とする組成物。
(3)主たる溶媒が、水、炭化水素系、芳香族系、アルコール系、ケトン系、エーテル系、セロソルブ系溶媒から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(2)に記載の組成物。
(4)主たる溶媒が、ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルアルコール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(2)または(3)に記載の組成物。
(5)ポリアミノ酸粒子の見掛け嵩比重が0.3〜2.0g/mlであり、無機系粒子の見掛け嵩比重が0.1〜0.5g/mlであることを特徴とする上記(2)乃至(4)のいずれかに記載の組成物。
(6)ポリアミノ酸粒子の平均粒径が0.5〜20μm、無機系粒子の平均粒径が0.01〜5μmであり、かつ、前記ポリアミノ酸粒子の平均粒径が前記無機系粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とする上記(2)乃至(5)のいずれかに記載の組成物。
(7)ポリアミノ酸粒子と無機系粒子が、予め混合された混合物として添加されていることを特徴とする上記(2)乃至(6)のいずれかに記載の組成物。
(8)無機系粒子が、モース硬度5以上の無機系粒子であることを特徴とする上記(2)乃至(7)のいずれかに記載の組成物。
(9)無機系粒子が、酸化物、窒化物、金属塩、雲母、タルクから選ばれた少なくとも一種の粒子であることを特徴とする上記(2)乃至(8)のいずれかに記載の組成物。
(10)ポリアミノ酸粒子が、チロシンがアミノ酸1000個当たり4.0個以下であるポリアミノ酸からなる粒子であることを特徴とする上記(2)乃至(9)のいずれかに記載の組成物。
(11)上記(2)乃至(10)のいずれかに記載の組成物からなることを特徴とするコーティング組成物。によって達成される。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本発明においては、艶消し効果と良好な手触りを付与するために、ポリアミノ酸粒子と無機系粒子を組成物に添加する。
【0010】先ず、本発明に用いられるポリアミノ酸について説明する。本発明においてポリアミノ酸とは、高分子量の天然タンパク質を分解して得られる比較的低分子量のタンパク質をいう。ポリアミノ酸粒子とは、そのポリアミノ酸を粒子状に粉砕したものをいう。
【0011】本発明におけるポリアミノ酸の代表例としては、(1)ゼラチナーゼやプロテナーゼ等の酵素を用いてゼラチンを酵素分解し、得られた分解物から分離したポリアミノ酸(2)ゼラチナーゼやプロテナーゼ等の酵素を用いてゼラチン抽出残渣を酵素分解し、得られた分解物から分離したポリアミノ酸等が挙げられる。上記のとおり、ポリアミノ酸を得る代表的方法には、ゼラチンを直接分解して得る方法と、ゼラチン抽出残渣から得る方法等があるが、資源の有効利用という観点からすると、ゼラチン抽出残渣から得る方法が極めて有利であり好ましい。
【0012】ここでゼラチンとは、コラーゲンを水中にて加熱し、不可逆的に水溶性に変えた誘導タンパク質であり、加熱による変性でコラーゲン分子のポリアミノ酸連鎖間の水素結合等が開裂することにより、コラーゲン分子の3次構造が壊れることによって生成される物質をいい、ゼラチン抽出残渣とは、オセインを酸塩基処理した後に、通常のゼラチンの製造で用いられている熱水抽出を3〜5回を行い、ゼラチンが抽出されなくなって残った水不溶性物をいう。このゼラチン抽出残渣を酵素により分解すると、ポリアミノ酸の粗生成物が得られるが、その粗生成物の中には、通常、脂肪分、無機塩、金属イオン等が含まれており、これら不純物を除くことにより本発明のポリアミノ酸を得ることができる。本発明の作成に用いるゼラチンは、特に制限はなく、例えば、アルカリ処理ゼラチン(牛骨、鶏骨もしくは獣皮ゼラチン)、酸処理ゼラチン(ブタ皮ゼラチン)等が挙げられる。
【0013】ポリアミノ酸の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い、定法により測定することができ、本発明のポリアミノ酸の重量平均分子量は、標準物質をポリエチレングリコールとした換算で、1000〜50000であることが好ましく、3000〜20000であることがさらに好ましい。
【0014】本発明で使用するポリアミノ酸は、含有するチロシンがアミノ酸1000個当たり4.0個以下であることが好ましい。チロシンは、もともとポリアミノ酸同士の架橋に関与しているアミノ酸であり、品質の均一性の点からは、チロシンを含まない状態が好ましいが、製造原料の入手し易い点や、材料の有効利用の点などを考慮するとチロシンを完全に除くことは有利ではなく、したがって、チロシンが残ることになるが、この場合でも、チロシンは、アミノ酸1000個あたり4.0個以下とすることが好ましい。4.0個以下であれば十分な品質の均一性を得ることができる。さらに、3.0個以下とすることが好ましく、特に好ましくは2.0個以下である。
【0015】ポリアミノ酸はアミノ酸1000個当たりのチロシンの個数が4.0個以下、重量平均分子量が1000〜50000であると、常温でも容易に水に溶ける。ポリアミノ酸の水溶解性が高いと品質の均一性を生み、また、臭いの発生を少なくすることができるが、これは臭いを発生する物質の取り除きが容易になるためと考えられる。チロシンの含有量がポリアミノ酸1000個当たり4.0個よりも多い場合は、水溶解性が低下するので、品質の均一性、臭いの除去が十分に得られなくなる。
【0016】本発明で用いるポリアミノ酸は、イオン結合や共有結合等で分子間を架橋させるなどして、水不溶性とすることが好ましい。水不溶性とする方法としては、(1)疎水性の置換基を付加させた誘導体にする、(2)架橋する、等の方法があるが、ポリアミノ酸本来の性質をなるべく損なわなくするためには、架橋によって水不溶性にすることが好ましい。ここで、常温において水溶性とは、100gの物質を23℃の純水1リットル中にて24時間撹拌した後、No.2濾紙で濾過し、濾紙に残った物質の乾燥後の量が0.5g未満であることをいう。また、水不溶性とは、0.5g以上であることをいう。
【0017】架橋剤としては、無機金属塩からなる架橋剤、共有結合を生ずる有機系架橋剤を用いることができる。無機金属塩からなる架橋剤としては、従来のなめし法で使用されている薬剤、例えば、クロムなめし剤、みょうばんなめし剤,ジルコニウムなめし剤が挙げられ、有機系架橋剤としては、植物タンニンや、写真業界で硬膜剤として知られる、特開昭49−51945号公報、同51−59625号公報、同62−262854号公報、同63−184741号公報、特開平8−022094号公報等に記載のカルバモイルアンモニウム基を有する硬膜剤、ホルマリン等のアルデヒド類、特開平8−314049号公報に記載のビニルスルホン硬膜剤などが使用できる。また、カルボジイミドのようなポリアミノ酸合成試薬やトランス−グルタミナーゼなどのポリアミノ酸合成酵素も使用できる。好ましい架橋剤は、ゼラチンに対する架橋反応が比較的早く十分に進み、経時での安定性に優れた架橋剤であり、硫酸ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム等のジルコニウム塩類、カルバモイルアンモニウム基を有する硬膜剤、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド1塩酸等の水溶性カルボジイミドが例として挙げられる。これら架橋剤は単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
【0018】本発明で用いる架橋剤の使用量は、要求されるポリアミノ酸組成物の吸水度によって決まるため特に限定されないが、ポリアミノ酸1g当たり0.01〜20mmolの範囲で使用することが好ましい。架橋物の形態は、取り扱いの点から固体状であることが好ましい。本発明においては、ジルコニウム原子と硫酸イオンとを架橋剤として用いることにより、好ましい固体状架橋物を得ることができることから、硫酸ジルコニウム、硫酸ジルコニルを用いることが好ましく、硫酸ジルコニウムが最も好ましい。硫酸ジルコニウムの場合は、ジルコニウム原子と硫酸イオンとのモル比は、1/10〜10が好ましく、ポリアミノ酸1g当たり1〜5mmol使用することが好ましい。
【0019】架橋反応の時間、温度は、架橋剤の種類やポリアミノ酸の濃度によって変化し特定されるものではないが、架橋反応が迅速に行なわれすぎると、均一な反応生成物が得られない場合があるので、架橋剤の種類やポリアミノ酸の濃度によって適当に選択すればよい。一般には、23℃、1〜40時間程度で反応が終了するようにすればよい。
【0020】架橋反応を行なうにあたって分散剤を使用してもよい。使用できる分散剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらは単独で使用することも、併用することもできる。
【0021】本発明のポリアミノ酸に含まれる油脂の量は5%以下とすることが好ましく、さらには3%以下とすることが好ましい。ポリアミノ酸中の油脂は、ヘキサンで抽出される成分を油脂分として定量することにより求めることができる。(写真用ゼラチン試験法第7版(写真用ゼラチン試験法合同審議会発行)22項参照)。
【0022】ゼラチン抽出残渣を分解し得たポリアミノ酸の粗生成物を脱脂するには、例えば、キトサンなどの高分子凝集剤を使った凝集沈降法、イオン交換樹脂法、高性能油吸着剤法、パルプ濾過法、加熱浮上法、活性炭法、pH調整による凝集沈降法などを用いることができ、所望の製品物性、費用を考慮しこれらの方法を組み合わせることができる。これらのうちキトサンを使用した凝集沈降法、イオン交換樹脂法および高性能油吸着剤法が特に好ましい。
【0023】キトサンを用いて脱脂を行うには、先ずポリアミノ酸の粗生成物の水溶液にキトサンの水溶液を添加、撹拌する。キトサンは、例えば、ポリアミノ酸の粗生成物100gに対して0.03〜1.0g、好ましくは0.1〜0.5g添加される。なお、キトサンとは、節足動物、環形動物、軟体動物などの有機骨格物質であるキチンを、濃アルカリで加水分解したアミノ基を含む多糖類である。標準的には、40〜60℃でポリアミノ酸の粗生成物の5〜10%の水溶液を作り、これに0.1〜1.0%のキトサン水溶液または水分散液を添加し0.2〜1.0時間撹拌し、次いで、0.1〜0.5時間静置すると油脂分の高いフロックを形成するので、これを遠心分離することにより除去することができる。なお、キトサン使用量を増加すれば脱脂効果を上げることができるので、原料の油脂分に応じてキトサン使用量を調整する。高性能油吸着剤法に用いる高性能油吸着剤は、油流出など対環境汚染用の製品で油脂分を特異的に吸着する材料である。シート状、ロール状、粒子状があり、オルガノ株式会社、三井東圧化学株式会社などから市販されている。
【0024】イオン交換樹脂法は、脱脂を行うだけでなく、本発明のポリアミノ酸の粗生成物に含まれる無機イオン、重金属イオンを取り除くことができるため好ましいが、原材料の組成により、実施するかどうかが決められる。カルシウムイオンは、繊維等に本発明のポリアミノ酸組成物が使用された場合、洗濯による汚れ落ちに大きく影響を及ぼすために、カルシウム含有率を質量で1%以下に削減するのが好ましく、5000ppm以下にすることがさらに好ましく、1000ppm以下にすることが特に好ましい。また、鉄イオンは、錆びによるポリアミノ酸の変色原因となるため、鉄含有率を質量で500ppm以下に削減することが好ましく、さらには200ppm以下にすることが好ましい。これらイオンはイオン交換によって削減することができるが、カルシウム分、鉄分の含有量の低い原材料を用いてもよい。
【0025】本発明のポリアミノ酸をイオン交換処理する場合、公知の方法により強酸性カチオン交換樹脂および強塩性カチオン交換樹脂を併用するのが好ましい。イオン交換樹脂は、例えば、ポリアミノ酸の粗生成物100kgに対して、20〜150リットル使用する。標準的には、40〜60℃で、先に脱脂したポリアミノ酸粗生成物の5〜10%水溶液を作り、強酸性イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔に空間流速(SV)2〜15で通液し、次いで、流出液を同様にして強塩基性イオン交換樹脂で処理する。強酸性イオン交換樹脂にはダイヤイオンSK−1B、アンバーライト1R−120、同1R−122、同XE−100、ダウエックス50などが適宜使用できる。また、強塩基性イオン交換樹脂にはダイヤイオンSA−10A、同SA−11A、同SA−20A、アンバーライト1RA−400、同IRA−401、同IRA−410、同IRA−411、ダウエックス50などが適宜使用できる。
【0026】本発明のポリアミノ酸は、単独で用いてもよく、また、他の化合物と組み合わせて用いてもよい。他の混合可能な化合物としては、例えば、デキストラン、寒天等の天然多糖類、カゼイン、アルブミン等のタンパク質、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の親水性ポリビニル化合物等の親水性コロイドが挙げられる。
【0027】本発明のポリアミノ酸粒子は、架橋を均一に、極めて生産性高く効率的にその物性を制御できる形で行なうことにより製造できる。すなわち、原料のポリアミノ酸を水に溶解し、単独または複数の架橋剤で処理をすることで溶液中、架橋反応を行い、ゲル状物質あるいは水不溶性の物質を得、これを乾燥、粉砕することで、本発明のポリアミノ酸粒子を得ることができる。
【0028】本発明のポリアミノ酸粒子には、その硬さの調整、着色等を目的として、無機物、顔料、染料等を添加することができる。これらの添加剤は、架橋反応の前にあるいは後に添加することができる。
【0029】本発明のポリアミノ酸粒子は、吸水度2.0〜30であることが好ましい。さらに好ましくは2.0〜10である。吸水度が2.0より小さいと十分な吸湿能力が得られず、30より大きくなると高湿時にべたつき感が出ることになる。なお、粒子の吸水度は、次に記す方法により測定した。粒子試料1.0g(WA)を遠心管に取り、50倍以上の水に1時間以上浸漬して吸水させた後、300Gにて10分間遠心し、上澄みを除去した後の含水試料を秤量して(WB)、下記式により算出した。
吸水度={(WB−WA)/WA}
【0030】本発明のポリアミノ酸粒子の見掛け嵩比重は0.3〜2.0g/mlであることが好ましく、さらに、0.35〜0.8g/mlであることが好ましい。見掛け嵩比重が0.3より小さいと製造時に粒子が舞ったり、浮いたりして混合が難しい。また、2.0より大きいと同じく製造時の混合で沈降が起こり、粒子が分離してしまい混合が難しくなる。なお、本発明における見掛け嵩比重は、JISK 6721に準拠して測定した値である。
【0031】以下に、本発明のポリアミノ酸粒子の調製方法をさらに具体的に述べるが、本発明のポリアミノ酸粒子の調製方法は下記の記載によって限定されるものではない。純水にポリアミノ酸を溶解しポリアミノ酸水溶液を調製する。架橋剤を純水もしくはエタノールなど水混和性の有機溶剤に溶解し、ポリアミノ酸1g当たり0.01〜10mmolになるようポリアミノ酸水溶液に混和する。この際、界面活性剤や顔料、染料などを共存させることもできる。混和後に架橋反応が十分進むまで一定期間放置する。放置後に沈殿が得られた場合は、純水、もしくはエタノールやアセトンなど水混和性の有機溶剤でよく洗浄した後、例えば、乳鉢等で砕き、加熱、減圧下もしくは凍結乾燥などで乾燥させ、次いでエタノールやアセトンなど水混和性の有機溶剤でよく洗浄した後、例えば、ハンマーミル、ジェットミル、乳鉢等の各種粉砕器で砕き、加熱もしくは減圧下などで乾燥させる。後の使用形態の適合性により、固まりのまま乾燥させてもよいが、粉体にした方が乾燥に関しては有利である。乾燥した粉体は、再びハンマーミルなどを用いて細かく粉砕した後、必要とされる篩を掛けることにより、一定の粒径分布を有する粒子を得ることができる。
【0032】上記本発明のポリアミノ酸粒子は、平均粒径が、0.5〜20μmであることが好ましく、さらに好ましくは1〜15μmである。さらに、2〜13μmがより好ましい。なお、本発明のポリアミノ酸粒子の平均粒径は、コールター社製コールターカウンター TA−llを使用して測定した。
【0033】次に、本発明で用いられる無機系粒子について説明する。本発明に用いる無機系粒子は、モース硬度5以上の無機系粒子の中から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。粒子を構成する具体的な化合物としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどの酸化物、窒化チタン、窒化ケイ素などの窒化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの金属塩、天然雲母、合成雲母、タルク、クレー等を挙げることができるが、これらに限定されない。本発明の無機系粒子としては、酸化物が好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウムがさらに好ましく、酸化ケイ素が最も好ましい。これら化合物は単独でも2種以上を併用しても用いることができる。
【0034】本発明における無機系粒子のモース硬度が5より小さいと、粒子の表面エネルギーが小さく、ポリアミノ酸粒子との間で目的とする相溶性が発揮されない場合がある。また、粒子自体も強度が小さく、衝撃など接触による破壊が生じ、これが起点となって傷などが生じることがある。また、本発明に用いる無機系粒子は、その1部の表面が疎水化されている。本発明において、無機系粒子の疎水化の度合いは、表面が疎水化された無機系粒子の表面がメタノール水溶液に濡れ始めるときのメタノール水溶液におけるメタノールの体積%の値(以後、M値という。)で測ることができる。本発明の粒子の表面が疎水化されている無機系粒子におけるM値は、20以上が好ましく、さらには30以上が好ましく、40以上が最も好ましい。
【0035】無機系粒子を疎水化する方法としては、通常の方法にしたがって、粒子表面を有機の疎水基で化学修飾することが好ましい。有機の疎水基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、フェニル基、メチルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数1〜18までの炭化水素基が好ましい。
【0036】本発明の無機系粒子の粉体状態での見掛け嵩比重は0.1〜0.5g/mlであることが好ましく、さらに好ましくは0.11〜0.3g/mlである。本発明の無機系粒子の平均粒径は、0.01〜5μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.015〜3μmである。なお、本発明の無機系粒子の平均粒径は、1.0μmより小さい平均粒径の場合は、レーザー回折散乱法を用い、1.0μm以上の場合は、コールター社製コールターカウンター TA−llを使用して測定した。本発明のポリアミノ酸粒子と無機系粒子は、混合比99:1〜1:99(質量比)で用いることができる。さらに好ましい混合比は90:10〜10:90であり、特に好ましくは80:20〜30:70である。
【0037】本発明のポリアミノ酸粒子と無機系粒子を含有する組成物に含有されるポリアミノ酸粒子と無機系粒子は、それら粒子を混合したとき、組成物に使用する主たる溶媒中、23℃において、0.10〜0.35g/mlの見掛け嵩比重を有している。本発明において、さらに好ましい見掛け嵩比重は、0.11〜0.33g/mlであり、特に好ましくは0.15〜0.30g/mlである。
【0038】本発明の組成物に使用される主たる溶媒としては、水、飽和炭化水素系、芳香族系、アルコール系、ケトン系、エーテル系、セロソルブ系溶媒が挙げられるが、水、ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。
【0039】本発明において組成物中の主たる溶媒とは、組成物に使用されている溶媒のうち、体積で使用量の多い溶媒をいい、少量しか用いられていない溶媒を除いたものをいう。本発明の無機系粒子の平均粒径は、ポリアミノ酸粒子よりも小さいことが好ましい。これは、ポリアミノ酸粒子表面への無機系粒子の吸着が、本発明の艶消し効果と手触りとの両立のために作用していると考えられるためである。そのため、本発明のポリアミノ酸粒子と無機系粒子は別々に組成物に添加するよりは、まず、ポリアミノ酸粒子と無機系粒子とを混合して一つの組成物とした後に、組成物に混合することが効果をより大きくする。本発明の組成物は、例えば、塗料、表面加工材、表面処理剤とすることができる。本発明の組成物は、その他に、コーティング組成物に用いられている添加剤を含んでいてもよい。
【0040】本発明の組成物は、通例、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂等の所謂固体合成樹脂と称される塗膜形成要素をベースとし、これに可塑剤、硬化剤、乳化剤あるいは増粘剤等の塗膜副要素と、顔料並びに塗膜形成助要素とよりなり、それぞれ構成すべき塗膜の種類により選択的に使用する。また、塗膜形成要素には、アマニ油、エノ油、シナキリ油等の乾性油の外に、ウレタン化油、エポキシ化油等の改良乾性油があり、その他、飽和ポリエステル等の液体合成樹脂、ウルシ等の天然フェノール、ロジン、セラック、コーバル等の天然樹脂、エステルゴム、石灰ロジン等の加工樹脂、ニトルセルロース、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース等のセルロース誘導体、塩化ゴム、環化ゴム等のゴム誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、カゼイン等の水溶性結合剤がある。
【0041】また、顔料には、例えば、チタン白、亜鉛華、リトポン、鉛白、カドミウム、ベンガラ、トルイジンレッド、黄鉛、鉄黄、チタン黄、ベンジンエロー、酸化クロム、フタロシアニングリーン、コンジョウ、カーボンブラック等の着色顔料と、金属粉顔料、ライト粉のような体質顔料を用いることができる。
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0042】実施例1〔ポリアミノ酸粒子〕
ポリアミノ酸の製造は、(a) アルカリ処理ゼラチン(コニカゼラチン社製)を50℃の温水に溶解し、アルカリ処理ゼラチンの0.01〜0.3重量%のアルカリプロテアーゼを添加し、50℃にて1時間〜3日間処理を行う。
(b)オセインからゼラチンを抽出した残渣を水に浸漬し、残渣の0.01〜0.3重量%のアルカリプロテアーゼを添加し、50℃にて1時間〜3日間処理を行ったのちキトサンにより脱脂処理する。ことにより行った。
【0043】表1に示す上記(a)、(b)の製造方法により得た、表1に示すアミノ酸1000個に対するチロシンの含有個数、分子量を有するポリアミノ酸を質量比5倍の50℃の純水に溶解し、ポリアミノ酸水溶液を得た。このポリアミノ酸水溶液に、表1に示す架橋剤をポリアミノ酸に対する質量比で表1に示す添加量が得られるような量を、上記ポリアミノ酸水溶液と等量になるように純水に溶解した水溶液を、撹拌しつつ徐々に添加した。表1において、架橋剤(C)は、CH2=CHSO2CH2CH2CONHCH2CH2NHCOCH2CH2SO2CH=CH2である。調製した液を25℃で24時間置き、生じたゲルを凍結乾燥し、乳鉢中でアセトンで洗浄しつつ粉砕した。乾燥後、ハンマーミルを用いてさらに粉砕した。粉砕の途中でふるいを用いて一定の粒径分布を有する粒子を収集し、試料No.1、2、3、4、9を得た。また、本発明のポリアミノ酸の代わりに牛真皮ゼラチンを用いて、同様に試料No.12を得た。また、架橋剤を用いなかった以外は試料No.3と同様にして、試料No.14を得た。得られた試料の平均粒径、見掛け嵩比重を表1に示す。
【0044】また、表1に示す上記(a)、(b)の製造方法により得た、表1に示すアミノ酸1000個に対するチロシンの含有個数、分子量を有するポリアミノ酸を質量比10倍の50℃の純水に溶解し、ポリアミノ酸水溶液を得た。このポリアミノ酸水溶液に、表1に示す架橋剤をポリアミノ酸に対する質量比で表1に示す添加量が得られるような量を、上記ポリアミノ酸水溶液と等量になるように純水に溶解した水溶液を、撹拌しつつ徐々に添加した。生じた白色沈殿を濾過し、純水、次いで、アセトンでよく洗った後、デシケーター中にて減圧下乾燥し、ハンマーミルを用いて粉砕した。純水及びアセトンで洗浄後、もう一度デシケーター中にて減圧下乾燥し、ハンマーミルを用いてさらに粉砕した。粉砕の途中でふるいを用いて一定の粒径分布を有する粒子を収集し、試料No.5、6、7、8、10、11を得た。また、本発明のポリアミノ酸の代わりに牛真皮ゼラチンを用いて、同様に試料No.13を得た。得られた試料の平均粒径、見掛け嵩比重を表1に示す。
【0045】得られた試料No.1〜14について、臭気を測定した。臭気は、臭気測定装置「ニオイセンサー SF−105」(相互薬工(株)製)を使用し、900mlの密封できる測定瓶を45℃に加温した後、そこに試料粒子1gを入れ、さらにニオイセンサーのセンサー部分を挿入して、45℃に保温したまま20分後の測定瓶中の臭気の強度を測定した。本方法によると、発臭のある試料では30以上の臭気強度を示す。求めた臭気強度から下記の評価基準で臭気を評価した。得られた結果を表1に示す。
[評価基準]臭気は下記の評価基準で評価した。臭気強度が30以上を×、10以上30未満を△、5以上10未満を○、5未満を◎とした。
【0046】
【表1】

〔無機系粒子〕用いた無機系粒子を表2に示す。
【0047】
【表2】

なお、無機系粒子No.7および8は表面の一部をメチル基で修飾した二酸化珪素であり、表2に示すM値を有している。
【0048】表1に示すポリアミノ酸粒子と、表2に示す無機系粒子を用い、表3に示すポリアミノ酸粒子と無機系粒子よりなる混合組成物A〜Lを作成した。ポリアミノ酸粒子と無機系粒子との混合はヘンシェルミキサーなる機械を用い、2500rpmにて5分間行った。得られた混合組成物の表3の溶媒種に示す溶媒中、23℃における見掛け嵩密度を測定した。また、ポリアミノ酸粒子と無機系粒子の添加量は、組成物100gを作成する時の質量比(%)で示した。
【0049】ポリアミノ酸粒子と無機系粒子を含む組成物と、溶媒との混合は、組成物をその10倍量(質量比)の溶媒に添加し、スリーワンモーターで撹拌、分散することで行った。
【0050】
【表3】

【0051】表3に記載の混合組成物A〜Lを15質量%とカーボンブラック(スペシャルブラック 6、デグサ製)5質量%とを酢酸ブチル/キシレン/トルエン(7/2/1)の混合溶剤シンナー40質量%中に分散させ、そこに、ポリウレタン塗料用ポリエステル樹脂(デスモフェン 670−80B、住友バイエルウレタン製)15質量%、ポリウレタン塗料用ポリエステル樹脂(デスモフェン 1652、住友バイエルウレタン製)10質量%、レベリング剤(ペレノール F40、サンノプコ製)3質量%、硬化促進触媒ジブチルチンジラウレート(STANN BL、三共有機合成製)の1%酢酸ブチル溶液2質量%を加え、ペイントコンディショナーを用いて3時間分散し、コーティング組成物を作製した。酢酸ブチル/キシレン/トルエン(7/2/1)の混合溶剤シンナー中、23℃における混合組成物A〜Lの見掛け嵩比重はほぼ同一であり、組成物A〜Hの見掛け嵩比重は0.10〜0.35の範囲にあった。得られたコーティング組成物に、その固形分の10質量%のイソシアネート硬化剤(バーノック DN−981、日本インキ化学工業製)を加え、混合後、スプレーでABS樹脂板上に塗装を行った。室温で10分間セッティングした後、80℃で30分間乾燥を行い、表面層を形成させたABS樹脂板(塗布試料A〜L)を得た。得られた塗布試料A〜Lについて、下記により手触り感、臭気および艶消し効果を評価した。得られた結果を表4に示す。
―手触り感―無作為に選択した20人に、実際に塗布試料に触れてもらい下記評価基準により感応評価を行った。
【0052】[評価基準]
5:非常に優れている。
4:優れている3:普通2:劣っている1:非常に劣っている。
―臭気―臭気は、臭気測定装置「ニオイセンサー SF−105」(相互薬工(株)製)を使用し、900mlの密封できる測定瓶を45℃に加温した後、そこに7cm×4cm角に切断した塗布試料A〜Lを入れ、さらにニオイセンサーのセンサー部分を挿入して、45℃に保温したまま20分後の測定瓶中の臭気の強度を測定した。求めた臭気強度から下記の評価基準で臭気を評価した。
[評価基準]臭気は下記の評価基準で評価した。臭気強度が30以上を×、10以上30未満を△、5以上10未満を○、5未満を◎とした。
【0053】―艶消し効果―無作為に選択した20人に、実際に塗布試料を見て貰い下記の評価基準により感応評価した。
[評価基準]
3:程良い光沢2:普通の光沢1:やや強い光沢【0054】
【表4】

【0055】
【発明の効果】本発明のポリアミノ酸と無機系粒子を含んでなる組成物は、良好な手触りを有するとともに艶消し効果も優れ、かつ、臭気の発生が抑えられる。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカ株式会社
【出願日】 平成12年4月27日(2000.4.27)
【代理人】 【識別番号】100094710
【弁理士】
【氏名又は名称】岩間 芳雄
【公開番号】 特開2001−311003(P2001−311003A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2000−126847(P2000−126847)