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【発明の名称】 用紙分離装置及び原稿搬送装置
【発明者】 【氏名】青柳 達三

【要約】 【課題】積層用紙から分離される用紙を損傷したり汚したりすることのない用紙分離装置を提供する。

【解決手段】本発明の用紙分離装置は、給紙ローラ21と、この給紙ローラ21に向けて付勢され、給紙ローラの外周面に沿って弾性変形する弾性部材22と、給紙ローラ21と弾性部材22との間に介在される摩擦部材25とを有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 給紙ローラと、この給紙ローラに向けて付勢され、給紙ローラの外周面に沿って弾性変形する弾性部材と、前記給紙ローラと弾性部材との間に介在される摩擦部材とを有することを特徴とする用紙分離装置。
【請求項2】 前記摩擦部材は帯状体に形成され、用紙流入側が前記弾性部材と一体的に固定され、用紙排出側が前記弾性部材と分離してフリーに構成されていることを特徴とする請求項1に記載の用紙分離装置。
【請求項3】 前記摩擦部材は帯状体に形成され、前記弾性部材と一体的に固着されていることを特徴とする請求項2に記載の用紙分離装置。
【請求項4】 前記摩擦部材は布その他の芯体をゴム質材でコーティングして構成された請求項1乃至3のいずれか1項に記載の用紙分離装置。
【請求項5】 前記ゴム質材はウレタンゴムであることを特徴とする請求項4に記載の用紙分離装置。
【請求項6】 前記摩擦部材はゴム質から構成され、表面に加熱圧着により形成された凹凸面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の用紙分離装置。
【請求項7】 前記凹凸面はメッシュ状に多数の突起から形成されていることを特徴とする請求項6に記載の用紙分離装置。
【請求項8】 積載された原稿を1枚づつ分離する用紙分離装置を備え、ここで分離された原稿を画像形成装置の原稿読取り部に向けて搬送し、処理が終了した原稿を排出する原稿搬送装置において、前記用紙分離装置は、給紙ローラと、この給紙ローラに向けて付勢され、給紙ローラの外周面に沿って弾性変形する弾性部材と、前記給紙ローラと弾性部材との間に介在される摩擦ベルトとを有することを特徴とする原稿搬送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子写真複写機等の画像形成装置に用いられる原稿搬送装置に関し、詳細には、積載されている原稿(用紙)を1枚づつ分離する用紙分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、上記のような画像形成装置には、積載された原稿(用紙)を1枚づつ分離して所定の用紙処理部(原稿の読取りが行われる部分)に給紙し、処理が施された原稿を排出する原稿搬送装置が設けられている。この原稿搬送装置は、画像形成装置に予め組み込まれていたり、あるいは画像形成装置に対して開閉自在に構成されており、給紙スタッカに積載した原稿を1枚づつ分離する用紙分離装置を有している。
【0003】従来から、このような用紙分離装置として、図5に示すような給紙ローラ1の外周面に、ウレタンゴム等比較的硬い材質で形成されたフリクションパッド2を当接させた、いわゆるフリクションパッド方式が知られている。フリクションパッド2は、弾性バネ3によって給紙ローラ側に付勢された支持体3a上に固着されており、原稿搬送装置の給紙スタッカに積載された原稿に当接するキックローラ(図示せず)の回転によって繰り出された原稿を、給紙ローラ1とフリクションパッド2と間で生じる摩擦作用によって確実に1枚づつ分離する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のフリクションパッドは、上記したように比較的硬度が高い材質で形成されているため、給紙ローラに対する接触面積が少ない。このため、確実に用紙を1枚に分離するには、フリクションパッドの単位面積当たりの給紙ローラに対する接触圧を大きくしなければならないが、これにより、搬送される用紙を損傷したり汚しやすくなる。特に、給紙ローラとフリクションパッドとの間でジャムが生じた場合において、その用紙を引き出そうとすると、接触圧が高いことから用紙の損傷や汚れの問題が顕著になる。
【0005】この発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、搬送される用紙が傷したり汚れたりすることのない用紙分離装置、およびそのような用紙分離装置を備えた原稿搬送装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の用紙分離装置は、給紙ローラと、この給紙ローラに向けて付勢され、給紙ローラの外周面に沿って弾性変形する弾性部材と、前記給紙ローラと弾性部材との間に介在される摩擦部材とを有することを特徴とする。
【0007】また、本発明による原稿搬送装置は、積載された原稿を1枚づつ分離する用紙分離装置を備え、ここで分離された原稿を画像形成装置の原稿読取り部に向けて搬送し、処理が終了した原稿を排出するように構成されており、前記用紙分離装置は、給紙ローラと、この給紙ローラに向けて付勢され、給紙ローラの外周面に沿って弾性変形する弾性部材と、前記給紙ローラと弾性部材との間に介在される摩擦ベルトとを有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、画像形成装置である電子写真複写機100に装着され、原稿読取り部Xに原稿(用紙)を自動的に供給するADF(オート・ドキュメント・フィーダ)、所謂、原稿搬送装置10の一例を示す図である。まず、電子写真複写機100及び原稿搬送装置10の全体的な概略構成について説明する。
【0009】電子写真複写機100の機体の上部には、ブック物の原稿を読み取るための原稿台ガラス(プラテン)102aが配置されており、このプラテン102aに隣接してシート原稿を読み取るためのプラテン102bが配置されている。そして、このプラテン102bには、図示しないCCDによる原稿読取り部Xが設けられている。
【0010】前記電子写真複写機上には、原稿搬送装置10が装着されており、原稿読取り部Xに対して連続的に原稿を搬送するようになっている。また、原稿搬送装置10は、ブック物の原稿を1枚づつ処理できるように、前記プラテン102aの表面に原稿を密着状態に置く圧板を備えており、この圧板は、原稿搬送装置10のハウジング10aの底面を構成する硬質樹脂製の支持板10bと、その下面に積層され弾性変形可能な厚みのある多孔質層10cと、この多孔質層10cを覆う柔軟な表面レイヤー10dとで構成されている。
【0011】前記ハウジング10aには、複数枚の原稿Gを積載する給紙スタッカ12aと、給紙スタッカ12aから繰り出され、原稿読取り部でその内容が読み取られた原稿を排出する排出スタッカ12bが上下方向に並設されている。
【0012】前記ハウジング10a内には、前記原稿読取り部Xに臨むように、大径のフィードローラ15が配されており、その外周面15aによって循環部パスaが形成されている。また、ハウジング10a内には、循環部パスaに対して原稿Gを搬送する供給部パスb、循環部パスaで画像処理を終了した原稿Gを排出する排出パスc、及び両面原稿を処理する場合に用いられるスイッチバックパスdが配設されている。なお、このスイッチバックパスdは、循環部パスaの下流側と排出パスcの上流側との間に配置されている。
【0013】前記供給部パスbの入口には、給紙スタッカ12aに積載された原稿を繰り出すキックローラ17と、キックローラ17によって繰り出された原稿の1枚分離を果たす用紙分離装置20が設けられている。また、供給部パスbには、1枚に分離された原稿を前記循環部パスaに供給する第1レジストローラ41及び第2レジストローラ42が隣接して配設されている。
【0014】前記循環部パスaを形成する大径のフィードローラ15は、矢印方向に回転駆動され、その外周面15aには、原稿の読取り処理が成される部分(原稿読取り部Xに対抗する部分であり「用紙処理部」と称する)を挟んで2個の転接ローラ43,44が転接している。原稿Gは、外周面15aに密着した状態でフィードローラ15と転接ローラ43によって用紙処理部(原稿読取り部X)に向かって送られ、同用紙処理部では、押圧部材45とプラテン102bとの間を搬送される原稿の表面がCCDにより読み取られる。そして、記載内容が読み取られた原稿Gは、フィードローラ15と転接ローラ44によって前記排出パスcもしくはスイッチバックパスdに案内される。
【0015】前記転接ローラ44の下流側には、順に、搬送される原稿Gをスイッチバックパスd又は排出パスcに振り分ける第1方向切換部材46と、排出パスc又は循環部パスaに振り分ける第2方向切換部材48が回動可能に支持されている。これらの切換部材46,48は、片面読取りモード、両面読取りモードに応じて適宜回動駆動される。
【0016】前記スイッチバックパスdには、スイッチバックローラ対50が設けられており、両面読取りモードの場合に正転/逆転駆動される。また、スイッチバックパスdの延長上には、前記排出スタッカ12bと支持板10bとの間で空間Sを規定しており、ここには、スイッチバックされる原稿が案内される。
【0017】前記排出パスcには、排出ローラ対52が設けられており、片面読取り、もしくは両面読み取りされた原稿(処理が終了した原稿)を、前記排出スタッカ12bに排出する。
【0018】ここで、上述した原稿搬送装置10によって、片面読取りモードおよび両面読取りモードを行う際の原稿の搬送動作について説明する。
【0019】片面読取りモードの場合、用紙分離装置20で1枚に分離された原稿Gは、各ローラの回転駆動によって、供給部パスb、循環部パスaを案内され、原稿読取り部Xに対抗する用紙処理部に搬送される。このとき、前記第1方向切換部材46は実線位置、前記第2方向切換部材48は点線位置に回動されており、内容が読み取られた原稿Gは、フィードローラ15及び排出ローラ対52によって搬送され、前記両切換部材で案内されて排出パスcを介して排紙スタッカ12bに排出される。
【0020】両面読取りモードの場合、前記同様、用紙分離装置20で1枚に分離された原稿Gは、各ローラの回転駆動によって、供給部パスb、循環部パスaを案内され、原稿読取り部Xに対抗する用紙処理部に搬送される。このとき、前記第1方向切換部材46は点線位置、前記第2方向切換部材48は実線位置に回動されており、表面側の内容が読み取られた原稿Gは、第1切換部材46でスイッチバックパスdに案内され、フィードローラ15及びスイッチバックローラ対50によって、前記空間S内に搬送されて行く。そして、原稿Gの後端がスイッチバックローラ対50の直前に位置したことが図示しない検知手段によって検出されると、スイッチバックローラ対50は逆転駆動される。これにより原稿Gは、前記第2方向切換部材48で供給部パスaに反転した状態で案内され、今度は原稿読取り部Xにおいて裏面側が読み取られる。このとき、前記第1方向切換部材46は実線位置、前記第2方向切換部材48は点線位置に回動されており、裏面側の内容が読み取られた原稿Gは、フィードローラ15及び排出ローラ対52によって搬送され、そのまま排出パスcを介して排紙スタッカ12bに排出される。
【0021】次に、図2乃至図4を参照して、上述した用紙分離装置の構成について詳細に説明する。
【0022】用紙分離装置20は、用紙の分離時に回転駆動される給紙ローラ21と、この給紙ローラ21の外周面に対抗して配設される弾性部材22とを有している。弾性部材22は、装置のフレーム10eに固定されている押圧バネ23によって上方側に付勢された支持体24上に固着されている。弾性部材22は、上方に付勢された状態で、給紙ローラ21の外周面に沿って弾性変形するような材質、例えば、スポンジ、発泡材等によって形成されている。
【0023】また、前記給紙ローラ21と弾性部材22との間には、ウレタンゴムシート、繊維状シートに表面コーティングした部材等によって形成される摩擦部材25が介在されている。本実施の形態では、摩擦部材25は帯状(ベルト状)に形成されており、その前端側(用紙導入側)が支持体24の前端面上に垂れ下がり、そこに形成された一対の孔25aが支持体前端面に形成された突部24aと係合することで、支持体24に固定されている。
【0024】以上のように、摩擦部材25は、給紙ローラ21の外周面に沿って弾性変形する弾性部材22上に支持されることで、摩擦部材25の給紙ローラ21に対する接触面積が、従来のフリクションパッド方式による摩擦部材の接触面積よりも大きくなり、これにより単位面積当たりの接触圧力が小さくなる。この結果、用紙の分離力は維持したままで、分離される用紙に汚れや損傷を与えることがなくなる。特に、単位面積当たりの接触圧力が小さいため、ジャムが生じた際に用紙を強制的に引き抜いても、用紙を傷めたり汚すようなことが抑制される。
【0025】また、本実施の形態では、摩擦部材を帯状に形成すると共に、その前端側を支持体24の前端面に垂れ下げた状態で固定し、後端側をフリー状態としたため、摩擦部材25を容易に交換することが可能となり、また、キックローラ17(図1参照)から繰り出された用紙を帯状となった部材の湾曲部分に突き当てて、容易に摩擦部材25と給紙ローラ21との間に案内することができる。もちろん、このような帯状となった摩擦部材25は、弾性部材25と一体的に固着されていても良い。
【0026】また、摩擦部材25は、上述したように、ウレタンゴムシート等によって形成できる他、例えば、布を基体とした摩擦係数の大きい織布の表面をコーティングすることによっても形成でき、さらには、布、その他の芯体を、例えばウレタンゴムのようなゴム質材でコーティングすることによっても形成できる。る。また、摩擦部材25の給紙ローラ21と接触する側の表面に凹凸部(シボ)を形成することで、接触面積を調整して摩擦係数をコントロールすることができる。なお、このような凹凸部は、加硫プレス成形又は熱溶着成形時に金型表面形状を転写することができる。
【0027】また、上述した実施の形態では、給紙ローラ外周面に当接するいわゆるパット部分を、弾性部材上に、別途帯状に形成された摩擦部材を配設した構造としたが、弾性部材と摩擦部材とを一体的に形成した2層構造としたり、弾性部材上に薄板上の摩擦部材を密着させた構造としても良い。また、上述した用紙分離装置は、図1に示すような複写機に装着される原稿搬送装置以外にも、例えば、用紙に印字を施すプリンタ等に装着される用紙搬送装置に組み込んでも良い。
【0028】本発明の用紙分離装置によれば、給紙スタッカに積載された用紙を分離して搬送するに際し、摩擦部材を給紙ローラの外周面に沿って弾性変形する弾性部材上に支持することにより、摩擦部材の給紙ローラに対する摩擦面積が大きくなるので、単位面積当たりの接触圧力が小さくなる。これにより、搬送される用紙に損傷や汚れを与えることを抑制することができる。特に、ジャムが生じた場合に、その用紙を強制的に引き出しても、用紙の損傷や汚れが生じ難くなる。
【出願人】 【識別番号】000231589
【氏名又は名称】ニスカ株式会社
【出願日】 平成11年9月27日(1999.9.27)
【代理人】 【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
【公開番号】 特開2001−97585(P2001−97585A)
【公開日】 平成13年4月10日(2001.4.10)
【出願番号】 特願平11−273025