| 【発明の名称】 |
ナノ粒子分散構造体及びその積層体 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 正昭
【氏名】マリアテレサ デロスアルコス
【氏名】中田 善徳
【氏名】今井 圭穂
【氏名】山口 宗宏
【氏名】櫛引 信男
【氏名】竹内 貴久子
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| 【要約】 |
【課題】ナノ粒子に対して化学的に不活性で且つ拡散を抑制するに効果的な架橋構造を有する高分子を用いるナノ粒子分散体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】架橋された高分子中に(i)金属、(ii)金属化合物及び(iii)半導体の中から選ばれる物質のナノ粒子を分散させたことを特徴とするナノ粒子分散構造体。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 架橋された高分子中に、(i)金属、(ii)金属化合物及び(iii)半導体の中から選ばれる物質のナノ粒子を分散させたことを特徴とするナノ粒子分散構造体。 【請求項2】 前記架橋された高分子が下記一般式(1) 【化1】RnSiO(4-n)/2 (1) (式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を示し、nは0より大きく2より少ない数を示す)で表される単位を有するポリシロキサン樹脂である請求項1に記載のナノ粒子分散構造体。 【請求項3】 前記架橋された高分子が下記一般(2) 【化2】RSiO3/2 (2) (式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を示す)で表わされる単位を有するポリシロキサン樹脂である請求項1に記載のナノ粒子分散構造体。 【請求項4】 架橋可能な構造を有する高分子前駆体からなる固体上に(i)金属、(ii)金属化合物及び(iii)半導体の中から選ばれる物質のナノ粒子を堆積させて後、該高分子前駆体を架橋させるとともに、該ナノ粒子を加熱により架橋高分子中に拡散させることを特徴とするナノ粒子分散構造体の製造方法。 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のナノ粒子分散構造体が積層されてなるナノ粒子分散構造体の積層体。 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載のナノ粒子分散構造体上に、(A)架橋可能な構造を有する高分子前駆体からなる固体膜を形成する工程と、(B)次いで該固体膜上に(i)金属、(ii)金属化合物及び(iii)半導体の中から選ばれる物質のナノ粒子を堆積させた後、該高分子前駆体を架橋させるとともに、該ナノ粒子を加熱により架橋高分子中に拡散させてナノ粒子分散構造体からなる層を形成する工程とからなる積層工程を1回以上繰り返して積層体を製造することを特徴とするナノ粒子分散構造体の積層体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は光機能材料として期待されるナノ粒子分散構造体とその製造方法に関するものであり、より詳細には金属、金属化合物及び半導体の中から選ばれる物質のナノ粒子が、架橋した高分子中に分散したナノ粒子分散構造体及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ナノメータサイズの金属粒子及び半導体粒子は、非線型光学効果を示すことから、これら粒子をガラスあるいは高分子中に分散させたナノ粒子分散体が光機能材料として注目されている。ナノメータサイズの粒子をマトリクスに分散させる方法として、例えば、1)ナノメータサイズの金属粒子および半導体粒子をスパッタ、CVD等の気相法で作成し、その周囲をシリカ等の不活性物質で覆い基板上に堆積膜を形成させる方法(特開平10−292065号等)、2)ゾルゲル化合物中にナノ粒子を液相中で分散させ複合化させる方法(特開平8−245263号)、3)高分子中に半導体成分の方の成分を分散させておき、これに他の成分を拡散させ、レーザを照射してナノ粒子を形成する方法(特開平10−36517号等)、4)熱力学的に不安定な状態にある高分子樹脂上に種々のナノ粒子を堆積した後、これを加熱して高分子を熱的安定状態にに変化させると共に高分子中に拡散させる方法(特開平6−157771号等)が知られている。また、5)開環重合可能な単量体膜を予め形成しておき、その上にナノ粒子膜を形成した後、加熱して重合させると共にナノ粒子を高分子膜中に拡散させる方法(特開平11−147958号等)も見出されている。ゾルゲル化合物は液相法で製造できる大きな利点はあるものの、一般には成形加工性に難があることや分散された粒子が不安定で二次凝集し易いことが言われている。また、熱可塑性高分子を分散媒体とする場合、不安定状態を保持しつつ粒子をその表面に析出し且つ安定化を図る工程中に拡散させる高度な技術が要求されるのみならず、高分子中でこれら粒子が二次凝集を起こしやすいことは良く知られた事実である。一般には、直鎖状の熱可塑性高分子よりも三次元架橋構造高分子の方が分散安定性に勝ることは周知である。また、ナノ粒子分散構造体は光学的な機能、例えば、非線型光学素子用の材料として注目されているわけであるから、分散媒体材料に望まれる重要な特性が光学的透明性であることは自明である。また、ナノ粒子の示す光学的効果に関する理論によれば、媒体の誘電率がナノ粒子の特性に影響することが示唆されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、ナノ粒子に対して化学的に不活性で且つ拡散を抑制するに効果的な架橋構造を有する高分子を用いるナノ粒子分散体およびその製造方法を提供することをその課題とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、架橋された高分子中に(i)金属、(ii)金属化合物及び(iii)半導体の中から選ばれる物質のナノ粒子を分散させたことを特徴とするナノ粒子分散構造体が提供される。また、本発明によれば、架橋可能な構造を有する高分子前駆体からなる固体上に(i)金属、(ii)金属化合物及び(iii)半導体の中から選ばれる物質のナノ粒子を堆積させて後、該高分子前駆体を架橋させるとともに、該ナノ粒子を加熱により架橋高分子中に拡散させることを特徴とするナノ粒子分散構造体の製造方法が提供される。また、本発明によれば、上記ナノ粒子分散構造体が積層されてなるナノ粒子分散構造体の積層体が提供される。さらに、本発明によれば、上記ナノ粒子分散構造体上に、(A)架橋可能な構造を有する高分子前駆体からなる固体膜を形成する工程と、(B)次いで該固体膜上に(i)金属、(ii)金属化合物及び(iii)半導体の中から選ばれる物質のナノ粒子を堆積させた後、該高分子前駆体を架橋させるとともに、該ナノ粒子を加熱により架橋高分子中に拡散させてナノ粒子分散構造体からなる層を形成する工程とからなる積層工程を1回以上繰り返して積層体を製造することを特徴とするナノ粒子分散構造体の積層体。 【0005】 【発明の実施の形態】一般に、熱硬化性高分子と総称される三次元的に架橋した高分子では、高分子鎖の運動が抑制されているため、高分子中に混合された充填材やその他の添加物は拡散が抑制され分散状態が安定化することが知られている。本発明は、ナノ粒子が凝集状態となることを妨げることができる架橋高分子材料中にナノ粒子を分散保持させたものである。 【0006】本発明において、分散媒体を構成する架橋された高分子には、光や熱等により硬化する各種の硬化性樹脂が包含される。この硬化性樹脂は、ナノ粒子が分散していない状態で、少なくとも350〜800nmの波長範囲において特定の光吸収帯を有さない成分で構成されていることが必須であり、光学的透明性が高いことが重要である。また、この硬化性樹脂は三次元架橋した際に、架橋網目構造を形成することによる結晶構造の発現を伴わないことが必須であり、更に、分子中に含まれる特定の官能基間の相互作用によって、秩序構造が発現しないことも要求される。本発明において、ナノ粒子とは一般に量子ドット、又はナノドットと呼ばれる10nm以下の粒径を有する粒子であれば良い。好ましくは1〜5nmのサイズであるが、ナノ粒子を形成する材料の種類、分散媒体の誘電率、目的とする機能によっても異なるため一概に特定することは困難である。また、ナノ粒子を構成する材料は、後述するナノ粒子分散構造体の製造方法を妨げない方法によって形成することのできるものであれば特に限定するものではない。例えば、金属としては、金、銀、パラジウム、銅等、半導体としては、元素半導体(Si,Ge等)や化合物半導体(GaAs,CdS等)等、金属化合物としては、酸化チタン、酸化錫等の金属酸化物やカルコゲナイドなど公知のものが挙げられる。 【0007】本発明のナノ粒子分散構造体は以下の方法によって製造することができる。以下、工程にしたがって説明する。周知の通り、フェノールホルムアルデヒド系の熱硬化性樹脂は、その硬化段階に応じて、A−ステージ、B−ステージ、C−ステージと呼ばれる。 A−ステージ:この段階では、液体状または固体状で溶剤に可溶であり、加熱により溶融する。三次元架橋構造を有する高分子の前駆体としても位置づけられる。 B−ステージ:A−ステージの状態にある物をを更に加熱して得られた物であり、アセトン等の溶剤には不溶であるが、溶剤と接触して膨潤する。また、加熱により、ややゴム状に軟化するが溶融はしない物であり、次に示すC−ステージの物に比べて、架橋が不充分なものと言える。この状態の物は、室温程度では固体である。 C−ステージ:B−ステージの状態にある物を更に加熱して得られるものであり、この物は溶剤に不溶であり、膨潤も起きず、加熱による溶融もないものである。 【0008】三次元架橋構造を有する高分子は、多官能性の官能性基を分子中に含む低分子化合物を付加反応あるいは縮合反応などで反応させて得られるものであるが、得られた三次元架橋構造を有する高分子が、B−ステージの状態に相当する場合、前記の通り溶媒に不溶ないしはそれに近い状態にあるため、該高分子を溶媒に溶かして、例えば基板上に製膜することは困難である。このため基板上への製膜等を行うには、通常A−ステージの状態に相当する初期縮合物、即ち、三次元架橋構造を有する高分子の前駆体を溶剤に溶かして使用する。この前駆体を基板上に製膜した後、その上に後記の方法でナノ粒子を堆積させてナノ粒子層を形成する。但し、後記した通りこのナノ粒子層は、ナノ粒子が連続層を形成するものでなく、ナノ粒子の粒子界面が存在する不連層として形成される。尚、前記ナノ粒子層形成時の加熱による該前駆体の溶融変形を防止する目的で、基板上に製膜したA−ステージの状態の前記前駆体を、ナノ粒子を堆積させる前に加熱して、予めB−ステージ状態に変化させ、その後にナノ粒子を堆積させても構わない。 【0009】前記ナノ粒子層の形成は、真空蒸着、スパッター、CVD、MOCVD等の公知の方法によって固体膜上に金属、金属化合物及び半導体の中から選ばれる物質のナノ粒子を堆積させることにより行われる。金属のナノ粒子を堆積させるには、真空蒸着、スパッターまたはMOCVDが一般的であり、シリコンまたはゲルマニウム等の半導体の場合は真空蒸着またはスパッターで行うことができる。また、金属化合物の場合も真空蒸着、スパッターまたはCVDの方法により、ナノ粒子を堆積させることが可能である。 【0010】前記ナノ粒子層の形成方法によっては基板温度が上昇し、A−ステージにある前駆体が溶融することがあるが、基板を冷却することによって回避することができる。ナノ粒子を堆積させ始めると、初めはナノ粒子の粒子界面が存在しているが、厚みが増すと、徐々にナノ粒子が連続層を形成してくることが知られている。前記ナノ粒子層の厚さは、ナノ粒子が連続層を形成し、粒子界面が消失する厚さ以下であることが必要である。ナノ粒子が金である場合、粒子径が10nm以下である場合は粒子界面が存在する不連続層を形成しているが、これ以上の厚さになると連続層が形成されることはよく知られている。前記ナノ粒子層を形成させた後、B−ステージまたはA−ステージ(但し、高温でも安定な状態のものや冷却により安定化させた物に限る)の状態にある架橋高分子の前駆体を加熱して、架橋させると共に高分子膜上に堆積したナノ粒子を架橋高分子中に拡散させる。この結果、架橋高分子の前駆体はゴム状になる。 【0011】また、ナノ粒子分散構造体の積層体の場合は、既に形成されたナノ粒子分散構造体からなる膜(第1層)の上に、ナノ粒子分散構造体からなる膜(第2層)を形成することにより製造できる。更に、この操作を繰り返すことによりいっそうの多層化が図られる。第2層以降の成膜方法は、第1層の場合、即ち前記ナノ粒子分散構造体の製造方法と同様であるが、成膜される側の層(第2層を成膜する場合においては第1層)は、架橋により本発明のナノ粒子分散構造体が形成されていることが必要である。具体的には、まず、架橋させて形成されたナノ粒子分散構造体からなる膜(第1層)の上に、溶媒中に溶解又は分散している架橋可能な構造を有する高分子前駆体を処理し、成膜を行う。ここで、架橋した高分子の殆どは溶剤に不溶であるため、この成膜処理により、第1層が溶解するものではなく、第1層のナノ粒子の分散状態は保持される。次にナノ粒子を堆積させ、更に該高分子前駆体を架橋させるとともに、加熱を行う。積層体を製造する際、加熱によるナノ粒子の分散は、単層のみの場合程には求められない。これは、積層体の場合、多層化が進むにつれて、全体としてナノ粒子が分散した状態になるためである。 【0012】本発明においては、架橋可能な高分子としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、その他の硬化反応性樹脂が挙げられるが、好ましくは、フェノールホルムアルデヒド等のフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂を挙げることができる。光学特性の点からはポリシロキサン樹脂が好適である。ポリシロキサン樹脂の場合、そのケイ素原子上の置換基の種類を選択することによって、190nmから1500nm近傍まで吸収を有しない、架橋構造を有する高分子が得られるが、この他にもこの置換基の選択により誘電率を3ないし4から2ないし3の範囲で調節することができる。また、同様に屈折率を1.35程度から1.55程度まで調節することが可能である。このようなポリシロキサン樹脂としては、下記一般式(1)で表されるシロキサン単位、特に、下記一般式(2)で表されるシロキサン単位を有するポリシロキサン樹脂が好適に使用される。 【化3】RnSiO(4-n)/2 (1) 【化4】RSiO3/2 (2) 前記式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を示す。この炭化水素基には、脂肪族系及び芳香族系炭化水素基が包含される。脂肪族系炭化水素基には、鎖状及び環状の飽和もしくは不飽和炭化水素基が包含される。その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、ノニル、デシル、デセニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキシルメチル等が挙げられる。芳香族炭化水素基には、炭素数6〜10のアリール及びアリールアルキル(アラルキル)が包含される。その具体例には、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等が挙げられる。前記一般式(1)におけるnは、0<n<2の範囲の数を示す。 【0013】ポリシロキサン樹脂の場合、架橋させた後に光学的透明性を保持できる限り、コロイダルシリカを含有しても何ら差し支えなく使用できる。これらのポリシロキサン樹脂としては、溶媒に溶解若しくは適当な溶媒中に均一分散できる程度のものであればかまわない。このようなポリシロキサン樹脂が溶解した溶液の場合基板上への塗布も容易となる。この様なポリシロキサン樹脂が溶解した溶液を基板上に塗布してB−ステージのオリゴマー膜を形成することができる。これらのポリシロキサン樹脂については、ポリシロキサン樹脂が通常有しているシラノール基を、特別に他の有機基で置換したものでない限り、加熱によりシラノール基が脱水縮合を起こし架橋するので、シラノール基が架橋単位として機能する。 【0014】また、他の架橋方法として、例えば、分子中にビニル基等の脂肪族不飽和基を有するポリシロキサンとSiH基を分子中に含むポリシロキサンを混合してこれに適当な白金化合物或いは有機過酸化物等を触媒として、ヒドロシリル化反応で架橋する方法等を示すことができる。 【0015】上述のポリシロキサン樹脂は、ケイ素原子上の置換基の種類にも依存するが、室温で固体であり、50〜70℃以上に加熱すると高粘度のゴム状物質に変化する。脱水縮合による架橋の場合にはこれ以上に加熱すると溶剤に不溶不融の架橋したポリシロキサン樹脂を形成する。ポリシロキサン樹脂のケイ素原子上の置換基の例としては、一般的には、水素原子、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜6のパーフロロ炭化水素基、炭素数1〜10の芳香族炭化水素基(例:フェニル基、トリル基、キシリル基等)が挙げられる。 【0016】基板上へのポリシロキサン樹脂膜の形成は、上述の如く、溶媒中にポリシロキサン樹脂を溶解或いは均一に分散した液を浸漬、バーコート、ワイヤーコート、スクリーンコート、スピンコート等公知の方法によって製膜し、これを室温から100℃程度の温度で加熱して溶媒を除去する。この時、加熱温度を調節することによって樹脂をA−ステージからB−ステージに変化させておくこともできる。 【0017】架橋高分子中におけるナノ粒子の拡散は、B−ステージから架橋にいたる加熱温度及び加熱速度に依存する。また、高分子の架橋が進むにつれて、分子運動が抑制されてくるため、当然ナノ粒子の架橋高分子内部への拡散も制限されるので、B−ステージの架橋程度を調節することによってナノ粒子の架橋高分子中への拡散を調節することも可能である。この他に、ナノ粒子層を薄くすることによって、架橋高分子中での粒子分布は狭くなる。加熱温度を低くすることによっても狭くなる。粒子を局在化させるには高温で時間をかけるのがよく、均一に分散させるには低い温度で架橋するのが好適といえる。 【0018】 【発明の効果】本発明により得られるナノ粒子分散構造体は、使用するナノ粒子の種類や架橋高分子の種類により各種用途への適用が期待されるものである。このうち、特に光学的に透明なポリシロキサン樹脂中にナノ粒子が分散しているナノ粒子分散構造体からなる材料は、これらナノ粒子の示す量子効果が発揮される非線型光学材料として、オプトエレクトロニクス分野への応用が期待されるものである。また、この材料は光学的透明性を有し且つ製造方法が容易であるため回折格子、光学反射膜等、種々の光学用途に適用できるものである。 【0019】 【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。 【0020】実施例1平均分子量2万のポリシロキサン樹脂CH3SiO3/2をメチルイソブチルケトンに溶解し、これをガラス基板上にスピンコートし、50℃で2時間乾燥した。さらに温度を100℃にあげてメチルイソブチルケトンに不溶の状態にした。この試料にスパッタリング装置(JEOL,JFC1100)を用いて、Ar雰囲気中(130Pa),500V,8mAの条件で金のスパッタリングを10秒行った。透過電子顕微鏡による観察では、平均粒径1.2nmの金ナノ粒子が上記ポリシロキサン樹脂表面に堆積していることが確認された。この試料を電気炉中で空気中、180℃、30分加熱して、ポリシロキサン樹脂を架橋させ、同時に金のナノ粒子をポリシロキサン樹脂表面から内部に拡散させてナノ粒子分散構造体を合成した。金ナノ粒子が上記ナノ粒子分散構造体からなる膜中に拡散していることは、XPSを用いて次の様にして、確認した。XPSによれば、金原子の4f電子の結合エネルギーを示すスペクトルは84eV近辺に観測される、また、珪素原子の2p電子の場合は103eV近辺に観測される。加熱前と加熱後におけるポリシロキサン樹脂表面でのこれらのXPSスペクトルの強度(I[Au,4f]およびI[Si,2p])からI[Au,4f]/I[Si,2p]を求め、加熱前と加熱後で比較したところ、加熱後の金の濃度は加熱前の1/4以下であることがわかった。尚、XPS測定による、ポリシロキサン樹脂表面への影響、特に珪素原子への影響は認められなかった(実施例2も同様)。また、前記I[Au,4f]は金原子の4f電子の強度を表し、I[Si,2p]は珪素原子の2p電子の強度を表す。 【0021】実施例2フェニル基を含むポリシロキサン樹脂(DC840[ダウコーニングコーポレーション製])をトルエンに溶解し、スピンコートしてガラス基板上に約1μmのポリシロキサン樹脂からなる膜を形成し、80℃で2時間乾燥させた。この試料にスパッタリング装置(JEOL,JFC1100)を用いて、Ar雰囲気中(130Pa),500V,8mAの条件にて、20秒間、金のスパッタリングを行った。透過電子顕微鏡による観察により、平均粒径2nmの金のナノ粒子が上記膜上に堆積していることが確認された。次に実施例1と同様に加熱し、加熱前後でのXPSスペクトルを測定した。加熱前と加熱後におけるポリシロキサン樹脂表面でのこれらのXPSスペクトルの強度(I[Au,4f]およびI[Si,2p])からI[Au,4f]/I[Si,2p]を求め、加熱前と加熱後で比較したところ、加熱後の金の濃度は加熱前の約1/2であることがわかった。 【0022】実施例3(MeSiO3/2)0.6(SiO2)0.4の組成のポリシロキサン組成物を固形分濃度30%として含むイソプロピルアルコールを主体とした分散液を調整し、これを白板スライドガラス上にスピンコートし、50℃で4時間乾燥させA−ステージのポリシロキサン樹脂組成物膜を形成させた。この試料にスパッタリング装置(JEOL,JFC1100)を用いて、Ar雰囲気中(130Pa),500V,8mAの条件で金のスパッタリングを20秒間行い、金のナノ粒子を形成させた。この試料を電気炉中で空気中、150℃、30分加熱して、第1層を形成させた。ナノ粒子はプラズモン吸収を示すことから、この試料の吸収スペクトルを日立社製3400分光光度計で測定した。その結果を図1に示す。明確なプラズモン吸収は検出されなかったが、透過電子顕微鏡による観察では、平均粒径3nmの金ナノ粒子が確認された。次に、この上に第1層の樹脂層と同じ樹脂層をスピンコートして形成させ、これを50℃乾燥させた。次いで、第1層と同じ条件で金のナノ粒子を形成させ、150℃で30分加熱し、第2層を形成させた。この操作を12回繰り返して12層の金のナノ粒子が層構造を有する分散構造体の積層体を形成させた。この積層体について吸収スペクトルを測定した。その結果を図2に示す。この積層体では500−550nmに吸収極大を有するプラズモン吸収が検出された。また、この積層体について、Ratherford Backscattering Spectrometer を用い、イオンビームに対して100°の検出角度として、金の深さ方向の分布を測定した。そのスペクトルチャートを図3に示す。基板側から6−12層では層構造が確認されたが、1−6層では長時間の熱履歴によって層構造は消失していた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】301000011 【氏名又は名称】経済産業省産業技術総合研究所長 【識別番号】000109185 【氏名又は名称】ダウ コーニング アジア株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年9月25日(2000.9.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−316501(P2001−316501A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月16日(2001.11.16) |
| 【出願番号】 |
特願2000−290902(P2000−290902) |
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