| 【発明の名称】 |
電 車 |
| 【発明者】 |
【氏名】田島 辰哉
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| 【要約】 |
【課題】カーブ走行経路部での走行時の車体のカーブ内側への偏心量が少なく、超低床形路面電車として活用できる電車を提供すること。
【解決手段】中間の客室部2を挟んで前後両端に運転室部3,4を有する電車1を前後両端の運転室部3,4とその間の客室部2とに分離し、前後両端の運転室部3,4の底部に台車ユニット5,6が取り付けられ、この前後両端の運転室部3,4と中間の客室部2とは、連結手段26,27により左右水平方向に相対揺動可能に連結され、中間の客室部2は、前後両端の運転室部5,6より低床構造に構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】中間の客室部を挟んで前後両端に運転室部を有する電車を前後両端の運転室部とその間の客室部とに分離し、前後両端の運転室部の底部に台車ユニットが取り付けられ、この前後両端の運転室部と中間の客室部とは、左右水平方向に相対揺動可能に連結され、中間の客室部は、前後両端の運転室部より低床構造とした電車。 【請求項2】前記台車ユニットは、前後両端の運転室部の底部の前後両端ぎりぎりの位置に車輪が位置するように取り付けられてなる請求項1に記載の電車。 【請求項3】前後両端の運転室部と中間の客室部とをつなぐ通路部を備え、この通路部の上下両側に、前後両端の運転室部と中間の客室部とを左右水平方向に相対揺動可能に連結する連結手段が配設されている、請求項1又は2に記載の電車。 【請求項4】中間の客室部の前後両端側部に乗降口または降口が配設され、前記通路部と客室部との境界付近に運賃箱が配設されている、請求項3に記載の電車。 【請求項5】前記運賃箱が前記通路部を開閉するように移動可能に構成されている、請求項4に記載の電車。 【請求項6】前後両端の運転室部の前側及び左右両側の底部に、台車ユニットを隠すスカート部を備えている、請求項1〜5の何れかに記載の電車。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、超低床形路面電車として活用できる電車に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図6Aに示すように、中間の客室部Aを挟んで前後両端に運転室部B,Cを備えた単車形路面電車として使用される電車は、それぞれが前後2軸の台車ユニットD1,D2により車体Eの前後両端部が垂直回転軸心F1,F2の周りで回転可能に支持されるものであるが、この種の電車の客室部Aの床面の地上高を低くするためには、前後の台車ユニットD1,D2を可能な限り電車の前後両端に寄せて配置し、前後の台車ユニットD1,D2間で中間の客室部Aの床を下げる必要がある。即ち、客室部Aを低床構造とするためには、前後の台車ユニットD1,D2間の間隔を長くしなければならない。 【0003】一方、前後の台車ユニットD1,D2間の間隔が長くなればなるほど、両台車ユニットD1,D2の垂直回転軸心F1,F2間の距離が長くなるので、カーブ走行経路部に於ける前後の台車ユニットD1,D2間の車体Eのカーブ中心側への偏心量Δが大きくなり、カーブ走行経路部の内外両レールR1,R2の内、内側レールR1の外側(カーブ中心側)には、直進走行経路部に於ける同レールR1からの車体Eの出っ張り量よりも格段に広い、車体が安全に通過し得るだけの十分な空間を確保しておく必要がある。特に電車の走行経路を柵等で囲うことができない路面電車の場合、カーブ走行経路部の内側に障害物が入り込んで事故につながる恐れも大きくなり、障害物の立入りを防止するための花壇等の設置に際しても、カーブ走行経路部の内側レールR1との間に広い空間を確保しなければならない。 【0004】又、車体Eの横巾と台車ユニットD1,D2の横巾との差を小さくして、車体Eの安定性を高めようとすると、垂直回転軸心F1,F2の周りに回転しなければならない台車ユニットD1,D2の横側方を開放しておく必要があり、台車ユニットD1,D2の左右両外側を車体の外側面と面一のカバー部材で覆うことができない。従って、単に車体のデザインに制約を受けることになるだけでなく、外側から台車ユニット部D1,D2へ障害物が入り込んで事故につながる恐れも大きくなる。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は上記のような従来の問題点を解消し得る電車を提供することを目的とするものであって、その手段を後述する実施形態の参照符号を付して示すと、中間の客室部2を挟んで前後両端に運転室部3,4を有する電車1を前後両端の運転室部3,4とその間の客室部2とに分離し、前後両端の運転室部3,4の底部に台車ユニット5,6が取り付けられ、この前後両端の運転室部3,4と中間の客室部2とは、左右水平方向に相対揺動可能に連結され、中間の客室部2は、前後両端の運転室部5,6より低床構造に構成されている。 【0006】又、好ましくは、前記台車ユニット5,6は、前後両端の運転室部3,4の底部の前後両端ぎりぎりの位置に車輪7a〜8bが位置するように取り付けられてなるものである。 【0007】上記構成の本発明電車を実施するについて、前後両端の運転室部3,4と中間の客室部2とをつなぐ通路部28,29を設け、この通路部28,29の上下両側に、前後両端の運転室部3,4と中間の客室部2とを左右水平方向に相対揺動可能に連結する連結手段26,27を配設することができる。 【0008】又、中間の客室部2の前後両端側部に乗降口39を配設し、前記通路部28,29と客室部2との境界付近に運賃箱34,35を配設することができる。この場合、前記運賃箱34,35を、前記通路部28,29を開閉するように移動可能に構成することができる。 【0009】更に、前後両端の運転室部3,4の前側及び左右両側の底部には、台車ユニット5,6を隠すスカート部45,46を配設することができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下に本発明の好適実施形態を添付図に基づいて説明すると、図1〜図5に於いて、1は中間の客室部2を挟んで前後両端に運転室部3,4を有する電車であって、前後両端の運転室部3,4とその間の客室部2とに3分割されている。前後の運転室3,4には、その底部に台車ユニット5,6が固定されている。これら台車ユニット5,6は、左右一対前後二組の車輪7a,7b及び8a,8bを備えたもので、例えば左右横置きのモーターにより前後二組の車輪7a,7b及び8a,8bの内、少なくとも一組が正逆回転駆動される。しかして、前後の運転室部5,6の前後方向長さは、これら運転室部3,4の底部の前後両端部、好ましくは両端部ぎりぎりの位置に台車ユニット5,6の車輪7a,7b及び8a,8bが位置するように設定されている。勿論、場合によっては、台車ユニット5,6の前後に機器を配置するための空間を確保するために、台車ユニット5,6の前後方向長さより運転室部3,4の前後方向長さを多少長くすることも可能である。 【0011】中間の客室部2は、その前後の運転室部3,4よりも低床構造に構成されている。具体的には、客室部2の床9は、地上高が300〜400mm、好ましくは350mm程度の超低床構造に構成され、その前後の運転室部3,4の床10,11は、その底部に従来周知の台車ユニット5,6を配設できるように、地上高が800〜850mm、好ましくは815mm程度に構成されている。なお、従来周知の台車ユニットは、車体底部に垂直軸心の周りに回転可能に取り付けられるものであるのに対し、本発明に於ける前後の運転室部3,4の底部に取り付けられる台車ユニット5,6はその必要がなく、単に固定すれば良いので、前後の運転室部3,4の床10,11の地上高は、比較的低くすることができる。 【0012】客室部2及び運転室部3,4の車体外側の天井12〜14は、前後の運転室部3,4の正面上端部より低く構成されると共に、これら客室部2及び運転室部3,4の天井12〜14の左右両側には、前後の運転室部3,4の正面上端部と同一高さまで車体の側面から連続して立ち上がるサイドカバー部15〜17が連設され、これら左右両サイドカバー部15〜17の間で天井12〜14上に各種機器が分散設置されている。例えば、客室部2の天井12上には、集電ユニット(シングルアームパンタグラフ等)18、制御装置19、クーラー室外装置20、その他の機器を設置し、一方の運転室部3の天井13上には、ブレーキ用抵抗器21を設置し、他方の運転室部4の天井14上には、電源装置22を設置することができる。 【0013】客室部2の内側天井23は、クーラー室内装置等の設置空間を確保する関係から、運転室部3,4の内側天井24,25よりも若干低くなっているが、床9の地上高を前記のように十分低くしているので、室内高さは2000mm以上、好ましくは2250mm程度は確保することができる。 【0014】客室部2と前後の運転室部3,4とは、それぞれ連結手段26,27により左右水平方向に相対揺動可能に連結されると共に、客室部2と前後の運転室部3,4との間には、この両者間で運転者等が行き来するための通路部28,29が設けられている。この通路部28,29は、予想されるカーブ走行経路部の最小曲率半径と車体の横巾とに照らして、必要最小限の長さ、例えば600mm程度の長さに構成されるもので、図3及び図5に示すように、運転室部3,4の床10,11と略同一レベルで客室部2側及び運転室部3,4側からそれぞれ延出する歩行板30,31を互いに摺接可能に重ね合わせて構成した床部32と、この床部32上の通路空間の周囲を取り囲む蛇腹状囲壁33とから構成されており、当該通路部28,29と客室部2との境界付近、例えば通路部28,29の客室部側端部に、これら通路部28,29を開閉する扉を兼用するように運賃箱34,35がそれぞれ垂直軸心34a,35aの周りに回動可能に配設されている。勿論、これら運賃箱34,35は、客室部2の左右巾方向にスライドさせて通路部28,29を開閉するように構成しても良いし、この運賃箱34,35の横を通路として利用できる程度に通路部28,29の横巾が広い場合は、運賃箱34,35を固定することもできる。 【0015】連結手段26,27は、図3及び図5に示すように、前記通路部28,29を構成する蛇腹状囲壁33の下側と上側とに振り分けて上下一対配設されており、客室部2側から突設された軸受部材36と運転室部3,4側から突設された軸受部材37とを上下同心状の垂直支軸38により相対揺動自在に連結して成るものである。勿論、連結手段26,27が十分な牽引強度を有するものであれば、通路部28,29の上下何れか、例えば下側にのみ配設しても良い。 【0016】なお、客室部2には、その前後両端の左右両側部に乗降口39が配設され、その室内には、前後の乗降口39の間で左右両側に乗客用座席40が並設される。なおまた、前記客室部の前後両端部には乗客が下車専用の降口39を設け、図示しないが、客室部の中央部に乗降口あるいは専用乗口を設けるようにしてもよい。乗降口39には、スライドドアー等が併設される。前後の運転室部3,4内には中央一箇所に運転手用座席41が設置され、この運転手用座席41の正面には運転用制御盤42が配設されている。又、停留場等に於いて、中間客室部2と前後の運転室部3,4との間に人や他の障害物が入り込むのを防止するため、中間客室部2の前後両端の左右両側辺と運転室部3,4の客室部側端部の左右両側辺とに、電車が最小曲率半径のカーブ走行経路部を走行するのを妨害しない程度の突出量を持つ、ゴム等の弾性材から成るバンパー43,44を付設することができる。更に、前後の運転室部3,4の前側及び左右両側の底部には、台車ユニット5,6を隠すスカート部45,46を配設することができる。このスカート部45,46は、運転室部3,4の外側面と面一に連続するように構成するのが望ましい。 【0017】 【発明の効果】以上のように実施することのできる本発明の電車によれば、中間の客室部に左右水平方向揺動可能に連結された前後の運転室部の底部に台車ユニットが配置されているにもかかわらず、図6Bに基づいて実施形態の参照符号を付して説明すると、電車1がカーブ走行経路部を走行するときの台車ユニット側(運転室部3,4)と車体側(客室部2)との間の左右水平方向の相対揺動中心(連結手段26,27の垂直回転軸心38)が、前後の運転室部3,4と中間客室部2との連結位置、即ち、台車ユニット5,6の中心位置よりも電車中間部の客室部2側に寄った位置にあるため、カーブ走行経路部に於ける前後の台車ユニット5,6間の車体(中間客室部2)のカーブ中心側への偏心量Δが小さくなる。 【0018】従って、カーブ走行経路部の内側レールR1の外側(カーブ中心側)に安全のために確保しなければならない空間が狭くて済み、特に電車の走行経路を柵等で囲うことができない路面電車の場合であっても、カーブ走行経路部の内側に入り込んだ障害物が事故につながる恐れも小さくなり、障害物の立入りを防止するための花壇等の設置に際しても、カーブ走行経路部の内側レールとの間に確保しなければならない遊び空間を小さくできる。 【0019】そして、台車ユニットの長さと余り変わらない長さとなる運転室部間に低床構造の客室部を連結配置するのであるから、低床構造客室部の電車全体の全長に締める割合を大きくして、電車の乗客利用効率を高めることができる。 【0020】又、車体は大きいが構造がシンプルで構成部品も少なくて済む中間客室部と、車体は小さいが精密機械部品や電気部品の集合体であって構造が極めて複雑な前後の運転室部とに3分割されているので、中間客室部と前後の運転室部とを別々の製造設備を利用してそれぞれ独自の日程で製造し、最終的に組立工場に於いて連結一体化することができるので、生産効率を高めてコストダウンを図ることが容易になる。又、点検修理も、中間客室部と前後の運転室部とを分離してそれぞれ専用の設備により効率良く行えると共に、修理や交換を中間客室部と前後の運転室部とに分けて各別に行えるので、車両の稼働効率も高めることができる。 【0021】特に請求項2に係る発明のように、中間の客室部に左右水平方向揺動可能に連結された前後の運転室部に、その底部の前後両端ぎりぎりの位置に車輪が位置するように台車ユニットを取り付けた場合に、前後両端部の台車ユニットの間に低床構造の客室部をより広く余裕をもって設けることができるにもかかわらず、カーブ走行経路部に於ける前後の台車ユニット5,6間の車体(中間客室部2)のカーブ中心側への偏心量Δが小さくすることができ、低床タイプの路面電車として極めて有効である。 【0022】なお、請求項3に係る発明によれば、底部に台車ユニットを備えていて高床構造となる前後の運転室部には、低床構造である中間客室部を通じて出入りすることができるので、前後の運転室部に乗降口を設けて直接出入りすることができるように構成しなければならない場合と比較して、運転室部に対する運転手等の出入りが安全且つ容易になるばかりでなく、運転室部の構造が簡単になり且つ小型に構成し易くなる。しかも、前後の運転室部と中間客室部とは上下一対の連結手段で連結することになるので、十分な連結強度(牽引強度)を得ることができる。 【0023】又、請求項4に記載の構成によれば、運転室部に搭乗する運転手が後方を向くことにより、又は必要に応じて後側の客室部との間の通路部内に移動するだけで、客室部の前後両端側部の乗降口を出入りする乗客や運賃箱に運賃を投入する乗客と容易に会話を交わしたり、運賃箱に対する釣銭支払いなどの操作が容易にでき、運転手が車掌を兼務するワンマンカー方式で運行する場合でも支障がない。 【0024】この場合、請求項5に記載の構成によれば、客室部内の乗客が前記通路部を経由して運転室部内に入り込むのを、当該通路部を開閉する扉兼用の運賃箱によって防止することができる。又、運賃箱の横に通路空間を確保できる程に通路部の横巾を広げる必要がなく、必要最小限の横巾の通路部により所期の目的を達成できる。 【0025】更に、請求項6に記載の構成によれば、前後の運転室部の正面側だけでなく左右両側も台車ユニットをスカート部で隠すことができるので、台車ユニット部への障害物の巻き込み事故が生じる恐れも少なくなり、安全性が高まるだけでなく、電車全体のデザインに対する制約も少なくなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000101709 【氏名又は名称】アルナ工機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年4月20日(2000.4.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100069578 【弁理士】 【氏名又は名称】藤川 忠司
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| 【公開番号】 |
特開2001−301614(P2001−301614A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月31日(2001.10.31) |
| 【出願番号】 |
特願2000−120054(P2000−120054) |
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