| 【発明の名称】 |
車両用ステアリング装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】斉藤 達也
【氏名】浜野 聖司
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| 【要約】 |
【課題】ラック軸ストッパを螺着するための工具によるストッパ面の変形または最大ストローク量の変化を防止して、設定された最大ストローク量が得られる車両用ステアリング装置を提供する。
【解決手段】車両用ステアリング装置のラック軸ストッパ24は、ラック軸4の最大ストローク量を規定するストッパ面28と、ラック軸ストッパ24をパワーシリンダ6に対して相対回動させて着脱するための工具31が係合する係合部30とを有する。係合部30は、最大ストローク量を越える移動方向に、ストッパ面28から所定距離Dだけ離れた底面29aを有する凹部29において、底面29aに設けられた切欠からなる。そして、所定距離Dは、工具31との係合により生じる係合部30の縁部の変形が最大ストローク量を変化させない値に設定されている |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操舵輪に連動連結されて軸方向に移動自在とされたラック軸と、該ラック軸を収容するハウジングと、該ハウジングに螺着されて前記ラック軸が貫通するラック軸ストッパとを備え、該ラック軸ストッパには、前記ラック軸の最大ストローク量を規定するストッパ面および該ラック軸ストッパを前記ハウジングに対して相対回動させて着脱するための工具が係合する係合部が設けられた車両用ステアリング装置において、前記係合部は、前記ラック軸の前記最大ストローク量を越える移動方向に、前記ストッパ面から所定距離だけ離れて位置しており、該所定距離は、前記工具との係合により生じる前記係合部の縁部の変形が前記最大ストローク量を変化させない値に設定されていることを特徴とする車両用ステアリング装置。 【請求項2】 前記ストッパ面には、該ストッパ面から前記所定距離だけ離れた底面を有する凹部が設けられ、前記係合部は、該底面に設けられた切欠または穴であることを特徴とする請求項1記載の車両用ステアリング装置。 【請求項3】 前記ラック軸ストッパには、前記ラック軸を前記軸方向に滑動自在に支持する軸受ブッシュが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用ステアリング装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本出願発明は、例えば車両用パワーステアリング装置等の車両用ステアリング装置に関し、詳細には、ラック軸を収容するハウジングに螺着されて、ラック軸の最大ストローク量を規定するストッパ面が設けられたラック軸ストッパの構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、車両用のステアリング装置においては、操舵輪に連動連結されたラック軸は、ハウジングに軸方向に移動自在に収容される一方、該ハウジングに固定されたラック軸ストッパを貫通して延びており、ラック軸ストッパの軸方向の端面にはラック軸の最大ストローク量を規定するストッパ面が設けられる。 【0003】例えば、実開昭58−179276号公報に開示された動力舵取装置では、ラック軸に設けられたピストンが摺動可能に嵌装されたパイプの端部の外周に嵌合されたナットが、該端部の内周に嵌合されてラック軸が貫通するシリンダエンドに対してねじ込まれる。このシリンダエンドの端面には円周上複数の係合孔が形成され、該係合孔には、ナットとシリンダエンドの締込み時に、シリンダエンドを回転または固定するための工具が係合される。そして、ラック軸の端部に取り付けられたボールジョイント16,17が、シリンダエンドの端面に衝接することにより、ラック軸の最大ストローク量が規定される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来の動力舵取装置では、係合孔が形成される端面は、ラック軸の最大ストローク量を規定するストッパ面でもあるため、パイプ(ハウジングに相当)へのシリンダエンド(ラック軸ストッパに相当)の螺着時に、係合孔に係合された工具から係合孔に作用する力により、係合孔の端面寄りの縁部が変形して隆起することがあった。 【0005】このようにストッパ面に隆起部が形成されると、最大ストローク量は、この隆起部にボールジョイント16,17が当接した位置で決定されるため、設定された最大ストローク量よりも小さくなって、操舵範囲が狭くなる難点があった。また、隆起部の形成形態がボールジョイント16,17に対して偏って当接する場合には、ラック軸が傾斜して、ラック軸を支持するブッシュの支承面に大きな荷重で接触し、その状態からラック軸が軸方向に移動することになるため、ブッシュの摩耗が増大して、ブッシュの耐久性の低下を招来していた。 【0006】本出願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1ないし請求項3記載の発明は、ラック軸ストッパを螺着するための工具によるラック軸ストッパのストッパ面の変形または最大ストローク量の変化を防止して、設定された最大ストローク量が得られる車両用ステアリング装置を提供することを共通の目的とする。そして、請求項3記載の発明は、さらに、ラック軸ストッパに設けられる軸受ブッシュの耐久性の向上を図ることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段および発明の効果】本出願の請求項1記載の発明は、操舵輪に連動連結されて軸方向に移動自在とされたラック軸と、該ラック軸を収容するハウジングと、該ハウジングに螺着されて前記ラック軸が貫通するラック軸ストッパとを備え、該ラック軸ストッパには、前記ラック軸の最大ストローク量を規定するストッパ面および該ラック軸ストッパを前記ハウジングに対して相対回動させて着脱するための工具が係合する係合部が設けられた車両用ステアリング装置において、前記係合部は、前記ラック軸の前記最大ストローク量を越える移動方向に、前記ストッパ面から所定距離だけ離れて位置しており、該所定距離は、前記工具との係合により生じる前記係合部の縁部の変形が前記最大ストローク量を変化させない値に設定されている車両用ステアリング装置である。 【0008】この請求項1記載の発明によれば、係合部は、ストッパ面からさらに最大ストローク量を越える移動方向に、前記所定距離だけ離れた位置にあるので、ハウジングに対してラック軸ストッパが着脱される際に、工具と当接する係合部の縁部が工具から受ける力により変形して、該縁部に隆起部が形成されたとしても、該隆起部がストッパ面に生じることがなく、または隆起部がストッパ面から突出してラック軸と当接することを防止して、ラック軸の設定された最大ストロークが変化しないようにすることができる。 【0009】その結果、ストッパ面と工具の係合部とが設けられたラック軸ストッパを備えた車両用ステアリング装置において、ストッパ面は工具によるラック軸ストッパの変形の影響を受けないので、ラック軸の設定された最大ストローク量が得られ、したがって設定された操舵範囲での操舵が可能となる。 【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用ステアリング装置において、前記ストッパ面には、該ストッパ面から前記所定距離だけ離れた底面を有する凹部が設けられ、前記係合部は、該底面に設けられた切欠または穴であるものである。 【0011】この請求項2記載の発明によれば、ストッパ面から前記所定距離だけ離れた位置にある係合部は、ストッパ面に、ストッパ面から前記所定距離だけ離れた位置にある底面を有する凹部を設けて、該凹部の底面に切欠または穴を設けるだけで形成される。その結果、請求項1記載の発明の効果に加えて、前記所定距離だけ離れた係合部を、ストッパ面に凹部を設け、該凹部の底面に切欠または穴を設けることで容易に形成できる。 【0012】請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の車両用ステアリング装置において、前記ラック軸ストッパには、前記ラック軸を前記軸方向に滑動自在に支持する軸受ブッシュが設けられているものである。 【0013】この請求項3記載の発明によれば、ラック軸がストッパ面に当接したとき、ストッパ面には係合部に係合される工具により形成される隆起部がないか、または係合部の縁部に形成される隆起部が突出することがないので、ラック軸とストッパ面との当接によりラック軸が傾斜することはない。そのため、軸受ブッシュに対してラック軸が偏って接触することに起因する軸受ブッシュの摩耗が防止される。 【0014】その結果、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、ラック軸ストッパに設けられた軸受ブッシュの、係合部の縁部の隆起部に起因する摩耗が防止されて、軸受ブッシュの耐久性を向上させることができる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本出願発明の実施形態を図1ないし図6を参照して説明する。図1は、本出願発明の車両用ステアリング装置の第1実施形態である自動車用のエンドテイクオフ型の油圧式パワーステアリング装置1のラック軸4の軸方向に沿った部分断面図である。このパワーステアリング装置1は、ラックアンドピニオン式のものであり、車両の左右方向(図1における左右方向と一致している)に略水平に延びる略円筒状のラック軸ハウジング2と、ラック軸ハウジング2の右端部2Rの近傍で斜め上方に向けて延びるピニオンハウジング3とから構成されるギヤボックスハウジングを備える。なお、以下の実施形態の説明においては、特に断らない限り、「左右」は、車両における左右を意味するものとする。 【0016】ラック軸ハウジング2には、ラック軸4がその軸方向である左右方向に直線移動自在に収容されている。一方、ラック軸ハウジング2と一体成形された下部ハウジング3Lと、下部ハウジング3Lの上部に結合された上部ハウジング3Uとを備えたピニオンハウジング3には、操舵輪に連結された入力軸5が回転自在に支持され、さらに入力軸5とトーションバーを介して連結された回転自在な出力軸(図示されず)と、入力軸5と出力軸との相対回転により後述する一対の油圧室10,11の作動油の油圧を制御すべく、各油圧室10,11に対する作動油の給排を制御する制御バルブ(図示されず)とが収容されている。そして、下部ハウジング3L内で、出力軸の下部に形成されたピニオンが、ラック軸4に形成されたラック歯と噛合していて、ピニオンの回転によりラック軸4が前記軸方向(左右方向)に移動する。したがって、ラック軸4は、入力軸5、出力軸等を介して操舵輪に連動連結されており、操舵輪の操作に基づいてラック軸4が前記軸方向に移動する。 【0017】ラック軸ハウジング2およびラック軸4についてさらに説明する。ラック軸ハウジング2は、中間部2Mと該中間部2Mの左右側方の左端部2Lおよび右端部2Rとからなり、ラック軸ハウジング2の略中央から左方に位置する中間部2Mおよび左端部2Lの一部はパワーシリンダ6を形成し、ラック軸4は、このパワーシリンダ6の左右の端部に設けられた左右一対の側壁7,8を貫通して、パワーシリンダ6内を通って前記軸方向に延びている。さらに、パワーシリンダ6内に位置するラック軸4には、パワーシリンダ6に摺動自在に嵌合して、パワーシリンダ6内を前記軸方向に往復動するパワーピストン9が一体的に固着され、パワーシリンダ6内に、パワーピストン9を挟んでその左右の両側方であって、パワーピストン9と左右の側壁7,8との間に、左右の油圧室10,11がそれぞれ画成される。 【0018】また、両油圧室10,11には、ピニオンハウジング3に収容された前記制御バルブの動作に基づいて作動油を給排するための油圧管12,13がそれぞれ接続される。そして、前記制御バルブは、操舵トルクに応じて、図示されないオイルポンプから圧送された作動油を、該制御バルブ内の供給路および両油圧管12,13の一方を介してパワーシリンダ6の両油圧室10,11の一方に供給し、両油圧室10,11の他方の作動油を、両油圧管12,13の他方および該制御バルブ内の還流路を介して、図示されないリザーバタンクに還流させる。 【0019】ラック軸ハウジング2の左端部2Lは、中間部2Mの内径よりも大きな内径を有すると共に左方に向かって開放する大径部から構成され、ラック軸ハウジング2の右端部2Rは、中間部2Mの内径よりも大きな内径を有すると共に右方に向かって開放する大径部から構成される。 【0020】さらに、ラック軸4の左右の端部には、一対のタイロッド14,15の一端部がそれぞれボールジョイント16,17を介して連結され、ラック軸ハウジング2の左右の端部と両タイロッド14,15とにそれぞれ跨って、ボールジョイント16,17を覆う伸縮自在な防塵用のブーツ18,19が装着される。そして、各タイロッド14,15は、図示されないが、その他端部に螺合されるタイロッドエンドさらにリンク機構を介して転舵輪に連結される。また、両ボールジョイント16,17は、ラック軸4の左右の端部にそれぞれ螺着された一対の軸受体16a,17aと、両タイロッド14,15のそれぞれ一端部に設けられた球体部16b,17bとを備え、球体部16b,17bは軸受体16a,17aに設けられた軸受凹部に離脱不能に収容されている。また、ラック軸4の左右の端面と両軸受体16a,17aとのそれぞれの間には、ラック軸4に対する軸受体16a,17aの回動を防止するロックワッシャ20,21が挟持されている。 【0021】ここで、パワーシリンダ6の両側壁7,8について説明する。パワーシリンダ6の右側壁8は、ラック軸4が前記軸方向に貫通する貫通孔を有して中間部2Mの内周に設けられた段部に載置された支持板22と、支持板22の左端面に当接して支持されると共に段部の内周に装着されたオイルシール23とから構成される。 【0022】つぎに、パワーシリンダ6を構成する中間部2Mから左端部2Lの一部にかけて配置された左側壁7は、図2に図示されるように、パワーシリンダ6のシリンダエンドでもあるラック軸ストッパ24と、ラック軸ストッパ24の後述する小径部24aの右端面に当接して支持されると共に中間部2Mの内周に装着されたオイルシール25とから構成される。このうち、ラック軸ストッパ24は、左油圧室10を画成する中間部2Mの内周に形成された雌ねじ部2M1に螺合する雄ねじ部24a1が外周に形成された小径部24aと、小径部24aの外径よりも大きな外径を有して左端部2Lに嵌合された大径部24bと、ラック軸4が前記軸方向に貫通する貫通孔26とを有する段付きの円筒状の部材からなる。小径部24aの外周と大径部24bの外周との境に形成されるラック軸ストッパ24の段部24cは、ラック軸ストッパ24がパワーシリンダ6に螺着された状態で、パワーシリンダ6の左端部2Lと中間部2Mと境の内周に形成された段部6aに当接して、パワーシリンダ6に対するラック軸ストッパ24の前記軸方向での固定位置を規定する。さらに、ラック軸ストッパ24の小径部24aの内周には、ラック軸4を滑動自在に支承する合成樹脂製の軸受ブッシュ27が装着されている。なお、この軸受ブッシュ27の装着部分には、グリースを充填するようにしてもよい。 【0023】このラック軸ストッパ24の左端面は、ラック軸4が右方向に移動したとき、左ボールジョイント16の軸受体16aの右端面に接触しているロックワッシャ20が当接することで、ラック軸4の右方向への最大ストローク量を規定するストッパ面28となっており、ラック軸4の軸線に対して略直交する平面から構成されている。このストッパ面28には、図3に図示されるように、大径部24bの外周よりも径方向内方に、左方および貫通孔26に向かって開放する切欠からなる複数個、例えば4個の凹部29が、略同一円周の上でかつ周方向に略等間隔に設けられる。 【0024】さらに、各凹部29の内面である底面29aには、左方および貫通孔26に向かって開放する切欠からなる係合部30が設けられる。各係合部30の縁部は底面29aの一部となっており、この底面29aは、凹部29の内面である側面29bと係合部30とにより形成される段部の段差面となっている。 【0025】それゆえ、ボールジョイント16,17が螺着されていないラック軸4がオイルシール25およびラック軸ストッパ24を貫通した状態で、ラック軸ストッパ24のこれら係合部30に、ラック軸4の左端側から、図中二点差線で示す工具31が係合され、この工具31を回動させてラック軸ストッパ24を回動し、ラック軸ストッパ24の雄ねじ部24a1をパワーシリンダ6の雌ねじ部2M1に対して進退動させることで、ラック軸ストッパ24がパワーシリンダ6に対して着脱される。 【0026】ここで、各凹部29の内面である底面29aの前記軸方向の位置は、ラック軸4の最大ストローク量を越える移動方向に、すなわち右方向に、ストッパ面28から所定距離Dだけ離れている。この所定距離Dは、係合部30に係合された工具31が、パワーシリンダ6に対してラック軸ストッパ24を脱着するために回動操作された際に、工具31からの力が作用する係合部30の周方向の縁部が変形されて隆起部が形成されたとしても、その隆起部がストッパ面28に生じないか、もしくは該隆起部の先端がストッパ面28から突出しないようにして、ラック軸4の設定された最大ストローク量が小さくならないように、適宜設定される。 【0027】なお、図示されていないが、ラック軸ハウジング2の右端部2R寄りの内周には、ラック軸4が左方向に移動したとき、右ボールジョイント17の軸受体17aの左端面に接触しているロックワッシャ21が当接することで、ラック軸4の左方向への最大ストローク量を規定するストッパ面を形成する段部が設けられている。 【0028】次に、前述のように構成された第1実施形態の作用および効果について説明する。操舵輪が操舵されて、入力軸5、出力軸等を介して操舵輪に連動連結されたラック軸4が前記軸方向(左右方向)に移動すると、両タイロッド14,15がラック軸4と一体に前記軸方向に移動して、左右の転舵輪の転舵が行なわれる。同時に、前記制御バルブにより車輪の操舵トルクに応じて制御された作動油が、両油圧管12,13を介して左右の油圧室10,11に対して給排され、パワーピストン9に作用する両油圧室10,11の油圧の差圧に基づく操舵補助力が、ラック軸4およびタイロッド14,15に伝達され、運転者による転舵輪の転舵を助勢する。 【0029】そして、このようにラック軸4が前記軸方向の移動したとき、その右方への最大ストローク量は、パワーシリンダ6の左側壁7を構成するラック軸ストッパ24のストッパ面28に、ロックワッシャ20が当接することにより、また左方への最大ストローク量は、ラック軸ハウジング2の右端部2R寄りに位置する段部からなるストッパ面にロックワッシャ21が当接することにより、それぞれ規定される。 【0030】ここで、ラック軸ハウジング2の一部であるパワーシリンダ6にラック軸ストッパ24を着脱するための工具31が係合するラック軸ストッパ24の係合部30は、ストッパ面28からさらに最大ストローク量を越える移動方向(右方向)に、工具31との係合により生じる係合部30の縁部の変形が最大ストローク量を変化させない値に設定された所定距離Dだけ離れた位置にあるので、パワーシリンダ6に対してラック軸ストッパ24が着脱される際に、工具31と当接する係合部30の縁部が工具31から受ける力により変形して、該縁部に隆起部が形成されたとしても、該隆起部がストッパ面28に生じることがなく、または隆起部がストッパ面28から突出してロックワッシャ20と当接することを防止して、ラック軸4の設定された最大ストロークが変化しないようにすることができる。 【0031】その結果、ストッパ面28と工具31の係合部30とが設けられたラック軸ストッパ24を備えたパワーステアリング装置1において、ストッパ面28は工具31によるラック軸ストッパ24の変形の影響を受けないので、ラック軸4の設定された最大ストローク量が得られ、したがって設定された操舵範囲での操舵が可能となる。 【0032】ストッパ面28から前記所定距離Dだけ離れた位置にある係合部30は、ストッパ面28に、ストッパ面28から前記所定距離Dだけ離れた位置にある底面29aを有する切欠からなる複数の凹部29を設けて、該凹部29の底面29aに切欠を設けるだけで形成される。その結果、前記所定距離Dだけ離れた係合部30を、ストッパ面28に凹部29を設け、該凹部29の底面29aに切欠を設けることで容易に形成できる。 【0033】ラック軸4がストッパ面28に当接したとき、ストッパ面28には係合部30に係合される工具31により形成される隆起部がないか、または係合部30の縁部に形成される隆起部がストッパ面28から突出することがないので、ラック軸4とストッパ面28との当接によりラック軸4が傾斜することはない。そのため、軸受ブッシュ27に対してラック軸4が偏って接触することに起因する軸受ブッシュ27の摩耗が防止される。 【0034】その結果、ラック軸ストッパ24に設けられた軸受ブッシュ27の、工具31との係合により形成される係合部30の縁部の隆起部に起因する摩耗が防止されて、軸受ブッシュ27の耐久性を向上させることができる。 【0035】次に、図4ないし図6を参照して、本出願発明の第2実施形態を説明する。この第2の実施形態は、第1実施形態とは、ラック軸ストッパのみが相違し、その他は同一の構成を有するものである。そのため、同一の構成についてはその説明を省略するかまたは簡略にして、主にラック軸ストッパについて説明する。なお、図4ないし図6において、第1実施形態における部材と同一または該部材に相当する部材については、第1実施形態と同一の符号を使用している。 【0036】ラック軸ストッパのストッパ面28には、略同一円周上で周方向に等間隔に、左方に開放する複数個、例えば4個の円柱状の穴からなる凹部40が設けられ、各凹部40の内面である底面40aには、凹部40と同心に、凹部40の内径よりも小さい径を有する円柱状の穴からなる係合部41が設けられる。 【0037】ここで、各底面40aの前記軸方向の位置は、ラック軸4の最大ストローク量を越える移動方向に、すなわち右方向にストッパ面28から所定距離Dだけ離れている。そして、この所定距離Dは、係合部41に係合された工具42が、パワーシリンダ6に対してラック軸ストッパ24を脱着するために回動操作された際に、工具42からの力が作用する係合部41の周方向の縁部が変形されて隆起部が形成されたとしても、その隆起部がストッパ面28に生じないか、もしくは該隆起部の先端がストッパ面28から突出しないようにして、ラック軸4の設定された最大ストローク量が小さくならないように、適宜設定される。それゆえ、この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。 【0038】以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。 【0039】前記第2実施形態において、凹部40の内面である側面40bは、同一の直径を有するものであったが、ストッパ面28に近づくにつれて拡開した穴となるようにテーパ面としてもよく、このようにすると、係合部41へ工具42を挿入する際、このテーパ面が工具42の案内面となり、係合部41へ挿入が容易になる。。 【0040】ステアリング装置は、前記各実施形態では、油圧式パワーステアリング装置1であったが、電動式パワーステアリングであってもよく、その場合には、ラック軸ストッパは、オイルシールを支持するパワーシリンダのシリンダエンドを兼ねることなく、単なるラック軸ストッパとして機能する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000146010 【氏名又は名称】株式会社ショーワ
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| 【出願日】 |
平成12年3月17日(2000.3.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067840 【弁理士】 【氏名又は名称】江原 望 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−260914(P2001−260914A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月26日(2001.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−77053(P2000−77053) |
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