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【発明の名称】 フェノール樹脂成形材料
【発明者】 【氏名】山下 千俊

【要約】 【課題】耐衝撃性、耐トラッキング性及び耐摩耗性の優れた粒状フェノール樹脂成形材料を提供する。

【解決手段】レゾール型フェノール樹脂を40〜60重量%、綿織物粉砕布を30〜50重量%及び無機粉末を5〜15重量%からなり、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌ミキサーにて溶融混合されてなることを特徴とする粒状フェノール樹脂成形材料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 レゾール型フェノール樹脂を40〜60重量%、綿織物粉砕布を30〜50重量%及び粉末状無機充填材を5〜15重量%からなり、高速攪拌ミキサーにて溶融混合されてなることを特徴とする粒状フェノール樹脂成形材料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃強さ、耐トラッキング性、耐摩耗性に優れた粒状フェノール樹脂成形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂成形材料は、耐熱性、寸法安定性、成形性等に優れ、自動車、電気、電子等の基幹産業分野で長期にわたり使用されてきている。特に最近では製品の信頼性に対する要求は厳しくなり、耐トラッキング性等の電気性能も要求されつつある。
【0003】通常、耐トラッキング性等の電気性能を要求する部品には、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート、メラミン、メラミン・フェノール樹脂など、電気特性に優れた樹脂を使用することが多いが、耐熱性、成形性、コストといった問題もあり、フェノール樹脂成形材料の優れた耐熱性、成形性を維持したまま、より高度な耐トラッキング性を付与することが望まれている。
【0004】さらには、電気部品とりわけマグネットスイッチなどの可動部品には摩耗粉の発生による接点汚染、作動不良問題があり、耐摩耗性をも要求される。これらの部品には、従来、耐衝撃性及び耐摩耗性の高い粒状ノボラック型フェノール樹脂成形材料が使用されているが、耐トラッキング性が低いため信頼性が求められる部品には使用できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の粒状フェノール樹脂成形材料のこのような問題点を解決するために種々検討した結果なされたもので、その目的とするところは、耐衝撃性、耐トラッキング性及び耐摩耗性に優れた粒状フェノール樹脂成形材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、レゾール型フェノール樹脂を40〜60重量%、綿織物粉砕布を30〜50重量%及び粉末状無機充填材を5〜15重量%からなり、高速攪拌ミキサーにて溶融混合されてなることを特徴とする粒状フェノール樹脂成形材料に関するものである。
【0007】本発明のフェノール樹脂成形材料の形状は粒状である。一般的なフェノール樹脂成形材料は2軸ロール等で混練されて後粉砕されてなる顆粒状の材料であるが、本件の成形材料はヘンシェルミキサーで混練されるので、粉砕布に樹脂分が均等にコーティングされ、角のない粒状形状である。本発明の配合処方を2軸ロールで混練、粉砕をして得られる材料は綿織物粉砕布が樹脂分と分離して見掛け密度が小さくなり使用できない。
【0008】本発明で使用されるレゾール型フェノール樹脂は通常の成形材料に使用されるもので、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂、メチロール型フェノール樹脂等を用いることが出来る。その目的とするところは、ノボラック型フェノール樹脂と比べて耐トラッキング性が高いことにある。必要に応じてノボラック型フェノール樹脂を併用することも出来るが、耐トラッキング性が低下するため組成物全体の10%以下が望ましい。レゾール型フェノール樹脂の配合量は組成物全体の40〜60重量%が好ましい。40重量%未満では良好な粒状とならず、60重量%を越えると耐トラッキング性の低下が起こり、また成形材料のコストアップにもなり、実用性の低下につながる。
【0009】本発明に使用される綿織物粉砕布は、フェノール成形材料に通常使用されているものでよく、その目的とするところは耐衝撃性および耐摩耗性の向上である。電気部品とりわけマグネットスイッチといった可動部品は数万回以上もの接点部との衝突があるため汎用フェノール樹脂より高い衝撃強度及び耐摩耗性が要求される。綿織物粉砕布は耐衝撃性に優れ、また灰分が少なく、耐摩耗性に優れているため、綿織物粉砕布を配合することが不可欠である。綿織物粉砕布は組成物全体の30〜50重量%が好ましい。30重量%未満では耐衝撃性が低下し、50重量%を越えると成形性が低下し見掛け密度が低下する。
【0010】本発明において、粉末状無機充填材は耐トラッキング性を向上させるために使用される。無機充填材は、有機粉末や上述の綿織物粉砕布等の有機充填材と比較して耐トラッキング性が高い。耐トラッキング性が必要のない部材には無機充填材を配合せず、樹脂と綿織物粉砕布を主な配合とするフェノール樹脂成形材料が使用される。無機充填材の配合量は組成物全体の5〜15重量%が好ましい。5重量%未満では耐トラッキング性が低下し、15重量%を越えると耐摩耗性が低下する。粉末状無機充填材としてはシリカ、アルミナ、ガラス、タルク、クレー等が挙げられ、1種以上を用いることが出来る。なお、タルクや未焼成クレーなど結晶水を有する無機充填材は耐トラッキング性が良好であり、少量で効果があるため好ましい。その他の充填材としては、滑剤、硬化促進剤、難燃剤等の各種添加剤を適宜配合することが出来る。
【0011】本発明のフェノール樹脂成形材料は、フェノール樹脂成分、充填材、その他の添加剤を配合し、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌ミキサーにて溶融混合して製造することが出来る。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的説明する。表1において、上欄に記載した配合にてヘンシェルミキサーで80℃で溶融混合して成形材料を得た。
【0013】
【表1】

【0014】(測定方法)テストピースは全てトランスファー成形にて、175℃、3分成形した成形品を使用した。
1.シャルピー衝撃強さは、JIS K 6911により測定した。
2.耐トラッキング性は、JIS C 2134により測定した。
3.耐摩耗性は、2つの成形品(10×4tとφ18×10)を荷重3kgf、周速60rpm、24時間の条件で摺動させてその摩耗量を測定した。
【0015】
【発明の効果】本発明の粒状状フェノール樹脂成形材料は、これから得られた成形品が耐衝撃性、耐トラッキング性及び耐摩耗性に優れ、これらの特性が要求される電気、電子部品、とりわけマグネットスイッチ等の可動接点部品に好適である。
【出願人】 【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
【出願日】 平成12年1月25日(2000.1.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−207017(P2001−207017A)
【公開日】 平成13年7月31日(2001.7.31)
【出願番号】 特願2000−15397(P2000−15397)