| 【発明の名称】 |
含浸用樹脂組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】山下 一司
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| 【要約】 |
【課題】低粘度で保存安定性、含浸性等に優れ、かつ加熱時の硬化反応性に優れた含浸用熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】樹脂組成物として、1)1分子内に2個以上のエポキシ基を含む液状エポキシ樹脂2)1分子内に2個以上のラジカル重合性2重結合を含む液状の化合物3)熱潜在性のカチオン重合触媒4)ラジカル重合開始剤を必須成分とする樹脂組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 含浸用樹脂組成物として、1)1分子内に2個以上のエポキシ基を含む液状エポキシ樹脂2)1分子内に2個以上のラジカル重合性2重結合を含む液状の化合物3)下記の一般式で示されるスルホニウム化合物とルイス酸との塩である熱潜在性のカチオン重合触媒[R12SR2]+X-R1: 炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカノール基、ベンジル基またはシクロヘキシル基であって、2個のR1は互いに結合してSをヘテロ原子とする複素環を形成していてもよい。R2: 水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカノール基、ベンジル基X-: SbF6-、AsF6-、PF6-、BF4-4)ラジカル重合開始剤なる4成分を必須成分とする前記の含浸用樹脂組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、低粘度で保存安定性、含浸性に優れ、かつ加熱時の硬化反応性に優れた含浸用樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、含浸用樹脂組成物として、液状エポキシ樹脂に液状酸無水物硬化剤を配合した含浸用樹脂組成物が広く用いられている。このエポキシ樹脂と酸無水物硬化剤からなる組成物は、そのままでは硬化の反応性が遅いため、通常、硬化性を改善するためにアミン類、イミダゾール類に代表される硬化促進剤を併用する。 【0003】しかしながら、硬化促進剤を添加すると、硬化反応性は改善されるものの、保存安定性が劣り、作業温度においてもエポキシ樹脂と酸無水物硬化剤との重合が起きるため、徐々に増粘し、やがて使用不可能になる。つまり保存安定性、ポットライフが限定され、また管理限界粘度を超えた場合には廃棄処分が必要となり作業管理上ならびに経済的、環境的な面からも問題が多い。 【0004】一方、近年、各種のエポキシ樹脂に対する熱潜在型硬化促進剤が提案され実用に供されているが、これらの熱潜在型硬化促進剤の多くは分散型であるためエポキシ樹脂などに不溶の粉体であり、含浸などの作業においては微細な隙間に含浸されず含浸不良や硬化不良を起こし易い。また、硬化反応性が十分でなく、含浸後の硬化過程において、熱垂れや含浸不良を起こし易い欠点があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題点を克服し、配合物が低粘度で、保存安定性、含浸性、硬化特性などに優れた含浸用樹脂組成物を提供するものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の、含浸用樹脂組成物の成分は下記の1)〜4)の各成分を必須成分として含有する事を特徴とする。 1)1分子内に2個以上のエポキシ基を含む液状エポキシ樹脂2)1分子内に2個以上のラジカル重合性2重結合を含む液状の化合物3)下記の一般式で示されるスルホニウム化合物とルイス酸との塩である熱潜在 性のカチオン重合触媒[R12SR2]+X-R1: 炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカノール基、ベンジル基またはシクロヘキシル基であって、2個のR1は互いに結合してSをヘテロ原子とする複素環を形成していてもよい。R2: 水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカノール基、ベンジル基X-: SbF6-、AsF6-、PF6-、BF4-4)ラジカル重合開始剤【0007】以下、本発明について詳細な説明を行う。本発明に成分(1)として用いられるエポキシ樹脂は、1分子内に2個以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂であれば特に限定されるものではなく、市販の汎用性のエポキシ樹脂が問題なく使用できる。例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型等ビスフェノール化合物のジグリシジルエーテル化合物、多価フェノールノのポリグリシジルエーテル化合物、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、トリヒドロキシフェニルメタン、トリヒドロキシフェニルプロパン、テトラヒドロキシフェニルエタン、ポリビニルフェノール等のグリシジルエーテル化合物、芳香族アミン化合物から誘導されるグリシジルアミン型化合物、グリシジルエステル型化合物、ポリアルキレンエーテル類のグリシジルエーテル化合物、脂環式エポキシ化合物、トリグリジルイソシアヌレート等の含複素環エポキシ化合物、ヒダントイン型エポキシ化合物、これらのハロゲン置換体エポキシ化合物等が単独あるいは2種以上の混合物として用いる。特に、本発明の主旨である液状を実現するためには常温で比較的低粘度の液状エポキシ樹脂を主成分として用いる事が望ましい。 【0008】また、本発明の成分(2)として用いられる1分子内に2個以上のラジカル重合性2重結合を含む液状の化合物としては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、、ジアリルヘキサヒドロフタレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼンなどの中から単独ないし2種以上を混合する。 【0009】ここで、成分(1)のエポキシ樹脂と成分(2)の1分子内に2個以上のラジカル重合性2重結合を含む液状の化合物の配合比は、(2)/(1+2)の比が0.1〜0.5となるように選択される。この比が0.1以下であれば、低粘度化の効果が得られない。また、この比が0.5以上であれば、硬化物が脆く実用性に乏しい。 【0010】次に、本発明に用いられる成分(3)としては、下記の一般式で表現されるスルホニウム化合物とルイス酸との塩であり、特に熱潜在性を示すカチオン重合触媒が望ましい。 [R12SR2]+X-R1: 炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカノール基、ベンジル基またはシクロヘキシル基であって、2個のR1は互いに結合してSをヘテロ原子とする複素環を形成していてもよい。R2: 水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカノール基、ベンジル基X-: SbF6-、AsF6-、PF6-、BF4-具体的には、2−ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−メチル−2ブチニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−(エトキシカルボニルオキシ)フェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(ベンゾイルオキシ)フェニルベンジルエチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−メチルベンジル−4−アセトキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(ベンゾイルオキシ)フェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。 【0011】これら成分(3)であるスルホニウム化合物とルイス酸の塩は、成分(1)のエポキシ樹脂に対して(3)/(1)の比が0.005〜0.05となるように選ばれる。この比が0.005以下ではエポキシ樹脂成分の硬化促進の効果が得られず組成物の硬化不良を招き易く、0.05以上では、硬化物の電気特性等の諸物性に悪影響を及ぼし易い。 【0012】さらに、本発明に用いられる成分(4)としてのラジカル重合開始剤として、例えば過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物化合物、アゾイソブチルニトリルに代表されるアゾ化合物が挙げられる。特に熱によって活性化される化合物が好適に用いられる。 【0013】この成分(4)は、使用される成分(2)に対して(4)/(2)の比が、0.001〜0.5の範囲で配合量が選ばれる。この比が0.001以下では、成分(2)の重合促進効果に乏しく、0.5以上では、樹脂配合物の硬化時間が短すぎて、硬化歪みなどが発生し易くなる。これらの各成分は、(1)、(2)を常温にて混合し、成分(3)および(4)を60〜70℃にて添加するだけで、容易に得られる。更に、本発明の組成物中に、充填剤、顔料、難燃化剤等を添加させる事も可能である。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明による実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0015】[実施例1]エポキシ樹脂としてビスフェノールAのジグリシジルエーテル化合物であるエピコート828(油化シェル社製)100部、トリメチロールプロパントリアクリレート、40部を添加した後、ヘキサフルオロアンチモンのベンジルスルホニウム塩である熱潜在型のカチオン重合触媒、サンエイドSI−L110(三新化学社製)2部を微粉化して添加し70℃のまま1時間撹拌して均一透明になるまで溶解させる。さらにラジカル重合開始剤であるジクミルパーオキサイド0.2部を添加溶解させて均一透明な樹脂組成物を生成する。この樹脂組成物に関して粘度、ゲル化時間、保存安定性、含浸性を測定した。また、この樹脂組成物を金型によって注型し150℃×4時間の条件で硬化物を作製し、この硬化物についてHDTを測定した。 【0016】[実施例2]エポキシ樹脂およびラジカル重合性化合物は実施例1と同じ配合で3−メチル−2−ブチニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、オプトンCP−77(旭電化社製)2部を70℃で加え溶解させた後、ジクミルパーオキサイド0.2部を添加溶解させて樹脂組成物を生成した。この樹脂組成物について、実施例1と同様の試験を行った。 【0017】[実施例3]エポキシ樹脂は実施例1と同一の化合物100部、としてジアリルイソフタレート 40部を用い、実施例1と同様の方法でサンエイドSI−L110 2部を溶解させ、さらにジクミルパーオキサイド0.2部を添加し樹脂組成物を得た。この樹脂組成物について実施例1と同様の試験を行った。 【0018】[比較例1]エポキシ樹脂は実施例1と同じ組成で100部、酸無水物硬化剤としてメチルテトラヒドロフタル酸無水物 HN2200(日立化成社製) 80部、硬化促進剤としてベンジルジメチルアミン 0.5部を添加して含浸用樹脂組成物を生成した。 【0019】[比較例2]エポキシ樹脂、酸無水物硬化剤は、比較例1と同様で、硬化促進剤としてマイクロカプセル型の熱潜在性硬化促進剤HX3741(旭化成社製) 4部(比較例2)を調製し、含浸用樹脂組成物を生成した。 【0020】これらの比較例1,2について実施例と同様の試験を行い、上述の実施例および比較例についての実験結果を表1に示す。 (表 1)
【0021】 【発明の効果】以上、実施例および比較例で示したとおり、本発明による含浸用樹脂組成物は、配合物の粘度が低く、保存安定性、作業性に優れ、かつ含浸性が優れているため、実用上大いに有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003115 【氏名又は名称】東洋電機製造株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月27日(1999.12.27) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−181369(P2001−181369A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月3日(2001.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−368944 |
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