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【発明の名称】 鉢収納容器
【発明者】 【氏名】田原 秀樹

【要約】 【課題】製造コストや組み立ての手間などを軽減することは勿論のこと、搬送時における鉢の支持を一段と確実なものとする鉢収納容器を提供する。

【解決手段】側板13a〜13dによって四方が囲まれた四角形状の容器本体と、この容器本体の一方の対向する側板13a,13cの上辺から内側へ斜めに折り曲がり、且つ鉢3を嵌め入れるための開孔30,31が形成された一対の棚部15a,15bとを備え、一方の棚部15bの先端部が他方の棚部15aの斜面を押圧する構成とした。このような構成としたことで、開孔30,31の内周縁が鉢3の外周面を上下方向に斜めに取り囲んで保持することとなり、搬送時の振動や揺れに対する抵抗力が増して、洋ランやシクラメンなど背の高い鉢3を搬送する際の安定性が確保される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 側壁によって四方が囲まれた四角形状の容器本体と、この容器本体の一方の対向する側壁の上辺から内側へ斜めに折り曲がり、且つ鉢を嵌め入れるための開孔が形成された一対の棚部とを備えてなる鉢収納容器。
【請求項2】 側壁によって四方が囲まれた四角形状の容器本体と、この容器本体の一方の対向する側壁の上辺から内側へ斜めに折り曲がり、且つ鉢を嵌め入れるための開孔が形成された一対の棚部とを備え、一方の棚部の先端部が他方の棚部の斜面を押圧していることを特徴とする鉢収納容器。
【請求項3】 前記容器本体の他方の対向する側壁には、前記棚部の先端部を支持する舌片が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の鉢収納容器。
【請求項4】 前記一対の棚部は、内側への折曲げ角度が互いに異なっていることを特徴とする請求項2記載の鉢収納容器。
【請求項5】 前記一対の棚部は、開孔の内周縁の高さ位置が互いに異なっていることを特徴とする請求項2又は4記載の鉢収納容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉢植えの植物を鉢ごと収納する鉢収納容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に鉢植えの植物を搬送する時にはダンボール箱を利用する場合が多く、植物を鉢ごとダンボール箱の中に収納して搬送している。従来、この種の鉢収納容器としては、例えば図8に示すように、ダンボール箱1の中に別途中仕切2を配置して棚を形成し、この棚に鉢3を嵌め入れるための円孔4を形成し、搬送中にダンボール箱1の中で鉢3が倒れないようにしたものが知られている。しかし、このような鉢収納容器では、ダンボール箱1と、棚を形成する中仕切2とが別部材であるため、製造コストが掛かる他、組み立ての手間も掛かってしまう。また、ダンボール箱1のサイズに合わせて種々の大きさの中仕切2を用意する必要があった。
【0003】そこで最近では中仕切を別部材として設けることなく、一つのダンボール箱で棚を形成するものが提案されている。この例としては、図9及び図10に示したように、4つの側壁6と底壁7とで上方が開放した一体構造のダンボール箱5を形成し、側壁6の一つを前記底壁7から所定の高さ位置で内側に折り曲げて棚部8を形成し、この棚部8に鉢3を嵌め入れるための円孔9を設けたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の鉢収納容器にあっては、製造コストや組み立ての手間などを軽減できるものの、鉢3を支持するための棚部8は一つの側壁6を内側へ折り曲げて水平に形成したものである。図10に示したように、円孔9に差し込まれた鉢3は、その外周面が円孔9の内周縁10によって押圧支持されるが、内周縁10が鉢3の外周面を同一高さで支持することになるため、洋らんやシンビジウムなど背の高い鉢3を搬送する時などは振動や揺れに対して不安定となり、鉢3が傾いてしまったり更には鉢3が倒れてしまうなどの問題があった。
【0005】そこで、本発明の目的は、製造コストや組み立ての手間などを軽減できることは勿論のこと、搬送時における鉢の支持を一段と確実なものとする鉢収納容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る鉢収納容器は、側壁によって四方が囲まれた四角形状の容器本体と、この容器本体の一方の対向する側壁の上辺から内側へ斜めに折り曲がり、且つ鉢を嵌め入れるための開孔が形成された一対の棚部とを備えたことを特徴とする。
【0007】この発明によれば、一対のフラップが鉢を保持するための棚部として構成され、且つこの棚部が傾斜しているので、開孔の内周縁が鉢の外周面を上下方向に斜めに取り囲んで保持することとなり、鉢の外周面を同一平面上で保持する従来の保持手段に比べて安定感が増して、搬送時の振動や揺れによって鉢が傾いたり倒れたりするのを防ぐことができる。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1記載の鉢収納容器において、側壁によって四方が囲まれた四角形状の容器本体と、この容器本体の一方の対向する側壁の上辺から内側へ斜めに折り曲がり、且つ鉢を嵌め入れるための開孔が形成された一対の棚部とを備え、一方の棚部の先端部が他方の棚部の斜面を押圧していることを特徴とする。
【0009】この発明によれば、一対のフラップによって構成される左右の棚部の位置が上下にずれているので、開孔に鉢を嵌め入れた時に鉢の外周面を上下で支えることになり、安定感がより一層増すことに成る。
【0010】また、請求項3の発明は、請求項1又は2記載の鉢収納容器において、前記容器本体の他方の対向する側壁に前記棚部の先端部を支持する舌片が設けられていることを特徴とする。
【0011】この発明によれば、フラップによって構成される棚部の先端部を舌片が支えることで棚部の沈み込みが防止されるために棚部の姿勢が確保され、棚部での鉢の保持が安定したものとなる。
【0012】また、請求項4の発明は、請求項2記載の鉢収納容器において、前記一対のフラップを内側に折り曲げて構成される棚部の折曲げ角度が互いに異なっていることを特徴とする。
【0013】この発明によれば、一対のフラップの折曲げ角度を互いに異ならせることで、鉢の外周面を開孔の内周縁が異なった角度から保持することになるので、搬送時に発生する種々の揺れに対して有利となる。
【0014】また、請求項5の発明は、請求項2又は4記載の鉢収納容器において、前記一対の棚部に設けられた開孔の内周縁の高さ位置が互いに異なっていることを特徴とする。
【0015】また、この発明によれば、鉢の外周面を開孔の内周縁が上下の異なった位置で保持することになるので安定したものとなり、前記請求項4の場合と同様、搬送時に発生する種々の揺れに対して有利となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発明に係る鉢収納容器の実施形態を説明する。図1乃至図4は鉢収納容器の第1実施形態を示したものであり、図1は鉢収納容器を構成するダンボールの展開図、図2はダンボールを組立てた鉢収納容器の斜視図、図3は鉢収納容器に鉢を入れたときの前記図2におけるA−A線に沿って切断した断面形状を示す図、図4は鉢の外周面を上下2箇所で支持している状態の説明図である。
【0017】第1実施形態に係る鉢収納容器は、図1に示されるような一枚のダンボール紙11によって構成される。ダンボール紙11は型抜きと共に所定の折れ目と切れ目を有する1枚の平板であり、コストや強度の点でダンボールなどの厚手の紙材が用いられる。ダンボール紙11は折れ目12を介して左右に連続する4枚の側板13a〜13dを有する。側板13aの左端には他端側の側板13dに接着するためののり代13eが形成されている。また、上記側板13a〜13dの上部には折れ目14を介して一対の棚板15a,15bと一対の補強板16a,16bとが交互に配設される。さらに、前記側板13a〜13dの下部には折れ目17を介して底板18a〜18dが形成される。
【0018】この実施形態に係る鉢収納容器19は二鉢用のものであり、長方形の側板13a,13cと方形の側板13b,13dとが交互に配設される。長方形の側板13a,13cは、一方の側板13cの高さが他方の側板13aや方形の側板13c,13dの高さより低く、それに対応して棚板15bの高さも低くなっている。方形の側板13b,13dには略中央部に四角形の舌片20a,20bが切り起し形成される。この舌片20a,20bは上辺及び両側辺に切れ目が形成され、下辺に折れ目が付けられたもので、組立時に内側へ約90°切り起される。また、補強板16a,16bには折れ目14に対して前記舌片20a,20bと線対称の舌片21a,21bが同様の構成で形成されている。
【0019】上記棚板15a,15bには略半円形状の切欠部22,23が左右に一対ずつ設けられる。この切欠部22,23の内周縁に沿って押圧片24,25形成され、この押圧片24,25には複数のスリット26,27が切り込まれている。また、切欠部22,23の中心奥には鉢の外周部を抱き込むように保持する略矩形状の切込部28,29が形成される。上記構成からなる切欠部22,23は、図2乃至図4に示したように、ダンボール紙11を鉢収納容器19として組立てた時に、棚板15a,15bの中心で互いに向かい合って開孔30,31を形成する。そして、この開孔30,31に鉢3を差し込んだ時には押圧片24,25が弾性的に撓むことで鉢3の外周面を弾性的に押圧すると共に、切込部28,29で鉢3の外周面を抱き込むようにして保持する。
【0020】上記展開されたダンボール紙11は、図2乃至図4に示したような鉢収納容器19に組立てられる。先ず、4枚の底板18a〜18dを組付けると共に、側板13aののり代13eを側板13dに接着することで立体形状に組立てる。次に、補強板16a,16bを方形の側板13b,13dの内側に折り込んで2枚を重ね合わせると共に、同じ位置に重ね合わされた舌片20aと20b、舌片21aと21bを外側から押し込んで切り起し水平に保たせる。次いで、一方の棚板15aから内側へ斜めに折り曲げ、その先端を舌片20aの上に突き当てて保持する。同様に他方の棚板15bも内側へ斜めに折り曲げ、その先端を前記棚板15aの下部に押し当てる。その時、棚板15aは舌片20aに、棚板15bは棚板15aにそれぞれ突張って、図3に示したような傾斜した状態の姿勢で保持される。
【0021】このようにして姿勢が保持された棚部15a,15bには、上記切欠部22,23が向かい合うことで一対の開孔30,31が形成される。この開孔30,31に嵌め入れられた鉢3は、押圧片24,25の弾性作用によって保持されると共に、互いに向かい合う切込部28,29に鉢3の上部外周面が抱き込まれるように保持される。特に、この実施例では左右の棚部15a,15bの傾斜角度が異なっているのに加えて棚部15a,15bの傾斜位置も上下にずれているので、図3及び図4に示したように、押圧片24,25や切込部28,29が鉢3に当たって保持する位置も上下にずれることになる。その結果、鉢3の外周面を上下の異なる位置で左右から保持することになるので、搬送時の振動や揺れに対する抵抗力が増すことになり、洋ランやシクラメンなど背の高い鉢3を搬送する際の安定性が確保される。また、上述のように棚部15a,15bが傾斜していることで、直径や高さなどサイズの異なる鉢3に対しても同じ鉢収納容器19を利用することができる。
【0022】図5乃至図7は本発明の第2実施形態を示したものである。この実施形態に係る鉢収納容器19aは、図5に示したように、先の実施形態と略同様な一枚のダンボール紙11aによって構成され、側板13cの高さ幅を他の側板13a,13b,13dに揃えると共に、左右の棚部15a,15bの形状を揃えた点が先の実施形態と異なっている他は同様の構成からなるので、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0023】したがって、この実施形態に係るダンボール紙11aを組立てた時には、図6及び図7に示したように、左右の棚部15a,15bの先端が互いに近づいて舌片20a,20bの上で突き当たる。舌片20a,20bが棚部15a,15bの先端を沈み込まないように支持することで左右の棚部15a,15bの傾斜姿勢が確保される。この実施形態では一方の棚部15bの傾斜が先の実施形態のものより多少きつくなる。
【0024】このように構成された鉢収納容器19aにあっては、前記実施形態と同様、棚部15a,15bの中央部分に左右一対の開孔30,31が形成され、この開孔30,31内に鉢3が嵌め入れられる。鉢3は押圧片24,25の弾性作用によって外周面が押圧保持されると共に、互いに向かい合う切込部28,29によって鉢3の上部外周面が抱き込まれる。また、この実施形態においても開孔30,31の内周縁が斜めになっているので、押圧片24,25の当たる位置が鉢3の外周面に沿って上下にずれ、搬送時の振動や揺れに対する抵抗力が増すことになって、洋ランやシクラメンなど背の高い鉢3を搬送する際の安定性が確保される。この実施形態に係る鉢収納容器19aにあっても、棚部15a,15bが傾斜しているので、直径や高さなどサイズの異なる鉢3を収納することができる。
【0025】なお、上記いずれの実施形態においてもダンボール箱による鉢収納容器について説明したが、ダンボール箱以外の収納容器を本発明に適用できることは勿論である。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る鉢収納容器によれば、一対のフラップが鉢を保持するための棚部として構成され、且つこの棚部が傾斜しているので、開孔の内周縁が鉢の外周面を上下方向に斜めに取り囲んで保持することとなり、鉢の外周面を同一平面上で保持する従来の保持手段に比べて安定感が増して、搬送時の振動や揺れによって鉢が傾いたり倒れたりするのを防ぐことができる。また、特に鉢の外周面を左右から上下の異なった位置で保持したり、異なった角度方向から保持した場合には、より一層の安定感が増すことになる。
【出願人】 【識別番号】599071016
【氏名又は名称】甲府紙器株式会社
【出願日】 平成12年4月19日(2000.4.19)
【代理人】 【識別番号】100097043
【弁理士】
【氏名又は名称】浅川 哲
【公開番号】 特開2001−301865(P2001−301865A)
【公開日】 平成13年10月31日(2001.10.31)
【出願番号】 特願2000−118222(P2000−118222)