| 【発明の名称】 |
モルタル状軽量セメント資材と、その資材を用いた簡易基礎工法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小森 章生
【氏名】河瀬 正志
【氏名】大山 泰司
【氏名】土屋 光晴
【氏名】佐野 英男
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| 【要約】 |
【課題】軽量細骨材を用いたモルタル状軽量セメント資材を用いて手撒き又は航空投下による緑化用の簡易基礎工を容易にする。
【解決手段】混練比重を2.0以下になるように軽量細骨材量を調節し、養生被膜形成効果のあるアクリル樹脂エマルジョン剤を添加水分容積の2〜5%(重量%)混合したモルタル状軽量セメント資材を、崖錐堆積物10に対し、航空投下により柱状15、縦筋状16、横筋状17に散布し硬化させる。硬化後に種子混入の植物生育基盤材20を散布して導入植生21を育成する。軽量細骨材として、絶乾仕重0.3以下もしくは表乾比重0.35〜0.7の木材チップ、ヤシ髄繊維、化繊繊維、樹皮繊維またはパルプ繊維等の有機質素材を使用する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水、セメント及び軽量細骨材を混合したモルタル状混練物であって、混練物の比重を2.0以下になるように軽量細骨材量を調節してなるモルタル状軽量セメント資材。 【請求項2】 軽量細骨材は木材チップを主成分とし、無機質骨材としてパーライト、軽石等を用い、骨材分離抑制材として樹皮繊維、パルプ繊維、ヤシ髄繊維、化学繊維等の毛状物を1または2種以上用いたことを特徴とする請求項1記載の資材。 【請求項3】 軽量骨材および骨材分離抑制材は、絶乾比重0.3以下もしくは表乾比重0.3〜0.7である請求項1または2記載の資材。 【請求項4】 請求項1において、さらに養生被膜形成効果のある高分子樹脂エマルジョン剤を添加水分の2〜5%(重量%)を混合してなるモルタル状軽量セメント資材。 【請求項5】 請求項1に、さらに、HLB価8〜18の界面活性剤を混合してなる基礎資材。 【請求項6】 混練比重を2.0以下になるように軽量骨材量を調節したモルタル状軽量セメント資材を、型枠に投入または、均一に伸展または吹付て硬化させることを特徴とする簡易基礎工。 【請求項7】 混練比重を2.0以下になるように軽量細骨材量を調節し、養生被膜形成効果のある高分子樹脂エマルジョン剤を添加水分容積の2〜5%(重量%)混合したモルタル状軽量セメント資材を、手撒き又は航空投下により柱状、縦筋状、横筋状に散布し硬化させることを特徴とする簡易基礎工。 【請求項8】 請求項6または7によって形成された簡易基礎工に、肥料及び種子または植物断片を含む植物生育基盤材を散布または投下することを特徴とする緑化工法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、軽量細骨材を用いたモルタル状軽量セメント資材と、その資材を用いた簡易基礎工法に関する。 【0002】 【従来の技術】地殻変動や気象災害等により表層の植物が滑落・枯死した山岳崩壊地等では、凍上融解や乾燥吸湿等の季節変動により生じる表土の移動により、新たな進入植生の定着が阻害され、河川への流出土砂の生産源となっている。河川に流出した土砂は下流部に建設されたダム等への堆積により、水利施設の短命化を促進するばかりではなく、土石流の発生源として生活圏への直接災害を及ぼす要因ともなっている。このような問題に対処する手段としては、土砂生産源の下流部に治山ダムや、砂防堤等を建設する手法が広く実施されてきた。しかしながら、このような手法は土砂生産源を直接処置するのではなく、繰り返し生産される土砂を抑制するために、同様の構造物を繰り返し建設することが必要とされている。 【0003】この問題を解決するため、流出土砂生産源に複合植生を定着させる各種の人工緑化手法が考案され、人力施工が可能な部位では、簡易基礎工としてモルタルコンクリートを崩壊面に直接吹付する手法や、コンクリート枠を構築する手法、金属製ネットを布設緊張する手法、丸太等で階段状の法面整形を行う等の自然堆積土砂の物理的な移動抑止工法が行われている。一方、人力施工が困難な部位では、ヘリコプターによりコンクリート2次製品や砕石等を搬送して簡易砂防堤を構築したり、モルタルコンクリートを表層に面状散布したりする物理的手法が採用され、さらに、種子と、肥料と、高分子樹脂エマルジョン等の土壌侵食防止剤と清水とをスラリー状に混練した植生基材を直接散布する表土安定処理手法や、これらを組み合わせた複合的な安定処理手法等が考案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】山岳地帯の土砂崩壊地は日常の土砂変化量の測定が困難であり、下流部へ流出した場合の2次災害防止の観点からも、早期に土砂生産源の安定対策を講じる必要がある。土砂生産源の安定化には、砂防堤などの構造物の構築による対処療法的な物理的手法より、直接的に安定効果を発揮する、複合植生の回復を行う生物的な安定対策が最も有効であるが、従来の緑化手法による表土安定処理のみでは、植物の発芽定着までの期間、表土移動の抑制を高分子樹脂の硬化作用のみに依存していることから、安定した植生導入を行うことは困難であった。すなわち、表土安定に必要な硬化強度を得るために樹脂散布量を増加させた場合には、種子の発芽抑制を生じるし、また、種子の発芽に支障のない散布量として植物の生育適性時期に関わらず施工の必要性を先行させる場合には、高分子樹脂に代わる土壌安定力が植物根系による表土緊縛力や茎葉の発達による土留効果が発揮されるまで日時を要するからである。 【0005】一方、施工時期に関係なく支持強度を発現させ、短期間で大規模施工が可能な手法として、モルタルセメントの面状散布が有効であることが知られているが、混練資材の比重が大きく(通常2.2〜3.0t/m3)航空機による輸送を伴うことから、経済性に大きな課題があり大規模施工への応用が困難であった。また、航空機を用いてモルタルセメントを散布厚1〜5cm程度に面状散布する場合には、スランプ率を8〜15cm程度に調節し5〜10m程度の高さから投下する必要があるが、その場合には着地衝撃により骨材分離を生じ安定強度を得られなかった。 【0006】また、スランプ率5cm以下の低水分モルタルセメントを、転石等による粗大間隙が多く存在する崖錐地等に投下した場合には、流動性に乏しく間隙物の間隙に十分浸透しないことから十分な安定効果が発揮されず、土砂や、砂礫の堆積地では、投下物の表面に土砂が付着し地表面との親和性が著しく低下し、また傾斜角度が大きい場合には投下したモルタルセメントが転落するおそれがあった。さらに、低水分モルタルは乾燥した岩石部位に投下すると、水分率の不均衡から接合面の硬化水分不良を生じ、接着性強度が低下しモルタルと地表面との親和性低下の原因となっていた。本発明は、手撒き又は航空投下を容易にしたモルタル状軽量セメント資材(ないしモルタル状軽量基礎資材)と、その資材を用いた簡易基礎工法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、水、セメント及び軽量細骨材を混合した混練物であって、混練物の比重を2.0以下になるように軽量細骨材量を調節してなるモルタル状軽量セメント資材である。モルタル状混練物の水:セメント比40%、細骨材:セメント重量比65%、水:細骨材比61%である。軽量細骨材は、木材チップを主成分とし、無機質骨材としてパーライト、軽石等を用い、骨材分離抑制材として樹皮繊維、パルプ繊維、ヤシ髄繊維、化学繊維等の毛状物を1または2種以上であり、特に、軽量骨材および骨材分離抑制材は、絶乾比重0.3以下もしくは表乾比重0.3〜0.7である。また、養生被膜形成効果のある高分子樹脂エマルジョン剤を添加水分の2〜5%(重量%)を混合し、さらに、HLB価8〜18の界面活性剤を混合するものである。 【0008】また、本発明は、混練比重を2.0以下になるように軽量骨材量を調節したモルタル状軽量セメント資材を、型枠に投入または、均一に伸展または吹付て硬化させることを特徴とする簡易基礎工である。特に、混練比重を2.0以下になるように軽量細骨材量を調節し、養生被膜形成効果のある高分子樹脂エマルジョン剤を添加水分容積の2〜5%(重量%)混合したモルタル状軽量セメント資材を、柱状、縦筋状、横筋状または面状に手散布又は航空投下し硬化させて簡易基礎工を施工する。更に、上記手法によって形成された簡易基礎工の周囲全体に、肥料及び種子または植物断片を含む植物生育基盤材を散布または投下することを特徴とする緑化工法である。 【0009】本発明簡易基礎工の摘要範囲は、表土移動が常時進行している崩壊地全般を対象として捉えることが可能であるが、特に容易な人力施工が困難な山岳地帯の大規模崩壊地に効果を発揮する。特に、木材チップ等の軽量骨材を用いたモルタル状の軽量化セメント資材を用いることで、経済性に優れた航空機による搬送施工の提供や、低温下の簡易モルタル吹付工・屋上植栽の植栽器具の整形・廃材利用に係る歩経路の路盤処理・簡易側溝造成等に利用できる。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明におけるモルタル状軽量セメント資材(細骨材の表乾比重が0.35〜0.7程度)と、従来のモルタルコンクリート(細砂骨材比重1.6〜1.8)との練上げ比重を比較すると、軽量化セメント資材が1400〜2000kg/m3であるに対し、従来の細砂を用いた場合には2400〜2600kg/m3となる。これを1回当1000kg吊荷可能なヘリコプターにて、往復5分の搬送距離を1日当り70回往復した場合の日搬送量は、(1000kg÷モルタル比重×日搬送回数=日搬送容積)本発明の軽量モルタルが38.9〜50m3/日であることに対し、従来のモルタルコンクリート技術では26.9〜29.2m3となり緊急を要する場合や、気象条件に左右される施工の場合には大きな経済的差異が生じる。 【0011】また、軽量セメント資材(モルタル状軽量基礎資材)を山峡部林道整備等に用いる場合には、林道の延命を目的に設置される簡易排水側溝の構築に際し、コンクリート2次製品等の搬入や、比重の高い細砂を大量に搬入することは非常に困難であるが、本発明に用いる骨材は軽量であり短期間に大量搬送が可能であるばかりでなく、打設時の人力負担を最小限に抑制することが可能であり、高齢化が進む土木作業現場にて有効な手段となる。細砂に比較し格段に低い熱伝導特性を持つ木材チップやパーライトを細骨材に使用していることから、養生時に外気温の影響を緩和することが可能となり硬化調節剤との併用により、低温期(気温氷点下10度以上)の凍上害を抑制することが可能となる。また、硬化後は水密性と高い断熱性が付与されることから、高冷地等の湧水のある斜面にてモルタル吹付を行った際にも、湧水の凍結膨張によるモルタル剥離減少を緩和することができる。 【0012】(高分子樹脂エマルジョン) 骨材が保水力を有することから、打設後に十分な養生が行えない航空投下などにおいても、水分不足による固化反応阻害を最小限に抑制することが可能であるが、混和水中に2〜6%程度のアクリル樹脂エマルジョン、エチレン酢酸ビニル共重合体などの高分子樹脂エマルジョンを添加することで、地山との親和性を向上させブリージング水中に溶出したアクリル樹脂が、水分蒸発に伴い表層皮膜を形成し養生湿度の保全に効果を発揮する。 【0013】(界面活性剤) 細骨材可能な限り短時間で完全に吸水させるためには、細骨材容積1000リットルに対してHLB価8〜18の界面活性剤を250g〜500g程度混合して用いると、表面撥水を低下させ、極めて短時間で水分を吸収するようになる。この界面活性剤としては、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの中から選ばれた1又は2種が使用される。 【0014】(緑化施設の構築) 硬化後には軽量モルタルとなることから、屋上等に用いる簡易植栽枠等の強度を必要としない緑化施設の構築に使用した場合には、積載重量の軽減につながる。同様に歩行を目的とする公園の歩経路の路盤材として用いることも可能であり、この際にはウッドチップ素材として公園や街路の植栽樹の剪定枝、風倒木・枯損木等をチップ材に加工して利用することもできる。近年都市公園等から排出される木質資源は、新たな公害としてその処理方法が模索されていることから、本手法の応用は廃棄物減量として有益である。使用可能な細骨材としては、使用時の混練比重が細砂と比較し軽量であることが前提条件であるため、吸水嵩比重を1.5kg/l 以下とすることが望ましく、無機質系素材として、天然の軽石類・鉱石焼成発泡体・ガラスカレット再生物等があり・有機質系素材としてはヤシ髄粉末・オガクズ等が使用可能である。無機系骨材の場合には、アルカリ骨材反応を考慮した配合手法を併用することが必要であり、木質素材を使用する場合にはセメント硬化阻害の要因となる糖分や、フミン酸等の有機酸を含んだ広葉樹はさけるべきである。小径間伐木材等の未利用木材資源をチップ加工して大量に使用可能であることから、林業資源有効活用につながることも付記しておく。また、モルタルの硬化速度は急結剤等の添加や、特殊セメントを用いることで容易に調節可能であることは周知の事実である。 【0015】本発明に用いる軽量細骨材を乾燥状態のままで使用すると、混練〜打設・養生にかけて骨材自体の吸水により硬化に必要な水分が減少し硬化不良を生じるため、使用細骨材には予め水分を十分に吸水させておく必要がある。細骨材可能な限り短時間で完全に吸水させるためには、細骨材容積1000リットルに対して界面活性剤を250g〜500g程度混合して用いると、表面撥水を低下させ、極めて短時間で水分を吸収するようになった。また、細骨材とセメントの容積比重は、細骨材の表乾比重が0.35〜0.7であることに対しセメントは3.2程度であるため、骨材粒子の体積が大きくなる程浮力が増加し、混練時の骨材の分離を生じる。本発明のモルタル状の軽量セメント資材は、混練時に骨材分離を抑制するために、添加水分を減じスランプ5〜8cm程度にて製造するか、スランプ16cm以下であれば毛状繊維物を補助材として使用することで繊維と骨材・セメントが絡み合い浮上を抑制することが可能となった。 【0016】(航空投下) 航空投下や圧送吹付に用いる場合には、着地衝撃等による分離を抑制するために骨材径は5mm以下が望ましく、型枠内充填を行う際には20mm程度の木材チップ片を使用することも可能である。骨材分離の抑制を目的に添加する繊維は、化学繊維や毛状に粉砕した杉や桧の樹皮が適当であるが、混練機のシャフトヘの絡み付きを抑制する為には、5cm以下に裁断して使用することが望ましい。スランプ率は0.5〜16cmの範囲で水分を調節して用いるが水分添加量は骨材粒径組成に左右されるために、一様の添加量を示すことは出来ないが、表乾時(完全吸水時)の骨材の表乾比重換算容積:添加水分容積の比率が1:2.5を目安として骨材毎に調節を行う。スランプ率の最適範囲は、航空機による投下では4〜12cmが最適範囲であり、圧送吹付には6〜12cm、型枠充填には8〜16cm、鏝整形には0〜8cmが適当である。 【0017】航空機による投下は、地表条件に応じて異なるが、散布高度は10m以下で、安全な作業範囲にて可能な限り低高度とすることが望ましい。崖錐堆積地10の下方部や谷部等の全体移動量が多い部位への投下は、図1に示すように、ホバーリング状態で、堆積域のほぼ一定間隔における各堆積間隙部位13にモルタル状軽量セメント資材を柱状に浸透させる(柱状投下部位15)。なお、図中、11は地山、12は土砂、14は礫、16はモルタル状軽量セメント資材の縦筋状投下部位、17は同横筋状投下部位、18は同筋状複合部位、19は同面状散布部位、20は肥料・種子混入の植物生育基盤材、21は導入植生である。 【0018】表層移動の激しい箇所では、上記柱状投下15に加え、等高線に対して垂直または平行方向に筋状投下(筋状複合部位16、17)を複合して実施する(図2)。表層堆積物の間隙が少ない崩壊斜面への航空投下には、等高線に対して垂直または水平方向に筋状に投下(筋状複合部位16、17)を施工する(図3)。表層に土砂分が多く存在する部位には、植物の発芽が可能な隙間が生じるように、粗な面状に落下するように施工(面状散布部位19)し全体的支持力を発揮させる(図4)。散布手法において「柱状投下」又は「筋状投下」する場合には、投下用バケットの排出口の開閉幅を調節し落下時間を調節しながら直接排出し、「面状散布」する場合には排出口にエンペラー式拡散装置や円錐型抵抗板を取りつけたバケット(図示省略)を使用する。 【0019】航空投下により上記の簡易基礎を施工する際には、可能な限り周囲の植生相と合致した緑化手法(将来木本植生に移行する植物設計による航空緑化手法)を併用する。特に降雨等により表土が流失または石礫の間隙に沈降した崖錐地では、多くの石礫が地表に露出しているため、スラリー状の粘着性の高い緑化資材を用いると、植物の発芽生育が困難な部位に付着する種子量が増加することから、凝集剤等を用いてソボロ状に調整した緑化資材(例えば、さきに出願した特願平9−366688号「転石地帯または破砕帯状地用緑化資材」)を散布する。この緑化資材は、微細有機質50〜90容量%、粘土10〜50容量%、凝集剤0.1〜5重量%、少量の樹脂コーテキング肥料を含む水溶性化成肥料、種子を添加し、これに水を加え混練してソボロ状の緑化資材としたものである。また、特願平9−91386号に開示したように、水分率10〜45重量%に調整した低水分培養土に、植物種子及び肥料成分を添加し混合して発芽貫通性を有する土嚢に封入して植物育成用資材とする。これらの資材を、上記基礎工が硬化した後に散布し、植物を育成させる。これにより本発明セメント資材の持つ短期かつ強靭な物理的抑制効果と、植物の生育に伴う生物的抑止効果が相俟って、強固な崩壊抑制効果を持った簡易基礎を完成させることができる。 【0020】(ポンプ吹き付け/散布) 圧送ポンプを用いて吹付を行う場合には、送管内分離を起さない構造の真空型ポンプを用い、吐出ノズルにて圧縮空気を併用して吹付けを行う。 (法面吹付け施工) 吹付施工の実施方法は航空投下に準じた要領で実施するが、特に整形法面等に用いる場合には、ラス金網を事前に布設しその上から全面に吹付を行う手法と、わらムシロや、ヤシ繊維マット等の発芽緩衝材とラス金網を布設した後、種子吹付工を行いその上層部に散発的な軽量モルタルを吹付る手法がある。この場合には種子付の金網等を用いることで種子吹付工を省略することができる。 【0021】(歩経路路盤等への打設) 歩経路路盤等への打設は、排水性を加味して可能な限り粗粒径の骨材が望ましいが、強度が不足を補填するためにワイヤーメッシュや鉄筋等の補助具を併用することが望ましい。簡易側溝の造成や屋上緑化には、鏝仕上と吹付施工双方が可能であるが、必要以上の平滑性を求めない場合には吹付凹凸±1.5〜2.0cmの範囲で施工可能な吹付施工が優れている。 【0022】〔試験例1〕上記モルタル約600kgを航空散布用のモルタルバケットに充填し、平地に投下した結果は以下のとおりであった。 【0023】 【表1】
【0024】〔試験例2〕同様のモルタルを真空圧送ポンプ(スクイーヅポンプ)で送管し、ノズル先で圧縮空気を管内送気し、斜度30度の斜面に吹付を行った際の結果は以下の通りであった。 【0025】 【表2】
【0026】〔試験例3〕セメント:細骨材比を固定し、水:セメント比及び骨材最大粒径値を変化させ、30×30×30cmの立方体型枠充填後標準養生を行った結果は以下の通りであった。 【0027】 【表3】
【0028】 【実施例】 航空機を用いた投下例では、上記の課題を解決可能な軽量化セメント資材配合組成として、粒径を3〜5mmに調整したウッドチップと5mm以下パーライトの混合物82〜85%に対し15〜18%の樹皮粉砕繊維(杉皮または桧皮)を混合して軽量骨材とした。モルタルの配合比率は、通常、水:セメント比(水の重量÷セメント重量)を40%とした場合、細骨材:セメント重量比(表乾骨材重量÷セメント重量)は65%、水:細骨材比(水の重量÷表乾細骨材重量)は61%であり、従って、水:セメント:細骨材比は、40〜65:100〜150:65〜100(重量比)である。 本モルタルを標準養生したテストピースの平均圧縮強度は、材齢9日にて18.9N/mm2であった。 【0029】 【発明の効果】上記のように、本発明におけるモルタル状軽量セメント資材は、混練物の比重が2以下であるため、手撒きや航空投下が容易になる。また、この軽量セメント資材を山峡部林道整備等に用いる場合には、林道の延命を目的に設置される簡易排水側溝の構築に際し、搬入や施工に要する負担を最小限に抑制することが可能である。また、細砂に比較し格段に低い熱伝導特性を持つ木材チップやパーライトを細骨材に使用していることから、養生時に外気温の影響を緩和することができて硬化調節剤との併用により、低温期(気温氷点下10度以上)の凍上害を抑制することが可能となり、硬化後は水密性と高い断熱性が付与されることから、高冷地等の湧水のある斜面にてモルタル吹付を行った際にも、湧水の凍結膨張によるモルタル剥離減少を緩和することができる。さらに、細骨材が保水力を有することから、打設後に十分な養生が行えない航空投下などにおいても、水分不足による固化反応阻害を最小限に抑制することが可能であるが、混和水中に2〜6%程度のアクリル樹脂エマルジョン剤を添加することで、ブリージング水中に溶出したアクリル樹脂が、水分蒸発に伴い表層皮膜を形成し養生湿度の保全に効果を発揮する。硬化後には軽量モルタルとなることから、屋上等に用いる簡易植栽枠等の強度を必要としない緑化施設の構築に使用した場合には、積載重量の軽減につながる。同様に歩行を目的とする公園の歩経路の路盤材として用いることも可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】398073178 【氏名又は名称】王子緑化株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月1日(2000.5.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072224 【弁理士】 【氏名又は名称】朝倉 正幸
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| 【公開番号】 |
特開2001−316154(P2001−316154A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月13日(2001.11.13) |
| 【出願番号】 |
特願2000−132115(P2000−132115) |
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